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6/10【NOAH】三沢メモリアルで“ノア版超世代軍"誕生 丸藤&杉浦軍には田中将斗が電撃加勢

☆東京・後楽園ホール『Navig. with Emerald Spirits 2018』(2018年6月10日)
「三沢光晴メモリアルマッチ」○潮崎豪&中嶋勝彦vs丸藤正道&杉浦貴×

 故・三沢光晴さん9度目の命日を前に行われた“三沢光晴メモリアルマッチ"で、潮崎が現GHCヘビー級王者の杉浦を撃沈。試合後には潮崎&中嶋に拳王、北宮、小峠、清宮が加わって“ノア版超世代軍"ともいえる状況が誕生し、杉浦&丸藤らの“上位世代"にはZERO1・田中将斗が電撃加勢。かつて超世代軍を率いた三沢さんのメモリアル大会で、ノアの世代闘争が一気に激化した。

 世代闘争本格開戦の兆しをみせる現状で、今年の“メモリアルマッチ"として据えられたのは杉浦&丸藤組と潮崎&中嶋組の一戦。全員が三沢さんとの対戦経験がある4人でもあった。

 序盤からいかんなく存在感を発揮したのは、杉浦と丸藤だった。のっけから丸藤が潮崎をエプロンサイドでのパイルドライバー、杉浦が中嶋に場外ネックスクリューを見舞って主導権を握ると、そのまま潮崎を捕獲。中嶋がつっかけてきても、杉浦は強烈なビンタ一撃で撃退した。

 潮崎が逃れて中嶋が巻き返しても、丸藤はハイキックを避けてのトラースキック、そしてローリング・エルボーを発射。杉浦も潮崎とエルボーと逆水平チョップの猛打戦を展開したが、こちらも杉浦が競り勝って予選スラムで仕留めにかかった。

 だが、潮崎も間一髪で着地。そのまま4人が入り乱れる熱戦へと昇華し、混戦を抜けた潮崎が杉浦にラリアットからのゴーフラッシャーを決めて好機をつかむ。続けざまにエメラルドフロウジョンの構えに入った。

 譲らぬ杉浦も踏ん張り、飛びこんだ丸藤が杉浦を踏み台とした虎王発射で援護。それでも屈さぬ潮崎は、杉浦との打撃戦を再び左ラリアットで真っ向から制すと、奥の手・リミットブレイクをさく裂だ。さらには中嶋もバーティカルスパイクで丸藤を排除するや、返す刀で四つん這いとなった杉浦の顔面を迷いなく蹴り上げる。最後はグッタリする杉浦を強引に引きずり起こした潮崎が、ショートレンジの豪腕ラリアットをブチ込んで現GHCヘビー級王者から3カウントをつかんだ。

 試合後のリングは“二色"に分かれた。敗れた杉浦と丸藤を駆けつけたヨネ、齋藤、ストームが介抱すると、そこへZERO1の田中将斗が電撃登場。場内がどよめくなか「ノアファンの皆さん、久しぶりです。世代闘争に参加させていただこうと思って来ました。もちろん、もちろん、杉浦さんの横でな」と“上位世代"への加勢を宣言した。

 すかさず田中と因縁深い拳王がリングに飛び込み、中嶋のセコンドに就いていた北宮、さらには小峠や清宮も現れて“新世代vs上位世代"でにらみ合いとなった。

 マイクをつかんだのは拳王。「おい、田中将斗! お久しぶりです。またこのプロレスリング・ノアのリングに首を狩られに来たのか? いいぞ、テメエの首、いつでも狩ってやる」と断言し、「GHCヘビー級選手権挑戦者決定戦、俺が勝ったぞ。杉浦、テメエのベルトを俺が奪ってやるからな…奪ってやるんじゃない。あのベルトは俺からテメエが奪ったやつだ。おい、俺のベルトをテメエから取り返してやるからな」と宣戦布告した。

 さらにはGHCタッグ王者でもある中嶋も「杉浦&丸藤。タッグは今日だけじゃねえよな? 俺たちのタッグのベルト、空いているからさ、次。ちゃんと胸貸してやるよ」と不敵にタッグ王座の次期挑戦者に指名した。

 “上位世代"の面々が去る中、中嶋&北宮、拳王、小峠、清宮とともにリングに残った潮崎は、「今日この日に、こうして、次の戦いの構図ができあがった。でも、俺は過去、そして現在、この2つがあるから、未来に繋がると思ってます。俺が…いや、俺たちが、ノアを未来へと連れて行きます」と力強く宣言。かつて全日本マットで超世代軍を率いた三沢さんのメモリアルマッチで、“ノア版超世代軍"ともいうべき状況が誕生した形で、“ポスト杉浦・丸藤"をめぐってノアの世代闘争が一気に激化した。

【試合後の潮崎&中嶋】
※北宮、拳王、小峠、清宮とともに6人でコメントブースに並び立つ

――潮崎選手はメモリアルな試合を自分で決めた。この構図が生まれたことに改めて

▼潮崎「ずっと中嶋選手、拳王選手に時代を作るって言われましたけど、それまで俺は正直どっちの立場なのか、考えてたんです。でも、俺は何も作れてない。時代も何もね、世代というのも特に作れてないしね。なら、杉浦&丸藤、あの立場、あそこをいつまでもトップにしてたら本当に未来に繋がらないからね。そういう意味で、まあ、思惑はいろいろ個人それぞれあると思うけども、俺は俺のため、そしてノアのために立ち上がる決意をしました」

――杉浦選手はGHCヘビー級王者。その首を取ったからには、GHC王座にも繋がってくる?

