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6/23【大日本】デスマッチ王座前哨戦 植木の急成長実感も木高一喝「お前は三流レスラーか!」

東京・後楽園ホール(2019年6月23日)
蛍光灯+ダブルボードタッグデスマッチ ○塚本拓海&木高イサミvs植木嵩行&佐久田俊行×

 デスマッチ王座前哨戦で植木が躍動。王者・木高を勢いで圧倒した。しかし、試合はパートナーの佐久田が敗れる結果に。木高は植木の急成長を肌で感じ取ったものの、「俺は負けてねえ」と言い張る挑戦者を「お前のパートナーが負けたのに、今日は負けてねえとか…お前は三流レスラーか!」と一喝してみせた。

 5・30後楽園で植木が伊東から歓喜の初勝利。3代目血みどろブラザーズとして横浜ショッピングストリート6人タッグ王座に返り咲くと、その勢いのままにデスマッチヘビー級王座への挑戦をぶち上げた。王者・木高は「今の試合を見てて、受けないなんてことは言わないよ」と即座に受諾し、6・30札幌でのタイトル戦が決定した。メインイベントはその前哨戦として植木が佐久田と、木高が塚本とそれぞれ組んで、「蛍光灯+ダブルボードデスマッチ」で激突した。

 5月の後楽園では観客を熱狂させ、大きな支持を集めた植木は、のっけから木高に奇襲を仕掛ける。王者のフロントネックロックに捕まり、失神寸前まで追い詰められたが、ブルドッキングヘッドロックの体勢のまま、ガジェットボードに突進。自らのダメージを気にしない捨て身の攻撃で場内を沸かせた。

 木高&塚本も譲らず、蛍光灯やガジェットを上手く利用して植木を血まみれにする。植木のTシャツの背中部分、さらには腹部分に蛍光灯を差し込み、そこをパイプイスで痛打した。

 防戦一方の植木だったが、得意の敬礼式頭突きを繰り出して何とか塚本に一矢報いる。あとを受けた佐久田が空中殺法などを駆使して試合を立て直した。塚本にガジェットボードを投げつけられ、木高の雪崩式フランケンを食らってしまったものの、コーナーに固定してのバッククラッカーを木高にお見舞いし、植木にタッチを戻した。

 植木は自ら額にガジェットをブッ刺して雄叫び。血をしたたらせながら、ガジェットボードの上でアゴ砕きを敢行し、自分のヒザをガジェットに打ちつけた。自爆攻撃で悲鳴を上げながらも、ボードめがけてDDTをズバリ。倒れ込み式敬礼ヘッドバットもクリーンヒットする。木高は蛍光灯を使ったサッカーボールキックを皮切りに、勇脚、絶槍で反攻するが、植木は止まらない。蛍光灯めがけて雪崩式デスバレーボムを繰り出すと、頭突きを乱れ打ち、蛍光灯ボードにブルドッキングヘッドロックで正面衝突。自らのダメージを気にせず、木高を圧倒した。

 佐久田にタッチを渡しても植木は躍動。ダイビングヘッドバットなどでアシストし、佐久田の好機を呼び込む。木高がカットに飛び込むと、植木も呼応し、エルボー合戦で火花。植木がリング上に設置した蛍光灯に頭突きを見舞って気迫を発散すると、木高も同じ動きを披露して譲らず。その後も激しい打撃戦が続いたが、植木は頭突きで木高のナックルパートを弾き飛ばすと、デスバレーボムでマットに突き刺し、場外に転げ落ちた王者にコーナーからダイビングヘッドバットを落とした。

 植木の気迫が目立つ展開となったが、試合を制したのは塚本だった。猛攻に出た佐久田を蛍光灯のやぐらにパワーボムで投げつけて黙らせると、最後は窒息ずどんで3カウントを奪い去った。

 試合後、やり足りない植木はすぐにマイクを持ち、「ふざけんじゃねえよ! 俺は負けてねえよ! 俺は納得いかねえ。木高イサミ、なんだその態度は。俺を倒してから言えよ」と木高に迫る。パートナーの敗北を気にしないこの発言に木高がキレた。「お前のパートナーが負けたのに今日は負けてねえとか…お前は三流レスラーか、コラ!」と一喝。「お前が取られてねえと負けじゃねえのかよ? 俺はツカが取られても、宮本さんが取られても負けだよ。お前、負けてんだよ! 1人でやりてえなら、勝手に1人でやってろ! お前、大日本とか、血みどろとか、背負ってやるとか勝手なこと言うんじゃねえよ、コノヤロー」と植木のプロレスに臨む姿勢まで糾弾する。

 対する植木は「わかったよ。負けたことは認める」としながらも、「俺にはもうマイクしかねえ。木高イサミ、6月30日、試合が終わって、俺が勝って、マイクでコテンパンにしてやるから楽しみにしておけよ」と応戦。怒りが収まらない木高は植木を蹴り飛ばしてヒザを付かせると、「対等に立ってるんじゃねえぞ。勝ったのは俺だ。チャンピオンも俺だ。札幌に俺に勝ってから上からものを言え!」と斬り捨てた。再びマイクを持とうとする植木に何度も「帰れ!」と浴びせて下がらせた木高は「お前ら、ピース・アンド・フ○○ク!」の雄叫びで後楽園大会を締めくくった。

