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8/30【MASTERS】武藤が“ホーム復帰戦"豪華トリオで快勝 ラスト参戦のライガーはサムライとサプライズ再会、タッグ熱望

『新体感ライブ Presents 武藤敬司プロデュース PRO-WRESTLING MASTERS』東京・後楽園ホール(2019年8月30日)
○武藤敬司&馳浩&獣神サンダー・ライガーvs永田裕志&中西学&西村修×

 武藤が1年半ぶりとなった“ホーム"とも言えるMASTERS復帰戦で馳&ライガーと豪華トリオを結成し、第三世代に快勝。最後のMASTERS参戦となったライガーだったが、サプライズで来場したエル・サムライとのタッグ結成を熱望した。

 2017年2月にスタートしたMASTERSに初回から参戦しているライガーは来年の1月の新日本東京ドーム大会で引退が決定。今宵が最後のMASTERS参戦となった。90年代の新日本マットをともに輝かせた武藤&馳との豪華トリオで、後輩にあたる第三世代の永田&中西&西村と激突した。武藤は6月の長州引退興行で両ヒザの人工関節設置手術から1年3ヵ月ぶりに復帰。プロデューサーを務めるMASTERSには1年半ぶりの登場となった。

 武藤&馳&ライガーはそれぞれのテーマ曲に乗って入場。ライガーを激励に、かつてのライバルであり、パートナーでもあったサムライがサプライズで花束を持って登場すると、場内は沸騰する。サムライがそのままセコンドに付くと、ライガーは自ら先発を買って出て西村と対峙。熱のこもった力比べを展開する。ライガーに感化されたように、他の2人も奮戦。馳が中西にリバースインディアンデスロックや鎌固めを決めれば、武藤もスピーディな動きでフラッシングエルボーやSTFで永田を攻め立てる。

 守勢が続いた第三世代だったが、ライガーに照準を絞って逆襲。中西はベアハッグやアイアンクロー、西村はスリーパーや首4の字固めで絞め上げてスタミナを奪う作戦に出た。苦しい展開がしばらく続いたが、ライガーはランニング掌底を永田にぶち込んでピンチを脱する。

 代わった馳は現役さながらのドロップキックから得意のジャイアントスイングで16回転ぶん回す。大歓声を巻き起こすと、ノーザンライトスープレックスの構えに。これを防いだ永田は熱のこもったエルボー合戦を仕掛けると、裏投げとエクスプロイダーが交互に3度ずつさく裂し、両者大の字に。その激しい攻防に後楽園ホールは大きな手拍子に包まれた。

 馳に負けじと、代わった武藤も魅せる。西村に低空ドロップキックを突き刺すと、ドラゴンスクリューから足4の字固めに捕獲した。西村が反転して抵抗すると、第三世代は合体。永田&中西のイーストゴールド(延髄斬りと上からドン!の同時弾)から西村がダイビングニードロップで続き、武藤をスピニングホールドを捕らえると、永田はナガタロックI、中西はアルゼンチンでライガーたちを分断した。

 窮地を迎えた武藤は一転してドラゴンスクリューからシャイニングウィザードを突き刺すも、ガードした西村はコブラツイストに固める。そのままグラウンド式に移行するが、これを利用し、後転して立ち上がった武藤はシャイニングウィザードを2連発でぶち込み、3カウントを奪取した。

 サムライを加えた4人で勝ち名乗りを受けると、永田たちとも握手を交わす。ここで馳がマイクを持つと、「永田。戦うのもいいけどよ、今度俺と組んで、小島と天山とやろう」と突然タッグ結成をアピール。永田は正パートナーの中西を気にするが、馳は「中西はいいんだよ。専修大学の後輩だから」と断言した。

 続いて、ライガーも「馳先生がこういうこと言うなら、俺も武藤選手に1つ言いたい」と話し始め、「俺は来年の1月で引退する。もうMASTERSは8月までないって言ってたけど、どっかで踏み込めよ」と大会開催を求めた上で、「そうしたら、俺はエル・サムライ、あなたとタッグを組みたい」と熱望。「見たいよな?」と観客に確認して大歓声を呼び込むと、「武藤選手、よろしくお願いします」と頭を下げた。大声援を受けて、無理矢理にマイクを渡されたサムライは「本当に誠に申し訳ありませんが、ちょっと試合はできないと思いますので…。ヒザが痛くて無理です」と恐縮しながら固辞した。

