5/13【WRESTLE-1】「芦野に本当の殺伐とした試合というものを教えてあげますよ」 W-1王座戦へ土肥孝司インタビュー
6・6後楽園大会でのW-1王座初挑戦が決まった土肥孝司。5・4後楽園大会でNEW ERAの面々に揺さぶりをかけてくる若き王者・芦野祥太郎の前に立ちはだかったのは、現リザルト王者の土肥だった。再出発したW-1でついに実現する同世代のW-1王座戦。新時代の扉を開ける一戦を前に、挑戦者の胸の内を聞いてみた。
【土肥孝司インタビュー】
──先日の5・4後楽園大会でW-1タッグ王座から陥落したが、試合を振り返って?
▼土肥「まあ、取られちゃったですけど、すぐ取り返しますよ。熊ゴローがまた鈴木優也からやり直すらしいんで」
──本名に戻して再出発…
▼土肥「それでまたすぐリマッチして取れるんじゃないですかね? ただ、伊藤という存在は脅威だったかなと。まあ、僕も熊ゴローをサポートしきれなかったんですけど、すぐ取り返しますよ」
──5・6岐阜ではUWA6人タッグ王座からも陥落したが…
▼土肥「そうなんですよ。3日の間に2本も……」
──6・6後楽園大会で芦野のW-1王座に挑戦するが、前回後楽園で芦野に挑発される形でリングに上がったが、どんな心境だった?
▼土肥「いや、呼ばれて出ていったような感じになっちゃったけど、自分で出ていこうという気持ちはあったんですよ。ただ、どうやって出ていこうかなって考えていた時に、NEW ERAの名前が出たんで。まあリング上では黙って聞いてたんですけど、そんなにおもしろいこと言っているわけじゃないし、しゃべりすぎだなと思って。しかも、こっち側から言い返す奴もいないし、俺がいくしかないっていう感じですよね。ただ、クソガキって言ったんですけど、同い年だった(笑)」
──勢いに乗る芦野をストップできるのは自分しかいないと?
▼土肥「そうですね。あとは前から『調子に乗ってんなあ』って思ってたんで」
──芦野はNEW ERA解体も予告しているが?
▼土肥「解体させてみろって感じですよね。でも、『キミは1年ぐらい休んでた立場でよくそんなこと言えるな?』っていうのはあります。去年の夏に選手が大量離脱して、あいつがケガしている数カ月間、俺らはずっと闘ってたわけだから。ケガしてつらかったみたいな顔してるけど、悲劇のヒーローを気取ってんじゃねえって!」
──実際に身体張ってたのは俺たちだぞ、と
▼土肥「ずっと闘ってたのは俺らだから。まあ、イケメンだけは欠場多かったけど(笑)」
──ここ数カ月間はNEW ERAが席巻していただけに、自分たちが引っ張ってきた自負は強い?
▼土肥「まあ、俺らは仲良しこよしの軍団じゃないけど、大事な居場所じゃないですか、意外と」
──意外と?
▼土肥「意外と(笑) みんなで切磋琢磨できる環境ですからね。今はギクシャクしているみたいですけど。かわいそうですねえ、稲葉が(笑)」
──そんな他人事みたいに…
▼土肥「僕は稲葉をサポートしていきたいなと思いますけどね」
──バラバラになりそうな雰囲気もあるが、もう一度結束してこのNEW ERAで引っ張っていきたいという思いもある?
▼土肥「そうですね。まだ1年もやってないのに解体なんてなっちゃったらカッコつかないんで」
──芦野の印象は?
▼土肥「いや、ポテンシャルとかは凄いですよね。元々入ってきた頃からエリートだなって思ってましたから。アスリートですし、ああいうタイプは初めて見ましたからね。アスリート的な人間は見たことあるんですけど、そういうタイプがプロレスにすぐに順応したのを見たのは初めてですね。ただね、最近の若い選手には珍しいタイプだと思われているじゃないですか? 殺気があるとか殺伐とした試合をしたいだとか。俺は彼から殺気を一切感じたことはないですね。怖いとか思ったことがないですよ」
──怖さを感じない
▼土肥「感じないです。だから、本当の殺伐とした試合というものを教えてあげますよ」
──後楽園に“川崎の狂犬"が降臨する?
▼土肥「降臨しますね(笑) まあ、ピーンと糸が張り詰めたような緊張感のある試合になるんじゃないですかね? ただ、前哨戦があんまりないんですよ。芦野とはあいつが新人の時にシングルで2〜3回やってるんですけど、そっからほぼ触ってないし、触ってみないとわかんないところはありますね」
──リザルトのベルトを持って、地方でもメインを務めてきたという誇りもある?
▼土肥「ありますよ、そりゃあ。リザルト以外にも6人タッグもあったし、タッグもあったんで。ベルトを懸けない試合でもメインが今年に入ってから多かったんですよ。芦野もチャンピオンなんだから毎回メインに出ればいいのになって思いますよ。団体の顔だろ? 後楽園だけ必死にやっときゃいいと思ってんのかって。そういうことじゃねえんだよ。チャンピオンだったら、毎回メインに出て、そして勝って大会を締める。それが団体のチャンピオンの務めだって思いますね」
──自分のほうがW-1王者にふさわしい?
▼土肥「そうですね。僕が思っている理想のチャンピオン像に近づきたいなっていうのがあるんで」
──芦野選手はそのイメージにはハマらない?
▼土肥「ハマらないですね。なんか陰なんですよね。チャンピオンは陽じゃないとダメでしょう。あいつがベルトを持っていてもW-1が照らされる感じがしない。陰が強すぎる。まあ、俺も陽っていう感じじゃないんですけど、ハハハハハ! でも、陰が強いなっていうのを感じたッスね。あれは今のW-1には必要ないッスよ」
──W-1王座への挑戦は初めてとなるが?
▼土肥「初めてですね。実はW-1に来て、後楽園のメインに立つのも初めてなんですよ。いや、後楽園のメインに立つこと自体初めてかな? そんな感じがしますね」
──やっと自分の番が回ってきたという感じ?
▼土肥「でも、僕は他の連中と違って、自分の力でチャンスを掴み取ってきたんで。会社からチャンスを与えられるようなことは好きじゃないし、決して長かったとは思わないですね。僕は自分で掴み取った自負があるんで、ここでガブッといきますよ!」