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2/13【新日本】真壁が20周年記念試合で本間と組んで矢野&石井と激突 2・21後楽園全カード決定

 新日本は13日、2・21後楽園大会『戦国炎舞-KIZNA- Presents 真壁刀義 20th anniversary』の全カードを発表。真壁刀義デビュー20周年記念試合「真壁&本間朋晃vs矢野通&石井智宏」など全6試合が決まった。IWGPタッグ2連戦で王者組・矢野&石井に煮え湯を飲まされた雪辱を宣言した真壁は、「20周年を迎える俺のレスリングスタイルをお見舞いしてやる」と現在進行形の戦いを見せる構えをみせた。

 97年2月15日にデビューした真壁は2日後に20周年の節目を迎える。この日、記念興行となる2・21後楽園大会の全カードが出揃った。主役の真壁は「パートナーであり、信頼できる仲間」本間とのGBHコンビで現IWGPタッグ王者・矢野&石井と激突。相手の二人はGBH設立メンバーで、仲間割れ後は常に対立してきた因縁がある。

 しかも2・5札幌、2・11大阪で実現したIWGPタッグ3WAY戦2連戦では直接黒星を喫してはいないものの、王者組の防衛を許したばかりだ。「俺、正直はらわた煮えくり返ってるからよ。その怒りがよ、どんだけ爆発するかってことだ。それしかねぇよな」と怒りに震える真壁は、「ストレスがたまる一方だよな。たまる一方だけどよ、てめぇの力でよ、取り返さねぇと気が済まねぇよな。ただそれだけだよな。やってやるよ」と雪辱を誓うばかりだ。

 20周年という節目も真壁にとっては「単なる通過点」に過ぎない。むしろ「20年? 年寄りじゃねぇぜ。バリバリだぞ、こちとらよ。いつでも喧嘩売ってこい、やってやるからよ」とますます血気盛ん。だからこそ、記念試合であろうと真壁が描くのは、現在進行形の戦いだ。「昔のことを思い出すことはあるよ。でもこっからだと思ってるから。こっからどれだけ面白いものができるか」と前のみを見据える真壁は、「今のチャンピオンクラスのオカダ、内藤、あのクラスが今、看板背負ってるだろ。だけどもだ、20年超えた俺たちが奴らのベルトに挑戦してみろよ。結果決まってると思うか、お前ら? わかんねぇだろ? だから面白いんだよ。その面白ぇってもんを20周年を超えた今の俺だからこそ見せていけると思うんだよな」と確信。今年9月の誕生日で45歳になるが、まだまだ時代の流れに抗う構えだ。

 この20年間を振り返ると、決して順風満帆ではなかった。アマレスから転向したエリート・藤田和之が同期だったが、雲泥の差をつけられた。デビュー後も試合が組まれないことも多くくすぶった。海外遠征から帰国後もチャンスに恵まれず、そんな中でアキレス腱断裂という地獄を味わった。それでもレスラー仲間、友人たちの存在も支えとなって這い上がり、トップレスラーとして確固たる地位を築いた。その根底には雑草のような強い精神力があった。「おめぇらが何を感じるかってプロレスやってやるよ。20周年を迎える俺のレスリングスタイルをお見舞いしてやる」と宣言した真壁は記念試合であろうと、己が貫いてきたプロレスをみせる。

☆2/21(火)東京・後楽園ホール『戦国炎舞-KIZNA- Presents 真壁刀義 20th anniversary』18:30開始

◇第1試合◇
岡倫之
(1/15)
ヘナーレ

◇第2試合◇
TAKAみちのく
エル・デスペラード
(1/20)
外道
邪道

◇第3試合◇
タイチ
金丸義信
飯塚高史
鈴木みのる
(1/20)
タイガーマスク
獣神サンダー・ライガー
永田裕志
柴田勝頼

---休憩---

◇第4試合◇
BUSHI
高橋ヒロム
EVIL
SANADA
内藤哲也
(1/30)
デビッド・フィンレー
田口隆祐
KUSHIDA
ジュース・ロビンソン
棚橋弘至

