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8/14【新日本】G1優勝一夜明け会見で“内藤節”全開 権利証争奪戦に石井指名、G1出場者選考基準にも問題提起

 4年ぶり2度目のG1 CLIMAX制覇から一夜明けた14日、内藤哲也が都内新日本事務所で会見。例年通り来年1・4東京ドーム大会でのIWGPヘビー級王座挑戦権利証を贈られた内藤は、今後の大方針として“東京ドームのメインに立つこと"を設定。権利証争奪戦の相手には石井智宏を指名し、G1出場者の選考基準見直しや、EVILの飛躍についても言及するなど“内藤節"満載で会見を彩った。

 ケニー・オメガとの激闘を制して4年ぶりに真夏の祭典を制した。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン結成で一大ムーブメントを起こしてからは初優勝。4年前は「新日本の主役は俺」と言い続けても観客の支持を完全には獲得できなかったが、今年は同じセリフに満場一致の同調拍手が巻き起こった。会見で内藤は「優勝の実感は大して沸いてないですけど、G1 CLIMAXという名の強力なジャンプ台を踏みましたよ。間違いなく。今、上昇中ですね。一体どこまで上がるのか、僕にも分かりませんよ。でもそのジャンプ台を踏んだ感覚が4年前とはまったく違いますね。一体どこまで上がってしまうのか。それは僕も楽しみですよ」と“G1制覇効果"に自分自身も胸を高鳴らせた。

 例年通り、挑戦権利証も獲得。ドームメインでIWGPヘビーに挑戦でき、現王者はオカダ・カズチカだが、「僕はIWGPも巻きましたし、今現在オカダ・カズチカに対して、そんなに魅力的に僕の目には映らない。ということは東京ドームのメインイベントでしょう。二つに比べてはるかに魅力的に感じますよ。僕は取ったことないですからね、メインイベント。…いや、一度ありました。でもダブルメインイベントの1試合目。『内藤、あれもメインイベントだよ』と言う人もいるかもしれないけど、あれはダブルメインイベントであって、正確にはセミファイナル」と強調し、今後の大方針として“ドームメインに立つこと"を掲げた。

 そして挑戦権利証争奪戦もドーム前に組まれることが通例。今G1で内藤はバッドラック・ファレ、石井智宏に敗れているが、「俺がやはりひっかっかってしまうのは石井ですね。直前のロサンゼルス大会でも負けてますし、2連敗してますからね。例年通り、挑戦権利証を懸けた試合が組まれるのであれば、俺は石井を指名しますよ」と明言。一方で「俺が今“やりたい"とハッキリ口にしているのは石井だけですからね。俺に勝ったファレであったり、G1で対戦していないBブロックの選手であったり、『俺にやらせろ』っていう選手がいるのであればハッキリ口に出すべき。思っていることは口に出さないと何も伝わらない」とも投げかけた。

 さらには内藤らしく議論の種もしっかり投下。両国における今夏G1最終盤の公式戦10試合のうち、8試合が事実上の“消化試合"となったことを問題視し、「やっぱり新日本プロレスとしては最後までお客様を楽しませる。最後まで皆様をドキドキさせる。これは必要なことでしょう?」と主張。興行日程に出場選手数を当てはめるのではなく、出場選手を厳選したうえで興行日程を組むべきとの持論を展開し「来年より高いレベルのG1 CLIMAXを皆様に提供するにあたって、優勝者としてひとつ提案をしたい」と話した。

 また、今G1では同ユニットのEVILもオカダを破るなどして飛躍を遂げた。内藤も「凄く刺激になりましたよ。やはり我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンは同じユニット内でも常に競い合っていますから。その結果、全員がより高いレベルに行ける。そしてさらに一段階も二段階も魅力的なロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンができると。いい相乗効果にはなってる」と分析。オカダを破ったことでEVILのIWGPヘビー挑戦も有力視されるが、「まぁEVILがそう思ったのであれば、その通り進めればいいですよ。でも僕のプランには何も問題はない。やはり一番大事なのは東京ドームのメインイベントに内藤哲也が立っていること…だと僕は思っているので」と強調しながら、我が道を見据えてみせた。

 会見における内藤の詳細コメントは以下の通り。


【会見の模様】

※まず菅林直樹会長が2018年1・4東京ドームIWGPヘビー級王座挑戦権利証にサインして退席し、入れ替わるように内藤が登場

――優勝から一夜明けての心境は?

