プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

3/21【新日本】4・9両国で約13年ぶりIWGP挑戦 柴田が二つのテーマを設定 「見たことないオカダ引き出す」、「新しい風景にしていく」

 『NEW JAPAN CUP 2017』優勝者・柴田勝頼が一夜明けた21日、東京・中野坂上の新日本事務所で会見。4・9両国大会で約13年ぶり2度目となるIWGPヘビー級王座挑戦が決まり、頂点ベルト初戴冠へ向けて「見たことない素のオカダを引き出したい」、「新しい風景にしていきたい」と二つのテーマを設定した。

 前夜の3・20長岡大会で行われたNJC決勝戦は柴田がバッドラック・ファレを破って初優勝。3大シングル王座いずれかへの挑戦権を獲得し、IWGPヘビー挑戦を選択した。そしてこの日、4・9両国大会で王者オカダ・カズチカへの挑戦が正式に決まった。

 柴田のIWGP王座挑戦は2004年7・19札幌大会で第38代王者・藤田和之に挑んで以来、実に12年9ヶ月ぶり2度目となる。そして2012年9月の新日マット復帰から4年7ヶ月の歳月を経て、至宝ベルト挑戦にたどり着いた。

 王者・オカダとは2013年8月のG1公式戦以来3年8ヶ月ぶり2度目の一騎打ち。タッグも含めてオカダとの対戦は数えるほどしかなく、「ずっと常に虎視眈々としゃべらずに狙ってはいましたね」という柴田は「オカダの3年は凄くでかいと思います。IWGP、当時も巻いてたし、今もなお巻いてるという現状、凄ぇことだし、俺にはできなかったこと」とその間、頂点に君臨し続けてきたオカダを認めてはいる。

 一方で、「あいつはたぶんレインメーカーとしてのプロレスラーをやってるんですよ。マスクマンじゃないけどマスクマンみたいな。素でそれをやってないというか」との印象がある。そこで柴田は「オカダ・カズチカの素の部分をどれだけ引き出して俺の土俵で試合するかが俺の中で凄く楽しみ。見たことないオカダを引き出したいですね。たぶんそれが嫌なんじゃないですかね一番」と宣言。何もかもかなぐり捨てて戦うオカダの姿を両国の大舞台でさらけ出させる構えだ。

 もうひとつ柴田が見据えるテーマがある。NEVER無差別級、ブリティッシュヘビー級王者として防衛戦を重ねてきた中で「ベルトってやっぱり大事なんだなと。いろいろ中心として動かしていくものなんだな」ということを気づかされた。IWGPは新日本最強の証であり象徴。それがようやく手の届くところまでたどり着き、「俺が再び上がりだした時もオカダだったし、今もなおオカダ。IWGPで組まれる、対戦するカードも似たような選手ばっかりで、そこにひとつ風穴を開けたい」と言い切った柴田は「新しい風景にしていきたい」と誓い、自らの手によってIWGP戦線を変えていくことも見据えている。

 「俺がプロレスラーとしてやってきた18年間、どこを区切ってもプロレスラーなんですよ。そこは誰も真似できない部分」と言い切る柴田はこの春、約13年ぶり2度目の挑戦で新日本の頂を目指す。

【会見の模様】
▼柴田「よろしくお願いします。応援してくださったファンの皆さん、ありがとうございました。このたびNEW JAPAN CUPを優勝して、オカダの持つIWGPに挑戦する権利を得ました」

――巨漢ファレとの決勝戦を振り返って?

▼柴田「でかかったですね。巨漢でしたね」

――あのサイズが相手だとやりにくい?

▼柴田「やりやすい選手なんているんですか? 規格外というか」

――どのあたりを警戒した?

▼柴田「やっぱりでかい、力強いというのは最大の武器だと思うんで」

――バッドラックフォールだけは警戒していた?

▼柴田「もらったら終わっちゃうんで」

――そこだけは食らわないようにと?

▼柴田「そこだけというわけではなかったですけど、そこが勝敗の分かれ目だったと思います」

――1回戦で鈴木、2回戦でロビンソン、準決勝で石井と強敵ばかりだったが?