▼潮崎「そうかな? いや、今日に限ってはノアの未来を決める戦いだと俺は…」

▼中嶋「カッコいいこと言うね。そんな。絶対狙ってるに決まってんじゃん」

▼潮崎「たぶんノアを先に、未来に繋げる戦いをね、これからもっともっとやっていかないといけないからね」

――中嶋選手は杉浦&丸藤組にタッグ王座挑戦を要求したが、今日の戦いについては?

▼中嶋「今日は別にキッカケに過ぎないかなと思ってね。なんかでも、深い意味というか、とてもポイントになる日になったんじゃないかなと思うし。今日はね、潮崎選手とそのキッカケを作れたってことは凄く俺にとってもポイントになったと思うし。なぜか…なぜかじゃないけど、こうやってメンバーが揃っているというのは、みんな思いは1つだったなと。やっぱさ、これまでよりもこれからなんだよ。あいつらじゃないんだよ。俺たちなんだよ」

――拳王選手は一貫して敵対してきたメンバーと共闘することになるが?

▼拳王「もちろん、もちろん今でもな、こいつらのことなんて…(他の選手を指差しながら)中途半端、中途半端、中途半端、中途半端! てめえ(小峠)は論外だ。そう思ってたけど! でもな、こいつらの思いはな、俺と一緒なんだよ。いつまでも、プロレスリング・ノアは丸藤、杉浦が顔じゃ何も進まねえんだよ。あいつらが顔じゃ、ずっと平行線なんだよ。さらにな、このプロレスリング・ノアを上げていくには、こいつらと同じコーナーに立って、あいつらを倒さないと。あいつらの時代を破壊してやるよ。まずは、6月26日、俺が杉浦の持つベルトに挑戦するんだ。俺がベルトを奪って、俺がプロレスリング・ノアの新たな顔になってやる」

――因縁浅からぬ田中選手も現れたが?

▼拳王「またな、俺に首を狩られにきたのか? あいつら見ただろ? なんか並んでたよ。なんかベテラン軍みたいなやつら? あいつら俺が全員首を狩ってやるよ!」

――小峠選手は動いてこのメンバーの中に入った理由は?

▼小峠「まあでも、俺はいつも過去と戦ってますからね。ドンドンドンドン新しいものを見せて。一致団結ですかね。俺らの世代のレスラーが面白いっていうのを。俺はもう他の5人よりも、自分のスタイルに自信を持って進めていくだけと思ってまして。タイトルを獲るってことは全然諦めてないんで。俺のスタイルで。注目してますよね、みんな? 注目してくださいよ。注目させるのも俺の役目ですから」

――清宮選手は身体を引きずって出てきた理由は?

▼清宮「やっていかなきゃいけないと思ってますよ。でも、今はその方法がちょっとわからないだけで。でも必ず、上を超していかなきゃいけないんで」

――北宮選手は?

▼北宮「みんな向いている方向は一緒ですよ。あと1つ、忘れないでほしいのは、俺たちはタッグのチャンピオンだ。向こうはシングル持ってるかもしれないけど、俺たちはヘビーのタッグのチャンピオン。丸藤、杉浦、他の誰でもいい。ヤツらに野心があるなら、獲りに来るだろう。守りに入ったレスラーに、野心がないレスラーに興味はない。それだけだ」

▼中嶋「まあさ、それぞれの思いで、それぞれの色があるけど、でも1つの思いでこうやって集まってるってことは…何が言いたいかって? 始まりなんだよ」

【試合後の杉浦、田中】
▼田中「リング上で言ったことが全てです。まあ、僕がアピールしたので、カード組まれるかどうかっていうのはノアさんに任せますけど、リング上で言って、お客さんからああいうような反応があったということは、それ相応な対処をしてくれるもんだと思います」

▼杉浦「この状況で来てくれて。やっぱし頼もしい俺の相方ですよ。凄い力強い。ありがとう」

▼田中「またよろしく」

【丸藤の話】「今日勝ったからって調子に乗ってんのか? 見たか? ヨネ、ストーム、齋藤、そして…田中将斗さん。まさかまさかの助っ人が来たじゃないか。俺は…俺は田中将斗、あんな強えヤツと戦いたくねえんだ。横に並んでほしい。ありがたい。あいつらを潰してやる。見とけ。まだまだ世代は変わらない」

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