鷹木と海野は今年3回目のシングル対決。NEW JAPAN CUP準決勝(3・17郡山大会)では海野が勝利したものの、5・3博多大会では鷹木が雪辱。今回が決着戦となった。負傷欠場となったゲイブ・キッドを除くと、鷹木は今G1で両ブロックを合わせて唯一いまだ自力勝利を挙げておらず、厳しい状況に立たされていた。
そして、今度はラリアットで正面衝突。先読み合戦から鷹木がスイング式DDTで突き刺すと、コーナー最上段から雪崩式ブレーンバスターを敢行する。さらに、後頭部へのスライディングラリアットからMADE IN JAPANもさく裂した。しかし、海野もスイング式DDTから攻勢。後頭部への串刺しニーをぶち込むと、一度はガードされたものの、ショートレンジのラリアットを振り抜き、Second Chapterの体勢に。
『G1 CLIMAX 35』大阪・大和大学 大和アリーナ(吹田市)(2025年7月30日)
Bブロック公式戦 ○鷹木信悟vs海野翔太×
鷹木が海野を熱戦の末に真っ向から打ち破り、今G1で待望の自力初白星を手にした。
鷹木と海野は今年3回目のシングル対決。NEW JAPAN CUP準決勝(3・17郡山大会)では海野が勝利したものの、5・3博多大会では鷹木が雪辱。今回が決着戦となった。負傷欠場となったゲイブ・キッドを除くと、鷹木は今G1で両ブロックを合わせて唯一いまだ自力勝利を挙げておらず、厳しい状況に立たされていた。
のっけから激しい肉弾戦に。鷹木が競り勝ったものの、海野は右足攻めでペースを強奪。低空ドロップキックを叩き込むと、場外戦では鉄柵を使ってのレッグロックで絞め上げた。リングに戻ってもヒザ十字固めに捕らえ、その後も一点集中攻撃を展開する。
しかし、鷹木はドラゴンスクリューで反攻。串刺しパンピングボンバーや左右のハンマーパンチ、グーパンチなどを乱れ打ち、スライディングラリアットを振り抜いた。海野も「お返しだ!」とドラゴンスクリューを連発し、STFでガッチリと絞め上げるが、鷹木は気持ちで下がらない。エルボーや側頭部への袈裟斬りチョップで立て直し、海野と激しいスープレックス合戦でしのぎを削った。
そして、今度はラリアットで正面衝突。先読み合戦から鷹木がスイング式DDTで突き刺すと、コーナー最上段から雪崩式ブレーンバスターを敢行する。さらに、後頭部へのスライディングラリアットからMADE IN JAPANもさく裂した。しかし、海野もスイング式DDTから攻勢。後頭部への串刺しニーをぶち込むと、一度はガードされたものの、ショートレンジのラリアットを振り抜き、Second Chapterの体勢に。
踏ん張った鷹木はネックスクリューで挽回。互いに絶叫しながら気迫全開のエルボー合戦で火花を散らす。海野は延髄斬りからランニングニーをねじ込むと、こん身のラリアットを一閃。再びSecond Chapterを仕掛ける。だが、鷹木は垂直落下式ブレーンバスターで逆転。カウント1で肩を上げた海野がラリアットを叩き込むが、鷹木もカウント1でキックアウトすると、ラリアットは相打ちに。
頭突きも交錯するが、鷹木は鷹木式GTRで勝機をたぐり寄せると、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンをズバリ。ヒザを強打してフォールできなかったものの、ロープを掴んで立ち上がると、こん身のパンピングボンバーを叩き込んだ。海野はここでも肩を上げるが、鷹木はバーニングドラゴンでダメ押しし、熱戦に終止符を打った。
鷹木が真っ向勝負を制して今G1で待望の自力初白星。ゲイブ・キッドからの不戦勝を合わせて2勝目を手にした。
「やっとだよ自力勝利。やっと1勝だよ。これで本当の意味で俺の、鷹木信悟のG1 CLIMAXが開幕するぞ! 新日本プロレスファンよ、待たせたな!」と吠えた鷹木。今回はブロック3位までが決勝トーナメントに進出できるだけに、鷹木にもまだ可能性は残されている。
「単なるオジサンじゃねえぞ、オイ。43歳の独身だ! 失うものがないと言っても、俺は俺なりにあるんだ。やるしかねえんだよ。こっから見てろ、こっから」と気合いを入れた鷹木は、最後に「海野、お前に気づかされたよ。俺の初心を思い出させてくれたよ。サンキューな」と海野に感謝を示した。
ようやく反撃姿勢を取った鷹木の次戦は8・2広島大会。TV王者のエル・ファンタズモと対戦する。敗れた海野はYOSHI-HASHI戦を控える。
【試合後の鷹木】
▼鷹木「(※イスに座って)ウミショー! やってくれるじゃねえかこの野郎! ヒザ攻め一点集中か。オイオイオイ! 俺は山梨県中央市の観光大使やってんだぜ! 山梨県のレジェンド、武藤敬司さんと同じ山梨の血が流れてんだ。ヒザ攻め、足攻めにはオイ、譲らねえぜ、この野郎。付け焼き刃の足攻めでやられてたまっか。あー、でも痛え。(※のけ反って顔をしかめると)火がついたね。昨日今日覚えた足攻めでやられてたまるかって。それからオイ、試合中、ざけんな! 『どうした、クソ小僧』っていったら『うっせえ、オッサン!』!? (※報道陣に)オッサンなのか、おじいさんか、どっちだ? オッサンか?」
──オッサンかと
▼鷹木「おお。まだ43だぞ。おじいのわけねえだろ。まあ、40代は初老かもしれねえけど。やっとだ、やっとだよ自力勝利。やっと1勝だよ。これで本当の意味で俺の! 鷹木信悟の『G1 CLIMAX』が開幕するぞ! 新日本プロレスファンよ、待たせたな! こっからだぞ! 俺が駆け上るのは。オイ岡本、市川さん、まだ可能性はゼロじゃねえんだろ?」
──まだ、はい
▼鷹木「何てったってな、3位以内に入ればいいんだ。だが俺は3位とか2位なんてズルい考えは持たない。やるからには1位だ。去年な、3位で決勝トーナメント行って、ずいぶんとつらい思いしたからな。やってやるぜ、オイ。いよいよ。徐々に40代の『G1』エントリーが少なくなってきた。もちろん棚橋社長は、来年はいねえんだ。俺は来年も再来年も必ずいてやる。そのためにも! 勝ち進むんだ。このままじゃ、オイ、来年は予選ブロック確定……いや! 予選ブロック、(※立ち上がりながら)予選ブロックも出れねえかもしれねえ。バカ野郎、この野郎。単なるオジサンじゃねえぞ、オイ。43歳の独身だ! 失うものがないと言っても、俺は俺なりにあるんだ。やるしかねえんだよ。こっから見てろ、こっから。海野、お前に気づかされたよ。俺の初心を思い出させてくれたよ。サンキューな」
【海野の話】「(※床に前のめりに倒れ込んで)あー、クッソーッ! (※頭を上げて)あー、チクショーッ! (※立ち上がって)まだ決勝トーナメント、決勝への道はまだ閉ざされたわけじゃない。あさってからリベンジだ!」