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12/5【リアルジャパン】船木の化身ブラックJr.が世界マスクマントーナメント制覇

『新間寿プロデュース 初代タイガーマスク 佐山サトル認定「原点回帰プロレス」第5弾』東京・後楽園ホール(2018年12月6日)
「世界マスクマントーナメント」決勝戦=○ブラック・タイガーJr.vsドス・カラスJr.×

 ドスJr.を胴絞めスリーパーホールドで下し、船木誠勝の化身であるブラックJr.が「世界マスクマントーナメント」を制した。

 ブラックJr.とドスJr.が「世界マスクマン・トーナメント」決勝戦で対戦した。ブラックJr.は1回戦でスーパーデストロイヤー:アインを、準決勝ではドン・クロコダイルを撃破。記者会見では正体が船木誠勝であることを自ら明かし、「ジャパニーズスタイル、日本式の試合でルチャと戦いたいと思います」と宣言していた。対するドスJr.は1回戦でレジェンド王者のスーパー・タイガーを破ると、今日の第2試合で行われた準決勝ではイホ・デ・ブラック・タイガーをマスク剥ぎ自作自演での反則勝ちで下し、決勝戦へと駒を進めてきた。同じ「ドス・カラスJr.」のリングネームで日本の総合格闘技に参戦し、WWEではアルベルト・デル・リオの名で人気を博したのは兄にあたる。船木とデル・リオは2014年11月のWRESTLE-1両国大会で対戦し、船木が丸め込まれて敗北を喫した遺恨もある。

 1日2試合というハンデを感じさせないドスJr.は、グラウンド戦で果敢にブラックJr.と渡り合う。胴絞めスリーパーを狙われても強引に立ち上がると、変型コブラクラッチに捕獲し、足を刈って浴びせ倒すと、変型グラウンドコブラで絞め上げた。

 ならばとブラックJr.は腕ひしぎ逆十字固めで逆襲。エスケープを許してもミドルキックで蹴りまくった。すると、ドスJr.も勝ち気に応戦。串刺しラリアット、ランニングニーと畳みかけ、スリーパーで絞めに絞める。

 しのいだブラックJr.は張り手合戦から不意を突く浴びせ蹴りを一閃。一気にハイブリッドブラスターの構えに。これをこらえたドスJr.は豪快なスピアーを皮切りに、変型ネックスクリューで勝負に出た。

 何とか肩を上げたブラックJr.はミドルキックを乱射して活路を開くと、ランニングローキックをお見舞い。ハイブリッドブラスターが決まらないとみるや、胴絞めスリーパーに捕獲して、ドスJr.を絞め上げて接戦を制し、世界マスクマントーナメント優勝を果たした。

 試合後、優勝者に与えられる黄金のタイガーマスクとトロフィーを初代タイガーから贈呈されたブラックJr.は「半年かけてブラック・タイガーをやったんですけど、凄くプレッシャーがありました」とマイクで心境を語り、自らマスクを脱いで「船木誠勝」の素顔をあらわにした。

 「凄くさっぱりしました」と笑顔を見せた船木。「今から33年前に15歳で新日本プロレスに入門したんですけど。初代タイガーマスクが引退したあとだったんで、自分が2代目タイガーマスクになりたいぐらいの気持ちで入門したんですけど、やっぱり最初の1週間のスパーリングで、2代目タイガーマスクの夢は一瞬でなくなりました。それでずっとずっと30年間、マスクは被らないだろうなと思いながらやってきたんですけど、今年33周年でマスクを被る機会が本当に多くて。今、初めて今年東京で素顔になりました」と感慨深げにこの1年を振り返ると、黄金のタイガーマスクを装着する。「タイガー」コールを浴びた船木は「こっちのほうが嬉しいですね。来年で自分は50歳なんですけど、力の続く限り、目指せ還暦でまだまだ頑張っていきたいと思います。若い人ともドンドン戦っていきたいと思うので、これからも応援よろしくお願いします」と気持ちを新たにしていた。


【試合後の船木】
▼船木「これ(黄金のタイガーマスク)は嬉しいですね。本当のタイガーマスクで。33年前の入門した時の船木優治に言ってあげたいですね。『お前、いつかタイガーマスクになるよ』って。『タイガーマスクになれるんだよ。今は苦しいけれど、頑張って頑張って、いつかタイガーマスクに必ずなれる』って言ってあげたいですね。そういうタイムマシンがなかったんで、今はそれを言いにいけないですけど、それぐらいファンの気持ちに戻りますね。本当に33周年、今年を引き締める最後のいいプレゼントになりました。本当にありがとうございます」

――船木選手がマスクを被って戦うというのはなかなかないシチュエーションだったが?

▼船木「半年前から始めたんですけども、やっぱり自分だと気づいてない人もたくさんいましたので。なので、船木の時の技を出しても、シーンとしちゃうんですね。それも正直、マスクの中身はキャリアなんですけど、新人になったような気持ちでしたね。ずっとその気持ちで。今日もそんな感じで途中までやってしまいましたね。終わって、マスクを取って、ようやく本来の自分に戻ったような感じで。マスクマンは途中からやるもんじゃないなと思いました。最初にイギリス遠征から帰ってきた佐山さんがマスクを被った時もたぶんそんな感じで、本当にヒヤヒヤしながら。1試合終わったら、もうイギリス帰ろうって。その気持ちが凄くよくわかりますね。この前までの試合は、終わったら一刻も早く帰りたいと。控え室に帰りたいと、そればっかり思いながら試合をしてました。それが、このブラック・タイガーJr.でした。おそらくですけど、今年はこういう試練を自分に与えてくれたんじゃないかなと思うんですよね。それはそれで本当にいい経験をしました。キャリア33年で新人に戻れるという、そういう特殊な機会でしたね。本当に今日は、今までずっと海を泳いでて、やっと陸に上がれたかなって、そんな気持ちです。凄く複雑というか、不思議な感じでした」

――34年目はどんなことを考えている?

▼船木「33周年記念でできなかったスペシャルマッチを34周年記念試合とかで。そういう夢のカードがあれば、1試合だけどこかの大会でやってみたいなって。それは頭の中にあります。次の自分の周年は40周年まで、記念大会はありません。その途中であれば、34周年、35周年の記念試合という形で、どこかで組んでもらえたら。初対決とか。まだ試合をしてない人がいっぱいいますから。自分も7年間、マットから消えてたので。ブランクがありますので、33周年引く7年で、26周年だとまだ思ってますから。あと4、5年は前線でやっていけるという気持ちがあります。この黄金のタイガーマスクで試合をしてみたいですね。ちょうどコスチュームもありますから。凄く嬉しいです。もっと硬い固形のマスクかと思っていたんで。本当に嬉しいです。ちょっと家に持って帰りたいなと」

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