9/17【NOAH】拳王、杉浦が新日G1、全日チャンカーに“宣戦布告" N-1開幕前日会見で12選手思惑交錯
あす(18日)開幕するノア年間最大のリーグ戦『N-1 VICTORY 2020』直前会見が17日、都内ホテルで開かれ、望月成晃(DRAGON GATE)をのぞく出場11選手が出席。昨年覇者・拳王と準優勝・杉浦貴が同時期開催となる新日本の『G1 CLIMAX』、全日本の『チャンピオン・カーニバル』に公然と宣戦布告したほか、出場12選手のありとあらゆる“思惑"が交錯した。
昨年グローバル・リーグ戦から『N-1 VICTORY』に改称。通算では11回目となるが、『N-1』としては2回目と歴史は浅い。しかも今年は新日本のG1、全日本のチャンカーと同時期開催。3団体の看板リーグ戦がしのぎを削る“プロレスの秋"となる。
前日会見の席で、この現状と真っ向から向き合ったのが、拳王と杉浦だった。
拳王は「N-1 VICTORYと言われても、何かキャッチーなイメージないよな? 同時期に開催となった新日本プロレスのG1、全日本プロレスのチャンピオン・カーニバルは歴史も伝統もある。だが、ノアのN-1 VICTORY、何もイメージ湧かねぇよな? 今年から違うぞ。俺が! シングルのリーグ戦、ノア史上初の連覇をして、N-1=拳王というのをな、このN-1に植えつけたい」と連覇宣言とともに、公然と“宣戦布告"した。
杉浦も「N-1っていう名前になって2年目。我々で激しい試合をして、どこの団体にも負けない、N-1 VICTORYというのが一番価値のあるリーグ戦、戦いになるように我々でしていかないといけないと思ってます。リーグ戦の内容でどこの団体にも負けたくないですね」と対抗心を隠さず。昨年の優勝決定戦を争った両雄が、はからずも“N-1"のさらなる価値向上を口にした形となった。
出場12選手のありとあらゆる思惑も交錯した。
Aブロックでは清宮海斗、マサ北宮が同ブロックのGHCヘビー級王者・潮崎豪の首に改めて照準。史上初のGHCヘビー&N-1(グローバル・リーグ)同時制覇がかかる潮崎は「初戦が一番重要」とあす(18日)名古屋大会の征矢学戦を見据えた。
同じくAブロック注目の桜庭和志は、決勝の相手に同じ杉浦軍でGHCタッグ王者の相棒・杉浦貴を指名。すでに桜庭との決勝対決を熱望している杉浦からは「勝ったほうしかベルトが巻けない」“GHCタッグ統一戦"を提案されているが、桜庭も受けて立つ構えをみせた。
Bブロックでは衝撃の『金剛』入りを果たしたばかりの中嶋勝彦が、「反対側のブロックはどうせI am NOAHって言ってるヤツが来るんだろ? そいつを壊す」と決勝での“潮崎破壊"を予告。
拳王は昨年不出場だった清宮への怒りを改めてぶちまけ、「N-1の価値を下げた清宮、これが許してもらえる清宮本人、そして、それを許す会社、そして、それを許すN-1出場選手たち。おめえらのな、そのぬるい根性を叩き直してやる」と決勝で清宮を下したうえでの連覇を思い描いた。
今年は『M's alliance』として出場する丸藤正道は、改めて望月成晃との“決勝M's alliance"を希望。一方で、同ブロック注目の選手には谷口周平の名を挙げ「頼むよ谷口。しょっぱい試合をさせないでくれ」と注文をつけた。“プレッシャー"をかけられた谷口も、丸藤からマイクを奪い取って「目の前の敵に一戦一戦、集中して戦っていきたいって言ったんですけど、変わりました。同じブロックで楽しみな戦い、丸藤。しっかり僕の強さを見せつけて勝ちたいと思います」と目の色を変えた。
とにもかくにも開幕までいよいよ待ったなし。団体の威信、出場12選手の野心、あらゆるファクターが交錯するなかで、今年の『N-1』開戦のゴングが名古屋国際会議場から打ち鳴らされる。
会見における各選手のコメントは以下の通り。
【Aブロック会見の模様】
※冒頭、欠席した望月のコメントが代読される
▼望月「N-1 VICTORY、2年連続で出場させていただき、ありがとうございます。今、M's allianceとしてやらせてもらっていますが、これは個人戦。他団体から出場している意味をもう一度みつめ直して、昨年惜しくも逃した決勝進出、そして優勝をしっかり見据えて戦います。全選手、初シングル。それも楽しみです
――N-1に向けた意気込みを
▼征矢「今回、N-1初出場ということで、何が何でも実績を作って優勝したいと思ってます」
▼北宮「例年にたがわず、一心不乱に勝利にどん欲に戦いたいと思います。つわものぞろい、曲者そろいのAブロックではありますが、マサ北宮の信念を貫き通して、力で悲願の初優勝つかみ取ります。以上」
▼清宮「1月4日に潮崎さんに負けた、あの瞬間の悔しさを今でも忘れません。あの日から自分に足りないものは何なのか考えて戦ってきました。そして今、いろんな世界観に、新しい世界観に飛び込んでいって、自分の感覚っていうものが変わってきてるんで、明日から始まるリーグ戦、N-1 VICTORYのリーグ戦、一戦一戦が本当に待ち遠しいです。細かい部分、ホントどうなるか自分でも予測つかないところはありますが、しっかりこのリーグ戦で自分の実力を証明して、GHCの戦いにいきたいと思います」
▼桜庭「どうも桜庭でございます。このメンバーの中で結構大きい人が多いんですけど、怪我しないように一つ一つ頑張って優勝できればいいかなと思ってます」
▼潮崎「N-1 VICTORY 2020、潮崎豪個人として戦わなくてはいけない相手がいます。優勝、この2文字しか見ていません。I am NOAH」
――ありきたりな質問になるが、同ブロックでマークする選手と、決勝で戦いたい相手は?