 「視野が広いですね。塚本に攻められてても、俺のことを意識しているというのが絶対あったし。たぶん以前、こういう前哨戦が組まれたとしたら、俺にだけしか向いてなくて、非常に直線的だったと思うんですけど」と植木の急成長を試合で実感したという木高。増量によるパワーアップや打たれ強さの向上、テンションの高さなど変化した点をいくつも指摘したが、「だから悲しかったです。俺を倒してから言いやがれなんていう三流の発言しやがって」とリング上で怒りをあらわにした理由を明かした。

 それでも今の植木の勢いは認めているだけに、「勢い120%にしてほしいですね。それでぶつかってきてほしいです」とメッセージ。「札幌では今日以上の植木コールが巻き起こって、その上で僕がぶっ飛ばす。その絵を想像していますね」と改めて返り討ちを予告した。


【試合後の木高&塚本】
▼木高「ありがとうございました。初めて見たんですよ、窒息を目の前で。やばいね、これ。(ビニール袋を被ると)まったく前が見えないじゃん。やばいよ、これ」

▼塚本「いいもの見つけたでしょ?」

▼木高「本当だね。ビニール袋1つでいけるもんね。ハードコアでもいけるね。これ、ハードコア最強説を唱えるよ。いや、乗ってんじゃないですか、植木嵩行は。その気持ちが乗っているのが見えますね。でもまあ、リングで言った通りですよ」

――植木選手が乗っていると感じる部分とは?

▼木高「昔の彼にはなかった、全部が見えているのかなっていう。視野が広いですね。塚本に攻められてても、俺のことを意識しているというのが絶対あったし。たぶん以前、こういう前哨戦が組まれたとしたら、俺にだけしか向いてなくて、非常に直線的だったと思うんですけど、そういうところもなかったし。あと、増量しているからなのか、力強さを凄い感じましたね。あとは、物凄い乗っているんでしょうね。だから、テンションももちろん高くなるし。ああ、こいつテンション高いなと思いました。あとは打たれ強いです、昔に比べて。昔なんてよく脳しんとう起こしてたもんね」

▼塚本「よく脳しんとうを起こしてました。心は折れるわ。邪魔でしかなかった」

▼木高「そう、心が弱かったんですよ。気持ちも体も強い挑戦者だとは思います。ただ、バカなんで。そういうところもこういうデスマッチをやっていたら大事な部分だと思うし、みんながみんな…まあ、自分のことをクレバーと言ったら気持ち悪いですけど、俺みたいに冷静なのもちょっとあれなのかなと思うんで。次のタイトルマッチではあいつのテンションを上回って、勝ってやろうと思います。もっともっといけると思いますよ。まだまだでしょう。まだ全部出してないでしょう、あいつは。だから悲しかったです。俺を倒してから言いやがれなんていう三流の発言しやがって。ツカちゃんが佐久田に勝ってるっていうんだよ。それで試合は終わりでしょ。タッグマッチだから」

▼塚本「そこだけは見えてなかったですね」

▼木高「そこだけ視野は狭かった」

▼塚本「あいつは1つのことに集中しがちなんで。視野が広くなったとはいえ、たぶん興奮状態になると、今日はもうイサミさんだけしか見えてなかったと思うんで。そういうところじゃないですかね、あと強くなれるのは。僕もこの間、新木場で直接負けているんですけど、デスバレー以外はあんまり強さというものを感じなかったです。勢いは確かにありますけど。勢いだけでいくんだったら、今の状態じゃダメだと思うんですよね」

▼木高「それか勢いのみで来るか。それもちょっと楽しみではありますね。だったら、勢いも120%で来てほしいですね。今さら、作戦みたいなものが浮かばないんであれば。特訓であったり、もう浮かばなくてネタ切れだとしたら、それだけでいいんじゃないですか。勢い120%にしてほしいですね。それでぶつかってきてほしいです。札幌では今日以上の植木コールが巻き起こって、その上で僕がぶっ飛ばす。その絵を想像していますね、僕は。でも、みんなも言っているように、勢いがあるんで、そこは注意ですね」

▼塚本「マルスジムは凄い暑いんですよね。僕も一昨年ぐらいにタイトルマッチやったんで。あいつ、体力ないじゃないですか。そこはちょっと弱みだと思いますよ」

▼木高「でも、わからない。それを上回る勢いでくるかもしれないから。いや、来てほしいな。楽しみですね」

【植木の話】「木高イサミ、1つだけ言えることがある。今日の木高イサミ、焦ってたな。俺のマイクで完璧に焦ってたな。6月30日、勝機は見えた。あと1つだけ言う。6月30日、ベルトを取って、スゲエマイクをするのはこの植木嵩行、ただ1人だ。覚えとけ」

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