◇第5試合◇
YOSHI-HASHI
後藤洋央紀
オカダ・カズチカ
(1/30)
中西学
小島聡
天山広吉

◇第6試合◇
▼真壁刀義デビュー20周年記念試合
石井智宏
矢野通
(1/30)
本間朋晃
真壁刀義


【会見の模様】
▼真壁「今のこの現時点での新日本プロレスの流れってのを俺が出さないと意味がないと思ってるんだよね。真壁刀義20周年? だからって特別な試合を組んでもしょうがねぇと思うんだわ。今、抗争中っていったらおかしいけど、俺が一番許せない相手だからよ、矢野と石井は。そこにこけしがくっついてるんだろ。言うことねぇだろ。毎回言ってるようにタッグチーム同士の普通の1対1だろ。だったらちょうどいいじゃねぇか。3WAYを否定するわけじゃねぇよ。3WAYも3WAYでその場その場の対応能力を研ぎ澄まさなきゃいけねぇし。そこで負け込んでるからよ、はっきり決着つけてぇなと。タッグマッチだろ。だったらいいじゃねぇか。今聞いて何を思うかということは、不思議と奴らとは戦う運命であるんだな、今回20年という節目においてもやっぱり戦うんだなと思うよ。いいんじゃないの。それが俺の生き方だと思うし」

――矢野&石井はGBHを結成した初期メンバーだが、この二人についてどう思うか?

▼真壁「どう思うっていう気持ちは正直ねぇよな。ただ、長い間むかつく相手だなとは思うよな。対角線に必ずいるだろ。そういった部分では去年おととしか、石井ともベルト取り合ってるし、俺、最終的にいかれてるし、矢野のヤローにもこの間いかれてるからな。そういうのを考えると、20年のうちの後半10年、あっという間に過ぎたけどさ。その中でGBHを立ち上げた初期のメンバーでもあるわけだ。そいつらと戦いを続けてるっていう自分に、まぁ十分なぐらい、感慨深いものがあるよな。それと同時にふざけんじゃねぇ、あのクソヤローって俺は思ってるから。そういうのが積み重なって今があると思うから、いいんじゃねぇの。この間の北海道、そして大阪か。俺たちは直接はいかれてねぇよ。直接いかれてねぇけど、途中から試合から外されるような形でノックアウト食らってんだろ。それがどうにも腹立たしいよな、俺にしてみりゃ。もちろん本間にとってもそうだろうし。獲っても獲られても最後までやんねぇとエンジンかかんねぇよ。そういうの考えると大阪は取り返せなかったしよ、ストレスがたまる一方だよな。たまる一方だけどよ、てめぇの力でよ、取り返さねぇと気が済まねぇよな。ただそれだけだよな。やってやるよ」

――記念試合の横に本間がいるが?

▼真壁「別に何もねぇけど。こけしだろ。でもG1獲った時もそうだし、俺が今のCHAOSのヤローたちに弾かれた時も、本間だけはついてきただろ。俺、事あるごとに本間はクソミソにしたし、ぶん殴ったし、こうじゃなきゃいけないってプロレスのノウハウというかさ、叩き込んだつもりもあるし。だからといってじゃねぇけど、奴自身の努力があったから今があるんだろ。昔は単なる俺のかばん持ちだと思ったよ。でも今はパートナーであり、信頼できる仲間でもあると思うからよ。間違いねぇだろ。だったら石井と矢野コンビ、俺と本間で叩きのめしてやる。それだけだよな」

――20周年の実感はある?