▼征矢「じゃあ、ありきたりに答えさせていただきますが、今回初出場、そしてシングルで当たるのが初めてのメンバーが多いので、一戦一戦楽しむしかありません。以上です」
▼北宮「やっぱりこの隣のベルト持ってる人(潮崎)にしっかり勝って、決勝ではナショナルチャンピオンに上がってきてほしいなと。ノンタイトルでタイトルホルダーとシングルマッチできるというのもこのリーグ戦ぐらいしかないと思うんで、そこはしっかり腹決めて臨みたいと思ってます。
▼清宮「初対決の選手が多いということで、それは自分にとってプラスになるかなというふうに思うところはあるんですが、やはりGHCのベルトを持ってる潮崎豪選手、そこの戦いをしっかりみていきたいと思います」
▼桜庭「全員ちょっと厳しいと思います。あとはもし優勝できて、向こうのブロックと当たるとしたら、杉浦選手とシングルをやってみたいと思います」
▼潮崎「同じブロック、初戦が一番大事だと俺は思ってます。征矢学、この試合に勝って、次につながる戦いをしていきたいと思ってます。決勝は向こうのブロック、誰が上がってきてもノアの戦いをみせるだけです。さっきも言ったように優勝しかみえてないので、上がることだけを考えてます」
――潮崎豪個人として戦わないといけない相手というのは?
▼潮崎「征矢選手、マサ選手、桜庭選手、清宮選手。このブロックでもそれぞれ俺個人の戦いになりますし、Bブロックは当たるとしたら決勝で当たることになりますけど、どの選手も潮崎豪個人にとってとても意味のある戦いになると思うんでね」
――中嶋勝彦については?
▼潮崎「そこは勝ち上がってきたら。もちろん決着つけないといけないと思ってますし、そこは上がってきた選手がこのN-1 VICTORY 2020の俺にとって意味のある戦いだと思ってます」
――桜庭選手はシングルリーグ戦に出ること自体がUインター以来で、ほぼ初めての経験といえるが?
▼桜庭「僕自身は特には何とも思わないですけど。短い期間の試合なので、たぶんそこは厳しくなってくると思いますので、そこだけ注意して、本当に怪我しないように全試合できるように頑張っていければいいかなと思ってます」
――杉浦選手も桜庭さんとの決勝対決を望んでいて、GHCのタッグの“統一戦"、勝った方しかベルトを巻けない戦いにしたいと言っていた?
▼桜庭「はい。全然構わないです」
――怪我なく連戦を戦い抜くのに必要なものは?
▼桜庭「今のところ考えてないですけど、質問もらうとそうですね。やっぱり見てもパワーの差があるので、そのパワーをどうかわすかっていうのは考えますけど、他の選手もいるので、質問されても困りますけど。かわさないかもしれないです」
――9月22、23日と合計でシングル3連戦となるが?
