【新日本】悩める海野が棚橋撃破で決意 「新日本プロレス本隊こそが聖域だ!」 2025/4/5

『SAKURA GENESIS 2025』東京・両国国技館(2025年4月5日)
棚橋弘至ファイナルロード〜継(つなぐ) ○海野翔太vs棚橋弘至×

 悩める海野が棚橋を熱戦の末に撃破。棚橋の思いを受け取った海野は「新日本プロレス本隊こそが聖域だ!」と断言し、本隊の一員として戦っていく決意を示した。

 海野はコスチュームとファイトスタイルを変えて、、“Second Chapter"としてNEW JAPAN CUPに出場。次々と勝利を重ねて決勝戦まで勝ち進んだものの、デビッド・フィンレーに敗れて涙を飲んだ。

 試合後、そんな海野の前に来年1月に引退を控える棚橋が登場。「翔太、どんな新日本プロレスの未来を描いている? それを俺に見せてくれ。両国でやろう」と海野に提案した。海野は対戦を受諾したものの、握手には応じず。海野の動向に注目が集まる中、「棚橋弘至ファイナルロード〜継」として一騎打ちが実現した。

 棚橋は格闘ゲーム『餓狼伝説』のテリー・ボガードの髪型&コスチュームで入場する。ゴングが鳴ると、海野はお株を奪うドラゴンスクリューから右ヒザ攻めで主導権。次々と攻撃を重ねると、STFで絞め上げた。エルボー合戦になると、海野は感情剥き出しで「棚橋、どうしたんだよ?」と絶叫する。

 「来い!」と顔面を突き出してエルボーを受け止めた棚橋は、海野の張り手を食らっても倒れず、負けじとドラゴンスクリューで流れを変える。フライングフォアアーム、ダイブ式サマーソルトドロップと得意技を重ねた。負けじと海野は延髄斬り、ハーフネルソンスープレックスをズバリ。棚橋は絶叫してすぐさま立ち上がるが、海野はハーフネルソン3連発でたたみかける。ならばと棚橋はツイスト&シャウト2連発でお返し。抵抗する海野をダルマ式ジャーマンスープレックスでぶん投げた。

 ギリギリで肩を上げた海野に対し、棚橋はスリングブレイドからハイフライフローアタックを発射。正調ハイフライフローで勝負に。だが、海野は避けて自爆を誘うと、気迫全開の表情で棚橋をにらみつけ、後頭部にランニングニーを一閃。「来い」と叫んだ棚橋の顔面にもランニングニーをぶち込む。棚橋も首固めで粘りを見せたものの、海野はフルスイングのラリアットをズバリ。なおも肩を上げる棚橋をSecond Chapterで突き刺して3カウントを奪取した。

 棚橋とのシングルマッチで何かを感じ取った様子の海野。「翔太」コールを受けるとマイクを持ち、「棚橋さん、俺の選択肢はたった1つだ。新日本プロレス本隊こそが聖域だ!」と断言。大の字になった棚橋に座礼し、本隊として戦っていく決意を見せた。海野は以前と同じように、観客とハイタッチを交わしながらリングを去っていった。

 バックステージでも棚橋から「これからな、本当に、レスラーとしても、人間としても、とっても大きいこと、いろんなこと、大変なこと、あると思う。でも、それをはね除けて、ファンの皆さんに夢を与えるのが、元気づけるのが、エネルギーを届けるのが、プロレスラーだから」と激励を受けた海野。「俺の覚悟はずっと前から決まってる。新日本プロレスの本隊こそが聖域だ。安心して棚橋さんが引退できるように、俺はこれからやっていく」と決意を吐露した。

 改めて新日本本隊の強化を誓った海野は、「WWEとかAEWとか、関係ねえ。新日本プロレスこそが最高のブランドだよ。それが俺の描いている未来だ」と将来の新日本マットに思いを馳せた。

 メインイベント終了後にはIWGP世界ヘビー級王者・後藤洋央紀に呼び出され、4・11シカゴ大会でのタイトル戦も浮上。観客からはブーイングと声援が同時に巻き起こったものの、今の海野に迷いはない。まずはアメリカで今の自分が持つ全てを荒武者にぶつける構えだ。


【試合後の海野、棚橋】

※棚橋は両肩を借りてインタビュースペースに着くと、床に大の字になる

▼棚橋「ごめん、この体勢でごめんなさい。持てるだけの気持ち、持てるだけの技、全部出したよ。多少無理しながら、全部出した。『無理してた』? (体を起こしながら)違うな。(体操座りになって)努力すること。無茶すること。無理することが、日常だった。まだまだ、プロレスラーなんで、無茶しますよ。努力しますよ。(顔を伏せて、涙声になりながら)悔しいけど、そこで努力することまでやめてしまったら、本当に自分に負けることになるから。プロレスラーである限り、一つでも上に、一歩でも先に、全力でやっていきます。(立ち去ろうとしながら)翔太、もっとストレートでいいと思うぞ。自分の気持ちを、自分のファンへの愛情を、新日本プロレスのファンの皆さんへの感謝を、しっかり伝えれば、しっかり伝えればいいんだ。それだけだ」

▼海野「(棚橋の背後から)棚橋さん! (棚橋が振り返ると手を差し出し)ありがとうございました!」

▼棚橋「(握手に応え)ありがとう! これからな、本当に、レスラーとしても、人間としても、とっても大きいこと、いろんなこと、大変なこと、あると思う。でも、それをはね除けて、ファンの皆さんに夢を与えるのが、元気づけるのが、エネルギーを届けるのが、プロレスラーだから」

▼海野「はい!」

▼棚橋「な! それだけを忘れないで、それを(胸を叩いて)ここにしっかり持って、な、頼むぞ」

▼海野「はい」

▼棚橋「よし(立ち去る)」

▼海野「ありがとうございました(深々と頭を下げて棚橋を見送ると、頭を上げ、報道陣に向き直って)俺の覚悟はずっと前から決まってる。新日本プロレスの本隊こそが聖域だ。安心して棚橋さんが引退できるように、俺はこれからやっていく。それは去年の両国でも言ったんだ。ただ一つ。本隊の人数を増やして強化する。ヒールが、HOUSE OF TORTUREがいるせいで、ファンが減ってる。チケットが売れない。それは一つ、俺は考え方が違うな。チケットが売れない理由も、ファンが離れていく理由も、ヒールのせいにするのはやめようぜ。本隊に人数が増えたんだ。じゃあこれからどうしていく? 力をつけていこう。強さを見せていこう。そしたら本隊は本物になるだろう。その本隊が新日本プロレスの中心になってプロレス界を盛り上げて、もっともっとプロレスのファンを作って、こんなに素晴らしいプロレスというスポーツを世界に届けて、新日本プロレスをもっともっと世界に導く。WWEとかAEWとか、関係ねえ。新日本プロレスこそが最高のブランドだよ。それが俺の描いてる未来だ」