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3/1【NOAH】丸藤「最初で最後」、武藤「三沢社長の面影を探索しに」 “俺たちのワンマンショー"へ丸藤正道&武藤敬司インタビュー!

 3・12横浜文体大会で実現する丸藤正道&武藤敬司の“天才タッグ"。これまでリング上の接点は一切なし。違うリング、違う時代を生きてきた二人の天才がついに交わる。丸藤が「最初で最後だと思う」というプレミアタッグ。「三沢社長の面影を探索しにきた」という武藤は対戦相手が決まっても「俺たちのワンマンショー」と言い切った――。


【丸藤正道&武藤敬司インタビュー】

――改めて丸藤選手が武藤選手と組みたいと思った理由を教えてください

▼丸藤「武藤さんとは雲泥(うんでい)の差ですが、僕も18歳からプロレスを始めて来年で20周年になります。今まで各団体でいろんな方々と絡んできたなかで、一度も絡んだことがない方は誰か。そして自分よりキャリアが上の選手も少なくなってきたなかで、やっぱりどうしても触れてみたい方…といったら武藤さんしかいないと思ったので」

――武藤さんはその声を受けて何を感じられましたか?

▼武藤「光栄に感じましたね。何だかんだ言って“永遠の恋人"である亡き三沢社長の秘蔵っ子って言ったら失礼かもしれないですけど。逆に俺もWRESTLE-1っていう団体を率いて頑張ってはいるんだけど、今WRESTLE-1は若いヤツ中心にまとまりつつある。俺がWRESTLE-1に存在することがある種“足かせ"にもなり得る状況のなかで、もう周りには『今年は内より外に向けて発信していくよ』っていうことは言ってたんですよ。そのタイミングでちょうどお声がかかったから、これは亡き三沢社長の面影(おもかげ)をもう一回、探索しにいくのもいいかなぁ…って」

――ノア参戦は5年ぶりで、現在は“新生ノア"として生まれ変わりつつある状況です

▼武藤「その辺の状況は詳しくは分からないんだけど、WRESTLE-1にしたって俺の遺伝子的というか面影的なものっていうのも消えつつあるからね」

――あくまで個人的に“やり残したこと"のひとつとして、丸藤選手との絡みがあったと?

▼武藤「まぁ三沢社長とはシングルマッチは一度もできなかったからね。『それはそれで良かった』っていう声もあるんだけど、やっぱり気持ちっていうのは常に揺れ動くものだからね。もちろん『もっとやりたかったな』っていう思いもあって。でも、そういう(過去に向かった)自分の気持ちっていうのは、今でも見つめていたい…っていうのはあるじゃないですか。『忘れたくない』っていう。そんな流れのなかで“MASTERS"なんて興行もやったんだけどね」

――なるほど。お二人は以前、サムライTVで対談を行ったことはありましたが、リング上では一切遭遇していないというのも意外な話というか…

▼丸藤「そうですね。リング上以外ではそこそこお会いさせていただく機会は多くて、それこそ先日の豆まきだったり。ただ、ことリング上という話になると、まったくもって接点が無かったので」

――そのお二人が組むとなるとどうしても“天才タッグ"と称される形になると思いますが…

▼丸藤「いや俺は別に天才じゃない」

▼武藤「俺も天才じゃないよ(笑)」

――“天才"と呼ばれることについて、お二人はどんな思いがありますか?

▼武藤「“天才"ってさ、“ひらめき"とかっていう部分が天才のイメージじゃないですか。ただ、言葉の響きで『あんまり努力をしないでもできる』みたいに思われる部分があって。だったら俺は決して天才じゃない。だって努力すげーしてるから。だから“天才"ってあんまり気持ちいい言葉じゃないよ、俺にとっては」

▼丸藤「(※大いにうなずきながら)まったく同じ意見で。なんていうか“一つひとつ"っていう部分だったら、僕より凄い動きをする人はたくさんいるし。だから無理やりそこと競い合おうとはしてこなかったし、自分のスタイルで自分のプロレスでお客さんに楽しんでもらえるように心がけてきただけであって。だから今回も、その言葉うんぬんよりも、武藤さんが僕と並んでくれたことによって、観てくれるファンの人たちはドキドキワクワクしてくれること。それはプロレスにとってひじょうに大切な要素だと思うし、そういう思い(※カードを見ただけで胸が高鳴る)を抱かせられる人っていうのも限られた存在だと思うので。このタッグに関して良く思ってない人間もいるようですが、このタイミングで、やれる時にやらせていただける…っていうのはありがたいと思っています」

――武藤さんは“三沢さん"を丸藤選手に見ている部分もあるようですが、丸藤さんはそれをどう感じましたか?

▼丸藤「まぁずっと一緒にいましたからね。付き人してましたし。今は退きましたけど、ノアで副社長というものもやりましたし。何より僕が18でプロレス界に入って初めて接した大人っていうのが三沢さんだったので。その面影を自分で出すつもりっていうのはないんですけど…」

▼武藤「出す必要はないよ。そこは勝手に俺が感じ取るものであって。出されても困るよ(笑)」

▼丸藤「そうですね(笑) ただファンの人たちも、そういう見方でみてくれる部分もあると思うので」

――では丸藤選手にとって“武藤敬司"とはどういう存在でしょうか?