▼柴田「そうですね。自分は昨日が決勝でおとといが石井選手と試合でしたけど、石井戦で何かが吹っ切れたというのはありましたね。本当に何かこうモヤモヤしていた、開幕からいろんな自分の中で引っかかっていたものが全て関係ねぇなって。そういう戦いができた、そういうものを気づかせてくれたというのは石井選手には感謝してます。これだよなっていう」

――「お前最高だよ」という言葉もあったが?

▼柴田「そうですね。その通りです」

――オカダとのIWGP戦が正式に決まったが?

▼柴田「決定してよかったです」

――最後にオカダが出てこなかったのが引っかかっている?

▼柴田「選んで確実に優勝したら挑戦できるんだっていうのは聞いてたんですけど、ホントできるんだなと実感してます」

――一夜明けて周りの反響は?

▼柴田「昨日は試合終わって、そば食って帰って、寝て、さっき来たって感じなんで、このNEW JAPAN CUPの記憶というか、いつどこにいて、どこで試合してっていうのが、試合のスケジュールが刻みすぎてて、いつどこにいるのかわからないような状態になってたんで。ホント浜松の試合なんかは1週間2週間ぐらい前の気分になってます。麻痺してます」

――NJC優勝の実感はある?

▼柴田「実感はありますよ。これ(トロフィー)獲ったじゃないですか。実感はあります。しっかり両国でオカダ戦が決まった。そのための会見なわけでしょ今日。会見とかあまりなかったんで、慣れてない。こういう機会がなかったんで」

――オカダへの思いは?

▼柴田「思いはたくさんあるよ。リング上で約束した相手がいるって言った瞬間に、まさか同級生じゃないだろうなっていうのがあったかもしれないけど(苦笑)、オカダって言った瞬間にみんながこれを期待してたのかなって。俺のやろうとしてることは間違ってないなというのはわかりましたね」

――新日本復帰後なかなかオカダに触れなかったが?

▼柴田「触れなかったですね」

――ようやくという感覚?

▼柴田「ようやくですね。一回G1で戦ったことありますけど、タッグでも数回ですよね。俺、4、5年いて本当に数回。(オカダと)リング上にいた時間なんて2、30分もいないんじゃないかってぐらい、なかなかこんなことってあるのかなっていう思いではずっといて、これは言ったら言っただけオカダから離れていくなと。会社が一番大事にしてる選手だから、わからなくもないですけど、ここまで過保護にしていいのかなと。オカダを別に否定するわけじゃないんですけど、素晴らしい選手だと思いますけどね。そこにまったく触れることができなかったというのが。ずっと常に虎視眈々としゃべらずに狙ってはいましたね。ただね、その中で内藤がいろいろ言い出して、これは許されるんだっていうのがあって、何が何だかわからなくなったんですよね。そういう意味ではプロレスって生ものだなって思うし、さすが新日本プロレスだなって思いましたね」

――最高の形で挑戦できると?

▼柴田「俺なんか3、4年、何も言わず触れず過ごしてきて、かと思えば出戻ってきた海賊の親分は向かい合っただけで組まれるわけじゃないですか。そういうものもいろいろありましたよ、俺の中で。思いというか。オカダが言ったことですからね。『向かい合っただけで挑戦できると思うなよ』と。『NEW JAPAN CUP優勝してから来い』と。その通りに俺はしただけです。ただ時間はめっちゃかかった」

――3年前のG1で対戦しているが今のオカダは当時の印象と違う?

▼柴田「それは一緒なわけないでしょう。3年の経験ってそれなりに凄い時間があるわけですし、中学生なんか3年あったら入学して卒業しちゃうわけですからね。3年はでかいです。オカダの3年は凄くでかいと思います。IWGP、当時も巻いてたし、今もなお巻いてるという現状、凄ぇことだし、俺にはできなかったこと。でも俺も3年前と今は違うよっていう話ですよ。その3年をどう過ごしてきたか。ほぼほぼ空白な3年なわけですけど、そこを俺も去年はNEVER一年間やって、海外にも行って、イギリスにも行って、吸収するもの、学んだものたくさんあったわけです。たぶんおそらく俺の中で一番シングルしたと思います。いつ何時誰からの挑戦も逃げずに戦ってきた自負はあります。その精神というか、根本にあるライオンマーク、新日本プロレスをうたっているのであれば、そこは変えてはいけないというか、変える必要はないというか、そこを大事にしなくてはいけない部分なんじゃないのかなという俺からのIWGP、新日本プロレスを象徴するベルトへの挑戦でもあり、問題提起でもあり、戦いですよね」

――違ったオカダを引き出せる気持ちがある?

