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6/30【全日本】熱闘ヨシケン対決制す 宮原が盤石の三冠王座V5、ゼウスと崔が同時表明

『2019 DYNAMITE SERIES』最終戦 東京・後楽園ホール(2019年6月30日)
三冠ヘビー級選手権試合=○宮原健斗vsヨシタツ×

 宮原が熱闘となったヨシタツとのヨシケン対決を制し、三冠王座V5を達成。頂点の座を死守した最高王者にゼウスと崔が同時に挑戦を表明した。

 ついにヨシケン対決による三冠戦を迎えた。王者・宮原は5度目の防衛戦。ヨシタツは1年7ヵ月ぶり2度目の三冠挑戦で、「俺が三冠獲って5冠王になって全日本の歴史を作る」とヒストリーメーカー化を宣言していた。

 そのためにもヨシタツはGAORA王座戴冠時以来となるダークサイド・ヨシとして出陣した。プランチャで主導権を握ったヨシタツは、場外戦に持ち込むと、客席を区切る鉄板や「東」と刻まれた看板に宮原を投げつけていく。負けじと宮原は頭突きを皮切りに、攻勢に出るが客席からはブーイングも発生。それだけ多くのヨシアーミーが駆けつけた証だが、これこそが宮原が警戒していた点だった。観客を味方に付けたヨシタツは延髄斬り、バッククラッカー、スワンダイブ式ミサイルキックなど惜しげもなく大技を連発していく。顔面ウォッシュを浴びせると、エプロンに退避した宮原にDDTをお見舞いした。

 宮原はエプロンからダイブしてきたヨシタツをフロントハイキックで撃墜して反撃開始。場外ブレーンバスターや串刺しブラックアウトをもさく裂する。ヨシタツ幻想(ファンタジー)に捕まる場面も見られたが、すぐにロープにエスケープしてダメージを最小限に抑えると、雪崩式ブレーンバスターを狙う挑戦者の背後に回り込み、ジャーマンをズバリ。延髄への串刺しブラックアウト、投げ捨てジャーマン、正調ブラックアウトと猛攻に打って出た。

 さらに、宮原はヒザを付いたヨシタツにストンピングを乱射し、後頭部を踏みにじって挑発。これにヨシタツがキレた。激情を爆発させてビンタやニーリフトを乱れ打つと、ジャーマンで投げ飛ばし、コンプリートショットからヨシタツ幻想(ファンタジー)に。リング中央で絞めに絞めると、自ら技を解いてフォールへ。3連続で押さえ込むと、宮原はギリギリでキックアウトするのがやっとの状態に。ここでも歓声は真っ二つに割れる。

 追い詰められても勝負所を見逃さない宮原はCBJ狙いをフロントハイキックで撃墜。ブレーンバスター、後頭部へのブラックアウトで巻き返し、シャットダウンスープレックスを仕掛ける。粘るヨシタツはロープに噛みついてなりふり構わず意地の抵抗。隙を突いて右ハイキックをぶち込むと、ブラックアウトの直撃を食らっても倒れず、カウンターのCBJを繰り出した。

 再び決定機を掴んだヨシタツはヨシタツ狂想曲(ラプソディー)で勝負に出るも、宮原は間一髪で回避。CBJをキャッチすると、不時着させた瞬間、ブラックアウトで顔面を射貫いた。不死身のヨシタツは何度も立ち上がって場内を沸かすが、その心を折るかのように、宮原はブラックアウトをさらに2連発でグサリ。二段階ジャーマンはキックアウトされたものの、宮原は執念で両腕を絡み取り、シャットダウンスープレックスで接戦をものにした。

 白熱したヨシケン対決は宮原に凱歌。最高男が盤石の三冠王座V5を果たした。盟友と抱擁を交わすと、後楽園ホールは「ヨシタツ」コールに包まれる。このままハッピーエンドで興行はフィナーレになるかと思われた。

 そこに横やりを入れたのがゼウスと崔。2人はともに三冠挑戦に名乗りを上げると、宮原そっちのけで乱闘を繰り広げる。セコンドによって何とか混乱が解消すると、宮原は「忘れてないか、俺のことを! 忘れかけてたでしょ!」と絶叫。「健斗」コールがこだますると、気を取り直した最高男は「V5を達成したのはこの俺、宮原健斗だ!」と改めてアピールした。

 「次、挑戦者は誰が来るのか。後楽園ホールの皆様の正直な声を聞かせてくれ。宮原健斗と誰が戦うところを見たいですか?」と観客に問いかけたものの、「明日にしてくれ。今、終わったばかりなんだ。次から次へと次のことを考えるのは日本人の悪い癖だ」と次期挑戦者についてはあえて明言せず。最後はいつものように、「全日本プロレス、最高!」「宮原健斗、そして後楽園ホール、最高!」の雄叫びで締めくくった。

 「ヨシタツさんと出会えたのは俺にとってもプラスになっているし、そしてこのタイミングでヨシケンとして三冠戦をやれたということを誇りに思います」と絆を再確認した宮原は「今日、なにか1つ区切りがついたかなと。それはこれからどうなるのかわかりませんけど、1つヨシケンの第1章が終わった感じがします」とチームとしてもさらなる進化を視野に入れた。

