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9/1【2AW】吉田を熱闘撃破、浅川が初代無差別級王者に 2AW新風景が聖地・後楽園から本格スタート

『GRAND SLAM in 後楽園ホール』東京・後楽園ホール(2019年9月1日)
2AW無差別級選手権初代王者決定トーナメント決勝戦 ○浅川紫悠vs吉田綾斗×

 今年6月にKAIENTAI DOJOから改称して再出発した『2AW』(アクティブ・アドバンス・プロレスリング)が、初の後楽園ホール大会を開催。メインでエース候補筆頭・吉田を破った浅川が、初代の2AW無差別級王座に就いた。

 K-DOJO創始者・TAKAみちのくの退団に伴い、今年6月から団体名を改称して新風景構築へと歩みだした“2AW"。この日は初の聖地・後楽園ホール大会が開催され、そのメインに据えられたのが初代“無差別級王者"を決めるトーナメント決勝戦だった。

 新風景の象徴的試合たりえる頂上決戦の舞台に立ったのは、昨年まで新日本にも参戦していたエース候補筆頭・吉田と、そのライバルであり、ユニット“Tempest"を率いる浅川だった。

 26歳の吉田と、30歳になったばかりの浅川。序盤から若さあふれる白熱のぶつかり合いを展開し、パワーで勝る浅川が押し込んだものの、吉田も得意の蹴りや胴締めスリーパー、フェイスロックといった絞め技で譲らない。

 それでも先に決定機を作ったのは浅川。吉田の蹴り足をキャッチしてのトルネードボムで好機を手繰り寄せると、ぶっこ抜きのジャーマンで投げ捨て、ラリアットをズバリ。さらにはストレッチプラムで絞め上げ、そのままグラウンド式に移行して絞め落としにかかった。

 吉田も技が外れた一瞬のスキをついて、足をロープへ届かせる。逆にラリアットを避けての大剛式バックドロップで巻き返すと、ロックアウト(腕極め式のDDT)からの右ハイキックを発射だ。浅川も追撃をカウンターのバーニングハンマーで切り返してみせたものの、吉田もキックアウトと同時にオモプラッタで腕を絡め取るや、変型キーロックの吉田固めで絞め上げ、絶体絶命の窮地を切り抜けたエース候補筆頭が戴冠…かと思われた。

 だが、浅川も泥臭くロープに逃れる。ならばと吉田がラリアットを避け、一気に必殺バックドロップ発射に成功して今度こそ3カウント…かと思われたが、浅川はこれも3カウントぎりぎりでキックアウトだ。場内が熱帯びるなか、ならばと吉田は右ハイキックを狙ったが、浅川は足へのカウンター・ラリアットで迎撃。構わず吉田は2発目を放ったものの、避けた浅川はこん身のラリアットを叩き込み、続けざまに必殺のショートレンジ・ラリアット“リベリオン"をぶっ放して、合唱とともに3カウントが数えられた。

 “2AWの顔"の座を射止めたのは浅川。十枝利樹会長から腰にベルトを巻かれた浅川は、いわゆる“ヒール"の立ち位置ながら、感慨深げに腰のベルトを見つめた。

 初代王者決定トーナメント1回戦では、パリピ集団“ねば〜らんど"のさとうゆうきに敗れていた浅川だが、8・3新木場大会での3WAY戦を制して敗者復活。この日の“逆転優勝"につなげた。

 それだけに試合後には早速、さとうが登場。「浅川くん、おめでとう。敗者復活から初代無差別級チャンピオンになって凄いじゃない! その1回戦で俺に負けたのに、凄いよ! 1回戦で負けたのにチャンピオンって……凄いよ!」と皮肉たっぷりに浅川をたたえたうえで、「もし次、そのベルトを懸けて俺とやっても、結果は一緒だけどね。要するに、そのベルトに次、挑戦させろ」と表明した。

 浅川も「ちょうど借り返せるやんけ。やったろうやんけ。俺はヘビーでお前はジュニア。無差別級やしな。おう、張り手で意識飛ばさんようにしとけよ」と承諾した。

 さらに今度は、さとうと同じ“ねば〜らんど"の梶が「今日のセミファイナルで“Tempest"の滝澤から取ったんだよ。お前ら、さっき千葉6人(王座)獲ったよな? 俺、ダイナソー、CHAN(GO)さんで、千葉6人に挑戦させろ。せっかくだからさ、来月ビッグショーがあるよね? 10月11日、新木場大会。そこで挑戦どうですか!?」と、“Tempest"の本田アユム&最上九&十嶋くにお組がこの日みちのくプロレスから獲り返したばかりの千葉6人タッグ王座への挑戦も表明し、浅川のセコンドに就いていた王者・最上も即諾した。

 ともあれ吉田とのライバル闘争を制して頂点に立ち、“Tempest"として今度は“ねば〜らんど"との軍団抗争へ。2AW・新風景のど真ん中に立った形となった浅川だが、空席の目立つ客席をみやりながら「一つだけ言いたい。こんなにオレンジの席が見えるなんて…俺たちが悪かったかな」とポツリとつぶやいた。

 それでも傍らの最上が「これが俺たちのホール・スタートライン。ここから埋めてけばいい」と地声で決意すると、浅川も「俺は満員のお客さんこそが、最高の演出やと思うてる。でも、今日来ていただいた400人、500人のお客さんにも感謝を伝えたい。みんな来てくれてありがとう! ヒールらしくない言葉ようやけど、お前らには感謝してるし、俺は一人では立っていられんかった。これからもっともっと俺たちはもっともっと努力して、この後楽園ホールを満員にするよう努力していくから、これからも応援、よろしくお願いします! 今日はありがとうございました!」とマイクで締めくくり、拍手喝采のなかで初の後楽園大会は幕。KAIENTAIブルーに別れを告げた真っ白なリングとともに、“2AW"が聖地・後楽園から新風景への本格的な第一歩を踏み出した。

プロ格 情報局