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6/9【新日本】デスペが悲願のスーパーJr.初制覇 王者SHOの対戦要求に金網戦を提案

『レック Presents DOMINION 6.9 in OSAKA-JO HALL〜BEST OF THE SUPER Jr.31 決勝戦〜』大阪城ホール(2024年6月9日)
「BEST OF THE SUPER Jr.31」優勝決定戦 ○エル・デスペラードvs石森太二×

 デスペラードが石森を大熱戦の末に下し、悲願のBEST OF THE SUPER Jr.初優勝を達成。IWGPジュニア王者・SHOから対戦要求を受け、金網マッチを提案した。

 熱戦の連続となったスーパージュニアはこの日が優勝戦。6・3後楽園大会の準決勝でDOUKIを破ったデスペラードと、TJPを撃破した石森の間で栄冠が争われた。どちらが勝っても初優勝。公式戦同様に場外フェンスが撤去されて優勝戦を迎えた。

 石森がスワンダイブ式コルバタで場外に吹き飛ばし、三角飛びケブラーダで先制。デスペラードを抱え上げて左の肩口から鉄柱に叩きつける。ここから石森はBone Lockへの布石とばかりに左腕と左肩に多彩なピンポイント攻撃を展開した。

 守勢が続いたデスペラードだったが、石森のハンドスプリング攻撃をキャッチしてのバックドロップで反撃を開始。トペコンヒーロで突っ込んだ。石森はスライディングジャーマン、サイファーウタキで主導権を奪い返し、ショルダーバスターも敢行。リバースフランケンシュタイナーで突き刺したが、デスペラードもスパインバスターで意地の反撃。マフラーホールドを仕掛けた。

 切り抜けた石森はアームブリーカーで悶絶させ、ラ・ミスティカからのBone Lockで絞め上げる。しばし捕まったデスペラードもマフラーホールドで切り返し、ヌメロ・ドスへと移行。石森も立ち上がるやカナディアンデストロイヤーで突き刺すと、デスペラードの動きが止まった。すかさず石森はデスペラードをレフェリーに激突させ、急所蹴りからの外道クラッチで丸め込んだ。

 返したデスペラードはロコモノをぶち込んで石森を吹き飛ばして譲らない。ともに消耗が色濃い中、エルボー合戦で意地を張り合い、デスペラードが再びロコモノをさく裂。石森がカウンターのジャンピングニーで応戦しても、スピアーでねじ伏せ、ピンチェ・ロコを爆発させた。

 勝負あったかに思われたが、石森はギリギリで肩を上げた。再度のピンチェ・ロコは石森が食い止め、旋回式ブラディークロスで逆襲。リバースブラディサンデーを決めたが、デスペラードも葛西純ばりのリバースタイガードライバーで譲らず。間髪入れずピンチェ・ロコを再び爆発させて3カウントを奪った。

 デスペラードが石森との大熱戦を制し、悲願のスーパージュニア初優勝。試合後も大の字のままの石森に歩み寄ると、拳と拳を合わせた。そして優勝トロフィー、優勝旗を贈呈されて「デスペ」コールの大合唱を浴びた。

 そこへ現れたのはIWGPジュニア王者・SHO。「そのトロフィー持つのは俺に勝ってからやろ。何なら俺と優勝決定戦やり直しせえや」と迫った。拷問軍の介入の末、SHOにベルトを奪われたデスペラードは「そのベルトはお前に負けたわ。負けたけど、いつも人呼んでただろ。決まりそうになったときに電気消えるとか、人が出るとかやめようぜ」と指摘したが、SHOは「一人で戦っとるわ」と言い張るばかり。それでもデスペラードが介入を疑うと、最終的に「呼ばねえ。一人でいってやるっつってんだろうが! 呼ばねえよ。ああ! 呼ばねえつってんだろうが! 一人でやったらあ! 文句ねえやろ」と言い切った。