 これまで幾度となく激闘を繰り広げてきたゼウスと崔は7・10後楽園で一騎打ちが組まれており、これが挑戦者決定戦となる公算大。2人同時の挑戦表明を受けた宮原に休息の時間はなさそうだが、「俺には2019年MVPという大きな目標があるんで。このベルトを離すわけにはいかないんでね。今日はV5ができて一安心。そして、明日からまた7月。新たな宮原健斗のヒストリーが始まる」と次なる戦いに思いを馳せていた。

【試合後の宮原】
▼宮原「よっしゃー。V5。いやあ、きついな。毎度のことながら…V5、毎度のことながらきつい。当たり前だけどね。ヨシタツ! ヨシタツさんと出会えたのは俺にとってもプラスになっているし、そしてこのタイミングでヨシケンとして三冠戦をやれたということを誇りに思います。ヨシタツさんという選手はいろいろ歴史があって、いろんな団体で戦ってきた選手だ。ただね、そのキャリアっていうのを俺は尊敬しているし、素晴らしいことだと思うし。それに今を生きている。そのキャリアに怠らず、今を生きている。だから僕はずっと組んでいるんだと思う。この独りよがりの大好きな宮原健斗がこれだけ同じパートナーと組むのはなにか意味があるはずなんですよ。それを昨日、考えた時に、やはりあっち側のキャリアをリスペクトしているから。そして、僕にとっても彼のキャリアがプラスになっているんで。まあ、第1章、ヨシケンのフィナーレかなと。今日、なにか1つ区切りがついたかなと。それはこれからどうなるのかわかりませんけど、1つヨシケンの第1章が終わった感じがします。そして次、さっそく挑戦者らしき者が現れて、乱闘寸前になっていたね。休む時間ねえな。本当に思います。次から次へと来て、次から次へと来るレスラーに挑戦者の刺客がある。どうなるのかは明日決まると思いますけどね。明日、楽しみにしててください。まあ、ヨシタツvs宮原健斗とということで、ハッピーエンドでよかったんじゃないですか? ただ、俺には2019年MVPという大きな目標があるんで。このベルトを離すわけにはいかないんでね。今日はV5ができて一安心。そして、明日からまた7月。新たな宮原健斗のヒストリーが始まる。とにかくありがとう、ヨシタツ」

――ヨシタツ選手がペイントをして現れたのを見て、どう感じた?

▼宮原「彼の自己プロデュース能力ですよ。なにかしてやろうっていうものはプロにとって絶対に必要なことだし、俺はやっぱりヨシタツさんの30日に向けての、自己の発信というか、自己プロデュースに関しては負けてましたよ。僕らはプロである以上、見た目で変わるのも1つの方法だから。やっぱりさすがですよ。あれは対宮原健斗というより対世間。ヨシタツという生き様を見せたかったんでしょう」

――シャットダウンを意外な形で返されたが?

▼宮原「俺は後ろにいたから見えない。ちょっとそれに関しては見えなかった。あのお客さんの反応が今まで味わったことのない逃げ方という反応だったから。さすがはワールド・フェイマスですよ」

【ヨシタツの話】「いやあね、俺、あんな凄いヤツと組んでたのかって、改めて今日、再認識しましたよ。俺はタッグパートナーに恵まれる人生だよね。凄いわ。本当に強い。真のチャンピオンだね。ぶっちゃけ最初、三冠巻きたいって言ったのは、やっぱり全日本の象徴だから。ぶっちゃけた話、最高位ってだけでそこまでのこだわりっていうのはなかったんだけどね。今日、そのこだわりができました。これ、俺は初めて言うからね。口に出すから。俺、三冠を巻きたいです。できるなら、健斗から獲りたい。でも、次に三冠に挑戦する時はヨシタツが獲らないと暴動が起きる…そのぐらいのお客さんの支持率になってからしたいと思います。革命失敗! 長州さんが引退してね。もう革命戦士って呼ばれる人間はいなくて。で、俺は革命狂戦士って少し前から名乗りだして。長州さんに『使っていいですか?』って言ったら、下を向いて笑って、『お前はいつまで経ってもバカだな』って言われたんですよ。これはOKだという意味だと思うんで、長州さんが引退された今、もう天龍さんもいないし、革命という言葉を使うレスラーはいないから。もう革命って言葉は俺の独占、専売特許にさせてもらおうと思います。革命狂戦士、革命第1弾達成ならず。でも、これからの俺はこの全日本で革命を起こしていきますよ。今日の応援ボードを見たでしょ? あれは全日本にない文化だから。俺は全日本の選手誰とも生まれも育ちも違うから。俺にできること、俺にしかできないことっていうのはああいうことだと思ったから。俺は全日本に新しいものをドンドン取り入れていこうと思います。たとえ、ああいう細かい応援のあんなものでもいいから、とにかく俺は新しい風を全日本に吹き込んで。毎日革命ですよ。毎日が革命記念日。We can do it! Stay Tuned!」

【ゼウスの話】「次の三冠は俺がやる。チャンピオン・カーニバルも俺があいつから取ってんのや、松江で。俺に権利あるやろ。あいつ、何しに上がってきたん? 舐め取ったらあかんぞ」

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