▼真壁「20周年って実感って単なる通過点でしかねぇんだよな、俺の中で。過去の20周年を超えたレスラーたち、先輩方にいるだろ。たぶん20周年やってきたんだという感慨深いものと同時に、さぁこれからだって思う奴の方が絶対多いはずなんだわ。俺まさにそうだもんな。20年? 年寄りじゃねぇぜ。バリバリだぞ、こちとらよ。いつでも喧嘩売ってこい、やってやるからよ。そう思ってるからな、毎日よ。だからひとつの通過点だよね。昔のことを思い出すことはあるよ。でもこっからだと思ってるから。こっからどれだけ面白いものができるか。今のチャンピオンクラスのオカダ、内藤、あのクラスが今、看板背負ってるだろ。だけどもだ、20年超えた俺たちが奴らのベルトに挑戦してみろよ。結果決まってると思うか、お前ら? わかんねぇだろ? だから面白いんだよ。その面白ぇってもんを20周年を超えた今の俺だからこそ見せていけると思うんだよな。だからプロレスは面白ぇんだよ。その面白いプロレスをお見舞いし続けてやるよ。俺それしか考えてねぇよ今」

――あくまでも現在進行形の自分をみせると?

▼真壁「そりゃそうだよね。会場に来てくれるような真壁ファン、俺それにこだわらねぇもん。別に全国の現場に来てる奴、テレビみてる奴、いろいろいるだろうけど、俺のこと応援してくれるのはうれしいけど、俺それにとことん感謝なんかしてねぇしよ。逆に言えば当然だと思ってる。俺の試合をみせてるから、お前らどう思う?って。俺そういう立場の人間だからよ。これからも応援してくださいなんて思ってねぇからな。だから会場に来る奴もテレビで見る奴も真壁刀義のプロレスを感じてもらいてぇよな。だからといって俺のこと応援してくれって思わねぇもん。凄ぇ試合してやるから。おめぇら、いつも言うとおりだよ。瞬きしないで見届けろってことだ」

――ノンタイトル戦については?

▼真壁「むかついてるに決まってんだろ。マジで思うよ。やっぱりさ、でかいハコ、用意された場所、そこでタイトルマッチをするのが新日本のマッチメークの姿勢だと思ってるから、それはそれで構わねぇよ。ただ、記念すべき俺の20周年…俺そんなこと微塵も思ってねぇからよ。その舞台でさ、俺は俺なりの試合をみせてぇと思ってんだ。それがつまらねぇとか、そんなことどうでもいいんだ俺にとっちゃ。おめぇらが何を感じるかってプロレスやってやるよ。20周年を迎える俺のレスリングスタイルをお見舞いしてやる。それしか考えてねぇよ」

――2対2では負けないというのをみせたい?

▼真壁「みせてやりたいな。勢いが間違いなく乗ってるのはわかってんだ。俺も実際、ベルト持ってる時もあるからさ、ベルト持ってる時って、是が非でもというのと、自分の中で絶対獲らなきゃいけないんだって責務があるんだよな。でもベルト持ってる奴の方が有利なんだよ。自分の心に自信があるわけだからな。だけどだ、前回2度もいかれてんだよ。俺、正直はらわた煮えくり返ってるからよ。その怒りがよ、どんだけ爆発するかってことだ。それしかねぇよな」

――試合以外のセレモニーなどは考えている?

▼真壁「セレモニー? 考えてるの? 何があるの? 希望? 何だろうね。セレモニーっていうセレモニーに関しては、俺が本気で口説ける女性を何人か紹介していただき、それをテレビ中継しながら、その後どうなったかを伝える……そんなわけねぇだろ。新日本プロレスにこうやって真壁刀義というプロレスラーが誕生して20周年。先の10年はホントにクソみてぇなレスラーの価値しかなくて、会場に上がろうがタバコタイムでお客は引っ込んで休んでる。そんなような状況だったからさ。そのあとの10年があっという間だったよな。驚くほどあっという間。俺、新日本を支えてきた、もう一回構築し直したって自信があるからよ。それは何年経とうが? 体力が落ちようが? そんなこと微塵も思ってねぇ。だから誰よりも練習しなきゃいけねぇだろって思ってるからよ。ひとつ言えることはあれだよな。何があろうが死に物狂いでリングに上がってやるって。それしか考えてねぇからよ。これぞプロレスラーって試合をみせてやるよ。それしかねぇ。あとはあれだろうね。プロレスラー・真壁刀義として、セレモニーという部分は薄々は聞いてたけど、それはもちろんひとつの、俺が世話になった方々だったりとかいろいろなものがあると思うんだよね。あとは現在進行形と言ってる部分もあるから。たぶん昔はこうだったんだとか、いろいろ懐かしいなって思う人は一部だと思うから。今の人は今の現在進行形を求めてると思うんだよね。生い立ちはこんな感じですよ、ぐらいはお知らせするつもりではあるけどさ。だから現場に来た奴が一番びっくりするんじゃないのって感じがするよね。で、その時は生中継してんの? (新日本プロレスワールドで生配信と知らされて)だよね。面白いんじゃねぇの。だって細かく俺自身が知らないからね。毎日が忙しすぎて全然わけわかってねぇもん」

