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1/4【NOAH】「批判にも真剣に向き合って、潰されど立ち上がる」 ヘビー転向&GHCタッグ挑戦へ小峠篤司インタビュー

 今年からヘビー級に転向し、年初大会の1・7後楽園大会では丸藤正道とのコンビでGHCタッグ王座に挑戦する小峠篤司。GHCジュニア二冠自ら返上し、決意の転向を果たす熱血漢に現在の心境を聞いた――。


【小峠篤司インタビュー】

──GHCジュニアタッグを邪道&外道組から取り返しましたが、試合前は会場の雰囲気がアウェイになることを覚悟しているとおっしゃっていましたけど、お客さんが完全に桃の青春を後押ししていましたね。

▼小峠「そうですね。お客さんに助けられましたね」

──ひとつ使命を果たしたかなという感じですか?

▼小峠「まあ年末最後に仕事をやったという感じもあるんですけど、向こうに胸を借りたと感じざるを得ないような終わり方だったなと。まあ、それはそれで気持ちよかったんですけどね」

──試合後は握手もしましたし、なんか邪道&外道組が桃の青春を認めるような行動に見えましたね。

▼小峠「なんかうれしかったッスね。ああいう凄いタッグチームから歩み寄っていただけたというのは非常に光栄に感じましたね」

──まあ、流出していたベルトも戻ってきましたし、ハッピーエンドという感じでしたけど、そこで突然のヘビー級転向宣言がありました。あれは以前から頭のなかにあったことなんですか?

▼小峠「まあ、鈴木軍が撤退してからですかね。僕自身はあまり自信家ではないんで、現時点では身体もできあがってないし、体重もヘビーに満たないし、ヘビーとしての説得力ということに関しても追いつていない。ヘビーに興味はあったんですけど、そこに踏み込む自信はなかったですね、11月までは」

──では、12月の鈴木軍撤退後にそういう考えに傾いたということですか?

▼小峠「やっぱり、みんな行動をし始めていたじゃないですか? 12月に入ってから、いろんな選手が新しい動きを見せ始めていましたよね。だからっていうわけじゃないですけど、あそこで宣言したのは会社に訴えかけたような気持ちでしたね。僕も上に挑戦したいっていう。それが認めてもらえるかどうかっていうのはあったんですけど」

──挑戦を認めてくれと。ジュニアからヘビーというと拳王選手が先駆けて転向を宣言されてますし、杉浦選手から「動けよ」という激もありました。そのへんの影響を受けたというところはありますか?

▼小峠「いや、影響は受けなかったですね。自分も常に何かをしなければいけないっていう考えは持ってましたし、それはみんなも同じだと思うんですよね。まあ、影響は受けてないですけど、杉浦貴から発せられたメッセージっていうのはこういうことだと思っているんで。自分がどう動いていきたいのかを明確にするっていうことですよね」

──意思表示をハッキリとすると。ちなみにパートナーの原田選手はどういう反応だったんですか? GHCジュニアタッグを取り返したばかりでの発言で驚かれたと思うんですが…

▼小峠「『終わりやよ』って言われました(笑) 照れ隠しなのかカッコつけてるのか強がってるのかわからないですけど、自分の考えを尊重してもらった感じですかね』

──ヘビー級への挑戦を認めてくれたと。保持していたシングルとタッグのベルトは返上というかたちになりましたね

▼小峠「そうですね」

──だから、ジュニアの選手の対ヘビーということではなく、完全にヘビーの世界に入っていくということですよね。

▼小峠「まあ、まだヘビー級では新弟子ですよ。また下積みです。ただ、宙ぶらりんなことをしているよりも、自分は下から這い上がっていこうというシチュエーションに身をおいていたほうが成長できるタイプだと思うんで。もちろんチャンピオンとしてジュニアを盛り上げていきたいという気持ちもあったし、そこは申し訳ない気持ちもありました。ただ、自分がもう一度下積みをするような立場になってプロレスをしていったほうが新しい道を切り開けるような気がしたんですよね」

──ジュニアでは二冠王になりましたし、やりきった感もあったのかなと思ったんですけど。

▼小峠「いや、まだやれることはあったと思います。ジュニアのベルトも簡単に取れるベルトじゃなかったんで。これはまた別物としてチャレンジしたいという気持ちなんですよね。僕は潰されて潰されて、ケツを叩かれないとなかなかエンジンがかかりにくい人間なんで、たぶん潰されたほうがいいんですよ。そう思ったからこその決断ですね」

