プロレス/格闘技DX

『Fortune Dream 10』後楽園ホール(2025年4月16日)
○鈴木みのる&杉浦貴&長井満也vsマサ北宮&大門寺崇&佐藤嗣崇×

　50代と30代による白熱の6人タッグマッチは、鈴木が佐藤を下して50代トリオに軍配。本部席で試合を見守っていたプロデューサーの小橋健太も逆水平で“参戦"した。

　50代でも最前線で活躍する鈴木&杉浦&長井がトリオを結成。30代で真っ向勝負を得意とする北宮&大文字&佐藤を迎え撃った。当初は火野裕士が出場を予定していたが欠場に。代わって北宮が参戦した。小橋いわく「二郎系ラーメンで言うと、チャーシューましまし、ニンニクましまし、油多め」というFortune Dreamらしいカードが実現した。

　佐藤はのっけから鈴木を強く意識。鈴木は付き合わなかったものの、佐藤はスキを見て襲撃する。呼応した鈴木はぶら下がり式腕十字で飛びつくと、これを合図に場外乱闘になだれ込んだ。

　鈴木は佐藤をステージ席の本部前に連行。佐藤を羽交い締めにすると「小橋」コールを煽った。だが、小橋は逆水平を打たず。逆に佐藤がポジションを入れ換えて鈴木を足止めすると、今度は躊躇なく小橋が逆水平を連打。場内は割れんばかりの「小橋」コールに。激怒した鈴木が小橋に詰め寄ったものの、佐藤が再び羽交い締めにすると、またも小橋は逆水平を叩き込んだ。リングに戻ると、鈴木が反撃に転じ、佐藤を逆片エビ固めに捕獲。ここでも本部席の小橋を「来るなよ」と威嚇した。

　しかし、佐藤がピンチを脱すると、30代トリオが反撃へ。大門寺は鈴木と長井を同時に担ぎ上げてのバックフリップを繰り出す。さらに、両手を背中に回して長井のミドルキック連打に仁王立ち。豪快なラリアットをぶち込んだ。北宮も得意のセントーンを落として続く。長井のキャプチュードを食らってしまうが、鈴木と真っ向勝負を継続し、ブレーンバスターをズバリ。息を吹き返した佐藤が串刺しラリアットを叩き込むと、3連続串刺し攻撃から北宮&大門寺のサンドイッチラリアット、佐藤の旋回式オクラホマスタンピードがさく裂した。

　しかし、鈴木はスリーパーに絡め取って逆転。長井と杉浦は分断に動く。粘る佐藤はラリアットを振り回して立て直しを図ったものの、冷静な鈴木は再度スリーパーに固め、一気にゴッチ式パイルドライバーで突き刺して3カウントを奪った。

　試合後、50代トリオはグータッチで健闘を称え合った。バックステージで鈴木はFortune Dreamに参戦するたびに逆水平を叩き込んでくる小橋に激怒。「小橋、まだわかってねえのか。お前は俺の味方をすればいいんだよ。俺の言う通りに動くロボットになればいいんだよ」と要求すると、「引退して何年も経つヤツが人のこと殴れるならいい快感だよな。あの野郎、今日も暴走しやがって。暴走AIみたいなもんだな。もうちょっと学習させなきゃならねえ」と吐き捨てていた。

【鈴木の話】「小橋の野郎。そろそろ俺が何を求めているかわかるだろ。俺が欲しいのはお前のチョップ…あれ? もらってるな。いや、そういうことじゃないよ。俺にじゃねえよ。小橋、まだわかってねえのか。お前は俺の味方をすればいいんだよ。俺の言う通りに動くロボットになればいいんだよ。引退して何年も経つヤツが人のこと殴れるならいい快感じゃねえか。あの野郎、今日も暴走しやがって。暴走AIみたいなもんだな。もうちょっと学習させなきゃならねえ。ふざけんな、バカヤロー。さあ、Fortune Dreamも終わった。次は……ラスベガスだ」

【長井の話】「小橋さんの記念の大会ということで。そうです。鈴木さん、杉浦選手、長井っていうのは、この大会でしかないと思うし、これが最初で最後だなと思うんですね。でも、同じチームになっていた3人がみんな50歳以上なんで。50歳、まだまだビッシビシいきますよ! 今日はありがとうございました」


【試合後の北宮&大門寺&佐藤】

▼大門寺「まずはこの場にいれなかった火野さん。たぶんFortune Dreamをすごい楽しみにしてたと思う。俺が初めて出た『Fortune Dream 8』。そこで初めて対戦したのも火野さんだった。火野さんからこの小橋さんの大会への思いはよく聞いてたから。ちょっとでも今日の戦いが火野さんの元気につながってくれればいい」

▼北宮「火野さんの代打で出たのは俺なんですよ。代打で出といて勝てなかったというのは本当に情けないよね。情けないからさ、Fortune Dreamまた呼んでくださいよ」

▼佐藤「2年連続2回目のFortune Dream、去年も負けて、今年も負けてしまいましたが、このラリアットをもっともっと磨いて。必ず小橋さんに認めてもらって、剛腕を継承できるように頑張ります。そして、Fortune Dreamで僕が勝つまで、皆さんぜひ応援よろしくお願いします」