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9/25【東京愚連隊】FUJITAが憧れのAKIRA撃破で東京世界ヘビー戴冠、論外指名で初シングル実現へ

『TOKYO DREAM 2019』東京・新宿FACE(2019年9月25日)
東京世界ヘビー級選手権試合 ○FUJITAvsAKIRA×

 FUJITAが憧れだったAKIRAを撃破し、東京世界ヘビー級王座を戴冠。次期挑戦者に論外を指名し、来年4月の愚連隊興行2020年第1弾大会でのタイトルマッチが決定的となった。

 前回7・30新木場大会でAKIRAがカズとのベテラン対決を制し、東京世界ヘビー級王座を奪取。至宝奪還の名乗りを上げたFUJITAを迎え撃っての初防衛戦がこの日のメインに組まれた。両者は2003年の新日本スーパージュニア公式戦でFUJITAが勝利して以来、実に16年ぶり2度目の一騎打ちとなった。

 まずはベテラン同士らしいじっくりとした先手争いで幕開け。AKIRAがリバースインディアンデスロックでもん絶させ、ドロップキックで場外に吹き飛ばしたが、場外戦ではFUJITAがエプロンへのニークラッシャーで反撃。ロープ越しのドラゴンスクリューでもん絶させ、低空ドロップキックで射抜くなど左足へのピンポイント攻撃に出る。ヒザ固めを耐えたAKIRAが打撃戦に持ち込んでも串刺しラリアット、エクスプロイダーの連続攻撃で黙らせた。

 それでもAKIRAは延髄斬り、フライングラリアットと得意技を連発してようやく主導権を奪い返す。ミサイルキックを放ち、マンハッタドロップで動きを止めるとオールドボーイで捕獲。耐えたFUJITAがSAYONARAを狙っても食い止め、DDTからムササビプレスを放った。

 これを自爆させたFUJITAはスピアーで豪快になぎ倒して反撃を開始。アンクルホールドで再び攻撃の的を左足に絞り、リバースバイパーホールドで絞め上げる。だが、ダイビングボディプレスはAKIRAが両ヒザで迎撃。自らの左足にダメージを負いながらも、AKIRAはエルボー合戦、ローキック合戦で渡り合うと低空ドロップキックで制し、ダイビングボディアタックを発射。ムササビプレスで勝負に出た。

 するとFUJITAが丸め込みで切り返した。AKIRAが延髄斬りを放てば、延髄斬りで徹底抗戦。雄たけびを上げたFUJITAはSAYONARAでAKIRAを突き刺す。2カウントで粘るAKIRAがドラゴンスープレックス、DDTを狙ってもことごとく阻止したFUJITAは突っ込んできたAKIRAを絶妙のタイミングのサムソンクラッチで丸め込み、ようやく3カウントを奪った。

 22分超の熱戦を制し、FUJITAが東京世界ヘビー級王座を戴冠。第8代王者に輝いた。しかもFUJITAにとっては価値あるベルト奪取となった。というのもFUJITAにとってAKIRAは憧れの存在。「前回、シングルマッチやったのは日本最大手のプロレス団体のジュニアのリーグ戦でした。あれは16年前ぐらいになるでしょうか」と切り出したFUJITAは、「僕はインディー育ちだから勝手に負い目や引け目をずっと新日本の選手に感じて。でもジュニアのリーグ戦でAKIRAさんと公式戦やった時に、僕はあの試合で初めて新日本プロレスの選手が僕と同じ立ち位置で、同じ目線にいて、一人の人間として向き合ってくれたような気がして、僕は本当に感動しました。あの日から僕もAKIRAさんみたいになりたいと、口には出さないけどちゃんと思ってました」と当時抱いた思いを告白した。

 「AKIRAさん、あなたが海外遠征から帰ってきて蛍光色のタイツを履いてジュニアのチャンピオンになった時、そのあとJ.J.JACKSになった時、そのあとなぜか武骨な集団・平成維震軍に入ってしまった時、そしてそのあとTEAM2000に入った時、あなたはいつでもかっこよかった。でも最後にこれだけ言わせてほしい。あなたはその時々でいつもかっこよかったです。でも今日が一番最高にかっこいいです。ありがとうございました。感無量です」。そうAKIRAへの敬意を表したFUJITA。AKIRAから「1対1で人間としてぶつかり合いました。こんな人間は結構長いことプロレスやってきたけど初めてかもしれない。言葉も心に響きました。凄くいい思い出です」との返答をもらったFUJITAは、論外をリングに呼び込んだ。「週刊プロレスのインタビューで何だか東京愚連隊興行がもう終わりだとか、そういうのを書いてあるのをみたんですが、私、初耳ならぬ初読なんですが、どういうことでしょうか?」と問い詰めた。

