【潮崎の話】「(HAVOCのメンバーに労をねぎらわれると)ありがとう。まずはこの三冠戦、負けてはしまったけど、俺には(メンバーと肩を組んで)仲間がいる。全日本プロレスの仲間がいるんだよ。俺たちHAVOCで必ずあのベルトを獲ってやるよ。終わらない。HAVOCの潮崎豪は終わらないよ。(芦野が『もう1回次やりましょうよ』と声をかけると)そうだよ。ザイオン、オデッセイ、芦野、そして潮崎。俺たちがHAVOC。We are HAVOCだ。(全員で『俺たちはHAVOC!』とアピールすると)サンキュー、ありがとう」
『旗揚げ記念シリーズ2025』後楽園ホール(2025年10月22日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○宮原健斗vs潮崎豪vs宮原健斗×
宮原が因縁の潮崎を熱闘の末に撃破して三冠王座を死守。試合後、恩讐を超えて抱擁を交わした。そんな最高男を大森北斗が襲撃して挑戦表明。11・3札幌大会でのV2戦が浮上した。
9月30日にNOAHを退団した潮崎は、10・11行田大会においてHAVOCの新メンバーとして古巣・全日本に電撃参戦。かつてユニット・Xceedとして共闘していた三冠王者・宮原に宣戦布告した。宮原は旗揚げ記念日である10・22後楽園大会での迎撃を宣言。2015年に潮崎が全日本を退団した際、2人で保持していた世界タッグ王座の返上を余儀なくされたことへの怒りをあらわにし、互いに感情むき出しの状態で注目の三冠戦を迎えた。
潮崎は全日本所属時代の2015年に三冠王者に君臨。同年3月には三冠を懸けて宮原と対戦している。勝てば10年5ヵ月ぶり2度目の戴冠となる状況だった。
宮原は統一された1本のベルトではなく、かつて使用されていたインターナショナル、PWF、UNの3本のベルトを巻いて入場。一方、黒いロングタイツ姿の潮崎にはブーイングも発生。宮原には歓声が降り注ぐ。
潰すと予告していた宮原が先に動く。ロープに押し込み、ビンタをぶち込むと、フロントハイキックを叩き込んで「健斗」コールを巻き起こした。場外では強烈な頭突きを乱れ打ち、圧倒的な歓声を背に浴びて序盤戦をリードする。潮崎は逆水平を多用して猛抵抗したものの、コーナーから場外めがけての雪崩式旋回ブレーンバスターは不発。逆に宮原がエプロンパイルドライバーで勢いを取り戻す。リングアウト寸前で戻った潮崎に強烈な串刺しブラックアウトをねじ込み、KO寸前に追い込んだ。
宮原は一気に押し切ろうとするも、雪崩式攻撃は未遂に。逆に潮崎が今度こそ雪崩式旋回ブレーンバスターを決めて戦況を一変させた。ここから打撃戦に突入。宮原は感情むき出しでエルボーを連打したものの、正面から受け止めた潮崎も逆水平を叩き込み、3連打で最高男を打ち倒す。
宮原も垂直落下式ブレーンバスター、ブラックアウトで立て直したものの、2発目のブラックアウトを潮崎はヒザへのラリアットで撃墜した。負けじと宮原も豪腕ラリアットをフロントハイキックで迎撃したものの、潮崎は左腕ラリアットからゴーフラッシャーをさく裂。宮原の反撃を受けても、シャットダウンにはつなげさせず、ブラックアウトや頭突きをガードして豪腕ラリアットを一閃。リミットブレイクでぶん投げた。宮原がフォールを返したものの、潮崎は「HAVOC!」の絶叫から、走り込んでの豪腕ラリアットを振り抜いた。
完璧な一撃だったものの、宮原は執念でキックアウト。後楽園ホールは割れんばかりの「健斗」コールに包まれる。潮崎はサポーターを外しての豪腕ラリアットを狙って突っ込むが、宮原はカウンターのスタンディングブラックアウトをドンピシャリ。そこからシャットダウンスープレックスの構えに。場内は沸騰するが、潮崎も意地の抵抗。寸前で振り払うと、ローリング袈裟斬りチョップを連打した。だが、宮原はまたもカウンターのスタンディングブラックアウトをぶち込むと、シャットダウンスープレックスホールドで3カウントを奪った。
