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4/30【大日本】デスマッチ王座前哨戦制して木高の勢い加速 平成最後の聖地で「俺たちは強い!」

『平成最後の後楽園ホール』東京・後楽園ホール(2019年4月30日)
○宮本裕向&木高イサミvs高橋匡哉&佐久田俊行×

 一騎当千を制覇した木高が、高橋とのデスマッチ王座前哨戦を制してさらに勢いが加速。平成最後の後楽園大会のメインを「俺たちは強い!」の雄叫びで締めてみせた。

 木高は4・14札幌で竹田を撃破し、シングルリーグ戦・一騎当千を悲願の初制覇。この結果、5・5横浜文体でデスマッチ王者・高橋に挑戦することが決定した。札幌のリング上で、王者に対し「俺は挑戦しない。高橋、お前が俺に挑戦してこい」とプライドむき出しに宣言した。

 最後の前哨戦の舞台はプロレス界を通して平成最後となる後楽園ホール大会のメインイベント。高橋は佐久田と、木高は宮本と組んで対戦した。

 約7ヵ月ぶりタッグ結成となったヤンキー二丁拳銃が代わる代わるに高橋を蹂りんして先手。しかし、高橋も王者の意地で木高を蛍光灯に投げつけると、一転して3代目血みどろブラザーズペースに。高橋がリング上に砂利をぶちまけ、木高を頭から何度も叩きつければ、佐久田は安全ピンボードへのフェイスクラッシャーを見舞った。何とかスイッチしたものの、宮本の持ち込んだ巨大ヤリ型蛍光灯も木高に誤爆し、戦線離脱を余儀なくされる。

 すると、宮本が孤軍奮闘。佐久田に串刺し低空ドロップキックを放った場面では、木高もエプロンから突っ込んで同時弾を成功させる。宮本が高橋を砂利めがけてサンダーファイアーパワーボムを見舞うと、体力を回復させた木高がミサイルキックで飛び込んだ。

 これがまたまた宮本に誤爆してしまうと、血みどろブラザーズが怒濤の追い上げに。合体サマーソルトドロップから高橋もダイビングサマーソルトドロップを浴びせた。

 しかし、宮本がヴァルキリースプラッシュで強引にカット。足に直撃を受けた高橋の動きが鈍ると、二丁拳銃は蛍光灯の束が設置されたラダーを持ち込み、それで高橋を痛打した。すかさず木高がラダーに登るも、粘る高橋も反対側からラダーに上がり、雪崩式ブレーンバスターをズバリ。両者大の字に。

 両軍同時にタッチを交わすと、佐久田が安全ピンボードを振り回し、スワンダイブ式サマーソルトドロップや逆打ちで宮本相手に猛攻に出る。だが、ここまで誤爆が続いた木高が好フォローを見せて、血みどろブラザーズの同士討ちを誘い、佐久田に絶槍を一閃。すぐさま場外の高橋にトペスイシーダを突き刺せば、同時に動いた宮本が佐久田をハンドスプリング式オーバーヘッドキックで奇襲し、最後は木高の勇脚・斬→宮本のファイヤーサンダーという必殺技リレーで勝利した。

 一騎当千を制した勢いのままに札幌から後楽園に戻ってきた木高が高橋を圧倒する形に。声援でも所属の高橋を上回ってみせた。宮本が「平成最後のヤンキー二丁拳銃、最高だったぜ!」と吠えれば、木高も「やっぱり1人で勝つ景色も最高なんですけど、相方・宮本裕向と勝ってみる景色もまた最高ですね」と満足げ。そんな2人をリング下から悔しそうに高橋がにらみつける。

 気づいた木高は「ところで高橋さん。ここまでお前は凄いと思うよ。あの強かった竹田誠志を倒して、気づいたら2年連続で両国のメインを締めたよな。そんなレスラーなかなかいねえぞ。お前のことは一騎当千で散々ボロクソ言ったけど、経歴だったらお前のほうが上かもしれないな」と高橋を素直に称え、「改めて言おう。俺が挑戦させてもらおう」と前言撤回して改めて挑戦表明した。

 しかし、高橋は興奮状態。「じゃあ、僕からもひとごと言わせてもらいます。てめえが挑戦して来いって言ったけど、チャンピオンはこの俺なんだよ。今も言ったけど、もう1度言ってやる。てめえが俺に勝てると思うんだったら、お前が挑戦してこい、コノヤロー」と怒りにまかせて絶叫してから去っていった。

