【新日本】ファンタズモがワト返り討ちでTV王座快勝V3 ライオンマークに揃ってキス 2025/3/6

『旗揚げ記念日』東京・大田区総合体育館(2025年3月6日)
NJPW WORLD認定TV選手権試合オープンチャレンジ ○エル・ファンタズモvsマスター・ワト×

 ファンタズモがオープンチャレンジで挑戦してきたワトを返り討ち。TV王座V3を果たすと、旗揚げ記念日に合わせて2人でリングのライオンマークにキスしてみせた。

 TV王者のファンタズモは2・3後楽園大会でジェフ・コブを返り討ちにしてV2に成功した。王者としてNEW JAPAN CUPにもエントリーしており、3・9尼崎大会で行われる1回戦ではグレート-O-カーン戦が控える中、大田区大会のオープニングマッチでTV王座のオープンチャレンジを実施。当日発表の相手を迎え撃つ形になった。

 邪道を引き連れてリングに上がったファンタズモが「誰でもいい。出てこい。若いヤツでも邪道のようなおじさんでもいい」とアピールする。観客とのコール&レスポンスで「ELP」コールを巻き起こし、邪道との対戦までほのめかしたが、そこに現れたのはジュニアのワトだった。

 スピーディな先制争いで幕開け。元ジュニアヘビー級のファンタズモは空中戦でも一歩も引かなかったが、プランチャは避けられて不発に。すかさずワトはコルバタで鉄柵に衝突させると、リングに舞い戻り、トペコンヒーロを敢行。ペースを握った。スワンダイブ式エルボースマッシュも華麗に決まる。

 その後も劣勢が続いたファンタズモだったが、エルボーを連発して流れを変えると、高さのあるドロップキックで反撃開始。逆水平をこれでもかと叩き込み、セカンドロープに飛び乗って反転式ボディアタックを発射した。ライオンサルトは避けられても不時着すると、ラリアットで場外に追いやり、プランチャを見舞う。さらに、コーナー最上段からのケブラーダも繰り出した。リングに戻っても、ロープの反動を利用して、スワントーンボム、ライオンサルトを連続投下する。

 CRIIを仕掛けるも、抵抗を続けるワトは飛びつき十字固めで不意を突き、そこからレシエントメンテをズバリ。通天閣ジャーマンを狙っていく。しかし、股の間を抜けるようにして逃れたファンタズモは豪快な投げ捨てジャーマンからサドンデスをぶち込んで逆転。ワトもウラカンラナやスクールボーイなどで丸め込み、ベンダバールで絞め上げたものの、しのいだファンタズモはエルボー合戦からスキを突いてハンドスプリング式ラリアットを一閃。変型バーニングハンマーもさく裂した。

 ワトは通天閣ジャーマンで一発逆転を迫ったものの、ファンタズモはギリギリでキックアウト。ワトがコーナーに上がったところをファンタズモはジャンピングハイキックで足止めすると、コーナー最上段から雪崩式フランケンをズバリ。すぐさまサンダーキス'86を投下し、残り1分を切ったところで3カウントを奪った。

 追い込まれる場面もあったものの、終わってみればファンタズモが快勝。TV王座3度目の防衛を果たした。試合後、ワトと抱擁を交わすと、記念すべき旗揚げの日に2人でマットのライオンマークにキスしてみせた。

 「新日本プロレスがどれだけ古いかは重要じゃない。53年間、ここがプロレスのあるべき基準となっている。俺が他の場所じゃなくてここにいるのは、俺がここにいたいからだ」と新日本への思い入れをあらわにしたファンタズモは、「このベルトをできる限り長く保持したい。なぜならこのベルトには何か特別な意味があるかもしれないからだ。様々なスタイルが披露できるだろう」とTV王座に改めて可能性を感じた様子。「俺はこの地球上で最も多彩なレスラーの一人であり、このベルトをワクワクするものにしたいと思っている。このベルトを、観客がこのタイトルのために大会に足を運ぶような、YouTubeで自由に見たくなるようなものにしたい」と今後の防衛ロードに向けて意気込んだ。

 だが、次なる防衛戦の前に、まずは開幕が迫るNEW JAPAN CUPに照準。「オーカーン、ヒョーゴで対戦だな。それからショータはその後だ。その後は誰であろうとゴトーと対戦するまで闘う。それからNJPW WORLD TV王座に戻るとしよう。オープンチャレンジNo.2だ」と1回戦となるオーカーン戦の先に、2回戦で待ち受ける海野翔太戦、IWGP世界ヘビー級王者の後藤洋央紀への挑戦、さらにはオープンチャレンジ第2弾までつなげる青写真を披露した。


【試合後のファンタズモ、邪道】

▼邪道「(※英語で)お前のベルトだ」

▼ファンタズモ「ありがとう、ジャドーサン」

▼邪道「(※マスコミに向かって)拍手、拍手! ほら!」

▼ファンタズモ「(※祝勝席に座り、缶ビールを使ってベルトを立てながら)スタンドにしよう。まぁいい。50年……53年、新日本プロレスがどれだけ古いかは重要じゃない。53年間、ここがプロレスのあるべき基準となっている。俺が他の場所じゃなくここにいるのは、俺がここにいたいからだ。(※缶ビールを持って)マジで冷えてるな! 今年は最高だ。クリス・ベイが歩いていて、『インディー・ジョーンズ』のゲームは面白い。それに冷えたビールもある。ワト、俺の友達、初めてのオープンチャレンジ挑戦者。楽しかったよ。お前は見た目以上にタフだ。今、首に『G1』のフラッシュバックを感じているが、まぁ大丈夫だろう。ワト、ありがとう。楽しかったぞ。オータクの観客はお前のことが大好きだ。『SUPER Jr.』で、お前とティタンが決勝をやっているのをライブで観た。お前は素晴らしい。自分の道を進み続けてくれ。そしていつか、このベルトを手にすることもできるかもしれない。だが今は、俺がこのベルトを持っている。そしてこのベルトをできる限り長く保持したい。なぜならこのベルトには何か特別な意味があるかもしれないからだ。様々なスタイルを披露できるだろう。『WRESTLE KINGDOM』の4WAYマッチで俺が何をしたか見ただろう。オリンピック選手の怪物に対し、俺が何をしたか見ただろう。そして今日は、ジュニアヘビー級の頂点に立つレスラーを前に俺が何をできるかを見た。俺はこの地球上で最も多才なレスラーの一人であり、このベルトをワクワクするものにしたいと思っている。このベルトを、観客がこのタイトルのために大会に足を運ぶような、YouTubeで自由に観たくなるようなものにしたいのだ。だが次は、『NEW JAPAN CUP』だ。オーカーン、お前を無視しているわけじゃないが、注目しているぞ。ショータ、お前に何ができ、お前がどんなことをするのかとても興味がある。上手く話せないな。実際、俺は言葉がうまく喋れない時がある。少しだけだがな。オーカーン、ヒョーゴ(3・9尼崎大会)で対戦だな。それからショータはその後だ。その後は誰であろうとゴトーと対戦するまで闘う。それからNJPW WORLD TV王座に戻るとしよう。オープンチャレンジNo.2だ。(※日本語で)アリガトウゴザイマス」

【ワトの話】「53年目の新日本プロレス。53年間、創ってきた先輩にまずは感謝したいと思います。そしてその53年という年に初口で試合を張れたことを、自分の中では凄く誇りに思います。これからの新日本プロレス、この第1試合から始まって、そして54年目、55年目、そして100年、その先もずっと続けられるように、俺が先頭に立って創っていきたいと思います。これからの時代は俺たちだ」