【新日本】後藤がフィンレー返り討ちでIWGP世界ヘビーV3 4・11シカゴへ海野指名「後藤革命は日本にとどまらない」 2025/4/5

『SAKURA GENESIS 2025』東京・両国国技館(2025年4月5日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○後藤洋央紀vsデビッド・フィンレー×

 後藤がNEW JAPAN CUP覇者のフィンレーを返り討ちにして、IWGP世界ヘビー級王座V3。試合後、4・11シカゴ大会に向けて、次期挑戦者に海野翔太を指名し、「後藤革命は日本だけにとどまらない」と力強く宣言した。

 後藤は2・11大阪大会で悲願のIWGP世界ヘビー級王座初戴冠。防衛戦で棚橋弘至、永田裕志を破ると、V3戦でNEW JAPAN CUP覇者のフィンレーを迎え撃った。フィンレーはこれがIWGP世界ヘビー級王座初挑戦となった。

 両者は昨年の10・14両国大会でGLOBAL王座を懸けて対戦し、当時王者だったフィンレーが激勝。リングサイドで試合を見守った後藤の子供たちが涙を見せたのをせせら笑った。王者ながらも同じ両国でリベンジを狙う荒武者は愛息と愛娘を会場に招待。「彼の言う憎しみや憎悪では愛を打ち破ることはできない」と断言し、後藤革命の継続を誓って、決戦に臨んだ。

 のっけから激しくせめぎ合うシーソーゲームに。どちらも主導権を握れなかったが、フィンレーはロープ際でのラリアットで強引に場外戦に持ち込む。リングサイドにテーブルを設置してパワーボムを狙うも未遂に終わるが、荒武者を強引に抱え上げると、強引に顔面から鉄柱に投げつけた。さらに、パワーボムでも鉄柱に叩きつけようとするが、後藤はひらめきを発揮し、珍しいフランケンシュタイナーで切り返して、逆に鉄柱衝突を誘う。

 リングに戻っても一進一退。後藤は裏GTRからラリアットを狙うも、相打ちに持ち込んだフィンレーが強引なラリアットを再度放って吹き飛ばした。投げ捨てブレーンバスターで放り投げると、ハンマーパンチでメッタ打ちにして、後藤の子供たちに見せつける。さらに、ワンハンドバックブリーカー、カナディアンハンマーと荒技を連発。エプロンに連行すると、テーブルめがけて断崖式パワーボムを狙った。

 だが、後藤はロープを掴んで必死の抵抗。涙を流すジェスチャーで煽りに煽るフィンレーに対し、後藤はテーブルめがけて捨て身の断崖式牛殺しを敢行して大逆転を果たす。フィンレーをリングに押し入れると、GTWで追撃。「後藤」コールの中、GTRの体勢に。

 踏ん張ったフィンレーは体勢を崩しながらもオーバーキルでカチ上げて強引に活路。コーナーへのパワーボム、正調パワーボムと荒々しく攻め立てる。猛抵抗を見せた後藤が奥の手・雪崩式回天を敢行して大歓声を巻き起こしたものの、フィンレーも直後にINTO OBLIVIONでやり返し、しつこくオーバーキルを狙った。

 後藤はヒザをキャッチして粘りを発揮する。フィンレーがプリマノクタを決めても、後藤は負けじと昇天改をズバリ。フィンレーがフォールを返すと、場内が沸騰した。後藤はGTR2連発でフィンレーの動きを止めると、あえてフォールにいかず、リストクラッチ式のGTR改でダメ押し。フィンレーを葬った。

 後藤がNEW JAPAN CUP覇者のフィンレーを返り討ちにして、IWGP世界ヘビー級王座V3。両国は大「後藤」コールに包まれる。マイクを持った後藤は「これはおとぎ話ではない。現実だ! 一緒に戦ってくれてありがとう」と愛する子供たちに感謝。「何度負けようが諦めなければ負けではない。子供たちよ、これからいろんな逆境が襲いかかるかもしれないけれど、生きることだけは諦めるなよ」とメッセージを送った。

 そして、「次はアメリカ・シカゴ。戦いたい相手を見つけました」と4・11シカゴ大会に言及。「海野翔太! 出てこいよ。見てるだろ、翔太。上がってこい」と呼び込んだ。

 海野はこの日、棚橋にシングルマッチで勝利。「新日本プロレス本隊こそが聖域だ!」と本隊として戦っていく決意を見せたが、その海野を荒武者が指名する形に。客席からはブーイングも飛び、海野は花道を下がろうとするが、後藤は「上がれよ。話は終わってねえ」と呼び止めて、リング上で対峙する。

 後藤は「海野、お前にもう迷いはないんだろ。だったら、このベルトを懸けて、俺とお前で戦おうぜ。アメリカで新日本プロレスの戦い、俺と海野の戦いを見せつけてやろうぜ。どうだ?」と問いかけた。ブーイングと「翔太」コールが交錯する中で、海野は「後藤さん、まずは防衛おめでとうございます。パパすごいね、カッコいいね」と後藤の子供たちに声をかけると、「新日本プロレスの本隊の熱い戦いを、全国の、世界の皆様にお届けしましょう。今ある俺のすべてを後藤さんにぶつけて、必ず獲ってやる」と受諾。後藤と握手を交わしてリングを去っていった。

 後藤は「後藤革命は日本だけにとどまらない。最後の最後まで後藤革命についてこい。いくぞ! IWGPのGは後藤のG!」と雄叫びを上げて、熱戦続きの両国大会を締めくくった。

 前回のフィンレー戦では涙を流した愛娘も今宵は笑顔を見せる。これには後藤も「プロレス見て、もっともっと成長できると思う。俺はそんな父親の姿をこれからも見せていきますよ。長男も次女もたくましく育ってます。それが嬉しいですね」とホッとした様子。「これが真の海外戦略というかね。アメリカの真似事をしてちゃダメなんだよ。新日本の戦いをアメリカで見せる」と早くもシカゴ大会でのV4戦に向けて気合いを入れていた。


【試合後の後藤、YOSHI-HASHI、YOH】

──防衛おめでとうございます

▼後藤「はい、ありがとうございます」

──改めてフィンレー選手との激闘を振り返ってみて、今の気持ちは?

