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6/29【WWE】アスカ&カイリの“カブキ・ウォリアーズ"が連夜のアイコニックス狩り

『WWE Live Tokyo』東京・両国国技館(2019年6月29日)
○アスカ&カイリ・セインvsペイトン・ロイス&ビリー・ケイ×

 “カブキ・ウォリアーズ"アスカ&カイリが女子タッグ王者のジ・アイコニックスを昨日に続いて撃破した。

 第1試合で行われたロウ女子選手権トリプルスレットマッチにおいて、勝利目前だったアスカを遺恨を引きずる女子タッグ王者の“ジ・アイコニックス"ロイス&ケイが襲撃。これに怒ったアスカがカイリとともにジ・アイコニックスとの対戦をアピールし、昨日(28日)の両国大会に続いて、両軍のノンタイトル戦が実現した。

 地元日本のファンから声援を浴びたカブキ・ウォリアーズがのっけから躍動。この日、2試合目となるアスカが鋭い蹴りからヒップアタックに繋げれば、カイリもそれに続く。試合前の囲み会見でカイリは「これまで日本では一度も組んだことなかったですし、団体も違っていましたし、関わったことがなかった中でこうして初めて会って、どんな化学変化が生まれるかなと思ってたんですけど、想像していた以上に本当に合うというか」とアスカとの関係性を語っていたが、その言葉の通りに抜群のチームワークを披露し、スピーディな連続攻撃で場内を沸かした。

 しかし、ジ・アイコニックスは盤石の試合運びで挽回。カイリを代わる代わるにいたぶっていく。ローンバトルは長時間続いた。それでもカイリは延髄斬りでケイを振り払ってやっと反撃に成功すると、アスカがニーアッパー、ヒップアタック、ダイヤモンドカッター&ネックブリーカー、スライディングキックなどで王者組をナデ斬りに。息を吹き返したカイリもスピアーを連発して続くと、アスカにタッチを渡し、自分はインセインエルボーでロイスを戦線離脱に追い詰める。すかさずアスカはケイをアスカロックに捕獲。ガッチリと絞め上げてギブアップを奪った。

 ノンタイトル戦ながらカブキ・ウォリアーズが連夜のアイコニックス狩り。地元日本で連勝を飾った。試合前にカイリは「まあまあそれはステップを踏んだほうが、プロレスはストーリーがあるほうが面白いので」と女子タッグ王座獲りに向けて余裕タップリにコメントしていたが、アメリカでのタイトルマッチ実現は決定的で、ベルト奪取に弾みをつける結果となった。

【カイリの話】※試合前の会見でコメント
――日本に帰ってきたらやりたいと楽しみにしていたことはある?

▼カイリ「両国国技館で試合ができることを一番楽しみにして帰ってきました。今はちょうど6月なんですけど、WWEに所属してちょうど2年の節目だったので、そんな時にこうして。2年前の自分はスマックダウンに昇格して、こうして両国に…しかもアスカさんとタッグを組んで帰ってこれるとは思ってなかったので、本当に夢のように嬉しくて。昨日も試合だったんですけど、嬉しさもリングの上から入場の時も全部あふれ出してしまいましたね。本当に嬉しいです」

――NXTで大活躍して、今はスマックダウンに上がっているが、景色や空気の違いはある?

▼カイリ「NXTもスマックダウンもロウもシビアな世界というか。みんなプロフェッショナルですし、選ばれて入ってきているので、凄くみんな技術もあって、キャラクターもあって、レスリングももちろん上手いし。という中で、飛び抜けて目立っていくために、本当にNXTもスマックダウンも同じように大変だと思うんですけど、やっぱりスマックダウンやロウのほうがもっとライトなファンの…ファミリー層とか、世界中でパッとテレビをつけて見るような人にも楽しんでいただけるように、もっともっとキャラクターとか、エンターテイメント性を追求していけたらなと思ってはいます」

――日本のファンとアメリカのファンの違いは感じる?

▼カイリ「どちらのファンも凄いプロレスを愛していて、どっちもプロレスが大好きだというのは伝わるんですけど、日本人のファンの方はきっと内に秘めるタイプで、ちょっとシャイなところもあると思うんですけど。アメリカのファンは全部体から。立ち上がって飛んで喜んだり、泣いたり怒ったり、感情表現が凄いと思うんですけど、でも昨日も久々に日本で試合をしましたけど、日本のファンの方も爆発している感じがして、凄い楽しかったですね。だから、どちらのファンも本当にプロレスが大好きで、熱いファンがたくさんいるなと思います」

――昨日の試合では現役女子タッグ王者を倒して、タイトル挑戦の目が出てきたが?

▼カイリ「本来、これがチャンピオンシップでも良かったとは思うんですけど、まあまあそれはステップを踏んだほうが、プロレスはストーリーがあるほうが面白いので。今日はまだカードがわからないんですよ。まあまあ、なにかあるので、楽しみにしていてもらいたいですし、アメリカに帰って、きっとチャンピオンシップが組まれると思うので、いい試合内容をしながら、アスカさんとの大好きなタッグで。本当にね、アスカさんと組んでいると、なんか似ているというか。なんかパッションが凄くて、本当に一緒に組んでてワクワクしますし、いつもプライベートでご飯行ったりしても笑ってばっかりで。これまで日本では一度も組んだことなかったですし、団体も違っていましたし、関わったことがなかった中でこうして初めて会って、どんな化学変化が生まれるかなと思ってたんですけど、想像していた以上に本当に合うというか。毎試合ごとにアスカさんはアドバイスをくれますし、(中邑)真輔さんももちろん試合を見てくださっていて、『こうしたらいいんじゃない?』ってアドバイスをたくさんくれるので。スマックダウンは真輔さんもアスカさんもいて、頼れるお兄さん、お姉さんがいるので、本当に助けてもらっています」

――アドバイスを具体的に言うと?

