1/4【NOAH】1・9後楽園での中嶋狩りに意欲「ノアの顔になる」 ヘビー級転向・拳王インタビュー
今年からヘビー級転向を宣言した拳王。「ノアの顔」になるための決心こで、1・9後楽園大会では現在“ノアの顔"宣言を放っている中嶋勝彦との一騎打ちもスタンバイ。同じくヘビー転向を果たす小峠篤司への思いも含めて現在の心境を聞いた。
【拳王インタビュー】
――あらためて、ヘビー転向の経緯について聞かせていただけますか?
▼拳王「率直に言えるのは、やっぱりプロレス界の中心はジュニアじゃなくヘビーだから。11月のシリーズ(『グローバル・リーグ戦 2016』)がヘビー中心で、自分の中で目標のない戦いになったことで、「このままじゃダメだな」と思ったのは大きかった。もちろん、その前から『ゆくゆくはヘビーで』っていうのは考えてたけど」
――ノアでは丸藤正道選手やKENTA選手など、階級を越えて活躍する選手もいましたが、自分もそういう戦いをしていきたかった、と?
▼拳王「そういうことだね。11月のシリーズのタイミングで会社も新体制になり、鈴木軍もいなくなった。ノア新しくなる中で、チャンスを見逃したくはなかったから。自分の中では『いまだ!』っていう思いは強かったね」
――では、自分の現状に満足はしていなかった、と?
▼拳王「14年から超危暴軍に入ってヒールとしてやってきたけど、自分のキャラクターやスタイルを考えたときに、もっと試合の部分を強く打ち出していきたいというのは、どこかでずっと思っていたから。それから1年経って、vs鈴木軍が始まったけど、そこでもケンオーハラというかたちを優先して、我を押さえていたところはあった。それはvs鈴木軍という部分で、ノアのためでもあったと思うけど」
――そして、鈴木軍が撤退し、2016年の12.24後楽園で拳王選手は大原選手に決別を言い渡し、ヘビー転向を宣言しました
▼拳王「ケンオーハラに関しては、自分の中で『このまま続けても俺の成長はないな、もういいだろ』っていう気持ちはあったから」
――ケンオーハラは会場人気の高いタッグでした。桃の青春との抗争も名勝負を連発していましたが、解散にためらいはなかったですか?
▼拳「たしかにノアジュニアを盛り上げていたユニットだったとは思う。でも、勝負にこだわって、自分のプロレスをしていきたいなと思ったときに、ケンオーハラのカラーに乗っかっていくのは限界があるなって。もう、潮時ってことだよ」
――大原選手にはいま、どんな気持ちを持っていますか?
▼拳王「もともと、好きな存在でもないし、プロとして二人で合わせてきたっていうのはあるからね。こういうことになって、向こうは向こうで言い分があると思うけど、タッグを解消したことでお互いが本来の自分をもっと出せればいいと思う。大原は大原なりに、ひとりでがんばってもらえればって感じだな。アイツにとってもチャンスだと思うし」
――では、ジュニアというカテゴリーに対して未練はないですか?
▼拳王「シングルのベルトは獲れなかったけど、ずっと自分はジュニアでは一番だと思ってやってきたから。自分の実力に自信があるからこそ、なんの負い目もなく、次の舞台に進める。だから、未練はないよ」
――拳王選手がヘビー転向発表した直後、同じジュニア戦線でしのぎを削ってきた小峠篤司選手が、GHCジュニアと同ジュニアタッグのベルトを返上して、ヘビーへの転向を発表しました。それについて、何か思うことは?
▼拳王「おもしろくはないね、それが素直な心境。小峠にはプロレスラーとして、負けている部分はまったくないと思っているし」
――しかも、小峠選手は1・7後楽園のヘビー転向初戦で、丸藤選手とのタッグでGHCタッグに挑むことになりました。
▼拳王「……小峠がどんな思いでヘビーになるかは知らないけど、俺は俺の信じた道を突き進めば、必ず結果はついてくると思ってるから。先にチャンスを与えられたのは小峠だし、これが現状の会社の意向だと思うけど、この状況をとっとと覆してやりたいなって思うよ」
――いま、小峠選手と戦いたいという気持ちは?
▼拳王「いや、べつに。とくにおいしい相手だとも、いまは思ってないし。観る側が勝手に俺たちの戦いを比較すれば、自ずとその違いはわかるだろうしね」
――拳王選手は実際にヘビーの選手とタッグで当たる機会もありましたが、自分のファイトスタイルが通用するという手応えは感じていましたか?
▼拳王「全然、引け目は感じなかった。俺ならやっていけると思ったからこそ、こういう行動に出たわけだし。そもそも、俺がやっていた日本拳法は無差別の競技で、190cm以上、100kg以上のヤツとも渡り合ってきて、体力の差を感じることもなかったから」
――実際に拳王選手は日本拳法の世界大会で優勝した実績も持っています。1月シリーズでは、1.9後楽園で中嶋勝彦選手との注目のシングルマッチも組まれました。ノンタイトル戦ではありますが、もし1・7後楽園で中嶋選手が防衛した場合は現GHCヘビー級王者との一戦になります。
▼拳王「おいしい相手、その一言だね。たとえタイトルが懸かってなくても、これもひとつの大きなチャンスだと思うし、結果をつかみにいきたい。しかも中嶋勝彦は同じようにジュニアからヘビーに転向して、ベルトを巻いている人間だから、意識する部分もあるし」
――拳王選手は12・24後楽園で『俺がノアの顔になる!』というアピールもしていましたが、まさにいまのノアの顔役である選手との対戦というか。
▼拳王「勝ちを取りにいくし、俺がノアの顔役になるくらいのつもりで仕掛けていくよ。そのくらいの目標を持っていないと、ヘビーでやっていく意味はないと思ってるから。小さいこと言ってたら、小さいレスラーにしかならないし」
――中嶋選手も拳王選手と同じく蹴りを得意としますが、そのあたりについては?
▼拳王「俺は自分がプロレスラーの中でナンバーワンの蹴りの使い手だと思っているから。その自信をぶつければ、おもしろいものが観られると思ってる」
――では、ヘビーになるに当たって、自分を変化させようと思う部分は?
▼拳王「やっぱり一番の武器になるのは打撃だから、そこをもっと磨いていきたい。あとは体重も少しずつ増やしていきたいって思ってるし」
――いま、ノアの中でいろんな選手の動きがある中で、拳王選手は誰かと一緒に行動するのか、それとも一人で動いていくのか、そのあたりについては?
▼拳王「もともと、俺は自分を一匹狼だと思っているから。まあ、組まれたカードはこなしていくけど、いろんな選択肢がある中で、ちゃんと見極めて動いていきたいね」
――ちなみに杉浦貴選手のことはどう見ていますか?
▼拳王「いま注目を集めているわけだから、おいしい存在かな。杉浦貴イコール強さっていうイメージだし、興味はある。でも、まず重要なのは、自分がノアでのし上がっていくために、目の前のことをクリアしていくことであって。その過程で杉浦とどんな遭遇をするのか、そこはまだわからない」
――最後に拳王選手のこれからの活躍に期待しているファンに、メッセージをお願いします。
▼拳王「おもしろいものが観たいヤツは、俺についてこい! この拳王がノアを盛り上げてやる!」