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7/30【大日本】吉野と関札最後は衝突で奪還ならず TAJIRIがBJWジュニアV2、フランク迎撃を宣言

東京・後楽園ホール(2019年7月30日)
BJW認定ジュニアヘビー級選手権試合3wayマッチ ○TAJIRIvs吉野達彦vs関札皓太×

 TAJIRIが吉野と関札の本性をさらけ出させたうえで勝利し、BJWジュニア王座V2。試合後、襲撃を受けたフランク篤を挑戦者に指名し、明日から遠征する香港での防衛戦強行も示唆したTAJIRIはグレート小鹿とのタッグ結成も電撃決定した。

 TAJIRIが5・5横浜文体でBJWジュニア王座を奪取。神を自称するこの男からのベルト奪還はストロングJ勢にとっては急務だ。6・23後楽園大会で谷口がTAJIRIの軍門に下った試合後、吉野と関札が同時に挑戦を表明し、3WAYマッチによるタイトルマッチがこの日実現した。

 共闘を示唆していたパーティーボーイズの二人はやはり共同戦線を張り、TAJIRI料理に乗り出した。TAJIRIが場外に出てすかしても、二人がかりで追いかけてリングに戻す。TAJIRIが反対側に転がり下りて、南側客席に逃げても、二人で追いかけて通路で挟み撃ちに。二人がかりで殴る蹴るの暴行を浴びせた。吉野に佐久田がタッチして二人は完全にタッグマッチの感覚で、関札が逆片エビ固めで捕らえると、コーナーに下がってきた吉野がやってきてダブル逆エビ固めで拷問にした。

 TAJIRIも連続串刺し攻撃を阻止し、ショルダースルーで吉野を場外に投げ飛ばすと、ハンドスプリング、スライディングキックで吉野を徹底攻撃。そこへ関札がキリモミ式プランチャを発射して吉野を出し抜いた。逆水平を連発した関札はTAJIRIが狙ったレフェリーとの激突を阻止して急所を蹴り上げる。吉野もミサイルキックでTAJIRIに追撃した。

 だが、吉野のランニングエルボーが関札に誤爆してしまう。それでも関札がコードブレイカーでTAJIRIを止めたところに吉野がダイビングセントーンを投下。場外に転落したTAJIRIにダブルスライディングキックを放ったものの、TAJIRIはエプロンマットを二人にかぶせてディフェンス。スリーパーで絞め上げ、バックドロップで叩きつけるとなど関札をローンバトルに追い込み、トラースキックをぶち込んだ。

 それでもパーティーボーイズはダブルランニングニーをぶち込み、吉野がカバーに入ったが、関札が妨害して2カウント止まり。TAJIRIは関札をパイルドライバーで突き刺し、バズソーキックをぶち込んだ。吉野がカットに入り、関札をカバーすると、高笑いを上げた。それまで共闘していた二人がついに本性を現した瞬間だった。

 二人まとめて逆さ押さえ込みで丸め込んだTAJIRIは、吉野と関札を正面衝突させると、グリーンミストの構え。関札は吉野を盾にして回避したが、吉野がもん絶する横でTAJIRIはローキックで関札にヒザをつかせるとバズソーキックをぶち込んで3カウントを奪った。

 TAJIRIがBJWジュニア王座2度目の防衛に成功。戦前の予告通り、吉野と関札から本性=個人の欲を引き出したTAJIRIは、「本性出たね。これで彼らやっと本当のプロレスラーの道の第一歩、踏み出したと思うよ」としてやったりだ。試合後には予想外の男が牙をむいてきた。この一戦のレフェリーを務めたフランク篤だ。試合中も強硬にクレームをつけるTAJIRIを突き飛ばすなど、ひと悶着を起こしていたが、試合後もドロップキックを連発してTAJIRIを場外に吹き飛ばすと、なおも飛びかかって殴りつけた。これにはTAJIRIも「じゃあ7日、空いてるなら、この会社がOKするなら、あのフランク何とかって奴、あいつとこのベルトかけてやってやるよ。だってあいつジュニアだろ?」と受けて立つ構えをみせ、8・7上野大会を舞台に指定。明日から香港遠征に旅立つといい、「誰とやるか俺、知らないんですけど、向こうでもしシングル組まれたら勝手にベルトかけちゃうよ」と防衛戦を強行する構えをみせた。

 そして試合後にもう一人、想定外の人物がTAJIRIの前に現れた。グレート小鹿会長だ。「この試合は何だコノヤロー。俺とTAJIRIの試合は違うよ。俺はもっと根性込めてやったよ」とTAJIRIに批判をぶつけると、「俺が身元引受人になってやるから、心入れ替えてこい。わかったかコノヤロー! お前の根性みてみたいよ。8月6日の上野、俺のパートナーになれ、お前は。心を入れ替えて正々堂々と戦う姿をみてみたい」と一方的に8・6上野大会でのタッグ結成を打診。困惑するばかりのTAJIRIの手を引っ張って控室へと連れ去った。

【試合後の吉野、関札、TAJIRI】
▼吉野「もうどんな評価されてもいいですよ。わかんなくなったプロレスが。わかんない」

▼関札「途中まではよかったんですよ、途中までは…」

▼吉野「一人じゃかなわないから二人でいったけど、それで勝てなかったんですよ。どうしたらいいんですか? わかんないよ」

▼関札「二人で技決めて…」

※TAJIRIがやってきて

▼TAJIRI「君たちはね、たいしたもんだよ。たいしたタマだよ。だって最後さ、あれだけきれいごと言ってて裏切ってんじゃんお前ら! 本気が見えた君たちの。本気でやった、偉い。今俺、クソジジイから身元引受人になるから心入れ替えろって言われたけど、心入れ替えて身元引受人になってあげようか? だってどこにいっていいかわかんないでしょ?」

