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9/29【W-1】副社長になって思う「今思えばドラゲーがやっていたことも正しかったんだな」 10・2谷嵜戦へ近藤修司インタビュー

 10・2新木場大会でドラゴンゲートの谷嵜なおきと6人タッグマッチで激突することになった近藤修司。2004年末に「素行不良」という形で同団体を解雇された過去を持つ近藤と、ドラゴンゲート所属選手の交わりは“禁断"という言葉がよく似合う。唐突に古巣の選手と対峙することになった近藤の現在の心境とは?

【近藤修司インタビュー】

──10.2新木場大会で、カズ・ハヤシ&近藤修司&NOSAWA論外vs三富政行&谷嵜なおき&美月凛音という6人タッグマッチが組まれたんですけど、このカードで注目されるのはやっぱり近藤選手と谷嵜選手の絡みですよね。試合で絡むのは久しぶりなんじゃないですか?

▼近藤「全日本プロレスにいた時にGAORAのスーパーファイトっていう興行で試合をしたのが最後だと思いますね。あれでやったタッグマッチが最後じゃないかな?」

──2011年1月24日にやったGAORA20周年記念の『スーパーファイト2011』ですね。GAORAで放送されている全日本とドラゴンゲートが中心となった興行でしたけど、土井成樹&谷嵜組が相手でしたよね。

▼近藤「そうですね。まあ、年齢的にも全盛期とは言えない年齢になってきているし、体力的にはあの頃と同じようにはいかないですけど、彼も同じように年を食っているんでね。今はあまりドラゴンゲートに出てないんでしょ? そういう意味でもどういうスタンスでプロレスに関わっているのか、どういう立ち位置でいるのかっていうのを見たいですよね。ハッキリ言って、他団体とか見てないんで、プロレス界の状況がわからないんですよ。なので、彼が今どんな気持ちでプロレスをしているのかとか、どこにモチベーションがあるのかとか、そういうのを感じたいですね」

──ドラゲーでは後輩にあたるわけですか?

▼近藤「後輩ですね。彼は闘龍門の10期生だったかな? 僕は8期生なんで。でも、その頃はあんまり縁はないんですよ。要は闘龍門JAPAN、T2P、闘龍門Xって分かれていて、谷嵜は闘龍門Xの所属だったから。僕はT2Pだし」

──では、闘龍門からドラゲーに移行していってからっていう感じなんですかね?

▼近藤「でも、その頃もあんまり交わった記憶がないんですよ。一緒にいた気はするんですけど、試合をした感じがないんですよね。僕の記憶もかなり薄れてきているんで(笑) 僕はあの頃は必死になって上と闘っていたっていう感じなんで、下のほうには目を向けてないんですよね。だから、視界には入ってなかったと思います」

──要は今のイケメンさんとか稲葉さんが上を目指してやっているような時期ですもんね。

▼近藤「ですね。下は見れてないんですよ。そんな余裕もないぐらい必死でしたからね」

──近藤選手自身、ドラゴンゲートを辞めてからドラゴンゲートの選手と絡むことってそうそう多くはないと思うんですけど、古巣の選手と絡むことってどういうご気分なんですか?

▼近藤「気分も何も試合をするイメージが湧かないんですよね。どうなるんだろうっていうのすら湧いてこない。例えるなら、セカンドバージンみたいな感じですね(笑)」

──もう長いことアレをシてないから、感覚を忘れてしまったと(笑)

▼近藤「そういう感じですね(笑) 『あれ、どういう感じだっけか? できんのかな』っていうイメージですね。ただ、谷嵜は僕がドラゴンゲート辞めて、彼も辞めていた時期があって一緒にやったこともあるし、思い入れのある後輩ですよね。ただ、試合に関しては実際に新木場のリングに立ってみないとどうなるかはわからないですね。自分でもどういう表情でリングに立つのかわからない」

──もうドラゴンゲートを辞めてから約13年にもなりますから、さすがに複雑な感情も払拭できている感じなんですかね?

▼近藤「いや、長すぎてもう無なんですよね(笑) 自分でも感情がわからない」

──でも、観ているファンの人からすれば近藤選手がドラゴンゲートの選手と絡むのは結構特別なところはありますよ。

▼近藤「そうですよね。まあ、何かしらの刺激にはなりますよね。ただ、当時観ていた人ですよね。今のファンは知らないと思うので、僕がドラゴンゲートにいた当時のことを知っている人は観に来てほしいですね。これを観に来るお客さんがどんな気持ちなのかはわからないですけど、何かが起こるのか、それとも何も起こらないのか、当日にならないとわからないですけど」

──予測不能なところがありますね。でも、GAORAの大会でやった時は近藤選手が試合が始まるまでコーナーのほうを向いて相手の土井選手と谷嵜選手と、ずっと視線を合わせなかった記憶があるんですよ。

▼近藤「あの時は谷嵜がどうとか土井ちゃんがどうとかじゃないですよね。対ドラゴンゲートだったんですよ、あの試合は。誰が出てきても同じだったんですよ。あそこで負けるわけにはいかないし、変な試合をするわけにもいかないし、辞めた人間の意地を見せなきゃいけない試合だったんですよ。だから、変な気持ちではいましたね。ただ、今回タニヤンとの試合は対ドラゴンゲートじゃないし、個人として谷嵜が今どんなレスラーになっているのかを知りたいというか。あの頃の複雑な感情とは違いますよね」

──1人の谷嵜なおきというレスラーとしてっていうことですよね。

▼近藤「彼の現在の力量も見てみたいし、多分体格的にはクルーザーの部類に入ってくるので、もしかしたらこの先、継続して参戦する話も出てくるかもしれないし。そこはちょっと実際に肌を触れ合って確かめたいですね」

──なるほど。でも、そうは思っていても、「素行不良」という形でドラゴンゲートを辞めさせられたという経緯もありますから、いざリングに上がると火が点いちゃう可能性もあるんじゃないですか?

▼近藤「逆にそこは彼が火を点けてくるかもしれない(笑) でも、今思えばドラゴンゲートがやっていたことは正しかったんだなって思います。団体の副社長という立場になってみて、あのやり方も一理あって、正しかったんだって。ただ、それに僕がついていけなかったっていう感じですよね。逆に言うと今回の谷嵜にしても、肌を触れ合って勉強させてもらう気持ちもあるんですよ。なんやかんや言って、ドラゴンゲートの試合のレベルは高いと思うし、それは外に出てみてわかるし、あそこでやってたことってすげえレベル高いんだなって思いましたから。ドラゴンゲートのレスラーって今風のレスラーとしては最先端を走っていると思うんですよ。今風のレスラーの走りなんですよね。そういう部分を谷嵜を通して勉強したいなという気持ちはありますね」

──なんだかんだであの所属選手が多くて生存競争の激しいドラゴンゲートで生き残っている人ですからね。

▼近藤「そうなんですよ。だから、谷嵜がなんて言うかわからないけど、ウチの選手に興味を示してくれればうれしいですよね。試合は僕らベテランが当たりますけど、もし他の試合を観るんであれば、誰か彼のアンテナに引っかかる選手がいればおもしろいことになりそうだなという予感はありますね」

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