宮原が三冠王座を死守。場外に転落した潮崎に視線を向けるとマイクを持つ。そして、「潮崎豪! 出たり入ったり、出たり入ったり、ベルトを返上したり、ユニットを野放しにしてもいいじゃねえか! 誰だ? そんな小さなこと言ってるヤツは。小さい人間にはなりたくないね」とここまでの自分の発言を自ら斬り捨てて、「健斗」コールを巻き起こした。
「いいか、全日本プロレスという場所は誰のものでもないんだ。この全日本プロレスは強くてカッコよくてデカいヘビー級が集まるリングだ。潮崎豪、なかなかお似合いじゃねえのか」と最高男らしい言い回しで潮崎を評すると、「ただ! お前が選んだ道はHAVOCだ。まあ、いいよ、上がってこい、お前。今日だけだ、上がってこい」とリングに呼び込む。客席からは「潮崎」コールが巻き起こった。
宮原はリングで潮崎と向き合うと、「いいか、潮崎豪。この全日本プロレスは先ほども言った通り、デカくて強くてカッコいいヘビー級がたくさんいる。日本プロレスファンで潮崎豪の全開ファイトを見たいファンもいるだろう。これは俺からのメッセージじゃねえからな。日本プロレスファンのメッセージだ。俺には関係ねえ」と言いながらも、「お前が選んだ道はHAVOCだ。でも、今日はハグしようぜ」と潮崎に呼びかける。潮崎は一旦躊躇したものの、2人はしっかりと抱擁。大きな拍手に包まれると、宮原は「明日からまたいじめてやるから覚えておけよ」と通告した。大きな「潮崎」コールの中で、潮崎はHAVOCの仲間たちに肩を借りながらリングを去っていく。
宮原は「この全日本プロレスは誰のものでもない。出戻りだろうが、フリーだろうが、生え抜きだろうが…俺だってこんなこと言ってるけど、10年前に移籍してきた身分だ。生え抜きみたいな顔してたら何とかなるだろ」とぶっちゃけて笑いと拍手を誘うと、「おい、プロレスファンよ、デカいレスラーの戦いをもっと見たいだろ!? これからさらに全日本プロレスはプロレスファンがドキドキワクワクするプロレスを見せるからな」と約束。恒例の「最高」締めへ。
だが、そんな宮原をこの日、シリアスなファイトを見せていた北斗が背後から襲撃。ドラゴンスープレックスでぶん投げると、「NOAHを干されたヤツと健介オフィスを辞めたヤツで楽しそうだな。お前が立川でベルトを獲った日から、俺はプロレスが全然楽しくねえんだよ。そんなに生え抜きが好きなら、俺に挑戦させてくれ。どこでやるよ?」と迫った。
宮原は「お前、何中だ? 北海道の田舎町出身か。じゃあ、11月3日、北海道の大都会で大森北斗、お前の最後の北海道での思い出作りに付き合ってやるよ。せいぜい地元で俺に負けるところを皆様にお見せするんだな。恥かくぞ」と11・3札幌大会を舞台に指定しつつ受諾。V2戦が決定的となった。
北斗が去っていくと、改めて三冠王座を受け取った宮原は「さあ、プロレスファン。今日も魂震わせたか? さあ、俺たち全日本プロレスは10月26日、北海道ツアーが奇しくも北斗市から始まる。大森北斗は嫌いだけど、北斗市に罪はない。さあ、プロレスファンよ、11月26日から11月3日までの北海道ツアー、楽しんでくれ」と北海道ツアーを見据えると、今度こそ「最後に会場の皆さんに聞きたぁい! 全日本プロレス最高ですかぁ!」と絶叫。観客から「最高!」のコールを浴びると、満足げに「全日本プロレス最高」と言い放ち、後楽園大会を締めくくった。
