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8/18【NOAH】死闘34分…“過去最強"の杉浦が潮崎退けV4 北宮表明を即諾

『川崎市スポーツ協会70周年記念 プロレスリング・ノア×川崎フェスティバル2018』神奈川・カルッツかわさき(2018年8月18日)
GHCヘビー級選手権試合 ○杉浦貴vs潮崎豪×

 真夏の死闘34分。杉浦が潮崎を壮絶な総力戦の末に破って、GHCヘビー級王座4度目の防衛に成功。全盛期宣言で“過去最強"を自認した上位世代の王者は、9・2後楽園大会でマサ北宮の挑戦を受けることになった。

 GHCヘビー級史上“最多"の組み合わせとなる「杉浦vs潮崎」戦。実に6度目の激突は、真夏の川崎メインが舞台となった。

 前哨戦で圧倒し、コメントも封印してこの一戦にすべてを込めてきた潮崎が序盤から押しまくった。エルボーと逆水平の打ち合いでことごとく競り勝ち、中盤に“マシンガンチョップvsマシンガンエルボー"の打ち合いに発展しても真っ向から競り勝ってみせる。

 中盤過ぎには杉浦の逆エビ固めを力強く耐え抜き、トップロープを越える捨て身のノータッチ・トペも敢行。ブラックタイガー式のシットダウンパワーボムも繰り出して豪腕ラリアットを狙ったものの腕へのカウンター・エルボーで阻止した杉浦も猛反撃を開始だ。ターンバックルジャーマンや暴走エルボーの乱打で潮崎の視線をさまよわせるや、非情の後頭部エルボー3連発からの予選スラムで一気に試合を決めにかかった。

 かろうじて肩を上げた潮崎も、雪崩式予選スラムを雪崩式の抱え込みバックドロップで切り返す。あまりの落差に衝撃が広がるなかで、豪腕ラリアットからのゴーフラッシャーを決め、こん身の逆水平を一発、また一発と叩き込む。崩れ落ちた杉浦を引きずり起こしてショートレンジの豪腕ラリアットを振り抜いたが、杉浦も3カウントぎりぎりで肩を上げた。

 過去の「杉浦vs潮崎」同様、試合は限界突破の消耗戦へ。大量の汗しぶきを上げながら、杉浦はエルボー、潮崎は逆水平を必死に打ち合い、意地でも倒れない。杉浦がハイクラッチジャーマンを放てば、潮崎もすぐさまジャーマンで応戦し、両者大の字となったところで試合は30分を経過した。

 両者の意地の張り合いは、こん身の頭突きを打ち合うまでにエスカレート。痛々しい音が響くたびに、場内がかたずを飲むなか、競り勝ったのは潮崎。すかさずショートレンジ豪腕ラリアットを狙ったものの、待っていたのは杉浦のカウンター“生拳"左ストレートだった。

 グラついた潮崎も、負けじと豪腕ラリアットを叩き込んだが杉浦は真っ向から受け止めて倒れないタフガイっぷりを発揮。逆に左ラリアットで潮崎を豪快になぎ倒すや、顔面をヒザで蹴り上げる。続けざまに予選スラムへ。潮崎はなおも肩を上げて場内は熱気充満となったものの、最後は雪崩式予選スラムを成功させた杉浦が、不屈の挑戦者の執念を断ち切る3カウントを奪った。

 34分を超える“真夏の死闘"を制して杉浦がGHCヘビー級王座4度目の防衛に成功。新世代軍の小峠、拳王に続いて潮崎をも退け、上位世代の強すぎる王者としての地位を、また一つ固めた。マイクを握った杉浦は「俺がベルトを持ってる間は、ずっとお前の前に立ってやるからな。いつでも来い!」と去りゆく潮崎に言い放って緑のマットに仁王立ちした。

 新世代軍“4本目の矢"として現れたのが北宮だった。「潮崎豪がやられて、俺自身もタッグのベルトを丸藤&齋藤に獲られて、それでもな、後ろに下がるわけにはいかねえんだよ。杉浦貴、挑戦表明だ。GHCのベルトかけて俺と戦え、オラ!」と表明し、杉浦も「オジサンは強いぞ? いつでもやってやる。いつでもお前の気持ち、受け止めてやる。来いよ。いつでもやってやる!」と受けて立った。

 最後は川崎に“杉浦コール"が自然発生。「最後にらしくないこと言っていいかな? 涼しくなって夏が残り少なくなってきたけど、夏を満喫してな。今日はありがとう」と観衆に語りかけて大会を締めくくり、万雷の拍手が会場を包んだ。

 “杉浦政権"の支持率は高水準のまま。バックステージでは「過去最高のコンディションに見えるが?」との問いに「見えた通りだよ。キミが見えた通り」と“過去最強"を自認してみせた。「だから利用しろって。一番おいしい相手が目の前にいるんだから」。“48歳の全盛期”を生きる王者の壁は、高くなる一方だ。


【試合後の杉浦】
――激しい試合となったが?

▼杉浦「変な言い方になるけど、アイツとやってると気持ちいいよ。いつでも正面からやれるし」

――『何度でもお前の前に立つ』と言っていたが?

▼杉浦「アイツ後輩だしね。だからいつでも来いって」

――北宮が名乗りを上げたが?

▼杉浦「最近の印象は分からないけどさ、出てきた時に『え〜?』って声もあったし。待ってました!っていう大声援では無かった。それがアイツが今まで築き上げてきたものの結果でしょ。悔しいんだったら、俺とコレ(ベルト)懸けてやって覆してみろって。俺を利用すればいいんだよ。おいしいんだから」

――世代闘争としても上位世代がヘビー級のベルトを両方持っている状況が続いているが?

▼杉浦「何回も言ってるけど、強いからだよ。悔しかったら取り返せばいい。俺としてはうれしいこと。齋藤さんがもう一度輝きを取り戻したり…とかね」

――過去最高のコンディションのようにも見えるが?

▼杉浦「見えた通りだよ。キミが見えた通り。だから利用しろって。一番おいしい相手が目の前にいるんだから」

――凌駕する者があれば時代はいつでもくれてやる、と言っていたが?

▼杉浦「うん。でも、それは勝つだけじゃない。印象も全部そう」

――プロレス界に響く闘いをしたいと戦前に語っていたが?

▼杉浦「それができたかは分からない。見た人がどう思うか。自分でも、もっとできたと後から思うかもしれないし。ただ、会社も今、こういう状況だから。いい試合を見せて『あそこの試合は凄い』って振り向かせていかないといけないからね」

――チャンピオンとしてやることはまだまだ多い?

▼杉浦「おう。チャンピオンだからな」

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