プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

6/30【DDT】竹下が高木撃破で大田区に弾みも…負傷偽装の遠藤が無法KO

『Road to Peter Pan 2019』東京・後楽園ホール(2019年6月30日)
○竹下幸之介vsクリス・ブルックスvs高木三四郎×

 竹下が混戦の3WAYを制し、7・15大田区でのKO-D王座戦に向けて弾みをつけたが、試合後に王者・遠藤がリングに登場。左足首の負傷を偽装していた遠藤は松葉杖で竹下を痛打し、場外に投げ捨ててKOした。

 当初は7・15大田区のメインで激突するKO-D王者・遠藤と挑戦者・竹下、そして、その勝者に7・21後楽園で挑む新外国人・ブルックスによる3WAY戦が予定されていた。しかし、6・19墨田スポーツ健康センターでのプールプロレスで高木がいつでもどこでも挑戦権を行使。遠藤が返り討ちにしたものの、この試合で左足首を負傷したため欠場に。遠藤の指名によって、代わりに高木が3WAY戦に臨むことになった。ブルックスはファイトクラブプロを主戦場にしているイギリス出身の27歳。193cm、85kgでキャリアは12年を誇り、すでに様々なベルトを戴冠している実力者だ。

 若い竹下とブルックスに後れをとってなるものかと高木が序盤から奮戦。攻め込まれる場面もあったが、竹下を豪快な雪崩式ブレーンバスターでぶん投げた。これに松井レフェリーが巻き込まれてリング上が無法地帯になると、高木は無数のプラケースと改造自転車・ドラマティックドリーム号を投入。リングサイドで自転車を乗り回し、竹下とブルックスにラリアットをぶち込むと、リング上でもブルックスめがけて自転車で突進した。

 ブルックスはこれをトラースキックで迎撃。コーナーで座り込んだ高木の股間にラダーを突き刺すと、そこに自転車で突っ込んで大ダメージを与える。さらに、自転車を掲げてみせるが、竹下が肩車で自転車ごとブルックスを担ぎ上げると、不時着を許してもフロントハイキックで場外に蹴落とし、トペコンヒーロをお見舞いした。

 その後、3WAY戦らしく流れは二転三転。一時的な共闘や裏切り、切り返しや自爆が連鎖する。それぞれダメージを負い、ほぼ互角の展開。3人はリング中央でチョップ合戦を繰り広げた。

 先に仕掛けたブルックスは、プラケースを重ねて、そこに高木を顔面から叩きつけると、ラダーの上からダイビングセントーンを投下。だが、避けられてプラケースに激突してしまう。ここが好機と高木はすぐにフォールに行くが、竹下がダイビングボディプレスで破天荒にカットイン。ブルックスをブルーサンダーで追い詰め、ファブルの構えに。ブルックスは松井レフェリーを投げつけて阻止。ブラインドを突いて竹下に急所蹴りを放つと、必殺のプレイングマンティスボム(ダブルアーム式パイルドライバー)を繰り出した。

 決定的場面だったが、高木が松井レフェリーの足を場外から引っ張ってカウントを妨害。トペスイシーダを狙ったブルックスをプラケース攻撃で撃墜する。「チャンス!」と絶叫した高木はテーブルをリングに投入。そこに竹下を寝かせると、プラケースを持ってダイビングボディプレスを投下した。しかし、避けられて豪快に自爆。すかさず竹下がジャーマンスープレックスで3カウントをもぎ取った。

 接戦を制し、竹下が大田区決戦に弾み。マイクを持った竹下は次回後楽園で待ち受けるブルックスにKO-D王座戦実現を呼びかけると、その先に高木との防衛戦まで見据え、興行を締めようとする。そこに、包帯で左足首を固定して松葉杖をついた遠藤が登場した。

 大田区での勝利に絶対的な自信を見せる竹下は「遠藤。なんやかんや言うてもな、久しぶりのビッグマッチでのお前とのメインイベント。俺は楽しみにしてたんや。その足首の状態がどんなもんか知らんけど、頼むから7・15大田区はベストな状態で俺を楽しませてくれよ」と上から目線で言い放った。

 一方、遠藤は「竹下、こんな状況になって、お前の言う強さの意味。ちょっとわかった気がするよ。確かに今の俺は弱いかもしれない。でもな、どんな状態だろうが、足を引きずってだろうが、大田区のメインに立ってやるからよ。楽しみにしとけ」と悲壮感をあらわに。そんな王者に竹下は「くれぐれも俺に負けた時の言い訳にだけはせんといてくれよ」と通告する。

 これで興行は終了と思いきや、遠藤がまさかの動きに出た。竹下が背中を見せた瞬間、松葉杖で暴行。足の状況は万全のようで、軽々と竹下をトーチャーラックボムの要領で担ぎ上げると、無造作に場外へ投げ捨ててKOした。