▼内藤「昨日も言いましたが、最高の空間を作ってくれた会場のお客様に感謝しますよ。最終戦の両国大会に限らず、全大会素晴らしい雰囲気、空間のなかで試合ができたな…と思いますし、過去最高のG1 CLIMAXだったんじゃないかなと僕は思ってます。ただ、優勝者としてひとつ提案というか、問題提起ができるんであれば、来年の参考にしていただきたい。それは…出場者の選考基準ですね。最終公式戦、8月11日(両国初日)と12日(2日目)の両国大会。それぞれ5試合ずつリーグ戦が組まれたワケで。トータル10試合ですね。でも11日は“内藤vs棚橋"が(決勝進出者)決定戦で、12日も“オカダvsケニー"が決定戦だったわけですよね? ということは、2日間で10試合中8試合は消化試合だったワケですよ。まぁまぁ、リーグ戦だからしょうがない部分はありますけど、やっぱり新日本プロレスとしては最後までお客様を楽しませる。最後まで皆様をドキドキさせる。これは必要なことでしょう? 他の選手を選んでおけば良かったのか、そもそも20人なんて必要なかったのか。なんか最近のG1 CLIMAX、『19大会あります。Aブロック、Bブロック10人ずつにすればリーグ戦9大会ずつと優勝決定戦。これで19大会になります』と。それ“ありき"で後から選手を選んでるんじゃないかと。『20人選ばないといけない。だからしょうがないからコイツ入れとこうか』ってカンジで。そういう(思考)の(弊害)を感じますね。今年の最終公式戦を見ても。だからそうじゃないだろうと。やはりまずG1 CLIMAXにふさわしい選手をピックアップしたうえで『○○大会必要だから、今年のG1 CLIMAXはこれだけの大会をやりましょう』っていうのが正しい選考方法、あり方なんじゃないかと僕は思うんでね。来年より高いレベルのG1 CLIMAXを皆様に提供するにあたって、G1 CLIMAX優勝者としてひとつ提案をしたいなと思います。僕の言うことは基本的には通りませんからね。ま、『内藤がこんなこと言ってたな』って覚えておいてもらえたら幸いですよ。あとは挑戦権利証ですか。例年ありますからね。もらえるんだろうな…とは思ってましたけど。実際目の前にするまでは権利証があるのかどうか、良く分からなかったですし、ヘタしたら『内藤が優勝したのか。じゃあ今年からやめようか』という嫌がらせをされるのかなとも思っていたので。こうやって何の波乱もなく権利証が目の前に置かれてることにビックリしてますけど、これをもらえるならもらっておきますよ。まぁこの権利証をどう扱っていくか、その答えは分かりますよね? そう…もちろん、トランキーロ、あっっっせんなよ…ということですね、ハイ」

――4年前の優勝と何が一番実感として違う?

▼内藤「まず今年のG1 CLIMAX、内藤が優勝するんじゃないかと大半の方が思ってたワケでしょう? 皆様の予想通りの答えになってしまったワケですよ。でもそれは言い方を変えれば、皆様が一番望んでた結末、一番望んでた優勝者が内藤だった。ハッピーエンドだった…ということですよ。まぁ、まだ優勝を決めてから大して時間も経ってないので、実感も大して沸いてないですけど、G1 CLIMAXという名の強力なジャンプ台を踏みましたよ。間違いなく。今、上昇中ですね。一体どこまで上がるのか、僕にも分かりませんよ。でもそのジャンプ台を踏んだ感覚が4年前とはまったく違いますね。一体どこまで上がってしまうのか。それは僕も楽しみですよ」

――権利証を手にしたことでIWGPヘビー、東京ドームのメイン、現王者のオカダという3点が浮上してきたが、何が一番のターゲット?

▼内藤「この3つで言ったら、ダントツで東京ドームのメインイベントですよ。僕は取ったことないですからね、メインイベント。…いや、一度ありました。でもダブルメインイベントの1試合目。『内藤、あれもメインイベントだよ』と言う人もいるかもしれないけど、あれはダブルメインイベントであって、正確にはセミファイナルですよ。僕はIWGPも巻きましたし、今現在オカダ・カズチカに対して、そんなに魅力的に僕の目には映らないし。ということは東京ドームのメインイベントでしょう。二つに比べてはるかに魅力的に感じますよ」

――公式戦でファレと石井に敗れているが?

