9/12【全日本】史上初秋開催CC開幕 ヨシタツが新兵器でヨシケン対決制す 昨年覇者・宮原は黒星スタート
『2020 Champion Carnival』開幕戦 愛知・名古屋国際会議場(2020年9月12日)
「2020 Champion Carnival」Bブロック公式戦 ○ヨシタツvs宮原健斗×
昨年覇者・宮原がまさかの黒星スタート。ヨシタツが6年間温めていた新技でヨシケン対決を制して白星発進を飾り、「俺の優勝からね、『2020 Champion Carnival』優勝から、ヨシタツ・キングダムのプロレス界侵攻が始まるから」とカーニバル制覇を誓った。
昨年、三冠王者としてカーニバル初優勝を飾った宮原は今年、史上4人目となる連覇に挑む。初戦となったこの日の相手はヨシタツ。かつて世界タッグ王者に君臨したヨシケンが初戦激突となったが、最高男に最悪の結末が待っていた。
先手を取ったのはヨシタツ。昨年6月に宮原の持つ三冠ベルトに挑戦した時と同様に、顔面の半分にペイントを施した「キラーヨシタツ」で出陣し、ドロップキックで宮原を場外に蹴落とすと、エプロンから場外へのダイビングニーを発射した。負けじと宮原も頭突き連打で応戦したが、ブラックアウトは鉄柱に誤爆。すかさずヨシタツが足攻めに出たが、しのいだ宮原も首攻めで対抗して譲らず。低空ドロップキック、顔面ドロップキックの連続攻撃でリズムを作ったが、負けじとヨシタツはミドルキック連打、顔面ウォッシュでやり返した。
互角の展開が続く中、宮原が場外ブレーンバスターを敢行すると、腰を痛打したヨシタツの動きが鈍った。すかさず宮原は串刺しブラックアウトで追撃。ヨシタツもスイングDDTで応戦するものの、宮原は雪崩式ブレーンバスターで腰にダメージを与えると、後頭部への串刺しブラックアウト、ジャーマン、正調ブラックアウトの猛ラッシュ。シャットダウンを阻止したヨシタツがヨシタツ幻想(ファンタジー)で絞め上げても、耐えた宮原はCBJを狙うヨシタツにカウンターのブラックアウトをぶち込むと、シャットダウン・スープレックス・ホールドを爆発させた。
勝負あったかに思われたが、ヨシタツは2カウントで返して驚異の粘りをみせた。再度のシャットダウンをロープに噛みついて食い止めると、右ハイキックで逆襲。宮原がブラックアウトを連射しても、意地で立ち上がったヨシタツはバックを取ってから前方回転すると、両手で左足首、両足で右足を同時に絞め上げる複合関節技で捕らえた。宮原もしばし耐えたものの最後はギブアップ。ヨシタツが20分を超える熱戦となったヨシケン対決を制した。
ヨシタツが昨年覇者の宮原を撃破する会心の白星スタートを切った。決め手となった新技はその名も「ヨシタツパンデミック」。試合後のリング上で「2014年にWWEの契約が終わってから俺が考えた開発した技で、世界で誰も使ってません。俺が考えた俺だけの技です。あれはもともとね、他団体の話を出すのはあれだけど、新日本に戻るとなった時に、対オカダ・カズチカ、対レインメーカーに作った技です」と明かしたヨシタツにとって6年間温め続けてきたとっておきの技だった。コロナ禍にあって封印も考えたというが、「もう全部を出さないと健斗に勝てないと思った」からこそ、満を持して初公開し、勝利につなげた。
宮原狩りの余勢をかってヨシタツはヨシタツキングダムにおける自身の呼称を発表した。それは「ゴッドファーザー」というもの。略してGFで、ヨシタツは「今後、俺のことは『ゴッドファーザー』って呼んでください。略して『GF』。ヨシタツGFでよろしくお願いします」とアピール。「今日、納得いかないのが、俺のリングコールの時に『ヨシタツ・キングダム』ってリングコールされたけど、俺はまだ入っているとは言ってないからな」と強調した岡田に向かって、「忠誠を誓え。そうしたら、ヨシタツ・キングダムでお前を面倒見てやる」と迫った。
試合中に負傷したという腰の状態が気がかりだが、それを代償にして対宮原初勝利をもぎ取った。「俺の優勝からね、『2020 Champion Carnival』優勝から、ヨシタツ・キングダムのプロレス界侵攻が始まるから」と宣言したGFは、手応え十分とあって「まずはその1勝。健斗に勝って幸先いいね。全勝優勝してやります」と豪語してみせた。
