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9/1【WRESTLE-1】VM総出で猛攻も…武藤が35周年記念試合で快勝 今後は“テーマのある戦い"希望

『2019プロレスLOVE in YOKOHAMA』神奈川・横浜文化体育館(2019年9月1日)
武藤敬司デビュー35周年記念試合 ○武藤敬司&カズ・ハヤシ&ペガソ・イルミナルvsTARU&近藤修司&ゾディアック×

 ブードゥー・マーダーズが総出で猛攻を浴びせたが、それを切り抜けた武藤がシャイニングウィザードでゾディアックを撃破。35周年記念試合を快勝で締めくくった武藤は、今後に向けて“テーマのある戦い"を希望した。

 両ヒザ人工関節設置手術から欠場していた武藤は、長州引退興行6・26後楽園で1年3ヵ月ぶりに復帰。MASTERS8・30後楽園にも出場し、満を持してWRESTLE-1復帰戦を迎えた。デビュー35周年記念試合としてカズ&ペガソとのトリオで出陣。かつて全日本マットで抗争を繰り広げたTARU率いるブードゥー・マーダーズ(VM)を迎え撃った。当初はゾディアック&レネ・デュプリがVMメンバーとして出場する予定だったが、デュプリが飛行機トラブルで欠場に。代わってTARUが第3試合後に勧誘した近藤が出場した。

 試合前、ビジョンに蝶野正洋、馳浩、神奈月、ももいろクローバーZからの祝福のメッセージが流される。まずはVMの入場。近藤は赤と黒を基調としたVM仕様のコスチュームで姿をあらわし、かつて行動をともにしていた河野、MAZADA、歳三もVMのTシャツ姿でセコンドに付いた。続いて、カズ&ペガソがリングに入ると、最後に武藤が歴代入場曲の前奏から『HOLD OUT』に繋がるスペシャルバージョンのテーマ曲に乗って姿を現す。横浜文体は「武藤」コールに包まれた。

 VMの奇襲で試合は幕開け。TARUは花束を振り回して武藤に殴りかかり、場外では鉄パイプを使って暴行する。嫌なムードを変えようと、カズがハンドスプリング式レッグラリアットを近藤にぶち込むと、さらなる飛躍を遂げるために試練を求めていたペガソも奮戦。串刺しドロップキックや変型サマーソルトドロップをお見舞いする。そして、いい流れで武藤がリングイン。フラッシングエルボー1発で観客を味方に付けると、近藤をSTFで絞め上げた。

 これで完全に流れがW-1軍に傾いたかと思いきや、VMのセコンド陣が暗躍して流れが逆転。TARUは武藤を場外に連行し、観客席に投げつけた。そして、連結したパイプイスでも痛打。入場ゲートの階段にまで叩きつける。

 主導権を握ったVMは代わる代わるカズを暴行。ゾディアックは満足げに「ゾ・ディ・アック」ポーズを披露すると、その後もラリアットなどでカズを痛めつけた。怒り心頭の武藤はゴングを持ってリングに飛び込むが、レフェリーに制止される。

 カズが顔面低空ドロップキックでゾディアックを蹴り倒すと、満を持して武藤が再び登場。低空ドロップキックをゾディアックにぶち込むと、ドラゴンスクリュー3連発でVMをナデ斬りにし、足4の字固めに捕獲した。すると、ここぞとばかりにVMはセコンド陣が乱入。6人がかりで武藤に襲いかかる。

 6連続串刺し攻撃からゾディアックは反転式のダイビングチョップを発射。チョークスラムの体勢に。しかし、ペガソがミサイルキックで切り込んで救援に成功する。武藤はW-1の若手たちに乱入させ、ゾディアックに連続串刺し攻撃を叩き込ませると、自身はドラゴンスクリューからシャイニングウィザードを突き刺した。

 焦ったTARUがパウダー攻撃を放つも、武藤に避けられてゾディアックに誤爆。すかさずカズとペガソが同時トペでVMを場外に足止めすると、武藤はプロレスLOVEポーズから再びシャイニングウィザードをぶち込んで3カウントをもぎ取った。

 35周年記念試合を自らの勝利で締めくくった武藤は「30日にMASTERSがあって、中一日で今日の試合で。正直、この会場に来るまでの道のりは若干、体が重かったっすよ。ただ、リングにね、上がったら、VMのTARUが案の定、挑発してきてくれて。そこから一気にアドレナリンが出て。まあまあ、無事35周年の試合がいい形で終わることができました」と試合を振り返った。

 現在は出場試合数を抑えている状況だが、今後に向けては「今はもう本当に正直、テーマのない無駄な試合をこなすのは…。やっぱり気力でやるから。気持ちでやるから。テーマがない試合っていうのはなかなか億劫でさ。なんだかんだ言って恐怖心もあるから」とテーマのある戦いを希望。「前から公言している引き算のプロレスをどこまで磨くかというか。技を少なくしても魅了するスタイル。そこも極めていかなきゃ。それをパイオニアとしてやることで、他のレスラーもきっと真似してくると思うし。そこにも挑戦していきたいと思います」といちレスラーとしてもさらなる精進を誓った。

 全日本の9・8石川、ノアの9・16大阪と短いスパンで連戦が続くが、記念試合を快勝で締めただけに「俺のまた35周年からの出発点としては、この連戦を乗り切ったら自信になりますよ」と表情も前向き。これからも“プロレスLOVE"の姿勢を貫く構えだ。

【試合後の武藤】
――W-1での復帰戦となったが?