 リング上でジャンプまでしてみせた遠藤は、セコンドの肩を借りて去っていく竹下を「このリングはだまし合いだ。そうだろ? これで俺の足の状態がどんなだかわかっただろ? この続きは大田区までとっておいてやる」とせせら笑い、「いいかお前ら、よく聞け。世の中には2種類の人間がいるんだよ。KO-D無差別級王者のこの俺と、まんまと見た目にだまされる間抜けな挑戦者だ。俺たちは群れない、媚びない、結婚しない。このマザーアースは俺たちDAMNATION中心に回っているんだ。そして最後に笑うのはこの俺だ!」と大田区直前の後楽園大会を締めくくった。

 遠藤の負傷自体が嘘だったのかは不明なものの、今現在、万全な状況なのは確か。だまし討ちして竹下を翻ろうした遠藤は、この勢いのままに大田区でもベルトを守り切る構えだ。

【試合後の竹下】
▼竹下「遠藤哲哉…。まあ、ベストコンディションならよかった。俺を投げるぐらいベストコンディションならよかった。これで7・15大田区は心置きなくプロレスを遠藤哲哉と見せれるんじゃないかって思います。よかったよかった」

――メインで対戦した高木選手とブルックス選手については?

▼竹下「この3WAYマッチは異例の3WAYマッチで。後楽園ホールのメインイベントを務め上げることをできたというのは自信になりましたね。クリス・ブルックスが素晴らしい選手、世界的に素晴らしい選手っていうのは皆さんももう知っていると思うし、僕ももう気づいているので。ということは、逆に大田区で勝ったら、翌週の後楽園ホールでクリス・ブルックスとシングルマッチがベルトを懸けてできるんで。そこで、もっと俺のほうが素晴らしいってことを証明するだけ。高木三四郎があそこまでできる選手っていうのは…。ぶっちゃけ、僕がデビューしてからの高木三四郎は正直ちょっとだんだん衰えてたんで。映像とかではチラチラ見てましたけど、あそこまでできるとは正直思ってなかったです。僕の親父より年上ですから。僕の親父より1個上なんで。その高木三四郎があそこまでできるとは思ってなかったですけど、リング上でも言った通り、シングルマッチで。竹下幸之介vs高木三四郎、これはDDTの最後の切り札だと思ってますんで。それでビッグマッチのメインイベントでタイトルマッチができるぐらいに僕はなれたらいいんじゃないかなと思いました」


【高木の話】「(遠藤を)怪我させたのは俺だから。あいつが指名したから、しょうがなくやりましたけど、もう事実上、ほぼセミリタイア状態で、メインイベントには極力出ないように出ないようにと、2012年が最後ですかね、してたんですけど、今日7年ぶりのメインイベントをやってみて、俺まだまだいけるなと思っちゃった。いやぁ、俺はまだまだいけるわ。最後は本当に確実に仕留めようと思って、念には念を重ねたのが敗因だから。あれがなければ…。でも、竹下が言う通り、あいつがもし大田区でベルトを獲ったら、俺はいつでもシングルマッチで挑んでやりますよ。もうちょっとだけ調整期間がほしい。そして、遠藤。お前が勝っても、今日メインイベントに俺を出したことは忘れねえからな。てめえともやってやる。そして、クリス・ブルックス。いいガイジンだな。ケニー・オメガが初めてビアガーデンプロレスに来た時に、あいつは本当は誰とやる試合だったかな? 飯伏だったか、HARASHIMAだったか、誰だったか忘れちゃったけど、それがまた怪我したんだよ。怪我して、俺がケニー・オメガと試合する羽目になったんだよ。なんかそれを思い出した。あの時も今日もアクシデントで期待の外国人選手となぜか試合をする羽目になって、あの時がフラッシュバックした。あそこからケニー・オメガは貪欲に成功して、今日もAEWの興行をやっている。それを思い出した。クリス・ブルックス…今日ハッキリ言おう。彼はDDTの新しいファミリーです。また必ず呼びます。定期的に呼びたい。彼を推薦してくれたファイトクラブのザキさん。ありがとうございました」

【遠藤の話】
――足の状態は大丈夫?

▼遠藤「折れてる。粉々だよ。ペースト状だよ、もう。見ての通り、カカトが消滅してるよ」

――リング上ではだまし合いと宣言したが?

▼遠藤「それはあいつが一番よくわかっているんじゃねえか。結局、あいつは何も変わってねえな」

――万全の状態で大田区には出る?

▼遠藤「万全だろうが、万全じゃなかろうが、結果はもう決まってんだよ。リング上でも言ったけど、最後に笑うのはこの俺だよ」

プロ格 情報局