──さらなる成長のためにあえて過酷な環境に身を投じると。でも、いきなりヘビー転向の一発目から丸藤選手と組んでGHCタッグ挑戦が決まりましたね

▼小峠「ヘビー級の1年生みたいな僕がいきなりタイトルマッチをやるのはどうなのかなとも思うんですけど、会社としては話題が欲しかった部分もあるんじゃないですか? ただ、僕は与えてもらったチャンスに全力でぶつかるだけの話ですからね」

──会社としてもそれだけ期待しているんでしょうね。
▼小峠「期待しないほうがいいですよ(笑)」

──いや、そこは「期待してください」って言うところでは…

▼小峠「だって不安でいっぱいですもん」

──でも、丸藤選手にしても現GHCヘビー級王者の中嶋選手にしても、現在のヘビー級戦線のトップを走っている選手はみんなジュニアからの転向組ですよね。

▼小峠「そうですね。鈴木軍が撤退してから、新しい人材探しじゃないですけど、いろんな団体の選手がノアに興味を持ってくれて、上がってくれるようになったじゃないですか?自分も大阪プロレスからノアに上がってきた人間ですけど、その時に押し出されるかのようにKENTAさんとか中嶋さん、それから北宮くん、クワイエット・ストームなんかもヘビーへの道を歩み始めましたよね。やっぱりヘビーが会社の顔だし、自ずとそういう流れになるのかなって。いま上がってくれている選手たちもノアでやっていきたいっていうことを言う選手が多いんですよ。僕の予測が正しければ、そういう選手たちでノアのジュニアは固まるような気がしたんですよね。そうなると、自分も新しい道を開かなあかんっていう気持ちになりましたね」

──なるほど。タイトルマッチのパートナーとなる丸藤選手からは何か言われたんですか?

▼小峠「『やるなら腹をくくれ』って言われましたね」

──以前、丸藤選手に取材した時に、ノアの若手選手の話をしていて、小峠選手なんかはいずれヘビーでやったほうがいいんじゃないかっていう話はしていたんですよ。

▼小峠「それはずっと言われてましたね。ただ、なかなかイメージしきれないところがあって、今回のタイミングになったんですけどね。だから、思い切りですよね」

──思い切り?

▼小峠「うん、腹くくって覚悟を決めてっていう感じですよね。だから『おまえには無理だ』とかめちゃくちゃ言われると思うし、批判もあると思います。でも、それも覚悟のうえですから」

──生半可な気持ちで宣言したわけじゃないと。ちなみに対戦相手となる王者組の潮崎&谷口組に関してはどう思われますか? 向こうは生粋のヘビー級のタッグですよ。

▼小峠「だから、お客さんにしてみたら、ヘビー級の中にひとりだけジュニアがいるような図式でしか見られないと思うんですよ。でも、それは気にせず、いま自分ができるスタイル、プロレスで大逆転を起こしたろうかなっていう気持ちですね」

──あと、シリーズでは潮崎選手、そして杉浦選手ともシングルが組まれていますね。

▼小峠「ヘビーに転向したからと言って、今はスタイルを変えるつもりはないんですよ。ジュニア時代もチャンピオンはこうしなきゃって考えてたら、一度迷走したことがあったんで。だから、今は出せる力を全部出しきってから、ヘビーでの自分を見つけていこうと思いますね」

──期間も短いですし、いきなり身体をデカくしろって言われても無理な話ですからね。肉体的にはいずれ変えていこうかなという気持ちはあるんですか?

▼小峠「そうですね。ちゃんとしたヘビー級の体重に持っていきたいなと思っていますよ。意外に体重は増えやすいんですよ。だから、無理なく身体を作っていこうと思っていますね」

──では、最初の1月のシリーズはいろいろと試行錯誤しながら自分に合った闘い方を見つけていこうという感じですか?

▼小峠「いや、試行錯誤はスタイルに合わないので、今の自分の力をすべて吐き出つもりでやっていこうかなと思っています。出しきって、出しきって、それからですね」

──最後にファンの方に改めて意気込みをお願いします。

▼小峠「ファンの人もいきなり、身体ができあがっていない奴がヘビーに転向するっていうのを受け入れがたいところもあると思うんですけど、そういう批判にも真剣に向き合って、潰されても潰されても起き上がって、しっかり積み上げていきたいですね。気長っていう言い方をしたらあれですけど、見ていてくださいっていうことです」

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