▼武藤「30日にMASTERSがあって、中一日で今日の試合で。正直、この会場に来るまでの道のりは若干体が重かったっすよ。ただ、リングにね、上がったら、VMのTARUが案の定、挑発してきてくれて。そこから一気にアドレナリンが出て。まあまあ、無事35周年の試合がいい形で終わることができました。もちろんこの2人(カズ&ペガソ)の援助もあって。2人とも頼もしかったですよ」

――ホームであるW-1に戻ってきた実感はある?

▼武藤「うーん、どうですかね? 俺のところの空間だけは、何となくW-1が関係ない空間で。もちろんセコンドとかにうちの若いヤツが付いてくれてたんだけど、何となくこの空間ってやっぱ35年の歴史のこの数ページだったような気がするね」

――今後のW-1への出場については? 全日本やノアへの参戦が続くが?

▼武藤「テーマがあれば。今はもう本当に正直、テーマのない無駄な試合をこなすのは…。やっぱり気力でやるから。気持ちでやるから。テーマがない試合っていうのはなかなか億劫でさ。なんだかんだ言って恐怖心もあるから。来る道がイヤだったというのもヒザの不安もあったりするからさ。その不安を乗り越えるのもなかなか大変だよ。やっぱりそこにはテーマがないと」

――ヒザの不安があり、技が制限される中で試合するのは?

▼武藤「前から公言している引き算のプロレスをどこまで磨くかというか。技を少なくしても魅了するスタイル。そこも極めていかなきゃ。それをパイオニアとしてやることで、他のレスラーもきっと真似してくると思うし。そこにも挑戦していきたいと思います。もちろん足し算もやるけどね」

――その足し算は新しい技の発見?

▼武藤「まあまあ、シャイニングにしても、ドラゴンスクリューにしても、4の字にしても、お客様に定着しているからね。それを超える説得力のある技を作るっていうのは、なかなか至難の業だと思いますよ。だけど、そこにもやっぱり挑戦していかないと、退化するからさ」

――そこは生涯現役と?

▼武藤「そう。そういう生涯現役をやるために、この3日で2試合というのは少し俺の中で自信になってますよ。で、1週間後に全日本の金沢、また1週間後にはノア。しかも、おそらくMASTERSと今日の試合の色というか、形っていうのは全然違う形なんですよ。それも1つ俺にプラスになってるし、またノアに行ったら、情報がほとんどない中の対戦相手だったりとか。全日本に行ってもそうだ。それも1つの俺のまた35周年からの出発点としては、この連戦を乗り切ったら自信になりますよ」

――復活したVMが対戦相手だったが?

▼武藤「一夜限りのね。セコンドには見たことのあるような顔がいっぱいいたんだけどよ。それはそれで、面白かったです」

――かつて全日本時代はTARU選手の事件で社長を辞任したこともあったが?

▼武藤「そうっすね。だけど、そんなものも時といろんなもので、もう正直、忘れていることも確かだけど。ゴキブリのようにこうやってまだ生きているというのもね。まあ、俺もだけどな。これまた素晴らしいことだよな。生命力あるよ。またどこかで試合をやりたい相手の1人でもありますよ」

【試合後のTARU&近藤】
▼TARU「おい、みんな来い。みんな来い。武藤の35周年やからよ、ちょっとはお前、祝ってやろうかっていう親心やのに、なに本気になっとるんや、この野郎。それよりも、武藤が35周年迎えるより、もっとめでたいことがあるやろ。我らVMがこんだけ揃ったのは久しぶりや。よう近藤、俺の言葉で帰ってきてくれたのう。河野、MAZADA、歳三。おい、これだけの素晴らしい面子…ゾディアックも含めて。レネはちょっとな、あかんかったけど、また集まって、またこのW-1のリングで遊んでやるからよ。まあ、そういうこっちゃ。今日は祝杯をあげるぞ」

※TARUが去っていくと

▼近藤「今日集まったメンバーはいつだって心のどこかにVMがいるよ。黒いものを持っているんだよ。なあ、河野? 俺らはそこから生まれてるんだからよ。半分は黒いものが心の中にいる。それを俺らはいつだって出せるんだ。いろんな状況になったら、またこの色がいつ出るかわからないぞ? 黒と赤…」

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