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10/10【全日本】10・21横浜・三冠戦へ 諏訪魔「これぞ全日本という三冠戦をやりたい」、ジョーは2年9ヶ月ぶり戴冠へ完全復調を強調

 10・21横浜文化体育館大会で三冠ヘビー級選手権試合が決まった第58代王者・諏訪魔、挑戦者・ジョー・ドーリングが10日、神奈川・横浜市の全日本事務所での発表会見に出席。諏訪魔が「これぞ全日本プロレスだという三冠戦をやりたい」と王者の責任感をむき出しに誓えば、ジョーは完全復調を強調し、2年9ヶ月ぶり2度目の戴冠に自信をのぞかせた。

 10・9後楽園大会で至宝・三冠戦戦の流れが決まった。メインイベントで諏訪魔が大激闘の末に宮原健斗を下し、1年9ヶ月ぶりに返り咲き。史上最多となる6度目の戴冠を成し遂げた。そしてセミファイナルではジョーが石川修司との次期挑戦者決定戦に勝利。三冠戦戦から遠ざかっていた二人が至宝ベルトをかけて対決することになった。両者は9・23仙台大会における王道トーナメント準決勝以来1ヶ月ぶりの再戦。前回は諏訪魔が万力固めで勝利を収めたものの、両者とも納得せず。今回が決着戦となる。

 初防衛戦から強敵中の強敵を迎え撃つ諏訪魔だが、三冠ベルトを手にした以上、過酷な戦いは覚悟の上。ジョーに対する悪感情も払拭し、「当然でかい人間っていうのは全日本にたくさんいるわけで、その中でジョーとこうやって正面衝突できる。全日本プロレスの三冠戦でしかないと思うし、そこはイチレスラーとしてジョーと正面衝突をもう一回したい」と改めて真っ向勝負を見据えた。

 「常にお客さんに喜んでもらえるだとか、泣いてもらったりだとかね。そんな試合を重ねていきたい」。6度目の戴冠を果たした諏訪魔が目指すのは宮原戦のようなファンの琴線に触れるような三冠戦を繰り広げていくこと。その第一歩となる初防衛戦の相手がライバルでありベストパートナーでもあったジョーならば申し分なし。「これだけでかいから壊れないでしょ。そこをどうやって仕留めるのかは俺が考えること。思い切りいける」と確信し、「これぞ全日本プロレスだという三冠戦をやりたい」と宮原戦同様に“全日本の三冠戦”を見せつける構えをみせた。

 対するジョーは今年1月に悪性脳腫瘍を克服しての復帰から9ヶ月にして、ようやく三冠ベルト挑戦のチャンスをつかんだ。復帰直後は本調子ではなかったものの、「試合をするにつれて、自分のタイミング、パワー、スピード全てが戻ってきたのを実感できた。だから今は欠場する前よりもさらにバイオレントなファイティングスタイルになったと思っている」と完全復調を実感し、万全を強調した。

 奇跡的なカムバックを遂げたのも三冠王者に返り咲くという大目標があったからこそ。そこで支えになったのがファンの応援。10・9後楽園大会のメイン後、諏訪魔の前に立った時、寄せ書き入りのEvolutionフラッグを持参したのも感謝の表れだった。「もし10月21日、この戦いに勝つことができれば、その勝利は日本のファンのためのものだ」と言い切ったジョーは、2年9ヶ月ぶり2度目となる三冠ベルト獲りによってファンに恩返しするつもりだ。

 ジョーが初来日したのは今から10年前の2007年6月。全日本の留学生として道場に住み、トレーニングに励んだ。その中で諏訪魔とは互いに意識し合うライバル関係とあった。諏訪魔の試合をぶち壊したり、乱入したりと暴挙を繰り返してきたが、その根底には「彼をリスペクトしているし、グレートチャンピオン、グレートレスラー、そしてグレートなオールジャパンのレスラーだと思っている」との敬意がある。「10年前から俺のライバルだった。日本のベストタッグチームでもあった。今は再びベストライバルになった。俺はその関係がいいと思っている」と考えているジョーは、「ガンから戻る前の目標がやはり三冠ベルトを獲ることだった。今はそれだけを目標にしていきたい」とキッパリ。ライバルと認める諏訪魔を破っての至宝ベルト奪回を誓った。

 ビッグマッチ10・21横浜大会で実現する三冠戦。この大舞台で10年間ライバル関係であり続けてきた二人が雌雄を決する。

【会見の模様】
▼諏訪魔「昨日、ギリギリの三冠戦だったなと今思いますね。危なかった。体ももう30分戦うのはきついし、ホント無我夢中で戦ってたという印象しかないですね。ベルトを獲ることができて、王道トーナメント優勝カップと両方手にすることができて、それは幸せだった。もう次の対戦相手がこうやって出てきてるわけで、もう立ち止まってるわけにいかない。また明日から試合もあるわけだし、そこは横浜の三冠戦に向けて頑張っていくしかないと思ってます」

▼ジョー「復帰してからやっと諏訪魔と三冠をかけて対戦する機会が巡ってきた。10月21日、今までの友情を超越し、諏訪魔と競争できるのを楽しみにしている」

――初防衛戦でいきなりジョー選手という強敵を迎え撃つが、悪感情を払拭して真っ向勝負すると?