▼柴田「ありますね。だからやりたかったんですよ。俺、オカダっていうワードとIWGPっていうワードを昨日、初めて言ったような気がするんですよ。オカダは言ってたかもしれないけど、IWGPって初めて言ったと思うんですよ、自分の口から。だけどこの4年、やっぱり自分にとっての変化もあり、成長もあり、そこに行き着いたのかなとは思いますね」

――13年ぶりのIWGP挑戦になるが、IWGPへの思いは?

▼柴田「ベルトってどうなのかなと思ってたんですけど、去年一年間持って、言ってみれば3番目のベルトですよ。あとイギリスのベルト。を持って戦っていく中で、ベルトは必要ないとそれまで思ってたんですけど、ベルトってやっぱり大事なんだなと。いろいろ中心として動かしていくものなんだなと思いました。象徴として。新日本プロレスの象徴ですから」

――自分が中心になって動かしていきたい?

▼柴田「動かしていきたいというか、新しい風景にしていきたいなって。ずっとオカダなんで。俺が再び上がりだした時もオカダだったし、今もなおオカダ。IWGPで組まれる、対戦するカードも似たような選手ばっかりで、そこにひとつ風穴を開けたいなっていう気持ちはあります。それしかないですね」

――99年にデビューしてから18年はどんな日々だった?

▼柴田「俺の18年ってたぶん誰も真似できない18年だと思いますし、今から誰か若い奴がやろうとしても確実にできないと思います。もちろんオカダがやってきた今までも俺は絶対無理ですけど、俺がプロレスラーとしてやってきた18年間、どこを区切ってもプロレスラーなんですよ。そこは誰も真似できない部分だと思います」

――IWGPへの思いで初挑戦した13年前と変化した部分はある?

▼柴田「ありますね。何か当時のIWGPってピンとこなかった。当時、藤田さんが持っていて、強い奴が持っている、それに挑戦できる。怖いもの知らずで挑戦して惨敗したんですよ。その痛み、恐怖を知らないというのが一番未熟で、それこそ18年間の経験というのはいろんな怖さだったり、痛さだったりを経験してきた18年間だと思います。だからさっき言ったように、どこを切ってもプロレスラー・柴田勝頼で生きていたと思うんですね。たとえリングは違えど。だから点と点がずっと線でつながって今、昨日の優勝につながって、両国のオカダ戦につながってるんじゃないかなと俺は思います」

――試合後のコメントで「かつての新日本を知る、そして現在の新日本も知っている柴田と、今の新日本の象徴であるオカダ」という言葉があったが?

▼柴田「やっぱり何だかんだ言って生え抜きにしかわからない意地っていうものが生え抜きにはあるんで。俺は一度辞めてるんですけどね。俺の中でプロレスラーでいたっていうのは、もともと親父の時代から流れてる血っていうのはそもそも遺伝子が新日本プロレス、生まれた時から新日本プロレスなんですよね。そこは何をひっくり返しても変わらない。だからオカダと戦えることに楽しみである部分、オカダ・カズチカをどれだけ素の部分を引き出して俺の土俵で試合するかが俺の中で凄く楽しみで。どれだけ引き出せるか。あいつはたぶんレインメーカーとしてのプロレスラーをやってるんですよ。マスクマンじゃないけどマスクマンみたいな。素でそれをやってないというか。しゃべってて自分でもよくわかんないですけど、なんとなくそんな感じです」

――違う一面を引き出す?

▼柴田「はい。見たことないオカダを引き出したいですね。たぶんそれが嫌なんじゃないですかね一番」

プロ格 情報局