 すると論外は「先輩、まずはチャンピオンおめでとうございます」と祝福したうえで「週刊プロレスの記事について言わせてもらえば、我々40超えて、もう戦う理由はないでしょう」と返答した。納得いかないFUJITAは「戦う理由はいつでもあるでしょう。東京愚連隊、確かにいろんなことをやり尽くしたかもしれません。お祭り興行、楽しいですよ。タッグ組んでて楽しいですよ。ディック東郷さんも入ってくれて、横に強力なメンバーが並んで楽しいですよ。でも、楽しさじゃない、祭りじゃない。勝負が足りないんじゃないですか」と迫り、「NOSAWA先輩、あなたが作ったベルトです、これは。この戦う場所を毎回用意してくれるのはNOSAWA論外あなたです。このベルトをかけて、どこでもいい、来年でもいい。僕と初の1対1、タイトルマッチやりましょうよ」と次期挑戦者に迫った。

 論外が「俺とFUJITAのシングルマッチみたいか?」と世論の声を求めると、ファンは大歓声で支持。これを受けてFUJITAは「これをかけて1対1で勝負しましょう!」と改めて要求。論外も「FUJITA先輩とそういえば1対1はやったことなかったな。じゃあ来年1発目、4月の東京愚連隊興行で俺が東京世界ヘビー級、挑戦させてもらいます」と受けて立った。これで両者によるタイトルマッチが決定的に。二人が握手を交わすと、最後はFUJITAの「皆様が一人でもいる限り、東京愚連隊は永遠に不滅だ!」の絶叫で新宿大会を締めた。

【論外の話】「菊ともシングルやってるし、MAZADAなんかともシングルやってるし、東郷さんとはもしかしたらやってるようでやってないような感じなんだけど、盲点というか、戦う理由がない、終活だって言ってたけど、シングルマッチやってないっていうのを聞いちゃったら、その終活と言いながら今日も新しい竹下選手なんかとある中で、年とっててケガも凄くて。別に大仁田厚だけが俺の満足できる相手ってわけじゃないんだけど、テンションをどうやってもっていっていいのか。正直、プロレス界でやり尽くしてる部分があって。なんだかんだ10何年、もしかしたらメキシコからの出会いを入れたら20年近く、付いたり離れたりもあるけど、やっぱ1対1っていうのに凄くこだわりが俺もあるんで、やってみたいなって気持ちに。もう少しはぐらかそうかなとも思ったんだけど、武藤さんじゃないけど、試合を俺は選びたい。来月なんか1試合ぐらいしかないし。ホントにみる人間から言ったら仲良しこよしのタイトルマッチと言われるかもしれないけど、初めてかもしれないですね。FUJITA先輩がこうやって俺に対して自己主張してもらったというか、気持ちを、これやりたい、あれやりたいっていうのを。いつも俺がああやってくれ、これやってくれっていうのをニコニコしながら嫌な顔せずにやってくれたのもあるんで。この東京世界ヘビー級、俺が獲って封印しますよ。それも終活の一部なんで。来年、俺は頭を使って本気でやっていくんで、よろしく」

【FUJITAの話】「もうホントに16年前、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアでシングルマッチでやらせてもらって、僕、出がインディーだから、今でいう飯伏君とか関本大ちゃんみたいにあんまり実力でつかんできたっていう実感がなくて、結構とんとん拍子で上がっちゃった部分もあるんで。1年ちょっと海外行って、俺ヘビー級だって(新日本に)上がって、コンプレックスの塊の中でやってて、AKIRAさんとシングルマッチやって、AKIRAさん何も考えてなかったかもしれないけど、あの試合は僕と同じ土俵の上に立って、僕と同じ目線で試合をしてくれたように僕は感じて、本当にカッコいいなと思って。あれだけキャリアあるのに。僕もAKIRAさんみたいになろうと。初めて言うかもしれないんですけど、本当にひそかに憧れて、あんなふうになりたいと。AKIRAさんっていろんな軍団に入ったり、よく言えば使い勝手のいい選手で、僕も同じような経験してるというか、同じような道を歩んでる中で、それでもあの人はずっとかっこよかったし、その中で今日やってみて、今日が一番ベストのかっこよさだったと思うし。ディック東郷さんとかお手本になる先輩がいっぱいいるし、お手本にならない先輩もいっぱいいます。でも僕はAKIRAさんみたいになりたいとずっと思ってやってきました。これは本当にいつか本人に言いたかったんで、今日この場で言えて本当に胸いっぱいです。その中でNOSAWA先輩が終活だ、終活だって言っていて。愚連隊興行に来ても僕らなんかこの日、試合決まりそうだよっていうような感じでやったり、宣伝ぐらいしかやってないですけど、先輩は先輩で苦労が絶えないでしょうし、ブッキングだってある。その中で終活というのは自然のことかもしれないけど、僕シングルやってないですから。一回シングルやってみて、それで気持ちが変わるんだったらいいし、ダメだったらダメであきらめるし。これもあの人が作ったベルトだし、今日の舞台だってあの人が作ってくれた舞台だから、恩返ししなきゃ。みすみす終わりですって言われて、はい、そうですか。お疲れ様でした、なんか俺は言えない。俺はインディーでそれこそ完全にAKIRAイズムを引き継いでむき出しでやってるのがウソになるから、ここでもむき出しでやらないと失礼でしょう。今日は初の自己主張をさせてもらいました。ちょっと時間が長かったんで、耐えきれなくて(観客は)帰ったかもしれないけど、それはそれで関係ないです。伝わらなかったら、それは別にいいです。こう見てくれというのも別にないですし、感じるものがあったらうれしいっていうだけです」

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