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3/19【全日本】初挑戦・野村肉薄で聖地爆発も 宮原が時代渡さず三冠V3

『2019 DREAM POWER SERIES』東京・後楽園ホール(2019年3月19日)
三冠ヘビー級選手権試合=○宮原健斗vs野村直矢×

 初挑戦となった野村の肉薄で聖地が爆発したが、宮原が時代を死守して三冠王座V3。「てめえたちの力でこのプロレス界の真ん中にいる俺のところに来いよ」と新世代勢に宣戦布告した最高男は王者としてのチャンピオン・カーニバル出場を決めた。

 デビューから約5年で至宝ベルト初挑戦のチャンスをつかんだ野村は3・12新木場大会で禁断のノーザンライトボムを敢行したうえで王者・宮原から初フォールを奪うなど挑戦者の勢いをこれでもかとみせつけ、「俺が全日本の顔になる」と宣言。いざ迎えた本番でも最高王者の牙城に迫った。

 序盤から中盤にかけては宮原が主導権を握った。エルボーで先手を取られても、エプロンから場外へのダイビングエルボーを放った野村をフロントハイキックで撃墜。頭突きを連打し、反撃を狙った野村がスピアーを繰り出しても鉄柱に誤爆させた。「いくぞ後楽園!」と叫んだところに野村がショルダータックルをぶちかましてきたが、エプロン上での攻防をブラックアウトで制し、ブレーンバスターで場外に投げ落とした。

 完全に出鼻をくじかれた野村だったが、コーナー上での攻防の末、ジャーマンでコーナー上の宮原を叩き落としてようやく反撃を開始。スピアーを突き刺し、フロッグスプラッシュを不発に終わらせた宮原がブラックアウトを前後から連射しても、シャットダウンを阻止して追尾式ジャンピングエルボーを発射。スピアーからのジャックナイフでニアフォールに追い込んでどよめきを誘い、エルボー合戦を連打で押し込んでみせた。そして爆弾・ノーザンライトボムも敢行し、フロッグスプラッシュを連射すると、マキシマムを爆発させて勝機を作った。

 だが、宮原は3カウント寸前に肩を挙げた。野村が放ったスピアーをキャッチし、ブラックアウトを3連発。二段式ジャーマンを2カウントで返し、意地で立ち上がった野村はシャットダウンも振りほどいて粘ったが、最後は宮原が執念でシャットダウン・スープレックス・ホールドに持ち込んで28分58秒に及んだ激闘に終止符を打った。

 野村の大善戦によって聖地・後楽園が沸きに沸いたが、宮原が三冠ベルト3度目の防衛を果たし、頂点の座を守り抜いた。「いつチャンピオンになってもおかしくない人材。そんなもんわかってる。なぜなら俺も経験したことだから。もうあの実力があれば、いつこのベルトを獲ってもおかしくない」と野村を高く評価した宮原だが、そう簡単に時代を譲るつもりはない。「新時代はジェイク・リー、野村直矢、青柳優馬のことだ。俺は宮原健斗時代だ。なぜ俺だけ宮原健斗時代かわかりますか? 俺みたいな最高なプロレスラーは同じ時代に2人もいらない」と豪語した最高男は、その新時代勢に向かって「俺は待つことはしないからな。てめえたちの力でこのプロレス界の真ん中にいる俺のところに来いよ」と宣戦布告した。

 平成最後の三冠戦を制し、これで春の祭典チャンピオン・カーニバルに王者として出場することになった。意外にも春の祭典は未制覇。過去3回も三冠王者として臨んだものの、優勝には届かず涙をのんだ。"四度目の正直"で史上7人目となる三冠王者によるカーニバル制覇に挑む。その前にまずは今シリーズを完走するのが最優先。宮原は「あと名古屋、宮城、福島、横浜と4大会残ってるから。それを終えたら、チャンピオン・カーニバルスイッチに入れ換えますよ。それまで4大会はチャンピオンとして各地を盛り上げるからね」と宣言した。

 一方、野村は初挑戦の三冠ベルトに届かず、「全日本の顔」となることはできなかった。それでも場内が沸騰した世界タッグ戦の直後にもかかわらず、大いに肉薄したその戦いぶりで聖地を爆発させてみせた。もちろんそんなことは野村にとって慰めにもならない。悔しさだけをにじませながら、「諦めない。宮原健斗を追い続けて、追い越すために…。絶対いつか追い越して、俺が全日本の顔になる」と宮原超えと三冠ベルト獲りを誓うばかりだった。

【試合後の宮原】
▼宮原「V3。今日、新時代というものを…ファンの皆様には俺を含めて新時代とお思いなさっていた方がいるかもしれませんが、俺は新時代ではない。俺はもうとっくに宮原健斗時代を築いてんだ。新時代はあの3人だろ? 俺は入ってない。勘違いしないでくれ。このプロレス界で宮原健斗時代は俺1人で十分だ。新時代ではない。彼ら3人で誰が一抜けして、誰の時代を作るか? それはこれからの全日本プロレスを見てればわかるよ。宮原健斗時代vs新時代の始まりだ。それが今日だ」

――初挑戦の野村選手とタイトルマッチで戦って、何を感じた?

▼宮原「もういつチャンピオンになってもおかしくない人材。そんなもんわかってる。なぜなら俺も経験したことだから。もうあの実力があれば、いつこのベルトを獲ってもおかしくない。もう全日本プロレスの構図はそういう風になっちゃってる。下の世代も俺を追いかけてきてる。上の世代も負けてたまるかって負けじとやってる。そんな全日本プロレスで生き残るのは俺も必死だ」

――今年も三冠王者としてチャンピオン・カーニバルに出場することになりそうだが?

▼宮原「チャンピオン・カーニバルに始まる前に、あと名古屋、宮城、福島、横浜と4大会残ってるから。それを終えたら、チャンピオン・カーニバルスイッチに入れ換えますよ。それまで4大会はチャンピオンとして各地を盛り上げるからね」

――野村選手との差や違いはどこだと思う?

▼宮原「俺が時代を築いているというナルシストさでしょう。ナルシストさを俺は強くしてここまで来たから。彼にもう1つ何が必要かと言えば、『俺は全日本プロレスのレスラーだ』っていうナルシストさを持てば、もう俺の位置なんてすぐ来ちゃうよ。まあ、もう俺から彼らの名前を出すことはない。てめえらの力で来いよ」

【野村の話】「俺は追い続けますよ。諦めない。宮原健斗を追い続けて、追い越すために…。絶対いつか追い越して、俺が全日本の顔になる」

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