11/30【新日本】石井&矢野が単独首位 奮闘ヘナーレを真っ向粉砕
『WORLD TAG LEAGUE 2020 & BEST OF THE SUPER Jr.27』(2020年11月30日)
「WORLD TAG LEAGUE 2020」公式戦 ○石井智宏&矢野通vs棚橋弘至&トーア・ヘナーレ×
石井&矢野が奮闘するヘナーレを真っ向から粉砕してタッグリーグ5勝目を獲得。単独首位に立った。
試合前の時点で石井&矢野組はIWGPタッグ王者のタイチ&ザック、鷹木&SANADAと並んで首位タイの状況。今宵はすでに脱落が決まっている棚橋&ヘナーレを迎え撃った。
遺恨を引きずる石井とヘナーレはNEW JAPAN CUP1回戦での対戦が決まっていたものの、コロナ禍の影響を受けて消滅した。溜め込んでいた思いをぶつけ合うように、のっけから2人は肉弾戦で火花を散らす。ショルダータックル合戦をヘナーレが制すると、棚橋が加勢。ダブルショルダータックル、ダブル逆片エビ固め、エルボードロップ&ケサ斬りチョップ…とこれでもかと連係攻撃を決めて相手チームをナデ斬りにした。が、これで石井の闘志に火がともり、逆水平とエルボーを交互に連打するなどしてヘナーレを圧倒。矢野もむき出しになったコーナーの金具に連続して投げつけ、ヘナーレを痛めつけた。
しかし、ヘナーレは気持ちで下がらない。棚橋が奮闘して挽回すると、再びリングに飛び込み、ここでも真っ向勝負を選択。石井の串刺しラリアットを受け止めたうえで、バックフリップでぶん投げる。棚橋との合体攻撃は矢野に妨害されると、石井の投げ捨てジャーマンを食らってしまうが、CHAOSの連係をケサ斬りチョップ連打やラリアットではねのける。そして、石井にダイビングショルダーをぶち込んで、場内を沸かせた。
石井も気持ちで応える。肉弾戦を正面から受けて立ち、強烈なエルボーでねじ伏せると、バックドロップでヘナーレをぶん投げた。矢野も加勢して、シーソーホイップでヘナーレを剥き出しになったコーナーの金具に叩きつけようと試みる。
ここで急行した棚橋がヘナーレをコーナー前で抱きしめて救出。石井にツイスト&シャウトを決めて、ヘナーレを援護する。水面蹴り&スリングブレイドの合体技もさく裂。棚橋がプランチャで矢野を分断すると、その気持ちに応えるべく、ヘナーレはランペイジ(ランニング式スパインバスター)、ローリングバックエルボー、スピアーと石井を攻めに攻めた。場内は大きな拍手に包まれる。
だが、矢野がインサイドワークでチャンスを潰した。ロープブレイクをアピールしてヘナーレを誘い込むと、攻撃を避けた瞬間、石井がラリアットを発射。矢野のフロントスープレックス、石井のスライディングラリアットが連続して火を吹く。ラリアットを食らって1回転したものの、粘るヘナーレは頭突きや後ろ回し蹴りで抵抗し、強引にTOAボトムを狙ったが、踏ん張った石井が垂直落下式ブレーンバスターで突き刺して接戦を制した。
試合後、石井はヘナーレについて何も語らず、試合後に場外でにらみ合った棚橋に「いつまでサポート役に徹してんだ、この野郎! お前が表に出てこんかい、オラ! そしたら潰してやるからよ。いい子ちゃんでいんじゃねえぞ?」と怒りをぶつけ、今後に禍根を残した。
ともあれ、石井&矢野のCHAOSコンビが5勝目。他の試合結果を受けてタッグリーグ単独首位に立った。残る公式戦は12・4別府のジュース&フィンレー、12・6福岡のタイチ&ザックと強敵相手が続くが、初優勝が見えてきたのは間違いない。
【石井の話】「これで単独トップだな? トップだよ。あと二つ、行ってやるから。それから棚橋。いつまでサポート役に徹してんだ、この野郎! お前が表に出てこんかい、オラ! そしたら潰してやるからよ。いい子ちゃんでいんじゃねえぞ?」
※矢野はノーコメント
【棚橋の話】「この試合結果も、この試合内容も、そして俺自身も……(天を仰いで)ああああ、すべてが悔しい。悔しくて、頭おかしくなるな」
【ヘナーレの話】「(先に棚橋が控室に戻った後、一人で)潔く負けを認め、前に進んでいこうと思う。負けたことに落ち込んではいない。だって俺は8ヵ月もイシイと戦えるこの瞬間を待ちわびていたんだ。イシイ、あなたは大会が再開してからずっと試合をしていたけれど、俺は戦う相手もなく、リングに上がることすらできなかった。今日はヘッドバットやスピニング・ヒール・キックといった技を初めてリングで披露できたし、イシイを限界ギリギリまで追い詰めてやった。もしかすると、次こそイシイに勝てるかもしれない。それだけの手応えがあった」