▼後藤「最強の挑戦者の名に相応しい相手でしたよ。あそこに愛が加わったら、誰も勝てる人間はいないんじゃないかな。憎しみや憎悪では何も生み出すことができない。次はアメリカ、シカゴ。リング上で言った通り海野翔太。次は若い世代が相手だ。アメリカの地で新日本プロレスを、純日本人同士、新日本生え抜きのこの2人が見せてやるよ。これが真の海外戦略というかね。アメリカの真似事をしてちゃダメなんだよ。新日本の闘いをアメリカで見せる。期待しててくださいよ」

──今日はリングサイドでお子さんが見つめる中での闘いだった。去年、試合に敗れて涙を流した娘さんは最後今日は笑顔だった。改めてお子さんに向けてメッセージを送るとしたら、どんな言葉を送る?

▼後藤「成長したねって。プロレス観てもっともっと成長できると思う。俺はそんな父親の姿を、これからも見せていきますよ。長男も次女も逞しく育ってます。それが嬉しいですね」

──今日、厳しい攻防の時に最後、子供たちをチラッと見たかなと思ったが?

▼後藤「やっぱり子供たちの顔が俺の力になる。それは間違いない。お客さんの声援もそうだし、俺を突き動かしているのはやっぱり家族、そしてファンの愛ですよ。ありがとうございました」

──改めて次なる挑戦者として海野選手を指名したが、その意図は?

▼後藤「やっぱりチャンピオンになってね、やらなければいけないその一つのこととして、若い世代の人間と当たる。それは若い世代の引き上げにもなるし、ここで若い世代の壁になってやることが、若い世代のためにもなるんじゃないでしょうか。それとアメリカという地。やっぱりそのメインで日本人を、日本人の闘い、ストロングスタイル、純新日本プロレスを見せたい。それだけです」

──本当におめでとうございました

▼後藤「ありがとうございました」

▼YOSHI-HASHI「(YOHと一緒に脇で控えていたが、会見が終わったので後藤に近寄り、後藤革命のタオルを肩にかけてあげて)おめでとうございます!」

▼後藤「ありがとう」

▼YOSHI-HASHI「(後藤が缶ビールを開けようとすると)開けますよ(※と言って、その蓋を開けてあげる)」

▼後藤「ありがとう」

▼YOH「(YOSHI-HASHIに促されて)後藤さん、防衛おめでとうございます!」

▼後藤「ありがとう!」

▼YOSHI-HASHI「おめでとうございます! (と言って、3人で乾杯)」


【試合後のフィンレー、ゲイブ、モロニー、コナーズ】

▼ゲイブ「フィンレー、愛してる。お前は俺の兄貴だ。お前もわかってるだろう? でも過去にとらわれたらダメだ、過去は過去だ。俺たちには解決しないといけない大きな問題がある。また頭がおかしくなるくらいヤバいことだ。また頭がイカれちまう! この2年、俺たちはどれだけ成し遂げてきた? この会社をまた復活させた。それなのにも関わらず、アイツらHOUSE OF TORTUREは俺たちをコケにしやがる。アイツら何をやってるんだ? 自分たちを真のBULLET CLUBと呼んでやがる。(モロニーを指差し)こんなことをしやがる!」

▼モロニー「こんなことをされたんだ! 最後に俺たちの血が流れた時、何をしたか覚えてるよな? 血が流れた時、俺たちはどうするんだ?」

▼フィンレー「こうなることは予想できたはず。注意散漫だった。お前ら、すまなかった」

▼モロニー「謝るな」

▼フィンレー「でもルールは知ってるよな。俺たちは金を持ってくる。金がないなら、肉体を持ってくる。今日この会場を手ぶらで後にすることになった……だから肉体だ。(ゲイブがフィンレーの肩を叩くと)肉体だ。血の代償は血。裏切りの代償は命だ! (ゲイブとモロニーが頭突きをし合うと)お前らにも言ったろう、HOUSE OF TORTUREの終わりだ。やるかやられるかだ。HOUSE OF TORTUREの終焉はドッグパウンドスチールケージマッチだ! (全員そろってで『やったぜ!』と叫ぶと)何があっても、戦争の準備をしておけ!」

▼コナーズ「わかったぜ、ボス!」

▼ゲイブ「どんな死に方がいいか考えておけ!」

▼モロニー「(額から流れる血をぬぐい)これは冷血じゃない、黒い血だ!」

▼コナーズ「俺たちはマジでDOGSだ!」

【海野の話】「生きるって面白いですね。10月のメインの後とは違う景色。ブーイングもあれば、対照なところもあって生きるって凄い面白いです。後藤さん、最大の敬意を払って、新日本プロレスの本隊の熱い闘いをアメリカで見せてやりましょう。その上でシカゴ、必ず倒してやる」