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4/13【WRESTLE-1】「本気の近藤修司を僕が引き出してあげる」 初防衛戦へW-1王者・芦野祥太郎インタビュー

 河野真幸を破って第11代WRESTLE-1王者となった芦野祥太郎。4・19後楽園大会では同じTriggeRの近藤修司選手を挑戦者に迎える。キーワードは“本気"。若き王者の初防衛戦に向けた思いとは――。


【芦野祥太郎インタビュー】

──WRESTLE-1の頂点のベルトを手に入れた感想は?

▼芦野「気分はいいですね。やっと自分の物になったわけですからね」

──わずか約2年というキャリアだが“やっと"という気持ち?

▼芦野「両方ある感じはしますね。1回目の挑戦で取れなくて、そのあとすぐにケガで欠場してしまったので、その期間が僕の中では凄く長く感じるんですよ。たしかにデビューして2年で取れたので早いなとも思いますけど、精神的にこのベルトを追い求めていた期間が凄く長かったような気がするので、『やっと』という表現になりますよね」

──ケガによる長期欠場が精神的にこたえていた?

▼芦野「こたえましたけど、立ち直りも早かったですね。3日間はワーッてなりましたけど、入院が決まってからは『早く治そう』という方向に気持ちが向いてましたから」

──同世代の稲葉が戴冠したことも焦りにつながった?

▼芦野「いや、そこは何も感じなかったですね。誰が持っていようが、その人から取ればいいだけだと思ってたんで」

──追い抜かれた焦りはなかったと

▼芦野「はい。試合を観る限りでは、『抜かされてないな』って思いましたからね。だから、復帰してからケガする前にやっていたことをやれば大丈夫だなって。まあ、去年の6月にKAIさんに挑戦した時点で一個抜けたって思ったんですよ。そのあとにケガして、『これで追いつかれちゃうかな』とか思ったんですけど、全然そんなことはなかった。もっとがんばればいいのにって思ってましたね」

──がんばりが足りないと感じた?

▼芦野「もっといけると思ってましたからね。だから、イケメンさんぐらいじゃないですか? GAORAのベルトを取って、バーッと上がったのは。ほかの人は何やってるんだろうって思ってましたね。稲葉さんなんかせっかくこのベルトを取ったのに。あれを観ていて、ベルトは取っただけじゃダメなんだって思いましたからね。取ってから何をするのか? そして試合内容、これが重要だなって思ったんですよ。自分が取ったらそうしなきゃいけないなって思いましたね」

──近藤を指名したのはそう思っていたから行動に移した?

▼芦野「そうですね。あと、元々TriggeRを結成した時に、河野さんは『自分がベルトを取ったら挑戦者はTriggeRから選ぶ』って言ってたんですよ。まあ、TriggeRもベルト独占とか色物排除とか当初はいろいろコンセプトを掲げていたんですけど、何一つ実現できませんでしたからね。ここで僕がチャンピオンになったんで、それを実行しているだけですね。それと近藤さんとは純粋にシングルマッチをやりたかっていうのもありますね」

──近藤選手とのシングルマッチは今回が初?

▼芦野「初めてですね。TriggeRに入る前にタッグで当たったり、最近前哨戦としてタッグマッチやっているぐらいで、シングルマッチっていうのはないんですよ。近藤修司という人はレスラーとして乗り越えなきゃいけない対象だし、あの人を倒すことによってもうワンステップ上に行けるかなって思っているんで。ただ、指名した時はもっと突っかかってくるかと思ったんですけど、そうでもなかったですね。なんかのほほんとしているっていうか(笑)」

──のほほんとしている…

▼芦野「最近の近藤さんは、躍起になってないっていうか、第一線から引こうとしているのを感じてしまうんですよね。だから、もう一度第一線に引きずり出したい。かつて全日本プロレスで世界ジュニア王者だった時代に出していたあの凄い動きを出させたいんですよ、今度の後楽園でね。WRESTLE-1をこれからもっとおもしろくしていくためにはそれが絶対に必要なんです。そのために挑戦者として指名したっていうのはありますね」

──WRESTLE-1がさらに活性化していくためには本気の近藤修司が必要だと

▼芦野「はい。本気を出させたうえで勝たないと。昨年の文体前に稲葉さんとW-1王座への挑戦者決定戦をやって負けてたじゃないですか? あれはたぶん本気じゃないんですよ。必死じゃなかったんですよ。そこを引き出したいというか」

──それは芦野選手を含め、若手勢を近藤がナメているということ?

▼芦野「ナメられてるんでしょうね。きっと下だと思ってるんですよ。それを僕がチャンピオンとして覆したいですね」

──4・9札幌大会でメイン後に襲撃したのも、近藤選手に本気を出させるため?