▼桜庭「そういう一日何試合もするのは、たぶん大学のレスリング部以来だと思うんで。その時は若かったのでできたのもありますけど、今は連続でやるとどうなるのかわからないですけど、やってみないとわからないですけど、そこで疲れてケガして次の試合ができないというふうにならないように適当に。適当にって言っても本当に適当っていう意味じゃなくて、抜くとこは抜いて、力入れるところは入れてって感じでやっていくしかないと思いますね」
【Bブロック会見の模様】
――N-1に向けた意気込みを
▼稲村「N-1 VICTORY初出場、稲村愛輝です。今まで何度もチャンスはあったけど、それを一つもモノにできていないので、このN-1 VICTORY、必ずチャンスをつかんで結果を出したいと思います。よろしくお願いします」
▼谷口「何の結果も出せず、中途半端に終わっている自分を変えるために、しっかり今年は優勝目指して、優勝にこだわって、結果を出したいと思います」
▼中嶋「意気込み? 特にないね。どうせさ、このN-1、誰かのためにやるんだろ? 誰かのために。何かよ、I am NOAHとか言ってるヤツのためにどうせ開いたもんだろ? みえみえなんだよ。そういう腐った、腐りきったこの今のノアの流れをぶっ壊すよ。お前らが想像できないぐらいの刺激を俺がこのN-1にぶち込んでいくから。まぁ、期待してくれ」
▼丸藤「昨年は全敗だった丸藤正道です。今年は非常にコンディションもいい。でもシングルとしての結果をしっかり残せてないので、まずはこのN-1、しっかり優勝して。その先も見据えて、この2020年、20周年ノア、やっぱり俺がトップに立たなきゃいけないと思うので。もう9月なんでね。残り少ない、この数ヵ月でそれを必ず実行したいと思います」
▼杉浦「杉浦軍・杉浦貴です。まぁ、個人的にはやはり優勝を狙います。そしてこのN-1っていう名前になって2年目になるのかな。我々で激しい試合をして、もっともっとこのN-1という名前を価値のあるリーグ戦にできればいいと思ってます。どこの団体にも負けない、N-1 VICTORYというのが一番価値のあるリーグ戦、戦いになるように我々でしていかないといけないと思ってます」
▼拳王「N-1 VICTORYと言われても、何かキャッチーなイメージないよな? 同時期に開催となった新日本プロレスのG1、全日本プロレスのチャンピオン・カーニバルは歴史も伝統もある。だが、ノアのN-1 VICTORY、何もイメージ湧かねぇよな? 今年から違うぞ。俺が! シングルのリーグ戦、ノア史上初の連覇をして、N-1=拳王というのをな、このN-1に植えつけたいと思う。そして! 去年、負けるのが怖くて出なかった清宮! ここにはいなかったな。おい、いないけど言ってやるぞ。負けるのが怖くて出ない? N-1の価値を下げた清宮、これが許してもらえる清宮本人、そして、それを許す会社、そして、それを許すN-1出場選手たち。おめえらのな、そのぬるい根性を叩き直してやるんだ。おい! さっきも言ったけどな、俺が史上初の連覇をして、N-1=拳王。それで今年のN-1終わりだ」
――同ブロックでマークする選手と、決勝で戦いたい相手は?
▼稲村「特に誰とか、決勝で誰とか、自分はまだそんなこと言えるような実績も結果も残してないので、一戦一戦しっかり戦って、強く戦って、それがどうなるか、それをしっかり示したいと思います」
▼谷口「もうホントに優勝という結果だけをみて、誰とやりたいというか、目の前の敵一戦一戦に集中していきたいと思います」
▼中嶋「特にないよ。うん。でもあれだな。反対側のブロックはどうせI am NOAHって言ってるヤツが来るんだろ? そいつを壊す。どうせ今もぬるま湯につかってんだろ? このノアっていう会社にさ。そういうものを全部俺がぶっ壊すよ。お楽しみに♪」
▼丸藤「そうですね。注目といっても隣にいる杉浦さんはじめ、拳王、中嶋、そこが強いのはわかってるんで注目も何もなく。そして稲村の今の勢いと若さ、そこもひじょうに楽しみにしているんですが、俺が一番注目しているのが右隣にいる谷口。不安で不安でしょうがないよ、こいつと試合するのが。なぁ谷口。俺は誰と試合やっても、それなりのいい試合をする自信があるんだけど、谷口と試合するのが不安でしょうがない。大丈夫か谷口。今からでもいいんじゃないか? N-1出るのをやめといても。ホントに不安でしょうがない、心配でしょうがない。頼むよ谷口。しょっぱい試合をさせないでくれ。よろしく頼む。優勝決定戦で戦いたいのはAブロック、やっぱりM's allianceとして一緒に行動しているモッチーさんとやれたらいいなと。そこはきれいなストーリーを自分の中で描いています。不安でしょうがないのはこいつだけです」
▼谷口「(丸藤からマイクを奪い取って)すいません。目の前の敵に一戦一戦、集中して戦っていきたいって言ったんですけど、変わりました。同じブロックで楽しみな戦い、丸藤。しっかり僕の強さを見せつけて勝ちたいと思います」
▼杉浦「そうですね。谷口以外はみんないい勝負ができると思ってます。そして谷口と戦うのは、しょっぱい試合になりそうで怖いです。そして反対側はやっぱり杉浦軍の桜庭和志、一緒に決勝で戦いたいと思います」
▼拳王「………言わなくても、分かってると思うから、コメント控えさせていただきます」
――金剛として5人出場で、最大派閥と言っていい状況だが、金剛としてN-1でどのようなものをみせたい?
▼拳王「金剛、最大派閥? どんどん強い信念を持ってる奴が増えていくよな。会社に対して不満を持ってる奴はまだ他にもいるんじゃないのか? 9月1日からプロレスリング・ノアがCyber Fightになったよな? その9月1日、朝っぱらから強い信念をみせたヤツがいるだろ? それはここでは何も発言しないぞ? おまえらでしっかり考えろ。他にもプロレスリング・ノアには強い信念を持ってるヤツがいるかもしれないからな」
――杉浦選手は他団体のリーグ戦も意識する?
▼杉浦「ひじょうに意識します。はい。だからこのリーグ戦の内容、どこの団体にも負けたくないですね」