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7/17【全日本】執念の幻想葬 バトルヨシタツがシュレック返り討ちでコロナ王座V2

『2019 SUMMER ACTION SERIES』開幕戦 東京・後楽園ホール(2019年7月17日)
コロナプレミアインターコンチネンタル選手権試合 ○ヨシタツvs関根“シュレック"秀樹×

 ヨシタツが執念のヨシタツ幻想(ファンタジー)でシュレックを料理し、コロナ王座2度目の防衛を果たした。

 シングル2冠王・ヨシタツはこの7月、自らにタイトルマッチ2連戦を課した。その先陣を切って行われたのがこの日、自ら指名したシュレックを迎え撃ってのコロナ王座V2戦だった。

 ブラジリアン柔術の猛者・シュレックは「俺に関節技は通用しない」と豪語。そこでヨシタツはここまでの7月3大会であえてヨシタツ幻想(ファンタジー)を温存してきた。ヨシタツ狂想曲(ラプソディー)で勝負するのか、ヨシタツ幻想(ファンタジー)で勝負するのか、挑戦者に対する揺さぶりをかける意味合いもあった。

 この日、ヨシタツはスパッツ姿のバトルヨシタツで出陣。のっけからスピニングトーホールドやコブラツイストといったプロレス技を仕掛けたものの、ことごとく逃げられてしまう。逆にサイドスープレックス、フロントネックチャンスリードロップと怪力を発揮するシュレックに投げられまくった。ならばと延髄斬りで反撃し、フロントハイキック連打やスワンダイブ式ミサイルキックを浴びせたが、ブレーンバスターで叩きつけられると一本背負いからの腕ひしぎ逆十字固めに捕まった。

 それでもヨシタツは終盤になってようやくヨシタツ幻想(ファンタジー)の禁を解いて絞め上げた。力ずくで持ち上げられてパワーボム状態で逃げられ、フロントネックロックに捕まったが、意地でもギブアップせず。電光石火のCBJをさく裂させると、ヨシタツ狂想曲(ラプソディー)で追い討ちをかけ、最後はヨシタツ幻想(ファンタジー)で絞め上げてから3カウントを奪った。

 ヨシタツが苦戦の末にシュレックを下し、コロナ王座2度目の防衛に成功。シングル2冠の座も守り抜いた。「関節技で負けないって言ってたでしょ? ふざけるなって。俺、ヨシタツだよ? そんなんでじゃあ、関節技をやめますって言うと思います? 最初からね、俺はヨシタツ幻想(ファンタジー)狙いですよ」と言い切ったように執念でもぎ取った勝利だった。が、最初のヨシタツ幻想(ファンタジー)は怪力で逃げられ、「今日が初めてですよ、あんな持ち上げられて返されたの。今まで逃げられたことない。返されたことは1回もないんですよ。宮原健斗でも、諏訪魔でも逃げてない」と舌を巻くばかり。「正直プロレスの技術はまだまだだけど、逆に言ったら、プロレスの技術がまだまだであんだけやれるってことは、これから経験を積んでいったら…プロレスの経験ね。恐ろしいレスラーになりますよ」とシュレックのポテンシャルを認め、「指名してよかったと思います」と充実感に浸った。

 「強い挑戦者、誰でも募集しているんで。挑戦したい人どうぞ」と募ったヨシタツ。青いベルトとともにシングル2冠王の座も守り抜き、次はこの日の「ヨシタツ甲子園」を制したTORUを7・27大阪で迎え撃つGAORA王座初防衛戦を控える。ヨシタツの過酷な夏はまだ始まったばかりだ。