 そんなちぐはぐなアピールに、木高は「だから挑戦するって言ったじゃないか?」としばし呆然。「あいつはマイクは全然上手くならないな。ちょっと褒めたと思ったら、すぐこれだよ」と通告すると、観客は完全に木高を後押しした。

 最後は二丁拳銃が締め。「令和からの大日本プロレスはこの木高イサミが引っ張っていきます。お前、BASARAだろって人間もいっぱいいると思います。そう、私はBASARAの人間。でも、私には誰よりも大日魂が流れてる。絶対高橋に勝ってきます」と木高が宣言すると、場内は「イサミ」コール一色に。「俺たちは絶対に勝って、令和を引っ張っていくぞ! なぜなら…」と木高が叫ぶと、最後は宮本や観客たちとともに「俺たちは強い!」と絶叫。平成最後となった後楽園ホール大会を締めくくった。

 アゴの骨折から1月に復帰し、長きに渡った一騎当千を戦い抜いた。「復帰してからデスマッチサバイバーを優勝したりして結果残しているんですけど、本当の意味で自分の調子が戻ったというのが今日なのかなって気がしました。ああ、この呼吸だっていう」と木高は完全復活を実感している。観客の支持も木高に集中。「しょうがないですけど、(一騎当千に)出ていた人とチャンピオンとして出てなかった人のたぶん差なんですよ」と追い風も吹いている。「今日にしてみれば、もしかしたら高橋が刺身のつまだったのかもしれないですね。そんなに力強さは感じなかったですね」と語った今の木高に死角はなし。「マイクにしてもちょっと素っ頓狂なことを言っているし、空回りしてるかな。ちゃんと5月5日に調整して来いって話ですよ。高橋は強いし上手いと思うんで、だからこそ強い高橋と戦いたい」とあえて王者にゲキを飛ばした木高は、令和最初のデスマッチ王座戦で高橋を撃破し、5年ぶりにベルトを腰に巻く構えだ。

【試合後の木高&宮本】
▼宮本「久しぶりの二丁拳銃」

▼木高「7ヵ月ぶりですかね?」

▼宮本「そんなにやってないか。でも、欠場してたからね。(最侠)タッグリーグ中からできなくなったんだもんね。そのあと、1回も組んでないし」

▼木高「悔しいのはあったんですよ。あのタッグリーグも、俺が欠場しないでずっと出続けてれば、もしかしたらまだ優勝の可能性もあった段階だったんで。いくら怪我はしょうがないとはいえ、悔しい部分はあります。だから、今日は久しぶりに二丁拳銃でお客さんに目にもの見せてやろうみたいな、高橋に一泡吹かせてやろうみたいなものは心の中ではありましたね」

▼宮本「久しぶりだったからか、失敗も多かった気もするんですけど」

▼木高「誤爆に次ぐ誤爆で」

▼宮本「それを含めてらしさだなって。お互いの思惑が繋がらない時もあるんですけど、やっぱり繋がった時の強さっていうのはお客さんもわかると思うんで」

▼木高「ここっていうポイントでね。ホントに凄いですよ。やっぱりこういう人だなって思いました。あうんが通じるって言うんですか?」

▼宮本「久しぶりに楽だったっす」

▼木高「俺も楽だったっす(笑) 肉体的なダメージは関係ないんで。気持ちなんですよね」

▼宮本「明日から令和ですか。令和を引っ張ると言ったんで」

▼木高「平成最後のデスマッチで勝ったってことですか?」

▼宮本「そうですね。なんかいいね。気持ちいいっすね。あとはタイトルマッチがあるから」

▼木高「頑張るだけじゃ意味ないからね。タイトルマッチは結果出さなきゃ意味ないから」

▼宮本「頑張るだけじゃ意味ないですから。二丁拳銃は二丁拳銃でこれからもやっていきましょう。なぜなら…」

▼2人「俺たちは強い!」

▼木高「令和で負けて、平成のオジサンたちって言われないように頑張るよ」

▼宮本「あんたはタイトルマッチのことをいろいろまた話さないと。俺はちょっと売店行ってくるから」

※先に宮本が去っていく

――高橋選手と戦ってみてどうだった?