▼諏訪魔「このベルト、三冠という名のもとに戦うわけですから。昨日、ジョーがリング上にEvolutionのみんなの応援のタオルを持ってきたと。あれを見た時に試合をぶち壊されたり、乱入してきたりだとか、そういうことに対してのコノヤローっていう感情というのは、俺の中ではもう水に流したっていうところですね。やっぱり全日本プロレス、強い人間がチャンピオンじゃなきゃいけないと思うし、当然でかい人間っていうのは全日本にたくさんいるわけで、その中でジョーとこうやって正面衝突できる。それは全日本プロレスの三冠戦でしかできないと思うし、そこはイチレスラーとしてジョーと正面衝突をもう一回したいと思いますね。相棒だったわけですからね。元相棒対決。じゃあ、どっちがあの時、強かったのか、そういうのも今、示すべきだと思うし。今は別々の道をいってしまったんで、そこはレスラーとレスラーのプライドをかけて勝負したいと思います」

――復帰から9ヶ月で三冠挑戦にたどり着いたが?

▼ジョー「ガンから復帰してから2、3ヶ月は100%の力を出せるか物凄く不安だったが、5ヶ月ぐらい経った時に自分の50%ぐらいの力が出ていると思い始めた。試合をするにつれて、自分のタイミング、パワー、スピード全てが戻ってきたのを実感できた。だから今は欠場する前よりもさらにバイオレントなファイティングスタイルになったと思っている」

――三冠を獲るためにEvolutionを抜けたが、諏訪魔選手が先に三冠を獲った状況についてはどう感じている?

▼ジョー「諏訪魔に嘘はつきたくないが、今はマイタイムだ。完全に力が戻っていて、ガンから戻る前の目標がやはり三冠ベルトを獲ることだった。今はそれだけを目標にしていきたい。今の力以上のものを発揮したい」

――諏訪魔選手に対する感情は?

▼ジョー「彼をリスペクトしているし、グレートチャンピオン、グレートレスラー、そしてグレートなオールジャパンのレスラーだと思っている。10年前から俺のライバルだった。そして日本のベストタッグチームでもあった。今は再びベストライバルになった。俺はその関係がいいと思っている」

――10・9後楽園大会でEvolutionフラッグを持ってきたが?

▼ジョー「昨日あのフラッグを持ってきたのはEvolutionのためではなく、フラッグにメッセージを書いてくれたファンのためだ。もし10月21日、この戦いに勝つことができれば、その勝利は日本のファンのためのものだ。だが、10月21日、勝っても自分のやるべきことは終わっていないと思っている」

――昨日の宮原戦で激闘を繰り広げたが、今後の防衛戦でそれに勝るとも劣らない、もしくはそれ以上のタイトルマッチをやらなければいけない責任感があるのでは?

▼諏訪魔「内容どうのこうの、それは対戦相手にもよっていろいろ変わってくるし、でも常にお客さんに喜んでもらえるだとか、泣いてもらったりだとかね。そんな試合を重ねていきたいななんては思ってるんだけど、そこを狙ってはできないですからね。とにかく自分自身の生き様を見せていくと。そしたら結果はついてくるよ。そういうことを心がけて、ベストな三冠戦を積み重ねていきたいなと思ってます」

――初防衛戦の相手がジョー選手というのはそれにふさわしいのでは?

▼諏訪魔「そりゃそうですよね。これだけでかいから壊れないでしょ。そこをどうやって仕留めるのかは俺が考えること。思い切りいける。これぞ全日本プロレスだという三冠戦をやりたいですね」

――ジョーから「ライバル」という言葉があったが、同じ思い?

▼諏訪魔「それはありますね。自分が若手で道場で練習凄いやってた時から留学生でジョーが来て、でけぇなって。常に意識してやってますからね。負けねぇぞ、コンチクショーってやってるんで。そこは俺にとっても三冠ベルトをかけて戦うわけですから。意識しますよね。しかも前に三冠負けてるのかな。そういうところも俺の中ではリベンジやりたいね」

――新たなパートナーを得て、三冠ベルトも獲り、上昇気流に乗っている感があるが、何が一番の要因だと思う?

▼諏訪魔「何だろうね。急に…そこらへんはまだちょっとわからないですね。前半っていうだけじゃない。苦労したと思うし(苦笑)、嫌なことも凄ぇあるし。でも、そんなことから逃げたってしょうがないし、コンチクショーで乗り切った先に今があるっていうことなのかなと思うし。こんないいことばかりあると、また嫌なこともくるんじゃねぇかってビビッてる自分もいますよ」