▼カイリ「具体的にはキャラクターというか、表現の部分ですかね? 私はカッコつけるなと逆に言われますね。そういうちょっと鈍くさい感じのキャラクターも活きるし、私がそうだと、アスカさんの強いキャラがもっと引き立つから、タッグとしてもっと面白くなるんじゃないとか。ストラテジーとか、タクティクスとか、そういう細かいところをたくさんアドバイスしてくれます」

――イオ選手とのスカイパイレーツと今のカブキウォリアーズの違いは?

▼カイリ「全然違いますよね。逆に聞きたいぐらいですけど、イオさんとはずっと組んでましたし、イオさんはハイフライヤーじゃないですか。なので、そういった連携技…イオさんが送ってくれて私がダイビングエルボーをしたりとか、イオさんに送ってムーンサルトしたりとか、そういう雑伎団的というか(笑) なんて表現したらいいんだろう? そういう楽しさ、激しさ、華麗さがあって。カブキウォリアーズはその名前の通りですかね? ウォリアーズはその名前の通りですかね。2人とも負けん気が凄いと思うんですよ。日本でプロレスをしてた時から2人ともやられてやられてうあーってタイプなので。それが共鳴し合った時の凄さというのを注目してもらいたいですね」

――英語はどのぐらい喋れるようになった?

▼カイリ「日常生活ではほぼ困らないぐらいになりましたね。やっぱりインタビューとかの英語って全然日常会話と違うじゃないですか? きっと日本語でも頭を使うと思うんですけど、そういうインタビューの受け答えをちゃんとできるようになりたいのと、あとはリング上のマイクですね。どんなことを言われても言い返せるぐらいの英語力は身に付けたいですね。スマックダウンはそういうストーリー性が大事なんで。アスカさんも私も表現とか、顔の表情とか、言葉を発してないぶん、それで表現するのは凄い意識してますけど、それにプラス言葉が付いたら、もっともっとファンの方も増えてくると思うので、その辺はもっと頑張ろうと思います」

――表現力の部分で参考になる選手は?

▼カイリ「全員参考になりますよね。でもやっぱり、昨日見た方がいらっしゃるかわからないですけど、トリプルHさんはNXTの時からボスで、いろいろアドバイスを。特に彼が大事にしているのはストーリー性。いつも試合前にトリプルHさんから言われているのはとにかくストーリーを伝えろと。ストーリーがないプロレス、感情がないプロレスではなく、人として戦う部分を見せろってアドバイスがあったので。トリプルHさんは凄いですよね。立っているだけで凄いんですけどね」

――今、WWEの中で女子のポジションが過去とは比べものにならないぐらいに上がっているが、そういう時代を作っている気持ちはある?

▼カイリ「一昨年に来た時からメイ・ヤング・クラシックで、ウーマンズレボリューションという女子に力を入れようという企画が始まった時に入れたので。その体感は凄い自分でも感じてて。やっぱり今、凄い女子がみんな研究熱心で、日本の動画とかもNXTのパフォーマンスセンターで見ていました。男子選手の試合はもちろんですけど、日本の新日本さんやノアさん、昔の小橋さん時代の四天王のプロレスから全部よく見て勉強してます。みんな本当に思うのは研究熱心ですね。特に日本に対して感じるのはリスペクトが。選手もコーチ陣も凄い日本は違うっていうふうに見てくれてて、研究材料としてよく日本の話もあがりますし、選手も気にしていると思います」

――日本の女子プロレス界でやってきたことが活きたなと思う部分、そして向こうで新しく学んだ部分は?

▼カイリ「日本のことが活きたというところは、なにがあっても絶対にどうにかなるっていう精神ですよね。やっぱりWWEって試合がないと言われてたのに、急に『今から出て』って言われることがありますし、『今日、チャンピオンシップだから』っていきなり言われることもありますし。本当に何があるかわからないところなので度胸がないと。急にポンって大きな舞台に出されてもパフォーマンスが発揮できない選手が結構いて、それでチャンスは1度しかもらえないので。そこでチャンスを残さないと次に繋がっていかないんですけど、そういった面では日本でいろんな先輩にしごいていただいたので。どんなことがあっても自分は立ち直れるし、立ち上がれるという自信があるので。そこは凄い活きてますね。WWEで学んだところは、ショー的要素というか、お客さんを楽しませるところで。そこはアメリカの選手から学ぶことが凄い多いですね。間の取り方、アピールの仕方とか、フィニッシュへの持って行き方とか」

――カブキ・ウォリアーズという名前についてはどう思った?

▼カイリ「最初は『おや?』っていうか(笑) 最初は違和感というか、まだ馴染んでないというのがあったんですけど、どんな名前でもそうじゃないですか。例えば、AKB48とかも、今は慣れてますけど、最初に聞いた感じはちょっと変というか、なんだってなるじゃないですか。そんな感じで、名前関係なく私たちっていうところで。名前も今は気に入ってますよ。今、アメリカは凄いカタカナブームで。昨日もトリプルHさんが自分でカタカナのTシャツを着てたり、ベッキー・リンチってジャケットに名前が入ってたり。凄いカタカナブームで。カブキ・ウォリアーズもきっと。今は多分アメリカの人も『カブキってなんだ?』ってなってると思うんですけど、浸透していくと思いますけどね」

――昨日はカブキ・ウォリアーズとして勝利したが、今日の意気込みは?

▼カイリ「今日もおかげさまでチケットがかなり売れているみたいで。本当に私たちの試合を楽しみにしてくれているファンの方がいっぱいいると思うんで。最後はこれ、インセインエルボーで会場をワッと沸かせて帰りたいなと思います」

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