【デスペラードの話】「痛え〜!(※と言いながら歩いてきて、床にベルトを置いて座り込む) まさかまさか公式戦でプラケースを持ってくるとは思わなかった。『ナシだぞ』って言ったのに、あの野郎。何かそこはかとなく血の臭いがしてるんだけど、誰か出てるだろう。またかよ、クソ。まあいいけど。嫌いじゃないから。MAOちゃん、次はアンタの庭でやろうか。ここじゃアレだろ、精一杯気を使ってくれて、アレで終わってたんだろう? お前の領域に入ったらな、エンジンのついてない乗り物も、エンジンのついてる乗り物も出てくるからな。まだ俺はそれを体験してないぞ。高木(三四郎)さんみたいに轢かれたりとかさ、ちょっと警戒してたけど、さすがにそれはなかったな。今、リング上で言った通りです。やっぱり面白い! 石森さんみてえなシビれるような技術でやり返してくる人も、MAOちゃんみたいな閃きと独創的なアイデアで返してくる人と、いっぱいいる。だから『BEST OF THE SUPER Jr.』は面白い。なあ、ぜってえ、俺が優勝すんだ」
【MAOの話】「新日本プロレスのエル・デスペラード。遊んでくれて、ありがとうございました。『DESPE-invitacional』という最高の遊び場を用意してくれて、俺をここまで導いてくれて、ありがとうございました。もう、『ウチの方が凄い』『この団体はクソだ』、そういう時代じゃないって俺はずっと信じてるし、俺はそういうやり方が大っ嫌いだ。『エヴァンゲリオン』ですらハッピーエンドで終わったこの時期に、なんでプロレスまでバッドエンドにしなきゃいけないんだ。俺は常にそういう気持ちを持ってコロナ禍を戦い抜いてきた。『ALL TOGETHER』をやってもオール・トゥギャザーできない、そういうプロレス界が本当にイヤだった。でもデスペさんやヒロムさんは違う。『俺らも凄いけど、お前らも凄い』。そういうモチベーションでプロレス界をぶん回してんだよ。俺はこれが正しいと思ってるから、これについて行く。だからここに来た。ウチも凄いし、新日本も凄いんだ。プロレス界、みんな凄くていいだろう。世界で戦っていこう。世界中回ろうぜ。日本のプロレスをもっと世界に広められるし、『BEST OF THE SUPER Jr.』はその模範的な大会であるべきだと思う。デスペさんやヒロムさんに俺は、その姿勢を見せられてる。DDTのMAOもそこに100%賛同して乗っかっていくから、ジュニアの祭典は本当にお祭りらしくやっていこうぜ。今日は本当に新日本ファンも俺を受け入れてくれてありがとう。DDTファンもいつも通り応援ありがとう。何よりデスペさん、本当にありがとうございました(※と深々と頭を下げる)」
『セキチュー Presents BEST OF THE SUPER Jr.32』
国立代々木競技場 第二体育館(2025年5月17日)
Bブロック公式戦 ○エル・デスペラードvsMAO×
デスペラードがMAOとの初対決を堪能したうえでスーパージュニア2勝目。「周りから言われると、せかされてるみたいじゃん。お前、早くそこどけって。どかせてみせろよ」と新世代勢に通告した。
史上3人目の連覇がかかるIWGPジュニア王者・デスペラードだが、ウェイン、石森に連敗を喫して1勝2敗で黒星先行。対するDDTのMAOはスーパージュニア初出場。ナイト、石森を破って開幕2連勝を飾ったが、5・15後楽園大会でティタンに初黒星を喫した。昨年のALL TOGETHER5・6日本武道館大会で同じコーナーに並び立ったこともある親交の深い両者の初対決が実現した。
序盤からデスペラードがマフラーホールド、MAOがジャストフェースロックを狙い合い、リング内外でタックル合戦でぶつかり合う。MAOがエプロンからのトペコンヒーロで先制すると、リングに戻ればエルボー合戦で火花。両者があおって「DDT!」コールと「新日本!」コールが発生する中、MAOが右ストレートで打ち合いに終止符を打った。デスペラードがマフラーホールドに持ち込んでも、MAOはアンクルホールドで切り返し、ジャストフェースロックで捕らえた。
その後、両者は一進一退の丸め込み合戦を展開。MAOのダイアモンドカッターはデスペラードが海野レフェリーを身代わりにして回避。レフェリー不在となった中、「自由だ!」と叫んだMAOはDDTのリングで時折活用されているプラケースをリング内に投入し、場内も「DDT!」コールで支持する。MAO、デスペラードの順で相手の脳天にプラケースを振り下ろすと、プラケースを並べた二人は同時にコーナーへ。そこへ飛び込んだマーティー浅見レフェリーの注意に耳を貸さず、デスペラードとMAOはトップロープ上からプラケース上に落下した。
DDT流のあとは激しい攻防に。MAOが「負けるか!」とフロントハイキックを連発すれば、デスペラードはスピアーでやり返し、垂直落下式ブレーンバスターで突き刺す。ピンチェ・ロコはMAOが食い止め、みちのくドライバーIIで逆襲。居合いキックをぶち込んだ。両ヒザをついたデスペラードだが、意地で倒れず。頭突きを打ち合うと、デスペラードが掌底、MAOが張り手による打ち合いに発展。MAOが拳で脳天を殴りつければ、デスペラードも同じ攻撃でやり返す。MAOが右ストレートをぶち込めば、デスペラードもナックルパンチで徹底抗戦。MAOは前のめりに倒れ込んだ。
