1/5【新日本】IC王座陥落翌日…ジェイが再起戦で飯伏を無法KO
『バンドリ!Presents WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム』東京ドーム(2020年1月5日)
○ジェイ・ホワイトvs飯伏幸太×
内藤に敗れてインターコンチネンタル王座から陥落したジェイが、翌日の再起戦で飯伏を無法KOした。
ジェイは昨日(4日)の東京ドームで内藤に敗れてIC王座を失い、二冠への道が潰えた。今大会では同じく昨日、IWGPヘビー級王者・オカダに敗れてベルト獲りに失敗した飯伏と出直しのスペシャルシングルマッチを行った。
序盤から外道が暗躍するも、飯伏は速射砲のような打撃のコンビネーションからその場飛びムーンサルトプレスに繋げるなど、昨日の敗戦を感じさせない動きを披露する。しかし、ジェイは首からトップロープに叩きつけると、エプロンの飯伏を突き飛ばして、場外の鉄柵に衝突させる。隙を突かれて首を強打し、意識もうろうとする飯伏を場外で暴行してペースを握った。
劣勢が続いた飯伏だったが、フランケンシュタイナーから反攻へ。プランチャ、スワンダイブ式ミサイルキック、ムーンサルトプレスと空中戦で躍動する。ジェイは首攻めで巻き返したものの、飯伏も強引に人でなしドライバーを繰り出して流れを渡さない。打撃戦になると、完全に飯伏が試合を掌握。後ずさりするジェイを見て、激情をあらわにした飯伏は「来いよ!」と絶叫。鋭いエルボーで何度もスイッチブレードをねじ伏せた。フラフラのジェイはビンタやボディブローを発射するも、倒れない飯伏はラリアットで吹き飛ばす。
一方的な展開が続いたが、ジェイは浅見レフェリーを飯伏に投げつけて奇襲すると、コンプリートショット、ジャーマンの連続攻撃で主導権を奪い取る。キーウィークラッシャー、高速バックドロップと得意技でダメージを蓄積させると、雪崩式裏投げやスリーパースープレックスも火を噴く。
勝負を急ぐジェイはブレードランナーを狙うも、組みついてきた瞬間にはねのけた飯伏は、飛びヒザ蹴りを突き刺す。スクールボーイで丸め込んでから、そのままの勢いでジャーマンを決めると、ボマイェ、右ハイキックでジェイを腰砕けにした。粘るジェイは飯伏とレフェリーを交錯させて無法地帯を作り上げると、混乱に乗じて外道がパイプイス片手に乱入。飯伏の背中に躊躇なく振り下ろした。が、これで飯伏の怒りは沸点に。冷徹な表情で外道のトーキック連打に仁王立ち。殴り飛ばして排除すると、ジェイにはシットダウン式ラストライドをお見舞いする。レフェリーをリングに押し入れ、ジェイの側頭部を左右のローキックで射貫くと、カミゴェを叩き込んだ。
飯伏の勝利は決定的と思いきや、外道がレフェリーの足を引っ張ってカウントを妨害。メリケンサックを装着してリングに飛び込む。ジェイがパイプイスを投げつけて飯伏の動きを止めると、外道のメリケンサック攻撃もクリーンヒット。虫の息になった飯伏を見るや、ジェイはブレードランナーをさく裂させて試合を制した。
荒ぶるジェイは飯伏に再び襲いかかり、2発目のブレードランナーでKO。昨日敗れた憂さを晴らした。それでも内藤に敗れた屈辱は消えないようで、今日も憎まれ口を叩いたジェイだったが、「しかし、今日の試合は俺の思うままの結果が訪れた。覚えておけ。俺の前に立つヤツみんなを倒してやるからな」と飯伏狩りに満足げ。「ダブルチャンピオンになるという俺の目標を達成することができないのは本当に悔しい。だが今、横に座っている彼(外道)という素晴らしい頭脳が俺にはある。俺たちには必ず新しいプランがあるんだから、覚えておけよ」と巻き返しを予告した。
一方、東京ドームで2連敗を喫した飯伏は肩を落としたものの、「残念な結果とはなったんですけど、自分の中ではまだまだ諦めない。まだまだこれが始まりなんで。もっともっともっとプロレスを広めていくことは今後も変わりないです。もっといいプロレスがみんなに見せれるように、もっと頑張っていきたいと思います」と前向き。「負けちゃったんですけど…たぶんプロレスは2003年にデビューしたんですけど、16年で3本に入るぐらいに気持ちいい試合でした」と昨日のオカダ戦を振り返り、再起を誓った。
【試合後のジェイ】
▼ジェイ「俺がコメントする前に1つ。俺の横にいるこの男(外道)にも必ず席が必要だ。必ず俺と一緒にいてくれるのだから、いつでも俺がイスに座る時にはこいつも椅子に座る必要があるんだ。覚えておけ。絶対にいい試合だったとは誰も言わないだろうが、みんな俺の試合を楽しんだはずだ。そして、言っただろ? 俺はゴールデンスター、飯伏幸太ですら倒すことができるんだと。それを今日は実行したまでだ。みんな俺のほうが上だと誰も信じていなかったみたいだが、それはなぜだろう? G1でのあの結果があったからだろうか? でも、あの試合もレフェリーの助けがあってこその飯伏の勝ちだったと俺は思っている。誰も1人で俺と対峙することができるヤツはいないはずだ。内藤もそうだった。昨日はスリーパースープレックスからブレードランナーにいこうとしたら邪魔が入った。実況も周りにいた若手も、そして見ている観客ですら、みんな内藤の味方をした。誰も俺に対して何の気も配ってはいないんだろう。そして、何をしたかと言えば、内藤にリカバリーの時間を与えた。あれがなければ、俺の勝ちは決まっていたはずだ。なのに、その勝利を俺の手からもぎ取っていったのはお前たちだ。