バックステージでは二人そろってコメント。ファンタズモが「去年ELPとエースは『WORLD TAG LEAGUE』でTシャツを作り、何より悲しかったのはタッグチームを結成できなかったことだ」と語りかけた。二人は昨年のタッグリーグ戦に出場予定だったが、ファンタズモの体調不良による欠場で消滅。棚橋は邪道と組んで出場した。棚橋が「もう1回?」と問うと、ファンタズモも「ああ」と即答。棚橋が「俺もそう思うよ。やろうよ」と呼応し、仕切り直しのタッグリーグ出場に合意した。
▼ファンタズモ「お前のリョーゴク・スモーホールの最終戦の相手ができて、誇りに思っている。俺が日本で大好きな会場だ。カンパイ(※2人は乾杯)。なあ、去年ELPとエースは『WORLD TAG LEAGUE』でTシャツを作り、それで俺は玉にあれを受けて、片方のキン○マ、バイバイ。面白くなかったけど、何より悲しかったのはタッグチームを結成できなかったことだ」
『KING OF PRO-WRESTLING 2025』東京・両国国技館(2025年10月13日)
NJPW WORLD認定TV選手権試合&エル・ファンタズモ デビュー20周年記念試合&棚橋弘至ファイナルロード〜継(つなぐ) △エル・ファンタズモvs棚橋弘至△
引退を控える棚橋がキャリア最後の両国国技館大会でファンタズモ相手に奮闘。15分時間切れ引き分けでTV王座獲りを逃したものの、ファンタズモとWORLD TAG LEAGUE出場に合意した。
2005年10月にデビューしたファンタズモの20周年記念試合、そして来年の1・4東京ドーム大会で引退する棚橋の「棚橋弘至ファイナルロード〜継(つなぐ)」の一戦として、両者による初の一騎打ちが実現。棚橋にとってキャリア最後になるであろう思い出の詰まった両国大会はファンタズモが保持するTV王座に挑戦するタイトルマッチになった。この試合に向けて、棚橋は「やりますか、ムーンサルト。ちょっくら期待しててください」とファンタズモばりの空中殺法を予告していた。
1年8ヵ月ぶり2度目のTV王座戴冠を狙う棚橋は、アグレッシブに試合を展開。エルボー合戦を繰り広げると、反転式ダイビングボディアタックからエアギターをかき鳴らした。すると、ファンタズモが自分もエアギターを弾きたいと求めるが、棚橋は応じずにエアギターを客席に投げ込む。ファンタズモの空中殺法に手を焼きながらも、ツイスト&シャウトから再び攻勢。予告していたムーンサルトとはいかなかったものの、エプロンからトペコンヒーロを敢行し、「棚橋」コールを巻き起こした。
だが、今度はファンタズモがお株を奪うドラゴンスクリューで棚橋を場外に追いやり、矢のようなトペスイシーダを敢行。鉄柵超えのプランチャでもダイブする。これを棚橋が避けて自爆を誘うと、大ダメージを負ったファンタズモはリングアウトギリギリでなんとか滑り込んだ。棚橋は場外ダイブで強打したファンタズモの左ヒザに照準。低空ドロップキックからテキサスクローバーホールドで絞め上げる。掟破りの逆CRIIは未遂に終わったものの、ビンタで張り倒し、スリングブレイドもさく裂した。
止まらない棚橋はファンタズモがスピニングネックブリーカーを狙ってもスリングブレイドで切り返すと、正調スリングブレイドからハイフライフローの構えに。コーナー上に足止めされても雪崩式フランケンは空転させると、ハイフライフローアタックを発射。残り時間3分のコール直後に、ハイフライフローで勝負に出た。
しかし、ファンタズモは痛むヒザを立てて迎撃。粘る棚橋に対してカウンターのサドンデスをぶち込む。続くCRIIは棚橋がジャックナイフ式エビ固めで切り返し、首固めも仕掛けるが、ファンタズモはキックアウト。棚橋の逆さ押さえ込み狙いを逆に逆さ押さえ込みで切り返すと、そのまま立たせてCRIIをさく裂。時間切れが迫る中、サンダーキッス'86を投下した。ヒザを強打しながらも必死にフォールするが、棚橋はキックアウト。ならばとファンタズモはテキサスクローバーホールドでギブアップを迫ったものの、棚橋が耐え抜き、そのまま時間切れ引き分けとなった。
