【ウナギ自主興行】女子プロ史上初の聖地ワンマッチ興行へウナギ「里村明衣子からバトン受け継ぐ」、里村「5分もたないんじゃないか」 2025/2/3

 女子プロレス史上初のワンマッチ興行2・16後楽園大会へ向けた会見が3日、東京・後楽園ホールで行われ、里村明衣子が「私の攻撃にウナギ・サヤカが耐えられるか非常に心配です。10分、いや5分もたないんじゃないか」と短時間決着を予告。ウナギ・サヤカは「里村明衣子からちゃんとバトンを受け継いで、女子プロレスラーとして、これからもたくさんのものを残していきたい」と誓った。

 4・29後楽園大会での引退を控える里村がウナギからの対戦要求を受諾。ウナギは両者にとってデビューの地である聖地・後楽園における女子プロレス史上初のワンマッチ興行を舞台に用意した。前売りチケットの残数は130を切り、超満員確実の状況となっている。

 大会13日前となったこの日、決戦の地・後楽園ホールで両者がそろっての会見が行われた。ウナギが異例のワンマッチ興行を舞台に選んだのは「この里村明衣子、プロレスキャリアの中でまだやったことないことを」との思いからだった。昨年7月に里村が引退を発表し、戦いたい選手を募った時点で「私の中ではワンマッチ興行しかない」と後楽園ホールの日程を押さえたという。

 里村に対して「見るからに堅物じゃないですか、里村明衣子という存在は。超硬派、超プロレスラー、本当に若い頃からプロレスのことを考え続けて、ずっと生きてきた。というだけにしか見えてなかった」との印象を抱く一方で、「本当に凄く柔軟に今の時代を生きているプロレスラーだなって凄く感じていて。根っこの部分はプロレスへの気持ちというか、そこは私は強く一緒」と感じている。そこでウナギは「センダイガールズがありますので、そこの選手を育てていくとか、そこの選手にバトンを渡すっていう気持ちだと思う」と前置きしつつ、「関係ないんですよ。団体とか、どこでやってるとか。里村明衣子の気持ちも受け取って、生きていきたい。私は里村明衣子からちゃんとバトンを受け継いで、女子プロレスラーとして、レスラーとしてこれからもたくさんのものを残していきたい」と誓った。

 対する里村は4・29後楽園大会での引退を控える中、レスラー人生初となるワンマッチ興行のリングに立つ。会見中は終始、険しい表情。「ウナギ・サヤカと里村明衣子のデビューの地が一緒ということで、私は30年前にデビューしましたが、一緒だとしても覚悟の度合いが違うんだぞというところは試合で見せつけたい」と宣言した。

 里村のウナギ評は「素晴らしいと思いますよ。行動力があって有言実行してますからね。ただ、レスラーとしてはどうかな」というもの。そのプロレスラーとしての評価を問われるとしばし思案し、「試合してみないとわからないですし、今こうして言葉が出てこないというのは、これが評価なんじゃないでしょうか」と厳しい言葉を口にした。

 自身は引退発表後、無敗。「最高の里村明衣子の状態」を自負している。そこで「私の攻撃にウナギ・サヤカが耐えられるか、スタミナがついてこれるか。ここが非常に心配です。10分、いや5分もたないんじゃないかなって思うんですね」と懸念。「私としては興行史上最短の記録を作れるので、それに対しては狙っていますけれども、それをさせたくないなら頑張ってください」と短時間決着を予告し、ウナギに忠告した。

 これを受けてウナギは「5分なんかで終わりません」と断言し、時間無制限1本勝負で行うことを決定。「何回も言ってますけど、強いのは里村明衣子ですが、勝つのはウナギ・サヤカです」と言い切った。里村が「私はもっとテンションを上げるために、2・16の試合に対して燃えたぎる何かがあると思ってここに来たんだよね。何か起爆剤となる言葉とかないのかな? もっとメーター上げろよ」と不満をぶちまけると、ウナギは「どの試合も全部、顔怖いしさ。本当に鬼だと思ってたよ。でも私がこのワンマッチという形であなたのその、ただの鬼だけの顔を、仮面をもう剥がしてやろうと思ってます。堅物メイメイちゃん、楽しみにしててください」と挑発。「このキャリアになりますと、そしてこの年になりますと、何を言われても、何をされても揺るぎません」と動じない里村は「今の時点で勝ちが見えました。それを揺るがしたいんだったら、当日までもっとテンション上げてこいよ」と勝利を確信しつつ注文をつけていた。

