【新日本】長岡で大「翔太」コール…海野が値千金のザック狩り! 「俺の信念だけは定まってんだよ」 2025/7/23

『G1 CLIMAX 35』新潟・アオーレ長岡(2025年7月23日)
Bブロック公式戦 ○海野翔太vsザック・セイバーJr.×

 海野がG1公式戦で値千金のザック狩り。長岡を大「翔太」コールに染めた海野は、「俺の信念だけは定まってんだよ」と熱い気持ちを吐露した。

 海野が3戦目でIWGP世界ヘビー級王者としてG1連覇を狙うザックとの公式戦に臨んだ。昨年の公式戦こそ海野が勝利したものの、今年の1・4東京ドーム大会でのIWGP世界ヘビー級戦ではザックが激勝。6・15大阪城大会のタッグ戦でもザックがピンフォール勝ちを奪っており、海野は雪辱を期して試合に臨んだ。

 激しい先の読み合いから海野は右ヒザに狙いを定める。ザックもネックツイストで流れを変えると、サッカーボールキックやエルボースマッシュなど強烈な打撃を連発したものの、海野は低空ドロップキックを皮切りに再び右ヒザ攻めを再開。ヒザ十字固めやSTFで執ように絞め上げた。

 しかし、ザックも左腕攻めで呼応。腕にオーバーヘッドキックを叩き込み、ネックツイストのように両足で挟み込んで腕を捻り上げると、クラーキーキャットで拷問する。しのがれても、丸め込み合戦から一瞬のスキを突いてまたもネックツイストをズバリ。海野もスイング式DDTで立て直しを図るが、即座にザックはザックドライバーで突き刺した。

 2人はエルボースマッシュ合戦で競り合うが、海野は延髄への串刺しニー連発で先に動く。そして、雪崩式ブレーンバスター、ドロップキックからラリアットへ。ザックもカウンターのラリアットを合わせて、相打ちが連続すると、こん身の一撃を狙った海野の腕に絡みつき、ヘッドシザースとアームロックの複合技に捕獲。変型羽根折り固めに移行して絞めに絞めた。命からがら海野の足がロープに届く。

 ならばとザックはしなりの利いたサッカーボールキックを土手っ腹に連打。海野は絶叫して受け止めたものの、止まらないザックはランニングローキックやラリアットで追撃した。しかし、海野も投げ捨てジャーマンを繰り出すと、即座に立ち上がって走り込んできたザックにカウンターのラリアットを一閃。自らコーナーマットに頭突きを連発して気合いを入れると、ランニングニーからSecond Chapterの体勢に。

 踏ん張ったザックはセイバードライバーで逆転。両足クロス式ザックドライバーは防がれても、巧みに丸め込んでいく。ギリギリで肩を上げた海野に対し、ザックは飛びつき三角絞めへ。勝負を捨てない海野は逆にジャックナイフ式エビ固めで押さえ込んでニアフォールに持ち込むと、フロントハイキックに被弾しても倒れず、こん身のラリアットをフルスイングでぶち込む。そして、今度こそSecond Chapterで突き刺し、大歓声の中で3カウントを奪った。

 海野が値千金のザック狩り。新春のドームで叩き潰された雪辱を果たした。長岡のファンから大歓声を浴びた海野は、マイクを持つと、「ザック、これで東京ドームの借りを返したなんて言わない。近いいつか必ずまたシングルで戦いましょう」とリングを去っていくザックに投げかけた。そして、「新日本プロレスが長岡に帰ってきました。最後まで熱い熱い大歓声誠にありがとうございました」と感謝すると、「今、胸を張ってIWGP世界ヘビー級チャンピオンを倒したぞ」と咆哮。場内は割れんばかりの「翔太」コールに包まれる。

 海野は「全勝優勝して帰ってくるなんて言いません。次の長岡は今空いている席全部埋めて、また超満員の景色を皆様にお届けできるように一生懸命頑張ってまいります」と誓いを立てると、「熱い熱いG1は始まったばっかりだ! 新日本プロレス本隊こそが聖域です」と締めくくった。

 リングサイドの観客たちとハイタッチを交わしてから花道を下がっていった海野は「今年が始まって、自分自身が何者かわからなくなった。何を楽しみに、何をモチベーションに、何に重きを置いて、前向きに毎日明るく笑顔で過ごしていくかわからなかった。いつまでもそんなことをしてた自分ですら疑って、偽りじゃないかって思った日もあった」と悩める心中を告白。そのうえで「だけどな、俺の信念だけは定まってんだよ。プロレスを、新日本プロレスを心の底から愛してる。プロレスが大好きで大好きでしょうがない。この大好きなプロレスを、プロレスという素晴らしい競技をもっとみんなに届けたい。プロレスを通して、もっとみんなを明るく楽しく笑顔にしたい」と熱い思いを吐露し、まだまだ続く過酷なリーグ戦を見据えた。

 次戦となる7・26大田区大会では、同期で、同じく今G1でザックに勝利している成田蓮と対戦する。好調をキープしている成田を打ち破り、一気に真夏の主役へと躍り出ることができるのか。一方、黒星先行となったザックはTV王者エル・ファンタズモとのチャンピオン対決に臨む。

【海野の話】「今年が始まって、自分自身が何者かわからなくなった。何を楽しみに、何をモチベーションに、何を重きに置いて前向きに、毎日明るく笑顔で過ごしていくか、わからなかった。いつまでもそんなことをしていた自分ですら疑って、偽りじゃないかって思った日々もあった。だけどな、俺の信念だけは定まってんだよ。プロレスを、新日本プロレスを、心の底から愛してる。プロレスが大好きで大好きでしょうがない。この大好きなプロレスを、プロレスっていう大好きな競技を、もっとみんなに届けたい。プロレスを通して、もっとみんなを明るく、楽しく、笑顔にしたい。本隊で突っ走っていくって決めたんだ。何度だって言ってやるよ。新日本プロレス本隊こそが、聖域です」

【ザックの話】「不快だ、不快で仕方ない。この8年間、ナガオカでシングル戦で負けたことはなかった。最初に負けた相手がショータだなんて……! これは自業自得か? 若い世代のヤツら……レン、そしてウミノ相手に2敗だなんて……。でもショータ、お前はまだクソ野郎だ。俺に天性のプロレスの才能があることを知らないようだ。でもお前は若かった。だから俺たちは似たような状況だ。俺は優雅に振る舞うべき。ショータ、今日お前が今日勝ったのは最高な状態のザック・セイバーJr.ではなかった。俺をイラつかせてくるからついお前をぶっ潰したくなった。でもそれは王者のすべき行動ではない。史上最高のテクニカルレスラーのすべきことではない。ちょっと感情的になってしまったけど、俺はまた決勝に行く。『G1』決勝に行く。IWGP世界ヘビー級王者として『G1 CLIMAX』を優勝する史上初の外国人になって、東京ドームのメインイベントにまた出場する。ショータ、それを見せてやるよ。その場にいるのはお前ではないぞ、このクソガキが」