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7/29【ZERO1】耕平に激勝、宮本が火祭り初制覇 登場の相棒・小幡に復帰エール

『第18回 真夏の祭典火祭り 2018 決勝戦』東京・後楽園ホール(2018年7月29日)
「火祭り2018」決勝戦 ○宮本裕向vs佐藤耕平×

 耕平を下した宮本が火祭りを初制覇。真新しい火祭り刀を手にした宮本は、欠場中のパートナー・小幡優作をリングに呼び込み、エールを送った。

 4勝2敗(19点)でAブロックから勝ち上がった宮本と、4勝1敗1分(23点)でBブロックを制した耕平が「火祭り2018」決勝戦で激突した。宮本は勝てば初優勝。耕平が勝てば3年ぶり3度目の優勝となる。

 試合は静かな立ち上がりに。グラウンド戦で相手の出方をうかがう。スタンド勝負になると、互いの気持ちに着火。張り手や逆水平、エルボーを打ち合った。ローキックからサッカーボールキックに繋げた耕平が先手を取る。

 ボディスラムで豪快に投げ飛ばすと、一転してチキンウイングアームロックに捕獲。ニーリフトを繰り出せば、カウンターのフロントスープレックスを読んでかんぬきに捕らえ、強烈な頭突きをねじ込んだ。だが、初優勝を目指す宮本もドロップキックで反撃を開始する。

 ラリアット3連射でダウンをもぎ取ると、串刺しダブルニー、串刺し顔面ドロップキックを往復式で見舞った。なりふり構わぬ宮本は、鉄柱越えのトペコンヒーロを敢行。リングに戻ってもコブラツイストで絞め上げる。

 ZERO1所属として負けられない耕平は垂直落下式ブレーンバスターで強引に活路を開くと、ミドルキック連打からファルコンアロー、ランニングローキックと猛攻に出た。下がらない宮本もハンドスプリング式オーバーヘッドキックを皮切りに、ラリアットを振り抜くと、その場飛び式ムーンサルトニードロップ、DDTで共闘していたHARASHIMAの蒼魔刀を思わせるランニングダブルニーと畳みかける。

 続くムーンサルトプレスも完璧に決まったが、耕平は意地のキックアウト。場内には「耕平」コールがこだました。すると、声援に応えようと、耕平が急角度の投げ捨てジャーマンを連続してお見舞い。さらにパイルドライバーでマットに突き刺した。

 今度は宮本がキックアウト。「宮本」コールがこだまする。すると、耕平のランニングエルボーを読んだ宮本は卍コブラに捕獲。リング中央でガッチリと絞め上げた。耕平は強引に前方に投げ捨てて脱出すると、重たいサッカーボールキックをバチーン!と一撃。ジャーマンは丸め込まれたものの、ニーリフトから珍しいラ・マヒストラルに持ち込んだ。

 場内はざわめくが、宮本の足がロープに届く。耕平はなおもジャーマンにこだわるが投げられずに勝機を逃す。振り払った宮本はフランケンシュタイナーでクルリ。耕平が丸め込み返しても、そのまま立ち上がって、ショートレンジのダブルニーを発射した。そして、ファイアーサンダーからバルキリースプラッシュを投下。間髪入れずにムーンサルトプレスを落とし、連続ダイブで耕平から3カウントをもぎ取った。

 宮本が2度目の出場で火祭り初制覇。敗れた耕平も潔く優勝を祝福した。宮本は今年から真新しくなった5代目の火祭り刀を受け取ると、「やりたかったポーズがあります」と片ヒザをつき、刀を抜いてみせた。

 「火祭りっていうのはとにかく熱いんです。何が熱いかって、真夏で外でやる会場もあるし、体育館で冷房が効かないところもあるし、とにかく“暑い"。そして今年は14人という選手の層が“厚い"。そして、なにより一番気持ちが盛り上がるそんな熱い大会。それが火祭りです」と真夏の激闘を振り返ると、「自分は今年で誰よりも熱い男になりました!」と胸を張った。

 さらに、宮本は「今日、火祭りは終わったんですけど、火祭りに出れなかったヤツがいます。ZERO1で負け犬同盟を組んでいる僕のパートナー、小幡優作。今日来てるんだろ? 出てきてくれ」と盟友をリングに呼び込んだ。