 最後にマイクを受け取った武藤は「本当にみんなプロレスラーは滑舌が悪いねえ」とこぼして笑いを誘うと、「先生、ライガー、MASTERSのプロデューサーは俺だから、勝手にマッチメイク決めないで」と注意し、「たぶん、次のMASTERSは2月にやります。先生は国会が忙しいから2月は無理だから、8月にまたあるからさ」と状況を説明。ライガーには「その時に。ライガーは引退するけど、必ずいつかまたプロレスをやりたくなるからさ。必ずMASTERSに戻ってきてよ。先生だって引退しているけど、まだプロレスやってるじゃん」と将来的な参戦を求めて、何とかその場を収めた。最後に「永田、中西、西村、まだまだ青いなあ」と第三世代に呼びかけて、「今日は本当にありがとうございました」と後楽園大会を締めくくった。

 バックステージでも「また呼びけどさ。ほとぼりが冷めたら」とライガーへの継続オファーをほのめかしてた武藤。試合中にヒザを攻められる場面もあったが、「不安は凄かったけど、持ちこたえたね、今日は。ただ、やっぱりまだ不本意っていうかさ、まだ理想としているところではないですよ。逆に言ったら、まだそれだけ発展する余地があるというか」と万全とは言えないまでも気持ちは燃えている。WRESTLE-1の9・1横浜文体、全日本の9・8石川、ノアの9・16大阪とここから連戦となるが、「この連戦をまた乗り切ったら、凄い俺にとって自信になるというか。頑張りますよ」と前向きに宣言した。

【試合後の武藤&馳&ライガー&サムライ】
▼武藤「ライガー、最後なんで」

※コメントブースの中央に座らせようとする

▼馳「最後じゃないんじゃない?」

▼武藤「また呼ぶけどさ。ほとぼりが冷めたら。ライガー、本当にありがとう」

▼ライガー「馳選手、ありがとうございました」

▼馳「ありがとうございました」

▼武藤「いやあ、プロレスはいいなあ、実に。自分でやってて元気になるよ」

▼馳「いい汗かいてるじゃん?」

▼武藤「先生体力あるなあ」

▼ライガー「体力ある。あのジャイアントスイングはビックリした。あんな回せないよ」

▼武藤「俺、実は中西が来た時、手を出すフリして引っ込めてたからね。なんか鈍くさそうでさ。馳先生、率先して手を出したもんね」

▼ライガー「元気」

▼馳「いや、このリングがあるから、毎日頑張れるよ」

▼ライガー「あと、サムライ選手が。最初、本物かなと思ったら、喋ったら本物だった(笑) サムライ選手とはね、お客さんに言ったように、もし1月までにMASTERSがまたあるのであれば」

▼武藤「人工関節紹介するよ」

▼ライガー「人工関節入れて、僕とタッグを組んで。よろしくお願いします」

▼馳「OK。俺、このあとまた公務があるんで」

※武藤以外はここで去っていく

▼武藤「じゃあ、みんなの代表で。今から金沢帰らなきゃいけないから」

――今日はヒザを攻められたが、試合をしてどうだった?

▼武藤「いや、不安は凄かったけど、持ちこたえたね、今日は。ただ、やっぱりまだ不本意っていうかさ、まだ理想としているところではないですよ。逆に言ったら、まだそれだけ発展する余地があるというか。また次の時までは。ただ、次っていうか、ここで連戦なんですよ。明後日も横浜文体で試合があって、1週間後にはそれこそ金沢で試合があって、その1週間後にはノアで試合があって。この連戦をまた乗り切ったら、凄い俺にとって自信になるというか。頑張りますよ」

――馳選手の戦いを見て、触発される部分はあった?

▼武藤「それはもちろんそうですよ。歳を取って…歳を取ってって自分で言いたくないけど、キャリアを積んで。先生だけじゃなく、いろんなものに、日頃感動すること全部取り入れて練習したりとか、今してますよ。それはもう、些細なことで、後輩が頑張っている姿であったり、家族で頑張っている姿とか、いろんなものを吸収して、感動して、それで自分のエネルギーに変えて頑張ってますよね」

【試合後の永田&中西&西村】
▼中西「久々に試合をやらせてもらったら、こんな大きな大会で、記念の大会やったから、なんかもったいない気がしてしょうがない。もっと体を慣らして、思いっきりいきたかったんやけど、悔しいな。次、またもう1回出たいですね」

――永田選手は馳選手と激しくやり合ったが、どんな気持ちだった?