俺は防衛に成功し、今日もチャンピオンとしてメインイベントに立つはずだったのに、最後から3番目の試合というのはどういうことだ? レフェリーのレッドシューズ(海野)、お前は誰から賄賂を受け取っているんだ? しかし、今日の試合は俺の思うままの結果が訪れた。覚えておけ。俺の前に立つヤツみんなを倒してやるからな。みんなのアイドル、ゴールデンスター。お前はいつもみんなから手助けをもらって、いい思いをしていていいな。でも、今日のメインイベントでダブルチャンピオンを得るチャンスは昨日得られなかったみたいだな、俺と同じように。しかし、今日は俺がみんなのゴールデンスターを倒してやった。これからが楽しみだ。ダブルチャンピオンになるという俺の目標を達成することができないのは本当に悔しい。だが今、横に座っている彼という素晴らしい頭脳が俺にはある。俺たちには必ず新しいプランがあるんだから、覚えておけよ」
▼外道「ありがとう。内藤はかなりダメージを負っているから、今日の試合は大変なんじゃないか? きっと動けないはずだ」
▼ジェイ「そうだな。レインメーカーがどんな試合を見せてくれるのか楽しみだ」
【試合後の飯伏】
▼飯伏「ありがとうございました。2日連続の初めてのドームだったんですけど、結果、2連敗。残念な結果とはなったんですけど、自分の中ではまだまだ諦めない。まだまだこれが始まりなんで。もっともっともっとプロレスを広めていくことは今後も変わりないです。もっといいプロレスがみんなに見せれるように、もっと頑張っていきたいと思います」
――今後もまだ二冠を狙っていく? それとも違う方向でプロレスを盛り上げていく?
▼飯伏「そもそも二冠というものが…もちろんどちらのベルトも僕がほしい。それは全レスラー、当たり前だと思うんで。そこは当たり前を前提として、違う方向性でもプロレスをもっともっと広めていければいいなと。その作戦じゃないですけど、自分なりにはあるので」
――昨日終わったあとに切り替えはできている?
▼飯伏「切り替えはできてます。今日はちょっと負けてしまって、何も考えられないというか。せっかくのドームなのに、いい結果を残せないという。自分の夢に繋げられなかったというのはちょっと残念な部分はあるんですけど、僕は諦めてないんで。マイナスのほうには捉えないでもらいたいです」
――去年のG1から諦めない気持ちは変わらない?
▼飯伏「そうですね。気持ちは変わってないです。今後もずっと諦めないです」
――昨日が終わった段階で、今日の試合の意味合いをどんなところに置いていた?
▼飯伏「ただのスペシャルシングルマッチではなくて。IWGPヘビーとインターコンチネンタルのベルト、2つのものを懸けた者同士4人が…オカダ選手はちょっと違う意見だったかもしれないですけど、その4人が戦ったわけで。まあ、敗者同士ですけど、これは負けられない。これに勝ったのと負けたのじゃ全然違うなという気持ちですね。だから非常に今は残念です」
――失ったもののほうが大きいかと思うが、この2日間で得たものは?
▼飯伏「初めての2日間のドーム、まず初めてのメインイベントを飾れたこと。これは確実に自分のプラスであるし、この2日間のドームでシングルマッチ2連戦できたことは自分の人生にとってもプラスかなと思います」
――今日の試合を迎えるにあたって、昨日の試合のダメージは残っていた? 今日の試合のダメージとどちらが大きかった?
▼飯伏「非常に難しい問題ですけど、正直、昨日の試合を見てもらえればわかると思うんですが、ダメージは残ってましたね。でも、それは僕は全選手変わらないと思ってて。ジェイ選手も絶対今日ダメージがあると思うんで、そこは別に」
――昨日のオカダ戦を改めて振り返ると?
▼飯伏「負けちゃったんですけど…たぶんプロレスは2003年にデビューしたんですけど、16年で3本に入るぐらいに気持ちいい試合でした」
――負けたけれど?
▼飯伏「負けたけど最高でした。なんかプロレスを正直伝えられたかなという部分がちょっとありますね。昨日の試合に関しては。でも、昨日勝ってたら、もっと違う景色が見せられたかなと思います」
――ドームが揺れるような試合になっただけに、伝わったのでは?
▼飯伏「僕がプロレスを見てた頃、東京ドームというのは年に1回のプロレス界全体で…僕の中では全世界で一番凄い大会だと思っていたんで。そこを大爆発させれたというのは満足してますね。でも、まだ諦めないです。ここでは止まれないです。まだまだ全然諦めない。先はまだありますから」
――昨日・今日と覚醒する場面、キレる場面があったが、自分の中ではそういう感情を感じた?
▼飯伏「覚醒もキレるも、昨日も今日も自分の中ではないというか、そこをコントロールできるようになったんで。キレてもないし、覚醒もしてないです」
――コントロールできているという感覚は?
▼飯伏「今までにその経験をしてきたので、そこの感情をコントロールすることができたかなと。それは昨日感じました」
――2日間を終えて、新日のトップに立つために今の自分に足りないものは?
▼飯伏「今はそこを探しているんですけど。やっぱり勝つということの気持ちがまだ足りないのかなっていう。僕の中ではこれ以上ない、これ以上ない、これ以上ない…と毎回毎回これ以上ないと思って戦っているんですけど、他の選手のほうがもっとあったから、僕は負けてしまったんだなって。まだその部分が足りないのかなと」