☆2/16(日)東京・後楽園ホール『後楽園ホール ワンマッチ興行 ウナギ・サヤカ 殿はご乱心 我が名は』15:00開場、16:00開始

▼シングルマッチ
里村明衣子
vs
ウナギ・サヤカ


【会見の模様】

▼ウナギ「極彩色に駆ける傾奇者ウナギ・サヤカです。なんか結婚式みたいですね、雰囲気がね。そして私たち誕生日に後楽園でやってたんですね。運命ですね、これは。私が今回ワンマッチにしたのは、7月に里村明衣子が引退をすると発表して、さらにやりたいヤツは名乗り上げてこいと。あの時にたぶん、かなりの女子レスラーが対戦したいと、シングルで対戦したいとメチャクチャ思ったはずなんですよ。でも、そこで普通に対戦お願いしますって私が行くわけないじゃないですか。この里村明衣子、プロレスキャリアの中でまだやったことないことを。そして正直、ワンマッチ興行、かなり勇気がいります。やっぱりどうしても今、チケットが売れなくて、団体でやっても埋まらないことも多々ある中でワンマッチ。しかも今の時代にどうなんだろうかっていうのはあったんですけど、ずっと私もワンマッチをやりたいと思っていたので、引退を聞いたときに、もうこれしかないと速攻で後楽園を押さえました。もう私の中ではワンマッチ興行しかないでしょうという気持ちで、今回のワンマッチ興行を決めさせていただきました」

▼里村「私がウナギ・サヤカからオファーをいただいたときに、ウナギ・サヤカという人間に断る理由はないなと思い、すぐ承諾しました。ウナギ・サヤカと里村明衣子のワンマッチ興行、満員になるだろうと予測していましたが、案の定、2月16日までには超満員札止めになると思います。私は昨年の7月末に引退発表してから、日本に戻ってきて試合し始めましたけど、今のところ負けなし。最高の里村明衣子の状態でリングに上がっています。この状態で2月16日、超満員の中で最高の里村明衣子の戦いをウナギ・サヤカと繰り広げられることに対しては、私は凄く喜びを感じています。ただね、凄く心配です。私の攻撃にウナギ・サヤカが耐えられるか、スタミナがついてこれるか。ここが非常に心配です。10分、いや5分もたないんじゃないかなって思うんですね。私としては興行史上最短の記録を作れるので、それに対しては狙っていますけれども、それをさせたくないなら頑張ってください」

――ワンマッチ興行ということで、いつもと違う気持ちはある?

▼ウナギ「そうですね。私は今回のワンマッチに限らず、これからも普通の人が思いつかないことを傾奇者らしくウナギ・サヤカとしてやっていくつもりなので、別に今回のワンマッチが、もちろん里村明衣子にとって特別なものにする気持ちはありますが、これからも正直もっと考えていることがあるので。特別な日ではありますが、これからもっとどんどん特別なことをやっていきます」

▼里村「自分自身はいつもと変わらずリングに上がるだけです」

――二人にとってデビュー戦の地でもある後楽園ホールはどんな場所?

▼ウナギ「後楽園ホールはやっぱりデビューした地でもありますし、初めてベルトを巻いた場所でもありますし、たくさんタイトルマッチもしてきたり、たくさん初めて乗り込んだりとかした場所でもありますし。なので今回このワンマッチという形を後楽園ホールでできることもとてもうれしく思いますし、これからももっと。今まで聖地・後楽園ホールに感謝してきたプロレスラーはたくさんいると思いますが、私は後楽園に感謝されるプロレスラーになりたいと。それに見合うプロレスというか、案だったり、いろんなことを考えていきたいとともに、これからも私はまだプロレスラーをやるので、ともに生きていきたいなと思っている場所です」

▼里村「プロレスラーとして誕生した原点の場所ですので、常に後楽園ホールで試合する時はそのことを忘れずに戦っております。ただ、ウナギ・サヤカと里村明衣子のデビューの地が一緒ということで、私は30年前にデビューしましたが、一緒だとしても覚悟の度合いが違うんだぞというところは試合で見せつけたいと思います」

――この戦いで得たいものは?

▼ウナギ「正直、毎回いろんなことをやるたびに、一人でやるのってメッチャ大変なんですよ。なのでこれを得たい、これを手に入れたいって思って始めるというよりかは、終わった時に気づいたら得てた、みたいなことが凄くたくさんあって。今回のワンマッチに関しては、今までの興行って誰かしらを見にお客さんが集まってくれたりとか、この人たちが見れるから来てくれたりとか、たくさん集まってくれたけど、実際、自分が呼んだかわからないところがあったけど、今回に関しては私と里村明衣子、本当に二人だけの戦いなので、それを見に来てくれてるお客さんも感じたいし、本当に踏み込んだことがないことなので、何を得られるかは終わって感じたいと思ってます。でも私は正直、何回も言ってますけど、強いのは里村明衣子ですが、勝つのはウナギ・サヤカです」

――ウナギ選手独自の活動をどのように見ている?

▼里村「素晴らしいと思いますよ。行動力があって有言実行してますからね。ただ、レスラーとしてはどうかな」

――里村選手は26歳でセンダイガールズを旗揚げし、選手の育成も含めた活動があるが、里村選手の生き方に触発されるところはある?

