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9/1【WRESTLE-1】T-Hawk陥落…頂上対決制して稲葉が2年10ヵ月ぶりにW-1王座奪取

『2019プロレスLOVE in YOKOHAMA』神奈川・横浜文化体育館(2019年9月1日)
WRESTLE-1チャンピオンシップ ○稲葉大樹vsT-Hawk×

 W-1GP覇者の稲葉がT-Hawkとの頂上対決を制し、2年10ヵ月ぶりにW-1王座を奪取した。

 #STRONG HEARTSのT-Hawkは1・5後楽園で芦野を破り、W-1王座を獲得。3・21大田区で黒潮“イケメン"二郎を、5・3後楽園で近藤修司を返り討ちにして上位陣を総なめにし、王者として盤石の体制を築いた。そんな安定王者に挑むのが稲葉だ。6月〜7月に開催されたトーナメント戦・W-1GPを初制覇。決意を胸に頂上対決に駒を進めてきた。稲葉は2年ぶりの同王座挑戦。勝てば2年10ヵ月ぶり2度目の戴冠となる。

 試合は静かな立ち上がりとなったが、チャンスを待っていたT-Hawkが積極策を仕掛ける。稲葉のフライングショルダーをはたき落とし、リープフロッグを読んでネックハンギングボムでマットに叩きつけると、入場ゲートまで挑戦者を連行。床直撃のパイルドライバーを敢行した。稲葉は首を抑えてうめき声を上げる。見逃さないT-Hawkは首攻めへ。エプロンに顔面から叩きつけると、リングに戻っても逆水平やエルボーでメッタ打ちにし、DDTやネックロックを繰り出した。

 気持ちで引かない稲葉はブレーンバスターでぶん投げて逆襲に転じる。串刺しラリアットやフライングショルダー、串刺しサマーソルトアタックで攻め立てた。ダイビングヘットバットは自爆に終わったものの、T-Hawkのネックハンギングボムやブレーンバスターをかいくぐり、ブルーサンダーで挽回して両者大の字に持ち込んだ。

 2人は真っ向勝負を継続。稲葉はダイビングショルダーを浴びせるべくコーナーに上がったが、T-Hawkは逆水平でエプロンに叩き落とした。そして、ぶっこ抜いての雪崩式ブレーンバスターをお見舞いする。ここがチャンスと一気にケルベロスで突っ込むも、稲葉は阻止してエルボー合戦に発展。激しい打ち合いになるが、稲葉は「負けるか!」と絶叫して押し切ると、ニーアッパーに被弾しても動き続けて、ジャーマンをズバリ。さらに反撃をラリアットで鎮圧すると、間髪入れずにタイガースープレックスで投げ飛ばした。

 だが、串刺しサマーソルトアタックはよけられて痛恨の自爆に。息を吹き返したT-Hawkは後頭部への串刺しケルベロスを皮切りに、リバースパワースラム、スプラッシュマウンテンと大技攻勢に打って出た。「稲葉」コールがこだまする中、T-Hawkはナイトライドの構えに。

 稲葉は背中におぶさる形でスリーパーに捕獲して抵抗するが、T-Hawkは後ろに浴びせ倒して振り払うと、ロープに張りつけにして、こん身の逆水平を8連打。意地の稲葉は胸を突きだしてこれを受け止め、ノーモーション頭突きで不意を突いた。が、T-Hawkは続くタックルにカウンターのケルベロスを合わせると、ナイトライドがとうとうさく裂。稲葉がギリギリでキックアウトすると、再び「稲葉」コールが巻き起こった。

 T-Hawkは試合を決するべくケルベロスで突っ込むが、これを待っていた稲葉はガードした瞬間に足をかけて卍固めへ。T-Hawkは強引に担ぎ上げて再びナイトライドを仕掛けようとするも、稲葉は背後に不時着し、投げ捨てタイガースープレックス、タイガースープレックス178(二段階式タイガースープレックス)と畳みかける。千載一遇のチャンスを掴んだ稲葉は勝負を諦めないT-Hawkに強烈な頭突きを叩き込んでねじ伏せ、リング中央で極反り卍固めに捕獲して一気にギブアップを奪い取った。

 正月からW-1王座を保持してきたT-Hawkが遂に陥落。稲葉が2年10ヵ月ぶりに至宝を腰に巻いた。激闘を繰り広げたT-Hawkと握手を交わして頭を下げた稲葉は、ベルトを腰に巻いて感激した表情で勝ち名乗りを受ける。

 横浜文体は3年前にW-1王座初戴冠を果たした思い出の場所。稲葉は「今日はW-1横浜文化体育館にご来場いただいて誠にありがとうございます。3年前は大泣きしてましたが、今年は笑顔で終わりたいと思ってます」と感慨に浸りつつ喜びをあらわにした。そして、「T-Hawkさん、今日は本当にありがとうございました。Tさんの…Tさんだけじゃない。Tさんの後ろにOWEの選手、#STRONG HEARTSの選手、ファンの皆さんの影が見えました」と謙虚に対戦相手を称え、「ただ、僕も今日はW-1を応援してくれるファンの方々の気持ちを背負って立った積もりなんで、負けるわけにはいきませんでした。勝てて本当によかったです」と胸を張った。

 祝福の拍手が降り注ぐと、最後に稲葉は「まだまだ僕も成長していきます。W-1も成長していきます。これから皆さんにも僕たちの成長をしっかり見届けていってほしいです。だから、これからもW-1よろしくお願いします!」と決意をにじませながら宣言。言葉通り、笑顔でW-1の新しい景色に思いを馳せた。

【稲葉の話】「T-Hawk選手からW-1のベルトを取り戻しました。やっぱり今日の横浜文体のリング上っていうのは、僕たち2人だけなんですけど、2人だけじゃないっていう。お互いのその後ろに背負っているもの…T-Hawkさんの後ろにOWEの人とか、#STRONG HEARTSの選手の人とか、ファンの人とかも見えたし、それを背負ってきているんだろうなと感じたし、いっぱいいっぱい感じ取ったし。僕もW-1のファンの人たちの思いも背負って立ったと思っているんで。その中で、T-Hawk選手からベルトを獲れたっていうのは凄く嬉しく思います。ただ、僕もこれから成長していかないとって思っているんで。獲ってからがスタートですから。またW-1を盛り上げていくために頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。T-Hawk選手も、皆さんありがとうございました」

【T-Hawkの話】「いやあ、稲葉大樹、戦う前はね、GPで優勝して挑んできて、そこまで芯に届くような思いというのは来てなかったですけど、いざリングで対峙してみて、今日は上を行かれましたね、稲葉に。最後の握手は別にこれから先を見ての握手なんで。#STRONG HEARTSとしても、最初に上がった団体はここなんで。そこは勘違いしないでほしい。俺はついさっきまで、俺のここ(腰)にあったあのベルトにも感謝しているし。1年前の俺だったら簡単に負けたと思うし、成長させてもらったのは感謝している。だけど俺はな、こんなところで終われるか。まだまだですよ」

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