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7/30【新日本】棚橋4連勝で2位タイ浮上「ハイフライで波起こす」 EVILを高松メインで熱闘撃破

『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』香川・高松市総合体育館第1競技場(2019年7月30日)
Aブロック公式戦 ○棚橋弘至vsEVIL×

 EVILとのサバイバル戦を覚悟のハイフライフローで制し、棚橋がG1で4連勝。Aブロック2位タイに浮上した逸材は「ハイフライで波を起こします。やりたくなくて、ハイフライを使わなくなったんじゃなくて、飛ぶ勇気がなかったから飛べなかった。でも、覚悟を決めたんで」と悲壮な決意をあらわにした。

 棚橋が3勝2敗で並ぶEVILと生き残りを懸けて対戦した。連覇を狙ってG1に臨んだ棚橋だったがオカダ、KENTAに連敗スタート。その後は3連勝を飾っているものの、上位につける2人に直接対決で敗れているだけに、これ以上は負けられない。前戦のSANADA戦ではこのG1から解禁したハイフライフローで初めて3カウントを奪って復活を印象つけたものの、翌日のEVILとの前哨戦ではヒザを攻撃されて苦もん。不安を感じさせながら高松大会を迎えた。

 ヘッドシザースホイップや反転式のダイビングボディアタックなどヒザのダメージを感じさせない空中戦で先手を取った棚橋に対し、EVILはロープ際でのラリアットで場外に叩き落とした。そして、棚橋の首にパイプイスを固定すると、別のイスでカチ上げていく。さらに、リングに戻ると、ヒザ攻めに着手。足4の字固めに捕らえると、棚橋の表情が苦痛で歪んだ。

 棚橋はセントーンを自爆させて反撃の狼煙。フライングフォアアーム、ダイブ式サマーソルトドロップ、ドラゴンスクリューと得意技で攻め立てる。場外に叩き落とされそうになってもロープを掴み、逆上がりでリングに帰還した。その瞬間、EVILに襲われてジャーマンで投げ捨てられたものの、横からのショルダータックルを読んでスリングブレイドを敢行。さらに、捨て身のハイフライフローアタックを場外のEVILにぶち込んだ。

 自らも右ヒザにダメージを負い、棚橋は場外で苦もん。そんな逸材をEVILは見逃さない。セコンドの辻陽太を利用して、1人マジックキラーを強行。試合イーブンに戻し、2人は同時に場外カウント19でリングに滑り込んだ。

 EVILはその後もヒザを何度も蹴り飛ばしたが、ここで棚橋がひらめきを発揮。EVILが得意とするレフェリーに相手の足を持たせての攻撃を真似て、低空ドロップキックを突き刺した。すかさずグランド式ドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールドへ。これが決まらないとみるや、トライアングルスコーピオンまで狙っていく。悲鳴をあげたEVILは完璧に決まる前に何とかロープに逃れた。

 一転して苦しい展開になったEVILだったが、強引にラリアットをぶち込んで活路を開く。串刺しラリアット、コーナー最上段からの雪崩式ブレーンバスター、ダークネスフォールズと惜しげもなく大技を連発し、EVILを予告する。打たせない棚橋はツイスト&シャウト3連発からスリングブレイドをズバリ。ハイフライフローで勝負に出るも、EVILはヒザを突き立てて撃墜した。

 どちらも余力はあとわずか。2人は気迫全開でエルボー合戦を繰り広げる。3連打、4連打が交錯し、打撃戦が激化していくが、EVILはラリアットで押し切る。さらに、ロープに走ってもう一発お見舞い。今度こそとEVILへ。棚橋は昨年と同じく逆EVILを狙ったものの、頭突きを受けると腰砕けに。それでもEVIL狙いをかいくぐってドラゴンスープレックスホールドで投げ飛ばすと、ハイフライフローアタックから正調ハイフライフローに繋げて執念の3カウントをもぎ取った。

 ヒザ攻めで苦しみながらも、何とかEVILを返り討ちにして棚橋は4連勝。これで飯伏、KENTAと並んで2位タイに立った。首位のオカダとは4点差あり、苦しい状況には変わりないが、それでも連覇の可能性を繋いだ形に。

 棚橋は満身創痍の中、観客の声援に応えて、エアギター3連発を披露し、「G1 CLIMAX、ちょっくら2連覇してきます」と宣言。「高松の皆さん、愛してま〜す」の雄叫びで大会を締めくくると、足を引きずりながらも、リングサイドの観客たちと抱擁を交わしてファンサービスをやりきった。

 バックステージでは「ハイフライで波を起こします。やりたくなくて、ハイフライを使わなくなったんじゃなくて、飛ぶ勇気がなかったから飛べなかった。でも、覚悟を決めたんで」と決意を告白。「小っちゃい子も女の子もいっぱい応援してくれているから。この間も言ったけど、自分との、自分の気持ちとの戦いです。先入観を壊す。弱い気持ちにも負けない。これで勝ち星先行。よし。諦めない」と改めて連覇を見据えた。

 次の公式戦は8・3大阪。棚橋は昨年の優勝戦を争った飯伏と対戦する。一方、痛恨の3敗目を喫したEVILはオスプレイ戦となる。

【棚橋の話】「ハイフライで波を起こします。やりたくなくて、ハイフライを使わなくなったんじゃなくて、飛ぶ勇気がなかったから飛べなかった。でも、覚悟を決めたんで。小っちゃい子も女の子もいっぱい応援してくれているから。この間も言ったけど、自分との、自分の気持ちとの戦いです。先入観を壊す。弱い気持ちにも負けない。これで勝ち星先行。よし。諦めない。そして、EVILにひとごと言っておこうかな。ちょっと上から言われるのは本人気に食わないかもしれねえけど、凄えレスラーになったな」

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