――20周年を振り返って自身でターニングポイントになった試合、出来事は?

▼真壁「なんだろうね。凄くもがき苦しんでてさ、試合でアキレス腱を切って入院した時かな。一番ものを考えるようになったのは。それまではガムシャラにやっててさ、休むこともなかったんだよね。俺みてぇなペーペーなレスラーはさ、客を呼べないレスラーはさ、休むことが許されなかったんだ。でもアキレス腱はどうしようもねぇわけだ。断裂だからね。動けないわけだ。その中でたまたま俺のプライベートの友達とレスラーの仲間たちが両国国技館に近いからさ、G1中だよな。お見舞いにきてくれたりするんだわ。そんな時に俺は足のチェックでドクターのところにいって…車椅子で(両国国技館に)来たんだ。部屋のドアをパッと開けた瞬間、西日で光った人の陰が出るだろ。光が俺の仲間の影とレスラーの同僚たちが和気あいあいとしゃべってんだ。普通ねぇだろ。俺のプライベートの仲間とレスラーが仲良くしゃべってるなんて。その風景をパッと見た時、あぁ、俺、こいつらのためにもう少し頑張らなきゃダメだなと思ったよね。それまではさ、俺が有名になってこいつらの鼻高くしてやるんだって。『俺、真壁伸也(本名)の友達なんだぜ』って散々言ってくれて、胸を張れるようなレスラーになってやろうと思ってたんだよね。でもその時に初めて思ったよね。それまで俺、やめようと思ってたから。アキレス腱切った時に。俺、決断する時は誰が何と言おうと変わんねぇからさ。俺がレスラーとしてダメなら、もう辞めろってことなんだろうなって思って。そんな時、西日をパッとみて仲間たちが和気あいあいとしゃべってるのをみたら、俺、こいつらのためにもう少し頑張らなきゃダメだな。そう思って踏ん張ったよね。それと同時に新日本プロレスも今でこそ右肩上がりで上がってるけど、その当時はいろんな格闘技ブームなり、衛星放送なり一般の方がプロレス以外で観るものが凄く増えたじゃん。だから新日本プロレスの興行成績が凄ぇ落ちたんだよね。そんな状況も重なるわけよ、その後にね。そう思った時、肉体的に夢もなくなって、アキレス腱と同時に夢も断裂されたわけでさ。もう辞めろってことなんだろうなぁと思った時に、仲間たちを見て、あぁ踏ん張らないといけねぇなと思った。それと同時にここまで大好きで、自分を鍛えて、しごかれて、地獄の思いをしたけど生き残ってレスラーになって、少しずつ階段を登っていって、時にはメインイベントもあったけど、俺、今まで遠慮してたんだよな、どっかで。どっかで遠慮してたんだ。先輩たちの言うことを聞いて。優等生じゃねぇけど、ちゃんとやってればチャンスもらえるんだってずっと思ってたんだ。でもその時にさ、遠慮するのやめようと思った。遠慮してたって何も生まれねぇもん。アキレス腱切るわ、うだつが上がねぇわ。ホントに水面下でうごめいていながらも先が見えない真っ暗闇でさ。そういうふうに思った時にやめた、全部やめた、遠慮するのやめようと思った。よくある話で中邑なり棚橋を会社はどんどんプッシュして、チャンスを与えたわけだ。そんな時に俺は真反対にいってやろうと思った。同じ方向で上がるんじゃなくて、真反対であいつら以上に上がってやろうと思った。それがヒールだよな。徹底的にヒールやってやろうと思った。だってそうじゃん。俺がガキの頃にプロレスみて育ったのも、(仕草を真似して)この人(アントニオ猪木)がいて、タイガーマスクもそうだし、ダイナマイト・キッドもそうだし、小林邦昭さんもそうじゃん。長州さん、藤波さんもいたろ。そういうのみたらやっぱり強烈なヒール…新日本プロレス、プロレス界に足りねぇのはそこなんだな、アクが足りねぇんだなと思った。そのアクの足りなさをみんな気づいてねぇんだよな。だったらさ、俺そこで当時の棚橋なり、中邑たちを追い抜いて上からねじ伏せてやろうと思ったよ。案の定、追い抜いたじゃねぇか。叩き潰しただろ。そしたらどうなった? 新日本プロレスの業績がどんどん上がっていった。それみたことかじゃねぇけどさ、だろ? 俺、正しいじゃんと思ったよね。その瞬間ですよ。僕がGBHを追い出されたのは。(取材陣から笑いが起きると)笑うとこじゃねぇからな、おめぇら。俺は孤独だったよ。そんな話どうでもいいんだバカヤロー。でも、そこだよね。俺、本当にそこだと思ってる。こんなところで言うことじゃねぇけど、本当に好かれたかったらさ、俺のこと好きになってって言わないよね。どっちかといったらさ、嫌い? 別に構わねぇよって。俺はてめぇの生き方を通すだけだから。だから好いてくれるんだよ、みんな。俺は真壁刀義というレスラーの思った通りにしか動かねぇから。それを信条として今があるから。で、20年じゃん。残りの10年だよね。今まで突き抜けてきたつもりではあるから。そこで矢野であり、石井であり、またこいつらかと。じゃあ、やってやるよ。俺が変わったように奴らも変わってるからね。本間も変わってる。みんな変わってるんだよね、なんだかんだいいながら。だからこそ今、面白いんだよね。そう思うよね」