【宮原の話】「よっしゃあ。すべてはリング上で言った。潮崎豪、戦う前はプロレスファンも、どこぞのプロレスラーも、『出たり入ったり、ベルトを返上したり、ユニットを野放しにしたりする』という、ちっちぇえ意見が飛び交ってたな。そんな小っちゃい感性を持ったプロレスラーの顔が見てみたいね。出たり入ったり、ベルトを返上したり、ユニットを野放しにしたり、そんなことどうでもええわ。そして、10年前の世界タッグを返上した出来事なんか忘れてたわ! プロレスファンとそんなことを言うプロレスラーの顔が見てみたいね。10年前を引き出すレスラーの顔が見てみたい。恥ずかしいよ、同じレスラーとして。ただ、言っただろ。このリングは誰のものでもないんだ。強いて言うなら、プロレスファンのものだ。俺らは、この全日本プロレスはデカくて強くてカッコいいヘビー級のレスラーが集まるリングだ。それがプロレスだろ? なあ、デカいレスラーをプロレスファンは見たいんだよ。それを俺らが体現していくからな。だから言ったろ? 潮崎豪だって、デカくて強くてカッコいい。よく似合うじゃないか、お前には。そして、俺がリング上で言ったのはプロレスファンの代弁だ。なあ、潮崎豪。てめえの全開ファイトをこの日本プロレス界のためにまだまだやらなきゃいけねえだろ。それは俺の意見じゃねえからな。プロレスファンの代弁だ。俺には関係ねえ。そして、大森北斗。よく出てこれたな、こんな中。勇気だけは買ってやるよ。宮原健斗と潮崎豪の中にお前は入り込もうっていうのか。北海道の田舎町出身だろう、お前は。だから、北海道の大都会・札幌で、てめえの地元で恥をかかせてやるよ。今からご親族の皆様に連絡しとけ。スーパースター宮原健斗と、地元で錦を飾りますってな。今からだ。すぐにLINEしろ、親族に。言っておくけど、俺は全国区のスーパースターだ。札幌の皆様が俺の2度目の防衛戦を楽しみにしてるからな。大森北斗、お前には荷が重いんじゃねえか。だからだ。ご親族に連絡しておかないと、会場一体が俺の応援に染まるぞ、お前。恥かかせてやるからな。よし、写真撮りましょう。記念だ、これは3本だ」
【潮崎の話】「(HAVOCのメンバーに労をねぎらわれると)ありがとう。まずはこの三冠戦、負けてはしまったけど、俺には(メンバーと肩を組んで)仲間がいる。全日本プロレスの仲間がいるんだよ。俺たちHAVOCで必ずあのベルトを獲ってやるよ。終わらない。HAVOCの潮崎豪は終わらないよ。(芦野が『もう1回次やりましょうよ』と声をかけると)そうだよ。ザイオン、オデッセイ、芦野、そして潮崎。俺たちがHAVOC。We are HAVOCだ。(全員で『俺たちはHAVOC!』とアピールすると)サンキュー、ありがとう」
【北斗の話】「あたかも所属みたいなツラしてやるのはいいと思うよ。NOAHを干されたヤツと健介オフィスを辞めたヤツで、旗揚げ記念日、仲良くやるのはメチャクチャいいと思うよ。でもさ、お前らは楽しそうだけど、今日来た会場の人も楽しそうだけどさ。俺はお前がベルトを獲った立川からプロレスが本当に楽しくないんだよ。せっかくさ、新しいチームを作ったり。黒潮TOKYOジャパン、立花誠吾、あいつらはいい。本当に俺が理想とするようなプロレスをやってると言っても過言ではない。ああいう楽しいプロレスをやるのが俺は大好きなはずなのに、マジで楽しくねえんだよ、プロレスが。おい、宮原。許してやるよ。お前が過去に道場内で俺の居場所をなくしたことも、まったく俺と会話をしなかったことも。入門してから7、8年経っているけど、お前とは20回ぐらいしか会話できたことないかもしれないな。ほぼリング上だな。それも全部許してやるよ。だけど、11月3日、札幌だけは、お前絶対許さねえからな。殴らせろよ」