▼木高「正直言っていいですか? デスマッチサバイバー(一騎当千)で戦っていた時のほうがしんどかったですね、今日の試合より。それは佐久田も凄かったし、決勝の竹田ももちろんそうだし。そうじゃなくても、リーグ戦を振り返ってもリーグ戦のほうがしんどかったな。でもまあ、そこには大きな意味合いが1つだけあって。向こうは血みどろで組んでいるかもしれないけど。佐久田は伸び盛りだし、高橋もガンガン伸びてると思うけど、そこにはやっぱり宮本さんがいるからなんですよ。肉体的にはきついけど、全然負ける気がしなかったですね、今日に関して言えば。実際に文体はセコンドにいてくれるだろうけど、一緒に試合をするわけではないんで、宮本さんはいないですけど。でもなんか、復帰してからデスマッチサバイバーを優勝したりして結果残しているんですけど、本当の意味で自分の調子が戻ったというのが今日なのかなって気がしました。ああ、この呼吸だっていう。それがありました。今日にしてみれば、もしかしたら高橋が刺身のつまだったのかもしれないですね。そんなに力強さは感じなかったですね」

――大日本を引っ張る覚悟で臨む?

▼木高「引っ張る覚悟というか…。だって、団体ってチャンピオンが引っ張るものじゃないですか。そのチャンピオンによって団体が面白いか、面白くないかって判断されちゃうところが絶対あると思うんですよ。それは団体のイメージだけじゃなくて、チャンピオンのイメージも絶対あると思うんで。チャンピオンになりますっていう意味合いですよね、あれは。俺が絶対チャンピオンになってやるって思ってますから。もしかしたら、デスマッチサバイバーに出てた選手全員がそれを望んでいるかもしれないですよ」

――高橋選手がメインでデスマッチをやったのは久しぶりだったが、ブランクは感じた?

▼木高「ちょっとこなれたイメージがありましたね。なんかわからないですけど、マイクにしてもちょっと素っ頓狂なことを言っているし、空回りしてるかな。ちゃんと5月5日に調整して来いって話ですよ。高橋は強いし上手いと思うんで、だからこそ強い高橋と戦いたいし。だってね、これだけデスマッチをやって、これだけいろんな団体上がって、いろんな団体のベルトを巻いても、やっぱりまだ欲ってあるもんなんですよ。いろいろやってきたからいいでしょうって言うかもしれないですよ、もしかしたら。まだまだですね。全然やり足りないです。まだまだ。まだできるしね。もっともっとやりたいですね」

――勢いや流れが自分に向いている感触はある?

▼木高「マイク終わったあとにイサミコールだったんで、その感触は得てますけど、なぜイサミコールだったかはいまいちわかってないですけど。でも、お祝いしてくれているのかなってムードはありましたね。一騎当千で優勝して後楽園に帰ってきたんで」

――期待感があったと?

▼木高「だったような気がしますね。それは僕にもそうだし、二丁拳銃を久しぶりに見たというファンの方々にもそうだと思うんですけど。それこそ海外でベルトを獲って帰ってくるじゃないですけど、ちょっと遠くに行って帰ってきたみたいな。冠つけて帰ってきたんで、その期待感みたいのはちょっと感じましたね」

――それは追い風に感じる?

▼木高「追い風じゃないですか。これがそうだと思うんですよ。しょうがないですけど、出ていた人とチャンピオンとして出てなかった人のたぶん差なんですよ。これはしょうがないです。僕のせいじゃないんで。と思いますけどね」

【高橋の話】「平成最後の戦いは敗北となってしまいました。勝って勢いづけて、令和に向けていい終わり方で締めたかったんですけども、負けたことはああだこうだ言ってもしょうがないんで。明日から新元号ですか、令和ですか。今日は平成最後のデスマッチチャンピオンとして終わりを迎えますが、明日から新元号最初のデスマッチチャンピオンです。そして、5月5日、新しい元号初のタイトルマッチ、勝たないわけにはいかないでしょう。このまま行ったら、木高イサミの思うツボですよ。一騎当千優勝して、デスマッチのベルト獲って、木高イサミの時代ですか? そうはさせるかって。イサミが勝ってハッピーエンドなら、俺が勝ってバッドエンドにしてやります。お前らの思うような終わり方にはさせねえぞ、コノヤロー。あとはもう勝つだけですよ。結果、結果」

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