一方、宮原は初戦でまさかの敗北。連覇達成へ向けた開幕スタートに失敗し、「ああ、やっちまった。ああ、クソ!」と悔しさを爆発させた。そこへ次戦となる9・15後楽園大会でシングル初対決が実現する芦野が現れ、「おい、こんだけやってもだんまりか、お前? 無様な仕草さらしやがって」と挑発。その芦野と明日9・13川崎大会で対決する青柳まで現れ、「人のこと言ってねえでよ。明日初戦、俺と川崎があったよな。俺のこと忘れてんじゃねえのか? 初戦はこの俺、青柳優馬だぞ」と割って入った。芦野が去ると、宮原と青柳が近距離で久々にツーショット状態となった。二人は何やら複雑そうな表情でしばし向き合っていた。
ともあれ、宮原は芦野とのシングル初対決を制し、連覇へ向けて立て直すしかない。
【試合後のヨシタツ】
▼ヨシタツ「今日、最後に出した技。あれがヨシタツパンデミック。6年間温めた技だ。でもね、本当に死力を尽くさないと健斗には勝てないと思った。途中で俺はちょっと腰をやって、その状態で最後まで粘れたというのは本当に自信になったね。何度も言うけど、俺の優勝からね、『2020 Champion Carnival』優勝から、ヨシタツ・キングダムのプロレス界侵攻が始まるから。まずはその1勝。健斗に勝って幸先いいね。全勝優勝してやります。あとね、SNSで言ってたみたいに、俺の呼び名っていうのを募集してて。いろいろ国王と呼ばれたり、キングって呼ばれたり、なんかいろいろ統一感がなくてね。1個決めようと思って、ファンの方からいろんな意見もらったんだけど、その中で俺が決めたのがあります。今から発表します。今後、俺のことは『ゴッドファーザー』って呼んでください。略して『GF』。ヨシタツGFでよろしくお願いします。もうね、周りがみんな『GF』って呼んだらね、10人に1人ぐらいGMと間違えてね。俺が偉い役職についているんじゃないかって勘違いする人も出てくるだろうし、それはそれでいいことだよね。今度からヨシタツGFと、もしくはただGFだけで呼んでください。今日、立花、大丈夫? 立花が試合中に怪我したみたいな話は聞いたけど、どうなんだろう?」
▼岡田「立花どうこうより、今の何や。GF?」
▼ヨシタツ「ゴッドファーザー、GFだ」
▼岡田「今日、納得いかないのが、俺のリングコールの時に『ヨシタツ・キングダム』ってリングコールされたけど、俺はまだ入っているとは言ってないからな」
▼ヨシタツ「いや、お前はもう入ってるよ」
▼岡田「いやいや。だいたい何? GFって」
▼ヨシタツ「岡田! お前、俺のことが好きだろ?」
▼岡田「いやいやいや。それは独りよがりですよ」
▼ヨシタツ「もうこれからね、俺のことをゴッドファーザーって呼ぶ限りはちゃんと…。お前、映画の『ゴッドファーザー』を見たことあるか?」
▼岡田「見たことあるどころか、大好きな映画や」
▼ヨシタツ「だったらお前、四の五の言わなくてもわかるよな? 忠誠を誓え(握った右手を突き出す)」
▼岡田「いやいや、わかるけど、今はこんなコロナでソーシャルディスタンスの世界だし、そんなことはできん」
▼ヨシタツ「ソーシャルディスタンスで、エアキスだ。忠誠を誓え。そうしたら、ヨシタツ・キングダムでお前を面倒見てやる」
▼岡田「いや、面倒見てほしいって言ってないけど。でも、こんだけ言われるのやったら、忠誠誓うかどうかはわからへんけど、まあそういうことで」
▼ヨシタツ「よくわからんな」
▼岡田「俺はまだヨシタツ・キングダムには入ってないんで」
※岡田が去っていくと
▼ヨシタツ「完全にあいつは俺に惚れてるね。わかるよ。みんな俺のことが好きなんだよ。あいつも、ソーシャルディスタンスを守って、ちゃんと忠誠を誓うようになるから。全員にさせるからね。ヨシタツ・キングダムに入ったら。ヨシタツ・キングダムは全日本のメインストリームを取るから。We can do it! stay tune!」
【試合後の宮原】
▼宮原「ああ、やっちまった。ああ、クソ!」
※宮原の前に芦野が姿を現すと
▼芦野「おい、こんだけやってもだんまりか、お前? 無様な仕草さらしやがって」
※そこに青柳が割って入ると
▼青柳「おい、ちょっと待て。ちょっと待て! おい、芦野祥太郎、人のこと言ってねえでよ。明日初戦、俺と川崎があったよな。俺のこと忘れてんじゃねえのか? 初戦はこの俺、青柳優馬だぞ」
▼芦野「お前、眼中にねえからよ。9月15日だよ。後楽園」
※芦野が去っていくと
▼青柳「なんだ、アノヤロー。勘違いしてんだよ、あいつはよ。明日絶対川崎であいつ倒してやるよ。勘違い野郎をぶっ倒してやるよ、コノヤロー」
※宮原と青柳がしばし見つめ合う。青柳が去っていくと
▼宮原「どういうことだ? 初戦、クソ! やっちまった! 今日の一言はやっちまったのみだ! クソ! やっちまった!」