 小幡は6・3札幌で試合中に首を負傷し、レフェリーストップ負け。田中に世界ヘビー級王座を奪われ、その後の試合を欠場していた。約2ヵ月ぶりにリングに立った小幡は「まだ声が出づらいですが、ちょっとだけ喋ります。6月にちょっと試合で首のほうを骨折してしまいまして、今現在も欠場中ですが、とりあえず骨折した骨はくっつきました。今後のことはわかりませんが、今は元気です」とあいさつ。宮本は「まだ復帰はちょっとかかりそうですね。でも、かならずこのリングに戻ってきて、負け犬同盟組みましょう。必ず帰ってくると思いますんで、皆さん待ってましょう」と復帰に向けてエールを送った。

 最後は「3、2、1、ZERO1」の雄叫びで締めくくった宮本。8・5川崎ではTARU相手に爆破王の防衛戦、大日本の8・19名古屋では竹田誠志の持つデスマッチヘビー級王座挑戦が決まっており、2018年夏の激闘はまだ続く。それでも「この火祭り刀は僕が責任を持って、1年間、全国各地で、いろんな団体で、いろんな場所で、見せびらかしてきますよ」と断言した宮本は、“プロレス界一熱い男"の称号を胸に、ZERO1のみならず、各団体で暴れ回るつもりだ。

【試合後の宮本】
▼宮本「やりました。火祭り優勝できました。しんどかった、本当に。このリーグ戦、本当にしんどくて。リング上でも言ったんですけど、真夏の一番暑い時に、シングル戦っていう一番苦しい試合をして、いろんなところを回って、出場選手が14人もいるっていう。熱い選手の中で、誰よりも熱い男になりました。何よりも熱い、とにかく熱い、それが火祭りだと思います。耕平選手も決勝で当たることができて、本当によかったです。何度かしか対戦したことがないですけど。シングルは1回しかなくて。本当に尊敬できる先輩なんで。それか勝てたというのが一番嬉しいです。あと、小幡優作。ばたやんがみんなの前に顔が出せて、それだけでも本当によかったですね。火祭りを観に来てくれてて。まだ復帰はもうちょっとかかりそうですけど、帰ってきたらまた組みたいです。そして、この刀を持って、また戦いたいですね。この火祭り刀は僕が責任を持って、1年間、全国各地で、いろんな団体で、いろんな場所で、見せびらかしてきますよ。新しくなったこの火祭り刀、カッコいい火祭り刀を全国のお客さんに見せたいと思います」

――刀を抜いた時の気持ちは?

▼宮本「火祭り刀は見たことあるんですけど、抜いたことはなかったんで。凄い重みを感じますね。もう18回目ですか。僕は2回しか出てないですけど、過去の16年…。自分が初めてZERO1に出させてもらったのはアックスボンバーズの時。大森さんとかがいたんですけど、それで出させてもらって、そこからもう13年ぐらい経っているはずなんで。一番最初は、僕は広島県出身なんですけど、プロレスは3回しか観に行ったことがなくて。その1つにZERO1があったんですね。グリーンアリーナっていう凄い大きいところで、橋本真也さんもいて。一番安い席で、一番後ろのほうで観てたんですけど、凄い団体だなあと思って。その頃から見ている人たちもリングにいて、いろんな思いがありました。火祭りに出れたことを本当に光栄に思います」

――耕平選手の攻撃で何が厳しかった?

▼宮本「もちろん打撃も厳しいですしね。だけど、自分もコテンパにされても這い上がってやろうと思ってたんで。そういう意地の戦いもできたかもしれないですね」

――火祭り覇者として爆破王の防衛戦も控えているが?

▼宮本「もちろんこれで満足せず。爆破王は僕がチャンピオンですから。タイトルマッチも控えてますし、これで気を抜いたら…。タイトルマッチまで気を抜かずに挑みたいと思います」

――世界ヘビー級王座は意識する?

▼宮本「もちろん視野に入れたいと思ってますよ。まだ田中さんにしか挑戦したことないですけど、今も田中さんですから。それも狙っていきたいと思ってます」

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