 するとデスペラードは「わかった、わかった。タイトルマッチは文句ねえや。じゃあ誰も入れないように金網にしよう」と提案した。拷問軍の介入を完全防止するにはうってつけの案に、SHOは動揺を隠せず。デスペラードが「金網つけるだけだから。どうせ人入ってこないなら一緒じゃん。さっきやるって言ったもんな。言ったよな?」と念押しすると、SHOも「分かった、やったるわ!このヤロー、クソったれ!」と吐き捨てて去っていった。

 王者からの要求でIWGPジュニア挑戦が決定的となった。「石森さんの言葉を借りるよ。勝った俺が強いんだ。俺が最強だ」と豪語したデスペラードは逃げ場のない、邪魔が入らない金網戦でベルト返り咲きに乗り出す。

【試合後のデスペラード】

▼デスペラード「いってー!(とトロフィーを持ち、優勝旗を担いでインタビュースペースに着くと着席)」

──改めて初優勝おめでとうございます!

▼デスペラード「ありがとうございます」

──今の気持ち、聞かせてください。

▼デスペラード「いやもう全然、アレだな、石森さんに勝ってようやく念願のと思って気持ちよかったのに、余韻をぶち壊されたよ。うれしいのはうれしいんだけど、何か、忙しすぎてよくわからん。(用意されていた缶ビールを開け、一気にあおる)まあ、もう少し時間が経ったら感想も出てくるんじゃないすかね。まだよくわかんないっす」

──改めてこの大会を振り返って、今どんな気持ち?

▼デスペラード「いや、優勝したから言ってる風に聞こえちゃって、ちょっとダサいかもしんないっすけど、日程も、ちゃんと会社がケアしてくれたんで、ちゃんと試合に集中できたし、実際、ドラゴン・ダイヤ選手だったりHAYATA選手だったりニンジャ・マックだったり、いろんな人が来てくれたから楽しかったっすよね。これが、いろんなカラーの人がいるから『BEST OF THE SUPER Jr.』だって気もしますし。楽しかったです」

──2年ぶり3度目の決勝戦、これだけのお客さんの中で戦った気持ちは?

▼デスペラード「試合の前はガタガタガタガタ講釈垂れてましたけど、やっぱりたくさん席があるところに人が座ってくれてると気持ちいいっすね。キャパが大きいからっていうよりは、どんなサイズの箱でも人がいっぱいいるのはうれしいです」

──大阪城ホールの最後の試合で勝ったのは格別な気持ちでは?

▼デスペラード「これからのジュニアは、1年1年こうやって新しい世代に変わっていくと思うんで、僕の勝手な思いだけで『試合順なんて関係ない』って言っちゃうと、次の世代、これからやっていく人たちが割を食うと思うんで、それはよくないと思うんで、やっぱりデカいところのメインをジュニアが任されたっていうのは次につながるんじゃないかと思います」

──改めて、この大会を戦った他のジュニア戦士に伝えることがあるとすれば?

▼デスペラード「『ありがとう』しかないですね。みんなが必死になって競って、いろんな試合を見せてくれて、バラエティに富んだ試合があるから『SUPER Jr.』ってもんが輝くんで。1人強いヤツがただ強いだけじゃ、プロレスは何にも面白くないんで。第1試合からメインに至るまでいろんなもんが見れるっていうのがプロレスのいいところだと思ってます」

──「もうウソはつきたくないんだ」という言葉が印象的だったが、有言実行を果たしたことについて?

▼デスペラード「やっと1回ちゃんと自分が言ったことのケツを持てたなという気がしてますね。やんなきゃいけないことだったんで、これは。だからって来年から、ずっと解説席に座ってようとかそんなつもりもないですし、まだ別に、何も諦める気はないんで」

──今日決勝を戦った石森選手についてはどんな気持ち?

▼デスペラード「『何であんなに完璧なんだろう』って思っちゃいますね。だって僕とか棚橋選手って、すぐ太るじゃないですか。あの人、『さらに絞れてるか』『絞れてるか』しかないんで。不思議でしょうがないです」
──休むヒマなく明日があるが?