TV王座は15分1本勝負で争われるのが習わし。互いに死力を振り絞ったものの、15分では決着がつかず、時間切れ引き分けとなり、ファンタズモがTV王座V3を果たした。試合後、棚橋がファンタズモにベルトを手渡すと、互いに言葉を交わして両国国技館を見渡す。2人は互いに座礼をかわして敬意を示し合った。
一度はリングを降りたもののファンタズモに促されてリングインした棚橋は拳を突き上げて、キャリア最後になるであろう両国国技館に別れを告げた。
バックステージでは二人そろってコメント。ファンタズモが「去年ELPとエースは『WORLD TAG LEAGUE』でTシャツを作り、何より悲しかったのはタッグチームを結成できなかったことだ」と語りかけた。二人は昨年のタッグリーグ戦に出場予定だったが、ファンタズモの体調不良による欠場で消滅。棚橋は邪道と組んで出場した。棚橋が「もう1回?」と問うと、ファンタズモも「ああ」と即答。棚橋が「俺もそう思うよ。やろうよ」と呼応し、仕切り直しのタッグリーグ出場に合意した。
【試合後のファンタズモ、棚橋】
▼ファンタズモ「タナサン、来て。この試合が実現するまで長い間待った。たとえちょっと傷つくことになったとしても、それだけの価値はあった。エースとの1対1対決だ。こちらへ(※と席を譲る)。ここへ座って」
▼棚橋「(※英語で)新しいイスがきた」
▼ファンタズモ「新しいイスね、オーケイ」
▼棚橋「ありがとう」
▼ファンタズモ「なんであのダイブのとき動いた? ヒザが痛いよ」
▼棚橋「ごめん」
▼ファンタズモ「頼むよ」
▼棚橋「勇気がなかったんだ。今度は。俺はスーパーマン。君はスーパーマン」
▼ファンタズモ「氷のうだよ。なあ、前に試合動画でお前のこと褒めただろ。もう一度繰り返す必要はない。お前は日本のプロレスリング史上、最高のレスラーだ」
▼棚橋「ありがとう」
▼ファンタズモ「お前のリョーゴク・スモーホールの最終戦の相手ができて、誇りに思っている。俺が日本で大好きな会場だ。カンパイ(※2人は乾杯)。なあ、去年ELPとエースは『WORLD TAG LEAGUE』でTシャツを作り、それで俺は玉にあれを受けて、片方のキン○マ、バイバイ。面白くなかったけど、何より悲しかったのはタッグチームを結成できなかったことだ」
▼棚橋「もう1回?」
▼ファンタズモ「ああ」
▼棚橋「俺もそう思うよ。やろうよ」
▼ファンタズモ「俺はトーキョードームでシングルマッチがしたい。そしてお前はトーキョードームでシングルマッチをしなければならない」
▼棚橋「そうだね」
▼ファンタズモ「でも来月は一緒に『WORLD TAG LEAGUE』だ。ひよっこルーキーどもに見せつけてやろう」
▼棚橋「イェア!」
▼ファンタズモ「何年だ? (ファンタズモがデビューして)20年と、(棚橋がデビューして)26年」
▼棚橋「26年」
▼ファンタズモ「46年のプロレス経験だ。どこまで目指す? タイトルを獲ろうぜ。そう、遊び感覚で。あいつらはガキだから」
▼棚橋「わかるよ」
▼ファンタズモ「だよね。ヘイ(※再び乾杯)」
▼棚橋「もう一度、乾杯」
▼ファンタズモ「ありがとう、タナサン。(※立ち上がって)氷風呂で泣いてくるよ。頼むよ……」
▼棚橋「(※ベルトを持って)ライリー、オイ、忘れるなよ」
▼ファンタズモ「(※戻ってきてベルトを取りながら)もういいんだよ。気にしてない」
▼棚橋「気にしなきゃダメだよ」
▼ファンタズモ「なあ、ここのボタンが直ったら、このベルトのことを少しは気にするよ」
▼棚橋「そうだね」
▼ファンタズモ「ボタンが直ったら、ナンバーワンのタイトルにする」
▼棚橋「ああ、わかった」
▼ファンタズモ「それと社長、社長、お誕生日おめでとう(控室へ)」
▼棚橋「……ライリー! ニー、エルボーパッドを忘れてる。(※日本語で)ニー、じゃないエルボー」
▼ファンタズモ「ああ、忘れてた」