▼芦野「それが僕の手法ですから。河野さんもそうでしたけど、ガッチリいって怒らせる。怒らせて力を引き出す。お客さんも本気の近藤修司を望んでると思うんですよね。それを僕が引き出してあげるということです。まだバリバリ動けますからね。トレーニングを見ていても凄いですよ」

──それなのになぜその力をリング上で出さないんだと

▼芦野「『このベルトを欲しくないのか?』って思っちゃうんですよね。UWAやってる場合じゃないだろうと。まずはこっちを向いてくれよっていう感じですね」

──近藤選手を本気にさせるレスラーがいなかったからかもしれないが

▼芦野「要するに他のレスラーがダメっていうことですよね。力を出そうと思わせないっていうか」

──同じ世代のNEW ERAの選手たちが全員ベルトを巻いているが、そのことは意識している?

▼芦野「まあ意識していると言えばしているし、していないと言えばしてないですね。欲を感じないんですよ、彼らからは。口で『WRESTLE-1を引っ張る』とか言ってるけど、『本気で言ってる?』って思っちゃう。近藤さんもそりゃ本気にはならないですよ。僕も彼らの薄っぺらい発言に興味が薄れていった感じですね」

──ということは自分が上を見てやっていくしかないという感じ?

▼芦野「脇見していても最短距離でいけないんで。最短距離目指して前だけ見ていくっていう感じですね」

──近藤選手と凄い試合をすれば、若手もベテランも一斉に火が点いて本気で向かってくるかもしれない

▼芦野「そうなってくれるとうれしいですね。ドンドン喧嘩売ってこいって感じなんで。みんなこのベルトを取りに来いっていう。順番待ちじゃなくて、俺が俺がっていうふうになってほしいですよね。僕は順番待ちをしたくなかったから行動に移したし、待ってればいずれチャンスは回ってくるかもしれないけど、それじゃあプロレスラーとしてはどうなのって思いますよね。おそらく今のWRESTLE-1で本当に目立ちたいって思っている若手って、僕とイケメンさんぐらいじゃないですかね?」

──イケメンは今欠場中ですけど、本気度は感じると

▼芦野「プロレスのスタイルも違うし、目指す方向性も違うんですけど、目立ちたいっていう気持ちに関しては凄く似ているなと感じますね。昔、プロレスの話をしている時に凄く考え方が似ている部分があるなって思ったんですよ」

──リングに上がるとまったく真逆だが…

▼芦野「そこが凄くおもしろいですよね。あとW-1を上に上げたいっていう気持ちも同じです」

──志も一緒だと

▼芦野「自分が目立ちたい、団体を上げたいっていう2つの気持ちのバランスが取れてないとダメですよね」

──自分が目立ってもWRESTLE-1も上がらないと意味がないと

▼芦野「僕の場合はWRESTLE-1がなかったらレスラーにもなれなかったんで、凄く感謝しているんです。その感謝の気持ちを試合でお客さんたちに見せたいですね」

──カズ社長新体制一発目の後楽園だが?

▼芦野「僕はやることをやるだけなんで。もちろんがんばるんですけど、特別な気負いがあるわけでもないし、べつに期待が高くても僕が見据えるベクトルがズレることはないですから。見ているものはずっと同じで常に上を見ていたいんで。今回のタイトルマッチもその過程だと思います」

──真のトップになるための過程だと。

▼芦野「WRESTLE-1=芦野祥太郎っていうふうにしないといけないと思ってますから。そのためにもこの近藤さんとの防衛戦ですよね。そこが第一関門。ここを乗り越えないと何も生まれないっていうことですね。とにかく今回はW-1が変わっていくという第一歩となる大会だと思うし、僕にとってはおいしいシチュエーションなんで。気負いもないし、緊張もないです」

──自然体でいけると。

▼芦野「まあ、こんなにふわっとはしてないですけどね。ちゃんとキラーモードになりますから。僕はビジネスレスラーじゃないんで、リングに上がる時は『ぶっ殺してやる!』っていう気持ちになるんですよ」

──確かに殺気を感じるが

▼芦野「もちろん本当に殺したり、ケガさせたりはしないですけど、プロなんで。でも、あとで映像を見返した時に自分にギラついた感じがないと嫌なんですよね。僕、デイブ・フィンレーが大好きで、昔の映像とかを漁って観たりしているんですけど、あの佇まいを目指していて」

──数年前にSMASHに来た時もまだ尋常じゃない殺気を漂わせていた。

▼芦野「身体がデカけりゃパッと見でプロレスラーってわかるからいいんですけど、僕はデカくないんでどうやってプロレスラーだって思わせるかって考えたら、『こいつヤベえヤツ』っていう雰囲気を出すしかないんですよ。だから、そこを強化していこうかなと思ってます」

──改めてファンにメッセージを

▼芦野「4月19日、後楽園ホールはWRESTLE-1の新チャンピオンが観に来てくれたお客さんを必ず満足させるような試合をします。僕が絶対に防衛して、これからのWRESTLE-1を作っていきたいと思います。ぜひ後楽園に足を運んでください」

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