それでもMAOはピンチェ・ロコを首固めで切り返し、大阪臨海アッパーを叩き込む。デスペラードもエルボーで応戦するものの、MAOに顔面を蹴り上げられてフラフラに。それでも居合いキックを狙うMAOをスピアーでねじ伏せ、リバースタイガードライバー、ピンチェ・ロコで一気にたたみかける。MAOもギリギリで肩を上げたが、デスペラードは垂直落下式リバースタイガードライバーで追い討ち。抵抗するMAOをピンチェ・ロコで叩きつけて3カウントを奪った。
デスペラードがMAOとの初対決を制し、スーパージュニア2勝目を挙げた。花道を下がるMAOに「MAO!」コールが送られると、デスペラードは「チクショー。新日本のファン持ってかれちゃうじゃん。最高に楽しかったよ。MAOちゃん、ありがとう」と感謝。足を止めて頭を下げたMAOに向かってデスペラードも一礼した。
「あんなスーパースター、そんな簡単には来てくれないよ。DDTさん、ありがとうございました。公式戦まだ残ってますけど、とりあえず僕はとにかく楽しみにしていたMAOちゃん終わっちゃったんで。ここから新日本の選手がたくさんMAOちゃんとやると思うけど、食われないか心配だなあ。なあ、新日本のジュニアの選手よ。俺はほぼ食われたぞ。たまんねえな。恐ろしい。でも、だから来てもらったかいがあるってもんじゃん」。そうMAOを称賛したデスペラードは初対決を堪能した様子。これが刺激となるのは間違いなく「俺はスーパージュニアが一番好きだから、やっぱりこのシリーズが1年通して一番面白かったって言われるように全力でやってる」とジュニアの祭典にかける思いをむき出しにした。
開幕以来、藤田、アキラ、そしてこの日のダイヤがそれぞれヒロムを撃破するなど新世代の台頭が目覚ましい。そんな中、デスペラードは「なんか世代交代だとか、年齢だとか、キャリアだとか、周りがピーピー言い出して、今現在ベルトを持ってそこそこ時間経っちゃうと、俺が言ってないのに周りから言われると、せかされてるみたいじゃん。お前、早くそこどけって。どかせてみせろよ」と通告。「新世代が、今の世代が、スーパー新世代とか、ハイパー新世代とかよくわかんないこと言い出してるけど。いいんだよ別に。かかってくりゃいいじゃん。勝てないお前らが悪いんだよ。じゃあな」と王者の風格とともに豪語して締めた。
【デスペラードの話】「痛え〜!(※と言いながら歩いてきて、床にベルトを置いて座り込む) まさかまさか公式戦でプラケースを持ってくるとは思わなかった。『ナシだぞ』って言ったのに、あの野郎。何かそこはかとなく血の臭いがしてるんだけど、誰か出てるだろう。またかよ、クソ。まあいいけど。嫌いじゃないから。MAOちゃん、次はアンタの庭でやろうか。ここじゃアレだろ、精一杯気を使ってくれて、アレで終わってたんだろう? お前の領域に入ったらな、エンジンのついてない乗り物も、エンジンのついてる乗り物も出てくるからな。まだ俺はそれを体験してないぞ。高木(三四郎)さんみたいに轢かれたりとかさ、ちょっと警戒してたけど、さすがにそれはなかったな。今、リング上で言った通りです。やっぱり面白い! 石森さんみてえなシビれるような技術でやり返してくる人も、MAOちゃんみたいな閃きと独創的なアイデアで返してくる人と、いっぱいいる。だから『BEST OF THE SUPER Jr.』は面白い。なあ、ぜってえ、俺が優勝すんだ」
【MAOの話】「新日本プロレスのエル・デスペラード。遊んでくれて、ありがとうございました。『DESPE-invitacional』という最高の遊び場を用意してくれて、俺をここまで導いてくれて、ありがとうございました。もう、『ウチの方が凄い』『この団体はクソだ』、そういう時代じゃないって俺はずっと信じてるし、俺はそういうやり方が大っ嫌いだ。『エヴァンゲリオン』ですらハッピーエンドで終わったこの時期に、なんでプロレスまでバッドエンドにしなきゃいけないんだ。俺は常にそういう気持ちを持ってコロナ禍を戦い抜いてきた。『ALL TOGETHER』をやってもオール・トゥギャザーできない、そういうプロレス界が本当にイヤだった。でもデスペさんやヒロムさんは違う。『俺らも凄いけど、お前らも凄い』。そういうモチベーションでプロレス界をぶん回してんだよ。俺はこれが正しいと思ってるから、これについて行く。だからここに来た。ウチも凄いし、新日本も凄いんだ。プロレス界、みんな凄くていいだろう。世界で戦っていこう。世界中回ろうぜ。日本のプロレスをもっと世界に広められるし、『BEST OF THE SUPER Jr.』はその模範的な大会であるべきだと思う。デスペさんやヒロムさんに俺は、その姿勢を見せられてる。DDTのMAOもそこに100%賛同して乗っかっていくから、ジュニアの祭典は本当にお祭りらしくやっていこうぜ。今日は本当に新日本ファンも俺を受け入れてくれてありがとう。DDTファンもいつも通り応援ありがとう。何よりデスペさん、本当にありがとうございました(※と深々と頭を下げる)」