▼吉野「わかんない。俺らの仲どうしてくれるんだよ?」

▼関札「どうやっていいかわかんねぇよ」

▼TAJIRI「だけど、こっから君たちの本当の人間性が出て始まるんだよ。むしろ感謝してもらいたい。でも、そんな偉そうなこと言わないよ。君らは凄いよ、凄い。とりあえずそんな感じ。考えといて」

※TAJIRIが去ると

▼吉野「ダメだ。もう一回ゼロからやろう」

▼関札「いや、もうマイナスっすよ」

▼吉野「マイナスでいいよ。誰に頭下げてもいいよ。あんな憎かったTAJIRIに頭下げても…」

※TAJIRIが戻ってきて

▼TAJIRI「また俺きたけど(頭を)下げなくていいよ。君たちの気持ちわかってるから」

▼吉野「ベルトあきらめてないから」

▼TAJIRI「これは俺のものじゃない、みんなのものだから。わかってる、わかってる。まぁ一晩考えてみてよ」
※TAJIRIが去ると

▼吉野「全部吸収しよう、これから。ゼロからやろう。マイナスでもいいよ。あんな奴からでも。チームじゃないんだよ。神って言ってるからさ」

▼関札「どうなるかわからないけど、あいつにもよさはあるから、近くにいてそれを自分たちが身につけて糧にするっていうのも…」

▼吉野「チームじゃないよ。神に言っといてくれよ。俺たちがもう1個先にいくために何でもやるよ」

▼TAJIRI「(小鹿は)好き勝手なことばっか言ってるね。俺も好き勝手言うよ。あのあいつ、レフェリーの小っちゃい奴。あれ、むかついたな。ジジイ、じゃない小鹿さんが8月6日、タッグ組むって言ったのはいいよ。先行き長くない老人の希望聞いてあげるよ。じゃあ7日、空いてるなら、この会社がOKするなら、あのフランク何とかって奴、あいつとこのベルトかけてやってやるよ。だってあいつジュニアだろ? 俺も好き勝手やるよ。明日から俺、香港行くんだよ。向こうで防衛戦やっちゃうよ。このベルトの価値上がるよ」

――最後はTAJIRI選手の予想通り吉野と関札の本性が出たが?

▼TAJIRI「本性出たね。これで彼らやっと本当のプロレスラーの道の第一歩、踏み出したと思うよ。みんなクレームこないようなプロレスやってんじゃん、どいつもこいつも。クソ食らえですよ。そうじゃねぇんだよプロレスラーって。逆の生き物だよ。これはあいつら、たいしたもんだと思うんですよ。最後さらけ出した。たぶん、引退するまでできない奴の方がこれから増えてくると思うんだよ。だから立派なもんだな」

――フランクはタイトル戦線が遠ざかっているが?

▼TAJIRI「遠ざかってる? だったらなおさらやりたいですね。防衛回数どんどん伸びるんで。楽勝間違いないでしょ」

――香港での防衛戦の相手は?

▼TAJIRI「誰とやるか俺、知らないんですけど、向こうでもしシングル組まれたら勝手にベルトかけちゃうよ。けど、なかなかのメンツが来るらしい。DRAGON GATEからも来るらしいよ、そういえば。私の動向から目を離さない方が面白いものがみられるかもしれません」

――小鹿がリングに上がった時はどんな気持ちだった?

▼TAJIRI「昭和のプロレス大好きなんで、あのジジイ、じゃねぇや。小鹿さんにもう一度お近づきになって昔の話を聞いてみたいなって思ってたんですよ。昔のプロレスの話ってみんな継承する意欲も元気もない人たちばっかりなんで、逆に俺が聞いてこれから語り継いで継承していかなきゃなって。いろんなエキスを小鹿さんから吸収したいね。俺は認めてるんだよ。偉そうなこと言っちゃった。小鹿さんも関札君も吉野君も。大日本って何ていうのかな。シャバに対する尊厳みたいなものをみんな凄ぇ持ってるというか、そういう男臭い、かっこいい奴らが集まってる、そういう団体じゃないかなって。昔からそうなんだけど、俺がいた時からそうなんだけど、そこが好きなんだよ。別にゴマすってるわけじゃないよ。ホントにそう思うから言っちゃうだけで。今日の二人も小鹿さんもそれは感じる。そういえば、試合終わった後、視界に入ったんだよ一人。誰だあれ? 青木か…」

【試合後のTAJIRI、小鹿】
▼小鹿「お前が大日本プロレスを出てから23年、もしくは20年だ。このように日本で大日本プロレスからみんなに評価される部分がある。それはみんなの力。ただ、お前は心入れ替えてもう一回、俺が身元引受人になるんだから、二人でやってくれよ」

▼TAJIRI「会長こそ朝、徘徊して身元引受人が必要なような感じがするんですけど…」

▼小鹿「うるせぇバカヤロー! とにかく8月6日、上野でタッグ組む。試合してみようじゃないか。本当にお前のこと心配してるからこういうこと言えるってこった。俺はそういう気持ちでいるから。ウチで育ったレスラーがウロウロしてるんじゃなく、世界に信用してもらえるレスラーになってほしい。心配してる。8月6日、楽しみにしてるよ」

▼TAJIRI「寝た方がいいですよ」

▼小鹿「寝るのも起きるのもお前の勝手だ」

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