――ドラマ、バラエティー出演でお茶の間の人気者になったことについては?

▼真壁「やっぱりね、お茶の間の皆さんは見抜くんだよね。真壁刀義は凄いいい人なんだって。今までは道端歩いててさ、道がぱーっと開くんだよね。モーゼの十戒みたいな。俺凄いなと思ったけどさ。最近、逆に道が詰まるんだよね。寄ってくるんだよね。人気があるんだろうね(笑)。そんな冗談は抜きでさ、GBHを追い出されて、そこから奴らと対照的な立場になってやり合ってたのが今に響くんじゃねぇかなって。それと同時に新日本プロレスをさらに上に上げるにはどうするか、俺はずっと考えてたから。四六時中考えてたね。プロレスをやりながらも四六時中。もちろん今もそうだよね。現在もいろいろ考えてるから。それはただプロレス以外のものを考えて出るんだったら、じゃあプロレスラーやめちまえって話なんだよね。でもプロレスラーやめたら俺は意味がねぇんだわ。だから道場に行って誰よりも練習してる自負があるし、早朝、道場が開く前に勝手に自分で入って練習して、そこから仕事いったりしてるから。自慢でも何でもなく当たり前だと思ってるから。それは若い頃からずっと教わったことでもあるし、これからも変えられないんだよな。恐怖心があるから。少しでも練習をさぼるとてめぇのレベルが下がるんじゃねぇかとかさ。トレーニングジャンキーではあるんだよね。いつもその恐怖心と戦ってるという。だからウチのレスラー、そういう奴ばっかりだから。プロの職業だから当たり前といえば当たり前だよね。そんな中でこんなめちゃくちゃおっかないプロレスラーがスイーツ好きという一面をお茶の間の皆さんにひけらかし(笑)。最初『スイーツの話どうですか?』と言われてうれしかったけどさ、俺いいのかと思ったよね。俺がお茶の間でそんなスイーツ好きってばらしちゃったら、それはそれで人気が下がるんじゃねぇかなと思ったんだよね。プロレス人気がね。意外と普通の人じゃんって。普通の人なんだけど。プロレスやってるかやってないかだけで。明らかに俺の独自な表現、食レポ、これが功を奏した、そんな感じ。でもよかったよね。だってさ、俺、別に表現力があるわけでもねぇしさ、頭がそんな切れるわけでもねぇんだわ。でも俺が思った通りということは一番素人に近いんだよね。一般の方と近いのよ。考えてることとか思うことが。それをストレートに伝えてるだけだから。バラエティーでもそうだよね。俺が今までテレビみてて、ダウンタウン凄ぇなとか、そんな人たちと一緒に番組やらせてもらって、そりゃ感激したけど、ガチガチになるよね。この俺でも緊張するんだぜ。でも少なからず番組に俺を使ってくれてる以上、やっぱりインパクト残したいじゃん。だからインパクト残すけどね、俺は。