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9/7【NOAH】杉浦怒とうの無傷3連勝でN-1決勝進出に王手 丸藤まさかの3連敗で脱落

『N-1 VICTORY 2019〜NOAH NUMBER ONE PRO-WRESTLING LEAGUE〜』神奈川・横浜ラジアントホール(2019年9月7日)
Aブロック公式戦 ○杉浦貴vs丸藤正道×

 無傷2連勝中だった杉浦がN-1・Aブロック公式戦で、激闘の末に“戦友"丸藤を撃破。怒とうの3連勝で、優勝決定戦進出へ王手をかけた。

 近年のノアを支え続けてきた丸藤と杉浦の一騎打ちがN-1を舞台に実現。この日公式戦はこの一戦のみだったが、大会場で繰り広げられてきた「杉浦vs丸藤」を間近で見ようと、横浜ラジアントホールは前売り段階で指定席が完売する超満員札止めの観衆で埋まり、高い期待感をうかがわせた。

 杉浦は無傷2連勝、丸藤はまさかの2連敗で迎えたそれぞれ3戦目。奇跡の突破には勝つしかない丸藤が積極的に仕掛けた。杉浦の串刺しスピアーを鉄柱に誤爆させるや、痛打した左肩口に虎王をぶち込んで主導権を握った。杉浦も首攻めで応戦したが、止まらない丸藤は低空タックルに合わせてカウンターの虎王をドンピシャリ。エプロンサイドでのパイルドライバーも決めて場内をどよめかせ、フロム・コーナー・トゥ・コーナーを狙う。

 読んでいた杉浦も寸前で避けてターンバックル・ジャーマンを発射。暴走気味にエルボーを乱打したが、丸藤も雄叫びとともに立ち上がる気迫をみせて逆水平を打ち返す。杉浦もカウンターの顔面ニーで丸藤を腰砕けにしてみせたが、なおも譲らない丸藤は串刺し虎王発射に成功すると、不知火・改を敢行して決定機を作り出した。

 杉浦も続く後頭部虎王をしのぐや、ポールシフト式エメラルドフロウジョンをフロントネックロックで切り返してみせたものの、丸藤は序盤の腕攻めを効かせて巧みに脱出。逆に素早く虎王、股抜き式トラースキックと畳み掛けた。

 杉浦もポールシフト式エメラルドフロウジョンだけは打たせない。ならばと丸藤は打撃戦でことごとく先を読みながら、フックキックや虎王を当てていったものの、杉浦もこん身の虎王を空中キャッチ。逆にそのまま予選スラムでぶん投げる離れ業で場内を大きくどよめかせた。

 それでも丸藤は続く正調予選スラムを踏ん張ると、タイガードライバー→逆十字固めへ。さらには自ら回転してパーフェクトキーロックを狙う。

 だが、杉浦も回転してアンクルホールドへ。丸藤も体重移動で切り抜けつつ、再び巻き込み式のチキンウイングアームロックを狙ったが、さらに杉浦は後方回転で切り抜けてフロントネックロックで絡め取る。丸藤がロープを掴みかけても自ら後方回転してリング中央で強烈に絞め上げ、丸藤も力なくタップアウトしてギブアップを意思表示した。

 15年以上に渡ってやりあってきた両雄による、手の内を知り尽くした熱闘を制した杉浦が怒とうの無傷3連勝。残る公式戦は9・9後楽園大会の潮崎豪戦のみで、引き分け以上でブロック突破が決まるだけに、優勝決定戦進出へ文句なしの王手をかけた。

 丸藤はまさかの3連敗で脱落が決定したが、試合後はノーサイドで互いに健闘を称え合って場内も爽やかな拍手に包まれた。マイクを握った杉浦は「まず丸藤選手に感謝を述べたい。リーグ戦は途中だけど、感謝を言うくらいいいでしょう。今日はありがとう」と“戦友"に感謝。そして「今日は横浜ラジアント、超満員本当にありがとう。みんなの前で丸藤選手と戦えてホントに幸せです」とも語り、札止めの場内もやんやの拍手喝采に包まれた。

 残る潮崎戦に向けても「引き分けでも突破? そんなもん嬉しくないでしょう。俺自身、しっくりこないし、見てるお客さんもしっくりこないでしょ。圧倒的に、納得行くように持ってくよ」とキッパリ。かねてより「ぶっちぎり優勝」を公言している杉浦は、両リーグ通じて唯一の無敗をキープする充実っぷりで“有言実行"へと突き進んでいる。

【試合後の杉浦】
――丸藤戦を振り返って?

▼杉浦「いやぁもう、奥が深いっていうかね。普通の感覚で試合してると、もっともっと引き出しがあるっていうか、懐が深いっていうか。怖いね。ヒザ何発食らったか」

――3連勝だが、紙一重だった?

▼杉浦「ホントそうで。でも勝ったのは俺だから。あとは後楽園。潮崎。昨日、つくばでやられてるからね」

――引き分けでもブロック突破になるが?

▼杉浦「そんなもん嬉しくないでしょう。俺自身、しっくりこないし、見てるお客さんもしっくりこないでしょ。圧倒的に、納得行くように持ってくよ」

――ぶっちぎり優勝を有言実行する?

▼杉浦「うん、その通り」

――Bブロックの行方も気にしている?

▼杉浦「結構、混戦でしょ? あさってで変わると思うけど、まぁ見守っとくよ」

プロ格 情報局