【DDT】上野が鈴木との死闘ダブルタイトル戦制してKO-D&UNIVERSAL2冠王に 2025/11/3

『Ultimate Party 2025』両国国技館(2025年11月3日)
KO-D無差別級&DDT UNIVERSAL両選手権試合 ○上野勇希vs鈴木みのる×

 KO-D無差別級王者・上野がUNIVERSAL王者・鈴木と史上初のダブルタイトル戦で対決。34分超の死闘の末に勝利し、シングル2冠王に輝いた。

 3・20後楽園大会で当時UNIVERSAL王者だった上野を鈴木が破り、同王座を戴冠。上野は8・31後楽園大会で平田一喜を下してKO-D無差別級王座に返り咲き。「いつでもどこでも挑戦権」を行使した須見和馬の挑戦を退けて初防衛を果たした試合後、鈴木が現れ、両者ともにベルトをかけた対戦を希望。団体史上初の2冠戦が実現することになった。

 序盤、レスリングの攻防、エルボー合戦を展開すると、花道での戦いとなり、鈴木が走り込んでのサッカーボールキック、鉄柱攻撃で先手を取った。リングに戻ると鈴木は左足攻めを展開。上野もエルボー合戦、張り手合戦で渡り合い、ダブルダウンに持ち込んだが、ここから鈴木の地獄の攻めが待ち受けていた。

 鈴木は上野の左足をイスで殴打し、アキレス腱固めで絞め上げる。それでも上野は場外でムーンサルトアタック、シャイニングウィザードで応戦。リングに戻るとブリザード、シットダウンひまわりボムの猛攻に出たが、BMEが自爆に終わり、鈴木のアキレス腱固め、ヒザ十字、クロスヒールホールド、アキレス腱固め、ヒールホールドで左足を徹底的に絞め上げられた。

 ギブアップ寸前に追い込まれた上野だったが、何とかロープにエスケープ。激しい顔面の張り合いから、上野が人でなしドライバー、投げ捨てジャーマンの猛攻に出れば、鈴木はドロップキックで応戦し、スリーパーで絞め上げる。上野はWRをカウンターで決め、再び鈴木のスリーパーをに捕まっても抜け出し、上野はドロップキックをさく裂。再びWRを決めると、フロッグスプラッシュを投下して執念で3カウントを奪取した。

 試合後、上野は引き揚げようとする鈴木に「鈴木さん、僕と何もかも違うけど、ずっと僕を一人のプロレスラーとして向き合い続けてくれてありがとうございます。何回でもDDT制圧しに来てください。そしたら僕が何回でも迎え撃ちます。これから何回も跳ね返して見せますから、いっぱい遊びましょう」と投げかけた。鈴木が退場すると、上野は「シングルのベルト2本獲ることができてやりたいことがあります。一つ目は、僕のプロレスで、僕たちの力でみんなに活力を与えること。プロレス見たら、しんどいことも楽しくなったり、楽しい日がもっと楽しくなります。僕は2人分のチャンピオンとして、みんなにたくさんエネルギーを届けます」と誓い、「そして、もう一つ。僕はDDTの仲間とみんなで東京ドームに行きたい! まだ遠い夢だけど、毎週末、いっぱいのエネルギーのある試合になって、毎月の後楽園もいっぱいになって、両国もいっぱいになって、みんなの力の出る場所になります。それを一人ひとりに届け続けて、東京ドームに行くために、チャンピオンとしてメチャクチャ頑張ります」と高い目標を掲げた。

 そして上野が「鈴木さんがいてくれたおかげで今日の戦いがありました。僕に挑戦してくる勇気ある人間はいますでしょうか?」と問うと、まさかのスーパー・ササダンゴ・マシンが登場し、煽りパワーポイントがスタート。ササダンゴは上野が最近、芸能活動でも活躍している点に触れ、「一プロレスラーではなく、立派な公人」と位置付け、「立派な公人であるにもかかわらず、ウソをついてます」と指摘した。

 ササダンゴは昨年12・22後楽園大会で上野と一騎打ちした際、画びょうを駆使して勝利を挙げた。その試合後のコメントで上野が「2025年、KO-D無差別級王座に返り咲いたら、初防衛戦の相手はスーパー・ササダンゴ・マシンです」と発言しており、それを根拠に挑戦を表明。ササダンゴがリングに上がると、その発言を思い出した上野は「鈴木みのるという、マッスル坂井さんの引退の相手を務めた人から勝ち取ったベルトもありますんで、無差別とUNIVERSALかけてやりましょうか?」と提案。ササダンゴは「覚悟はあります。体力以外なら全部あります」と呼応し、11・30後楽園大会で2冠王座に挑むことが決定した。

 引き揚げる上野は通路で、この日、里帰り参戦した遠藤哲哉と握手。すれ違った鈴木に握手を求めると、鈴木は「これで終わりじゃねぇ!」と吐き捨ててニヤリ。支度部屋で高校の同級生でもあるKONOSUKE TAKESHITAから「いつか、(タイトル戦)やっちゃう?」と声をかけられると、上野は「米国でも新日本でもDDTでも、プロレス界を盛り上げて、いつか世界戦つくってやりましょう」と応じた。

☆11/30(日)東京・後楽園ホール『BE AMBITIOUS〜秋闘乱舞〜』10:30開場、11:30開始

▼KO-D無差別級&DDT UNIVERSAL両選手権試合
[挑戦者]
スーパー・ササダンゴ・マシン
vs
上野勇希
[第88代KO-D王者/第19代UNIVERSAL王者]
※上野KO-D王座3度目、UNIVERSAL王座初防衛戦

【上野の話】「僕はプロレスに人生変えられましたから、このベルト2本持てたなら、みんなの人生を変えてやります。こんなにも僕がリングで生きてることを感じられることはもうないんじゃないかと思うくらいで…。鈴木さんと戦えてよかった。鈴木さん、何回も遊びましょう。僕が勝つから。いつでもDDT荒らしに来てください。大歓迎です」

【ササダンゴの話】「1度だけ、HARASHIMAさんが持ってた時に、いつどこを使って、無差別に挑戦したことがありましたけど、こうやって挑戦表明したのは初めて。箸休めにはなりませんよ。ここから正々堂々。プロレスと真っすぐ向き合うのから逃げてたのかもしれないけど、プロレスラーとしての覚悟があるんなら挑戦してもいいし、チャンピオンになってもいいと思う。(2冠戦になるが?)彼の慢心かもしれない。そこで獲っちゃうのがスーパー・ササダンゴ・マシンです」

【彰人CyberFight取締役の話】「DDTのビッグマッチはアクシデント的なことが起こることが多くて、男色ディーノが欠場になって、ピンチなって、AMAKUSA選手が二つ返事で出てくれて、ピンチがチャンスになって、NOAHの皆さんに感謝してます。上野君が東京ドームに行きたいと言って、選手の夢をかなえるのもDDTの良さでもあるんで。それが来年になるのか再来年なのかもっと先なのか分かりませんが、実現できるよう動いていきます。今年は(両国の)会場の改修の都合もあって、年1回だったんですけど、来年は年2回、やりたいと思ってますし、再来年の30周年につなげられるような1年にしたいと思ってます。その行く先が東京ドームなのか違うところなのか分かりませんが、しっかり検討して、お客さまにも夢を提供できればと思います」