▼ウナギ「今回このワンマッチをやる前に、対談させてもらったんですけど、それを見ていただいたら分かると思うんですけど、確かに始めた経緯だったりだとか、スタイルはもちろん違うんですけど、私はプロレスに対しての根っこだったりだとか、里村さんのプロレスに対しての考え方の変化っていうものに関しては、本当に硬すぎて、もうその時代じゃないでしょって思う先輩の方たちもいるんですけど、とても柔軟で。見るからに堅物じゃないですか、里村明衣子という存在は。超硬派、超プロレスラー、本当に若い頃からプロレスのことを考え続けて、ずっと生きてきた。というだけにしか見えてなかったんですけど、本当に凄く柔軟に今の時代を生きているプロレスラーだなって凄く感じていて。なんか一緒じゃんって結構思ってます。根っこの部分はプロレスへの気持ちというか、そこは私は強く一緒だなって思っているし、これからももちろん里村明衣子という存在はセンダイガールズがありますので、そこの選手を育てていくとか、そこの選手にバトンを渡すっていう気持ちだと思うんですよ。皆さん作られた団体があるレスラーはきっとそうだと思うんですけど、私は受け取りたいと思ってます。里村明衣子の気持ちも受け取って、生きていきたいと思ってるので。だから本当に今回に関していうのは、里村明衣子とワンマッチやりたいって乗り込んだ時とかも、なんでウナギに私が感謝されなきゃいけないのみたいなこと言われたんですけど、関係ないんですよ。団体とか、どこでやってるとか関係なくて。もちろん仙女の選手にバトンを繋ぎたいという気持ちが一番強くないといけないと思うんですけど、私は里村明衣子からちゃんとバトンを受け継いで、女子プロレスラーとして、レスラーとしてこれからもたくさんのものを残していきたいと思っています」

――試合時間、試合形式はどうなる? ゲストによる演目などはある?

▼ウナギ「どうする?」

▼里村「それは決めて下さい」

▼ウナギ「ワンマッチなので、私たちの試合しかありませんし、ゲストもいません。試合はそんな何本勝負とかいらないっしょ。1本で無制限にしますか? 無制限1本でいきたいと思います。そんな5分なんかで終わりませんから。皆さん楽しみにしていてください」

――選手としての率直な評価は?

▼里村「うーん…そうですね……選手としての評価? 試合してみないとわからないですし、今こうして言葉が出てこないというのは、これが評価なんじゃないでしょうか」

――あくまでも勝利を目指すと?

▼ウナギ「最初から負けると思って戦うバカがどこにいんだよ!」

――5分以内で試合が終わってしまったら16時10分ぐらいに興行が終わってしまうことになる?

▼ウナギ「はい、そうなりますね。あとは物販します。ないですけどね。ないですけど、ビンゴ大会とかしようかな。ちょっと臨機応変に動きます」

▼里村「試合以外でそういうことを考えてるっていう時点で、何かさ、ちょっと勘違いしてるんじゃないかなと思いますよ。何のための興行なのか。里村vsウナギ・サヤカの試合じゃないの? まずはリング上だろ」

※質疑応答終了後

▼里村「ちょっといいですか? 今日の記者会見でウナギ・サヤカは私を喜ばせるためにこの会見を開いたのか。私はもっとテンションを上げるために、2・16の試合に対して燃えたぎる何かがあると思ってここに来たんだよね。何か起爆剤となる言葉とかないのかな? もっとメーター上げろよ」

▼ウナギ「そんなに逆に求めてくれてたんですね」

▼里村「あのさ、超満員になるんだよ。超満員のお客さんの中でどれだけ求められてるかわかってるよ」

▼ウナギ「里村明衣子はむしろ、もうプロレスの試合とリングの中だけで見せろ的なタイプのレスラーだと思ってたので。ぶっちゃけ、この会見にそんなそこまで熱い気持ちで臨んでいてくれたなんて、逆に私はとてもビックリしています。でも安心して下さい。正直、私もこの試合のためにいろいろ動いてます。堅物メイメイ。堅物メイメイ?」

▼里村「全然上がらねえよ、そんなんじゃ。何がメイメイだ」

▼ウナギ「堅物ね。堅物メイメイね。いや、私はマジで里村明衣子に対して、ただの鬼だと思ってたよ。いつもそんな怖い顔して、ずっと顔怖いしさ。どの試合も全部、顔怖いしさ。本当に鬼だと思ってたよ。でも私がこのワンマッチという形であなたのその、ただの鬼だけの顔を、仮面をもう剥がしてやろうと思ってます。堅物メイメイちゃん、楽しみにしててください」

▼里村「このキャリアになりますと、そしてこの年になりますと、何を言われても、何をされても揺るぎません。今の時点で勝ちが見えました。それを揺るがしたいんだったら、当日までもっとテンション上げてこいよ」