▼丸藤「“プロレスラーが憧れるプロレスラー"。それこそ佐山さん(初代タイガーマスク)だったり、藤波(辰爾)さんだったり、今まで僕は何人かの方にこの言葉を使ってきたんですが、まさにこの言葉が当てはまる方だと思うんで。三沢さんとはタイプもイズムも違うとは思うんですが、人を惹きつける力やカリスマ性。何してもかっこいいプロレスラーってなかなかいないと思うんで。横に立つことによって、僕もまだまだ吸収したいものもあるし、絶対吸収できるものもあると思うんで」

――ファン時代から武藤さんの試合は見ていた?

▼丸藤「見てましたよ。G1で優勝した時なんかは印象に残ってますね。『ばく進します!』って叫ばれていて。『グレート・ムタ スペシャル』もVol.1、Vol.2両方VHS持ってますし(笑)」

――逆に武藤選手にとっての“丸藤正道"とは?

▼武藤「俺以上に“天才"っていうか、まさに“ジーニアス"って言葉がふさわしい」

▼丸藤「(※恐縮しながら)ホントですか…」

▼武藤「ホントにホントに。ただ、三沢社長の名前を出してはいるけど、(自分と三沢さんは)ホントにタイプが違うからね。俺、組んでてもあんなに一生懸命戦わないもん。80%パートナーに任せるからね(笑)」

――では今回もそのつもりで…

▼武藤「そうそうそうそう(笑)」

▼丸藤「ははは(笑) まぁでも、そうやって組むことで良い化学反応が起こると思うし、起こると思って今回こうやってお願いしてるんで」

――武藤さんは最近のノアはご覧になったりは…

▼武藤「いや、してないですねえ。だって俺んとこの団体の試合だって最近見てないもん(笑)」

――なるほど…では『自分にしかないパスポートもあるし、今年は外に出よう』と思った真意というのは?

▼武藤「まぁWRESTLE-1が落ちついてきたっていうのもあるんですけど、勉強という部分もひっくるめて、やっぱり“プロレス"という大きなカテゴリの中で活躍をしたいかな…って。ただ、丸藤選手はそろそろ20年というキャリアですが、俺は33年目なんですよ。なかなかなかなか、体もガタがきててさ。この前のMASTERSってイベントでも、周りが先輩ばっかりだから働きすぎちゃってさ(笑) その時は俺が8割動いたよ。その“後遺症"でまだ体が痛くってさ(笑) でも当日までに何とか体調整えて、足を引っ張らないように頑張りますよ」

――そしてその当日はImpact Wrestlingのムース選手とKAZMA SAKAMOTO選手のタッグと対決します

▼武藤「KAZMAは知ってるけどムースっていうのは分からないなあ」

――おもにこれまでROHで活躍していて、ひじょうに大きくて身体能力も高い選手です

▼武藤「うわ〜イヤだなあ…」

▼丸藤「ハハハハ(笑)」

▼武藤「じゃあムースは丸藤選手に任せて、俺はKAZMAとやってるよ(笑)」

――対戦相手というよりは、この二人で組むことの意味が大きいと

▼武藤「もうせっかく丸藤と二人で組むからには俺たちのワンマンショーのつもりでやるよ。相手に関しては必要としないっていうか、KAZMAみたいなハナクソヤローなんて相手にしないよ(笑) ワンマンショーだよ」

▼丸藤「今回はリング上に4人の選手が立ってるなかで、一番の“敵"は武藤さんかもしれないんで。すべて“持ってかれて"しまう可能性もあるので」

▼武藤「ないよ(笑) 俺は2割だよ、2割(笑)」

▼丸藤「でも僕が8割動いても、その2割で持っていかれてしまう可能性もあるので。ただ、それ(危機感)も必要な部分ではあるんですけど」

――存在感という部分で…

▼丸藤「うん。そういった部分でも僕は学ばせていただきたいなって」

――丸藤選手はKAZMA&ムース組については?

▼丸藤「実は僕、デカい外国人選手っていうのは意外と得意なので…。全日本プロレスからの流れで培った受け身で…」

▼武藤「じゃあもう決まりじゃんか(笑) 俺もKAZMAは得意だから(笑)」

▼丸藤「もう役割分担できました(笑)」

――分かりました。では最後に改めて横浜文体に向けた意気込みのほどをお願いいたします

▼武藤「まぁ正直、33年のキャリアのなかでホントに体はボロボロでさ。ただ、気持ちだけはノって、丸藤の足を引っ張らないようにその日は一生懸命やりますんで、皆さん観に来てください」

▼丸藤「こちらからオファーしてナンですけど、おそらく最初で最後の可能性が高いと思うので。プロレスというのはやっぱり会場で生で観てこそ一番感じるものがあると思うので、ぜひとも会場にお越しください。お待ちしています」

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