【ヨシタツの話】「今日の試合、見てもらったらわかると思うけど、試合中に作戦がコロコロと変えましたよ。そうしないと正直勝てないと思った。最初はもう、彼の得意なスタイルでいこうとしたけど、ちょっと分が悪いなと思って。じゃあ、どっぷりプロレスのムーブでいろうと思ったけど、スピニングトーホールドやろうと思ったけど決まらないし、アブドミナルストレッチ、コブラツイストもやろうと思ったけど、入る瞬間にああなっちゃたしね。ああ、これはプロレスも効かねえなと思って、本当に途中途中でいろいろ作戦を変えてやって。でもね、ずっと陽動作戦じゃないけど、俺は関節技で負けないって言ってたでしょ? ふざけるなって。俺、ヨシタツだよ? そんなんでじゃあ、関節技をやめますって言うと思います? 最初からね、俺はヨシタツ幻想(ファンタジー)狙いですよ。ずっと。だからこそ、あえて前哨戦で出さなかった。最後あれ一本狙いだったけど、初めてだったね、返されたの。今日が初めてですよ、あんな持ち上げられて返されたの。今まで逃げられたことない。返されたことは1回もないんですよ。宮原健斗でも、諏訪魔でも逃げてない。彼はだからもう、落ちないから、痺れを切らして俺はカバーをするけど、ああやって逃げられたのは今日初めてだからね。最後も本当だったら、CBJのあと、ヨシタツ狂想曲(ラプソディー)で本当だったらあそこで1、2、3でしょ? 俺はカウント行かずにいったでしょ? ヨシタツ幻想(ファンタジー)に。あれはね、どうしても絶対取ってやろうと思った、関節技で。でも、取れなかった。諦めて、1、2、3にしたけどね。まあ、いいんだよ。これはプロレスだし、俺はレスラーなんでね。彼はたぶん、プロレスで今日が初めての負けだと思う、たぶん。いろいろ調べても、ハードヒットでも無敗だし、全日本でも彼が取られたことはたぶんないんで。今日が彼のプロレスで初めての負け。初めて3カウントを取られた。いやもう、正直プロレスの技術はまだまだだけど、逆に言ったら、プロレスの技術がまだまだであんだけやれるってことは、これから経験を積んでいったら…プロレスの経験ね。恐ろしいレスラーになりますよ。俺と一緒だね。彼は成長期だよ。全盛期じゃなくて成長期。まあ、指名してよかったと思います。もう強い挑戦者、誰でも募集しているんで。挑戦したい人どうぞ。We can do it! Stay Tuned」

【試合後のシュレック】
――プロレスのタイトルに初挑戦した感想は?

▼シュレック「勝てると思ったんですけど。途中、もう勝ちパターンだと思ったんですけど、いつの間にか。いやあ、体力凄いなあと思って。最後のほうはやっぱ力が抜けちゃって。ヨシタツ選手はそこで逆に力を出してくるっていう。凄えなと思って。延髄斬りでしばらく記憶がおかしくなっちゃって。延髄斬りは効きました。子供の頃、延髄斬りって真似してたんですけど、確かに延髄や後頭部を蹴られたらおかしくなっちゃうっていうのはビックリしましたね」

――パワーで投げつけて歓声も飛んでいたが聞こえた?

▼シュレック「聞こえましたけど…。これはおそらくですけど、攻めているように見えて、段々向こうのプランにハマっていっちゃったのかなと思って。途中から何か熱くなっちゃって、ペース配分なんか何も考えずにやってたんでね。普段、格闘技とか柔術の試合だと、自分のパワーを出すことはほとんどなくて、10分戦っても、20分戦っても、別に息も切れないような感じだったんですけど、いつの間にか、スタミナが全部取られちゃってて。やっぱやる前から心配してたんですよね。彼はアメリカでも新日本でも戦ってて、とにかくくせ者だっていうことで。わかっていながらも失敗しましたね」

――プロレスの力配分がうまくできてない?

▼シュレック「そうかもしれないです。ただ、1つ言えるのは、そうだとしても、プロレスラーの体力はちょっと違うのかなっと思って。僕らが5分×3ラウンドとか、チャンピオンシップでも5分×5ラウンドとかで、1分休憩が入ってやるわけですけど、プロレスはずっと相手と対峙しているんで。休む時間、呼吸を整える時間がないっていう。その呼吸を整えるタイミングとかが、彼が自分よりもう少しできるのかなと思います」

――今後については?

▼シュレック「自分はもともとプロレスラーが夢だったんで。本当に今、最初の一歩を踏み出したばっかりなんで。言ってみれば、どのジャンルでもそうですけど、例えば僕の柔術。僕は全日本の無差別級のチャンピオンなんですけど、そこに柔術始めて1年の子が挑んできたら、どんなポテンシャルを持ってても、それは勝てないですよね。まあ、自分も一応同じ格闘技として、1つ勝負できるものを持っているので、なるべく早くアジャストして、一線級の人たちに挑んでいきたいと思います」

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