▼デスペラード「明日のことは、ここでは話さないです。今日は『SUPER Jr.』ですから」

──SHO選手とのやりとりで金網ということに。

▼デスペラード「あのバカのせいで余韻がぶち壊しだよ。最悪だよ。石森太二に勝てたっていう、あの瞬間ってのは、一緒に何回あんだよ。めったにねえんだぞ。あいつ、大阪のたびに俺に絡んでくるな。何なんだよ。まあ、これ(優勝トロフィーを掴んで引き寄せる)がほしかったんでしょう。ね、前日の会見でも『これは俺のだ!』つってゴンって落として壊したしな。小学生か! でまあ、チャンピオンがこれほしいからタイトルやらせろって勝手なこと言ってきたんで、まあやりますけど。金網だったら(HOUSE OF TORTUREも)入ってこれないでしょ。こないだ、それこそ大阪じゃんよ。オスプレイが置き土産に1時間も死闘を繰り広げた、とんでもない曰く付きのフェンスがあるでしょ? あれ、でも運ぶのすごく金かかりそうだけど。言ったけど、いいのかな。まあいいや。あれがあれば人は入れないでしょ。よっぽどのことがなければ。HENAREの頭がバックリ割れて三澤先生が中に入ったとか、そういうのはありましたけど。そういうことでもなければ、別にフェンスの中だからノーDQだっていうつもりはないですし。専門的なスタッフがいないところでいろんなアイテムを使う気は、僕はサラサラないですから。フェンスの中にレフェリーと僕とSHOがいる。それだけです。別にその中でテーブル使おうがイス使おうが画鋲まこうがっていうのはない。あくまでタイトルマッチだから。フェンスの中で2人だけでやるよっていう、それだけです。デスマッチではない。まあでも、昔の新日本で『デスマッチ』って『完全決着戦』を表してましたよね。流血が必ずあるとかそういう意味で。そういう新日本の昔の言葉でいえば『デスマッチ』かもしれないですけど、今の時代、やっぱ『デスマッチ』っていうとFREEDOMSさんや大日本さんのイメージが出てくるんで。そういうのは専門家、スタッフとか周りがいてできることですから。新日本の、IWGPジュニアのタイトルマッチでやるのはフェンスの中に2人で入って、ちゃんと普通のオーソドックスな、アイテムを使わないプロレスをやるってことです。……て言って、こないだイス使ったから何にも言えないですね。そんな感じです」

──決勝戦もメインだったが、他の公式戦もほとんどメインだった。主役として1シリーズ終えた今の心境は?

▼デスペラード「ビックリしましたね。主役っていうのは、第1試合だからセミだからメインだからっていうのは関係なくてね、お客さんは全選手が目的でバラバラで来るんで、俺が主役っていうつもりはサラサラないんですよ。そういう風に言っていただくのはうれしいですよ。うれしいです。でも、会社から預けられたという意識を持ってやることを思えば、ちゃんと期待に応えられたのかな?とは、ずっと疑問形で思ってますけどね(ニヤリ)ありがとうございました!」


【石森の話】「(フロアに崩れ落ちて)悔しい!! すげえ悔しい!! 悔しいけど、俺のすべてを出して負けた……。この石森太二に勝ったんだよ。間違いなくあいつはスーパージュニアだ。これが神の恵みなら、今日は! 今日は! 今日は!! デスペにGraceが降り注いだまでだ……(※と言い残して這って控室に向かう)」

【SHOの話】「ああ、クソッタレが、あの野郎。あんなヤツがよ、トロフィー持ってたらよオイ、どうせ落っことしてまた壊しちまうだろ、オイ。なんだったら、それ、だから俺が持っといたるっつってんだろ、オラ、コラ。それによ、あいつ言ってるじゃねえか、自分で。勝ったヤツが強えんだろ、オイ? ってことは俺の方が強えってことじゃねえか。そんなんでトロフィー持っててベスト名乗れんのか、オイ? ワシに勝ってからやろうが。俺とおめえじゃねえか。格が違うんじゃ、コラ。見とけ、この野郎、このクソッタレが、オラ。金網じゃ? おお、やったろうやないか、このクソッタレが、オイ。言っちゃって。ふざけんな、オラ。ああ!」

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