でもありがてぇよな。俺が若い頃、テレビみた時、例えばライガーがウッチャンナンチャンの番組に出たりとかさ。プロレスラーが一般の番組に出るって画期的だったんだよね。プロレスファンの俺たちはそれをみてさ、わぁ凄ぇな、プロレスラーが出ると元気出るよね。そんなイメージだったんだよね。それを今、この時代になって俺がやってるからさ。それを見届けてる子どもたちとか、ストレスがあるような一般の方がどう思うかなっていう。どう思ってもらっても構わないんだけど。それが一番いいんだよね」

――若手時代に苦労したと思うが自分の時と今の新日本の若手を比べてどう感じる?

▼真壁「いいよね。優しくて、みんな。ホントね、天国だと思うよね。そんなこと言ったら悪いけどさ、今の若い奴らは今の若い奴らでのいろんな悩みとかさ、葛藤なり、いろんなものがあると思うよ。おととい終わったシリーズのバスの中でも怒鳴り声が飛び回ってるからね。ちゃんとやらねぇから。それは教育だからしょうがねぇんだよな。怒り方の強弱ってもちろん選手によってそれぞれ違うからさ。ただ俺20年超えてくるとさ、意外と今の10代の奴らとか20代前半の奴らがさ、かわいくみえてきちゃうんだよね。一生懸命頑張ってんなって。お前らよくやれよ、頑張れよって。以前の長州力さんをみてる感じだよ。俺が一番最初入門した時、『本日入門しました真壁伸也です。よろしくお願いします』って。(モノマネで)『おぅ、お疲れさん。よろしく』って。俺のことを呼ぶ時、『おい僕』っていうんだよ。『おい僕、お茶持ってきてくれ』。そんな感じよ、イメージでいうと。あいつらにはあいつらの厳しさがあるわけ。だって20年経ってるんだぜ。20年経ったら俺らの若手の頃と同じような社会情勢とか社会の風習はいろいろ変わってるからさ。そんな状況の中で一生懸命頑張ってるなと思うよ。だって当時の俺たちの新弟子時代と100パーセント違うかといったら100パーも変わってないからな。ただ80パーセントは変わってる。だからいいなって思うよね。でも今の奴ら、一生懸命頑張ってるよ。本当に頑張ってる。だって今、俺が怒鳴り散らす前にさ、俺よりも下の若ぇ奴らが怒鳴り散らすからね。それを『ほぅ』と思いながらみてるからさ。だから新日本の若手の20年を見て思ったのが、楽な時代はねぇよな。何だかんだいったってやっぱり厳しいもん、ウチの奴ら。それが継承されてるから今の新日本プロレスがあるんじゃねぇのと思うよね。落ちたら上がることしかないじゃんか。落ちきったら上がるしかねぇだろ。だから上がるまでとことんいけばいいだけの話だろ」

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