【新日本】大岩が辻殺法連発も…辻がシングル初対決制して3勝目 「メキシコ行き」をアドバイス 2025/7/25

『G1 CLIMAX 35』東京・大田区総合体育館(2025年7月25日)
Aブロック公式戦 ○辻陽太vs大岩陵平×

 大岩がジーンブラスターやカーブストンプなど辻の得意技を連発して猛攻に出たが、最後の最後で辻が巧みに丸め込んで逆転勝利。シングル初対決を制して今G1で3勝目を挙げた。

 2勝1敗で並ぶ辻と大岩が公式戦で対戦。注目のシングル初対決となった。

 辻がお株を奪う左腕への一点集中攻撃で大岩の出鼻をくじく。大岩もテンザンスープレックス、キャノンボールの連続攻撃で巻き返したものの、雪崩式サイドスープレックスは辻が決めさせず。背後に回り込んだ辻はシットダウンパワーボムで叩きつけた。

 ここがチャンスと、辻がラリアットを連続して振り抜くが、大岩は意地の仁王立ち。DDTで叩きつけると、辻が得意とするカーブストンプで踏みつける。怒った辻がやり返そうとしても、大岩は再び後頭部を踏みつけて咆哮。ブチ切れた辻もカーブストンプ2連発からブレーンバスターボムで叩きつけると、左腕の指を捻り上げ、前後からヒザ蹴りを連発し、マーロウクラッシュをさく裂する。

 辻は猛攻の総仕上げとばかりにジーンブラスターへ。だが、大岩はカウンターのラリアットを左腕で振り抜いた。左腕を押さえながらも先に立ち上がった大岩は、ロコモーションジャーマンで追い討ち。しかし、辻も投げ捨てジャーマンからショートレンジのジーンブラスターを突き刺す。大岩はギリギリで肩を上げると、辻は正調ジーンブラスターの体勢に。

 これを読んだ大岩は、掟破りの逆ジーンブラスターをカウンターでドンピシャリ。怒って即座に立ち上がった辻にラリアットをねじ込むと、さらにドクターボムも火を吹く。THE GRIPは避けられたものの、ロールスルージャーマンで追い討ち。クラッチを離さず、THE GRIPで勝負に。だが、間一髪で避けた辻は変形リバースゴリースペシャルから押さえ込むメキシコ流の秘策で逆転の3カウントを奪った。

 辻が奥の手で逆転勝利を挙げて、3勝目を獲得。試合後、大岩は悔しさを爆発させると、笑顔を見せる辻に詰め寄ったがあとの祭りだった。

 「大岩、お前の言うように新日本とNOAHのハイブリッドスタイル、十分楽しませてもらったぜ。実はお前とシングルするのがかなり楽しみだったんだ」と明かした辻は、「お前はこのまま自分の信じた道を進めばいい。俺はそう思う。俺はお前がそれだけの男だと思っている」とエールを送った。そのうえで「こんな俺が言うのもなんだけど、前に進むだけが、プロレスじゃないと思うんだよ。時には立ち止まって、いや、後退してみることも必要なのかもしれない。正直今日もほんのわずかな差だった。でも、今日勝った俺からお前にひとつアドバイスを送るとすれば、どうだ、メキシコでも行ってのんびり暮らしてこい」と意味深に助言していた。

 次戦は7・27名古屋大会。辻は3勝で並ぶNEVER王者ボルチン・オレッグと、大岩はメインイベントで棚橋弘至とそれぞれ対戦する。

【辻の話】「(※持参したイスに座り)大岩、お前の言うように新日本とNOAHのハイブリッドスタイル、十分楽しませてもらったぜ。実はお前とシングルするのがかなり楽しみだったんだ。お前はこのまま自分の信じた道を進めばいい。俺はそう思う。俺はお前がそれだけの男だと思ってる。でもな、デビューして、いや入門して4ヵ月でデビューして、ヤングライオンやって、2年だか3年だか分かんねぇけどNOAHに行って第一線で活躍して、帰ってきてもTMDKとして一生懸命新日本で闘ってるよな。プロレスはさ、こんな俺が言うのもなんだけど、前に進むだけが、事をやることだけがプロレスじゃないと思うんだよ。時には立ち止まって、いや後退してみることも必要なのかもしれない。正直今日もほんの僅かな差だった。でも、今日勝った俺からお前に一つアドバイスを送るとすれば、どうだ、メキシコでも行ってのんびり暮らしてこい。こんなんで生きていけるんだ、こんなんでいいんだって、いい意味で思えるぞ。だから俺はメキシコが好きなんだ」

【大岩の話】「チクショー……オイ、レフェリー、本当に3入ったんかよ? チクショー! まぁ今言っても仕方ねぇから。長岡の前哨戦で言った奥の手っていうのは、1点攻めも小細工もなしで真っ向勝負で闘うことだった。いや、最後丸め込みで、しかも見たことのない丸め込みでしっかり3カウント入ったんだとしたら、まだまだ俺のテクニックも闘魂もそんだけのもんだったってことです。でも今回、俺は完璧に負けたと思ってねぇぞ。まだまだ俺の心は死んでねぇぞ。オイ、辻陽太……今日は作戦負けかもしんないけど、次、次シングルマッチやる時は、お前のその笑った笑顔、前歯、グチョグチョにへし折って、二度と笑えなくさせてやる。でも、『G1』はまだ終わったわけじゃないから。次、愛知、メインイベントで棚橋社長。『TANA JAM』のリベンジさせてください」