▼永田「一番張り切ってましたね、向こうのチームの中で。先生とは久しぶりで。やっぱり僕らが若い時に『1つ1つの試合に常に気持ちを込めて、余すことなく気持ちを高めて臨め』って教わったんですけど、それを今でも忠実に守っているなと。そういうのを見ると、かつて教わった香りというか、そういうものを思い出しますね。そのままそれを忠実に思いながら日々戦っている自分が…。俺が今やっていることは間違ってないなと、そういう風に感じました。やっぱり意地を張って向かっていかないと。一発投げられたら、僕も投げ返したし、そしたら向こうがフラフラになりながらも立ち上がってくるところは馳さんらしいなと。あとは、武藤さんとはあまり絡みがなかったですけど、ライガーさんは新日本プロレスの中で、本当に我々世代にとって、最後の大きな背中を見せてくれる手本というか、そういう先輩なんで。やっぱり馳さんも武藤さんも新日本プロレスを離れてしまっての先輩としての立場で、たまたまこういう形で今日はそういう姿を見れましたけど、ライガーさんとは、僕が27年ずっと新日本にいる中で、ずっと僕らにあの大きな背中というか、我々の手本になるような背中を見せてくれたんで。今度1月4日、5日で最後引退されてしまうんでね。次は僕らが後輩たちに背中を見せる番というか。まあ、もう見ているのもいるかもしれませんけど、後ろ指指されないように、背中ではドッシリとして、若いヤツらが一目置くような背中を作っていきたいなと。そういう上では、宣伝を兼ねてですけど、今度は9月8日に東金アリーナで、我々第三世代とライガーさんが組んで、BULLET CLUBと戦うと。今日は戦ったんでね。今度は組むことで、ライガーさんの新日本イズムというのを横にいて感じられたらと思います」

▼中西「いいこと言うし、宣伝もするし、凄いな(笑) さすが永田裕志。本当にこの戦った中で一番年上は馳さんなんですけど、一番気分が乗ってたし、チョップもやっぱり凄かったです。久々にやり合って。久々の試合やったから、もうちょっと試合を挟んでからやりたかったなと思って。次の大会があったら、ぜひ呼んでほしいです。もっとやってみたい。久しぶりに芯と芯でぶつかり合った、そんな気がします。今の選手は動きが速いからね。うちの選手は。なかなか捕まえられへんところがあるから。凄かったです。またやってみたいですね。お願いします」

▼西村「ずっとね、私が何十年の前から、プロレスとは歴史と伝統とキャリアであると(言ってきた)。それをまた改めて痛感させられました。未だに私は78歳のドリーさんの背中を追っかけているんで。今日も最後に武藤さんが言われた、私たちはまだ青いと。この先、5年、10年経ってもこの関係というのは永遠に先輩だし、変わらないと思いますよ。そこでまた、現代のクラシックだとか、ベテランの領域に踏み込んでないファンの方々に、メッセージを伝えられたらと思いますね。ぜひまたやりたいと思います」

――永田選手は馳選手から「タッグを組んで、テンコジとやりたい」と呼びかけられたが?

▼永田「望むところですね。ただ、中西さんがいたんでね。僕の正パートナーは今、中西さんなんで、ちょっと気を遣うところがありましたけど。でも、それはそれで、ファンの人が望むんであれば、やっても面白いかなと思います。ここのリングでもいいですし、新日本プロレスでもいいんじゃないですか? 1月4日、5日とあるわけですから、そういうところでやっても面白いかなと。たぶん、首脳陣の頭の中にはないかもしれませんけど、そういうのは(笑) まあでも、このMASTERSっていうのは、最初は永遠に序列の変わらない興行だから、あんまり入りたくないなあ、片足突っ込みたくないなあって気持ちがあったんですけど、今回出てみて、こういうのも悪い気はしないなと。やっぱり先輩たちと違う、今のバリバリやっている永田裕志を見せれば、そういう事は関係ないわけで。ファンの声援とか、そういうのを見てますと、自分らの歩んできた道のりというか、築いてきたものっていうのは間違ってなかったんじゃないかなっていうのを、これだけのキャリアを積んだからわかるというかね。まあ、今終わってみて、今の気分はそんな悪い気分じゃないってところですかね。最初はあんまりイヤだったけどな。遂に片足突っ込んじゃった、俺もって思ったんですけど。そんなところですかね」

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