▼内藤「まぁリーグ戦ですからね。間違いなく負けましたよ。二人には。ファレと石井には負けましたよ。まぁでも、俺がやはりひっかっかってしまうのは石井ですね。直前のロサンゼルス大会でも負けてますし、2連敗してますからね。例年通り、挑戦権利証を懸けた試合が組まれるのであれば、俺は石井を指名しますよ。まぁあとは…昨日バックステージでも言いましたよ。『思ってることは、口に出さないと誰にも伝わらない。何か意見があるなら言葉にして口に出して皆様に伝えないと何も始まらない』。もし、権利証であったり、内藤であったり、東京ドームのメインイベントもそうですね。『俺がやりたいんだ』『俺が挑戦したいんだ』っていう意見があるのであれば、それは口に出すべきですよ。俺が今“やりたい"とハッキリ口にしているのは石井だけですからね。俺に勝ったファレであったり、G1で対戦していないBブロックの選手であったり、『俺にやらせろ』っていう選手がいるのであればハッキリ口に出すべきですよ。それは俺がメキシコで、そしてロス・インゴベルナブレスの仲間たちに教わったことですよ。口に出さなきゃ、誰にも何も伝わらない。向上心なのか、秘めたる思いなのか。そういう思いを持ってる人間がいることを僕は新日本プロレスの選手に期待しますよ。俺の名前を言ってくれることを期待していますよ」

――勝利宣言よりまず“お客様への感謝"を口にする意味は?

▼内藤「うーん、これはもともと持ってたものですね。僕自身がそもそも新日本プロレスの大ファンでしたからね。やはりあの時の…ファン時代の気持ちっていうのを忘れたくないし、おそらく新日本プロレスのどの選手よりも俺が一番、お客様の気持ちが分かるレスラーだと僕は思ってますからね。確かにレスラーの試合があって大会が成り立ってはいますけど、やはり最高の空間や最高の試合と言うモノはレスラーだけじゃ作れないですから。…と僕は思ってますからね。それが正しいか正しくないかは分かりませんけど、僕はそう思ってますから。そして先ほども言いましたが、口に出さないと何も伝わらないですから。『ありがとう』と思ってるだけじゃ、誰にも何も伝わらないですから。なので素直な気持ちを言わせていただきました」

――ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのグッズも多く売れていて、90年代のnWoジャパンを彷彿とさせる人気ぶりだが?

▼内藤「素直にうれしいですよね。リング上から客席を見渡しても、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのキャップであり、Tシャツであり、グッズを身につけてくれている方がいることは素直にうれしいですよ。まぁでも、いつも言ってますけどね。かつて俺は(支持を得られずに)悔しい思いをしましたから。リング上で。あの時の悔しさっていうのは常に持っていたいし『今ごろ掌(てのひら)返ししやがって…』という思いも常に持ってはいますよ。でも、それと同じくらい、いやそれ以上に“グラシアス"(ありがとう)という思いも僕は持っています。あとは『nWoジャパンのパクりじゃねえか』という声があるかもしれませんが、nWoとは同じように見て欲しくはないですね。別物だよ?と。そこを勘違いしないで欲しいですね。もし、そう思っている方がいるのであれば」

――EVILがIWGPヘビーに手をかけているような状況だが、それは自身の今後のプランに何か影響はある?

▼内藤「まったく無いですね。今年のG1 CLIMAX。EVILがオカダに勝った。そのインパクトはやっぱり大きかったですからね。実際、EVILがオカダに勝ち、EVILが大阪大会メインイベントの最後に立っていた。それは凄く刺激になりましたよ。やはり我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンは同じユニット内でも常に競い合っていますから。別に仲間割れをするとか、そういう話じゃないですよ。それぞれがみんな一番になろうと競い合ってる。その結果、全員がより高いレベルに行ける。そしてさらに一段階も二段階も魅力的なロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンができると。いい相乗効果にはなってると思いますよ。あのEVILの大阪大会でのインパクトで何も感じなかったメンバーはいませんよ。全員刺激を得ましたからね。まぁEVILがオカダとIWGPって言ったんですか?」

――言ってはいないかもしれないが、状況的に

▼内藤「なるほど。まぁEVILがそう思ったのであれば、その通り進めればいいですよ。でも僕のプランには何も問題はない。やはり一番大事なのは東京ドームのメインイベントに内藤哲也が立っていること…だと僕は思っているので。EVILがどういう行動を起こそうが、僕のプランに変化はないっすね」

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