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10/26【ZERO1】猪木が58年ぶり靖国で「ダー!」 現役選手にはエール「魂を受け継いでもらいたい」

『靖国神社創設150年記念奉納プロレス 第17回大和神州ちから祭り』東京・靖国神社相撲場(2019年10月26日)

 58年ぶりに靖国神社のリングに立ったアントニオ猪木が「1、2、3、ダー!」の雄叫びで、大会開始を宣言。現役選手たちには「力道山、あるいは闘魂。その魂をこれからの世代に受け継いでもらいたい」とエールを送った。

 大会開始に先立ち、リングのおはらい、国歌斉唱が行われると、選手を代表して大谷があいさつ。前日の大雨が嘘のように空は晴れ上がっただけに、「晴れたぞ!」と叫ぶと、靖国神社や観客への感謝を口にし、「今日は皆様、何の遠慮もいりません。プロレスを見て、思いっきり叫び、思いっきり感動し、時にはブーイングを飛ばし、思いっきりプロレスを楽しんでいただきたいと思います。ZERO1のプロレス、いや、日本のプロレスを靖国神社でお楽しみください。最後までプロレスをよろしくお願いいたします」と呼びかけた。そして、「みんなが願っていた方についに今日来場していただきました。靖国神社のリングに上がっていただきたいと思います」と宣言すると、『イノキボンバイエ』の旋律に乗り、大歓声を浴びながら、猪木が登場した。

 1961年4月23日、力道山率いる日本プロレスが靖国神社における奉納プロレスを開催。当時、デビュー2年目の若手だった猪木も出場している。それから58年後、再び靖国のリングに立った猪木は、いつものように「元気ですか!」と力強くあいさつ。「俺もデビューしてから60年がもうすぐ立ちますが、資料をいろいろ調べてみたら、61年にここで力道山の下で奉納プロレスをやったことがありました。本当に時代が変わっていきますんで、正直言うと、人の前に出たくないんです。バカヤロー!って昔はひとごと言えば、切符が売り切れたということで」と話し始めた。先日まで入院していたこともあり、杖をついての入場となったことに触れ、「杖をついていたら、“ステッキ"なオジサンと言われた」とアントンジョークで場内を沸かした。

 「今日は何があるか知らないから」と話し出してどよめきを誘いつつも、ZERO1を引っ張る大谷を激励すると、「元気が売り物で。でも、身体は痛いし、腰は痛いし、借金で首は回ってますけど…。そんなわけで、俺ももう一踏ん張りしなきゃいけないなと」とここでもアントンジョークを挟みつつ、「もうちょっと自分に鞭を打ちながら頑張っていこうと思います」と猪木自身も靖国で気持ちを新たにした様子。「あいつは一番かわいいやつだったんですけど、よく蝶野と武藤と3人揃って三バカと言ってました。みんなそれぞれいい部分を持ってましたけど、そういう意味では、橋本は何か魂というものが一番あって。力道山、あるいは闘魂。そういう意味では、その魂をこれからの世代に受け継いでもらいたい」とZERO1を立ち上げた橋本真也さんへの思いを語りつつ、現役選手にエールを送ると、最後は「1、2、3、ダー!」の雄叫びで大会開始を告げた。

 バックステージでは「それぞれの歴史があるんだけど、そこをしっかりわかっているのか、わかっていないのかによって変わってしまうし、方向性も変わってしまう。ぜひぜひね、また力道山の、師匠の恩が出てますから、それを呼び起こしながら。俺たちなり、ジャイアント馬場の時代、あるいは次の時代も含めて、そういうことを学んでもらいたいと思います」と歴史の重要性を説いていた猪木。「大谷も俺のファンで、ずっと追っかけかなんかで控え室に来てたという話もあって。いろいろみんなが、応援してくれている人が共通の友達なんでね。そういう意味で、一生懸命本当にリングで戦う、あるいはリング外でのプロレスというのが。興行ですから、人を集めないといけないんで、頑張っていると思います」と大谷にメッセージを送った。

【猪木の話】
――お客さんの盛り上がりもあったが、58年ぶりに靖国のリングに上がってどうだった?

▼猪木「まあね、人前に出るのが商売だから、人前に出たら、胸も張らなきゃいけないし、しょぼくれた格好もできないというか。こういうこともいいかな、今日はね。1つは一生懸命大谷が頑張っているんでね。まあ、俺の力では大した力になれないけど、応援してあげようかと」

――靖国という舞台への思い出は?

▼猪木「うちの長男(兄)もここで祀られていると思うんですよね。戦艦陸奥というので。航空隊だったんで。たぶん戦艦陸奥が沈まなかったら、飛行機で行った、ゼロ戦で行ったのかもしれないですけど。よく前は通るんですけど、なかなか中に入ることはなかったんですけどね。今回はそういう意味で、日本の歴史というか、そういうものがだんだん疎かになっていて。まあまあ、知らない人も多いし。今日もちょっと俺もネットで調べてみましたけど。そういうことを次の世代に少しでも伝えていけたらいいなと思います」

――今後はこういうプロレスの場にも…

▼猪木「出さないでください(笑) お願いですから。さっきもちょろっと言ったけど、プラズマで勝負してますから。世界をひっくり返そうと」

――ファンの反応を見る限り、猪木さんにまた出てほしいという熱気を感じたが?

▼猪木「今度はプラズマで消しちゃうよ、みんな(笑) そうすりゃ戦わないで済むから。冗談ですけど。選手たちがね、歴史というものが…それぞれの歴史があるんだけど、そこをしっかりわかっているのか、わかっていないのかによって変わってしまうし、方向性も変わってしまう。ぜひぜひね、また力道山の、師匠の恩が出てますから、それを呼び起こしながら。俺たちなり、ジャイアント馬場の時代、あるいは次の時代も含めて、そういうことを学んでもらいたいと思います」

――橋本さんが作られたZERO1という団体の若い選手たちにもそういうものを学んでもらいたい?

▼猪木「大谷も俺のファンで、ずっと追っかけかなんかで控え室に来てたという話もあって。いろいろみんなが、応援してくれている人が共通の友達なんでね。そういう意味で、一生懸命本当にリングで戦う、あるいはリング外でのプロレスというのが。興行ですから、人を集めないといけないんで、頑張っていると思います」

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