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ボクシング&大相撲NEWS

2015/03/14 08:40

照ノ富士が初日から6連勝 新三役では史上初

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<大相撲春場所>◇6日目◇13日◇大阪・ボディメーカーコロシアム


 新怪物、現る! 新関脇の照ノ富士(23=伊勢ケ浜)が東前頭筆頭の栃煌山(28)を寄り切りで退けて、無傷の6連勝とした。相手十分のもろ差しを許すも、驚異の残り腰で大逆転した。新三役の初日から6連勝は、1場所15日制が定着した49年夏場所以降、史上初。


 照ノ富士のすごさが詰まった一番だった。栃煌山が得意とするもろ差しを許し、懐に深く入られた。「苦しかったっす。投げても投げても落ちないから、どうしようかと思った」。相手十分の体勢に、誰もが敗戦を確信した。だが、ここからが真骨頂だ。腰を振ってまわしを切ると、一気に右を差して寄り切った。「差した瞬間に勝ったと思った。相手の握力がもうなくなってたんじゃないですか?」。一瞬の変化を見逃さず、冷静に振り返る余裕さえあった。相撲ファンが、そして力士たちがうなった。


 万全ではない状態で、史上初となる新三役で無傷の6連勝だ。先月末に右太ももの肉離れが発覚。現在も痛み止めを飲んでおり、4日目からは腹痛で夜中に何度も目覚め、食事も満足にとれない状況が続く。体重計には「怖くて乗ってない」と言うが「逆に軽くなっていいのかもね」と、逆境すら前向きに捉える明るい性格。「腹に力が入ったらもっとすごいと思う」と、すごみは増すばかりだ。


 191センチ、180キロの大きな体で「将来の横綱候補」と期待されるパワーは規格外だ。兄弟子の日馬富士と週4回、ジムでトレーニングを始めて1年で、ベンチプレス200キロ、スクワットは330キロを上げる。さらに場所前には体重を稽古で175キロまで落とし、場所前1週間で戻す独自の調整法で力をため込む。夏場でも長袖の衣服を着込んで汗をかくほどの徹底ぶりで「こうすると力が出るっすよ。減量は努力。逸ノ城にはできないでしょ?」。10年3月に同便で来日した後輩を引き合いに笑いを誘った。


 その逸ノ城は一足先に快進撃を見せ人気者になったが、自身の人気は「ない、ない」と控えめ。だが支度部屋を出ると大勢のファンに囲まれた。「照ノ富士の名前が残るなぁ」としみじみ話す23歳の大ブレークは、すぐそこまで迫っている。【桑原亮】


 ◆新三役の初日からの連勝 1場所15日制以降では、照ノ富士が新記録。益荒雄は1横綱4大関撃破の5連勝で「白いウルフ」の異名を取った。通常、同じ三役でも序盤に横綱・大関と当たるのは小結の方が多い(今場所は玉鷲4番、妙義龍3番に対し照ノ富士なし)ため関脇の方が序盤の星は稼ぎやすい。なお、昭和以降の15日制以前では五ツ島の7連勝(40年5月)、東富士の6連勝(44年11月)がある。



【記事提供:日刊スポーツ新聞社】