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10/27【DDT】イケメン雪辱ならず…遠藤がシングル2連勝 アメリカでの再会を約束

『Pre Ultimate Party 2019〜Ready to Go!両国大前夜祭!!〜』東京・後楽園ホール(2019年10月27日)
○遠藤哲哉vs黒潮“イケメン"二郎×

 D王GPで敗れた雪辱を狙ったイケメンだったが、遠藤が返り討ちにして2連勝。試合後、2人はアメリカでの再会を誓った。

 来年から活動拠点をアメリカに移すと発表しているイケメンは、10・5札幌でタッグマッチながら遠藤を撃破。「やり残したこと」として遠藤との一騎打ちを要求し、スペシャルシングルマッチが決定した。両者は1・10練馬大会(D王GP公式戦)で対戦し、遠藤がシューティングスタープレスで勝利しており、イケメンにとっては雪辱戦となった。

 あとから入場したイケメンはいつものように会場を所狭しと走り回り、観客を煽って声援を集めるが、それに待ったをかけたのが遠藤だ。リング上でバク宙や側転など華麗な動きを無表情で披露。「遠藤」コールを巻き起こした。見せ場を奪われて怒ったイケメンがいきなり襲撃。珍しくブーイングを浴びるも気にせず、ジャケット式ナックルパートなどで殴り飛ばし、「ふざけんなよ! もう出ねえぞ」と入場を潰された怒りをぶつけた。

 反撃を許したイケメンだったが、遠藤のスワンダイブ攻撃の失敗を見るとニヤリ。ここから左腕攻めに転じる。ロープを使ったアームロックでしつこく絞め上げると、左腕を蹴り飛ばし、その腕をマットに叩きつけながら、何度もフォールした。

 その後も厳しい腕攻めが続き、何度も表情を歪めた遠藤だったが、腕を取られながらもワンハンドバックブリーカーを決めて反撃開始。コーナー上のイケメンをジャンピングハイキックで場外に蹴り落とすと、捻りを加えたトペコンヒーロで宙を舞った。リングに戻ると、変型ゆりかもめに捕獲。エスケープを許すと、スワンダイブエルボーへ。

 イケメンはこれをトラースキックで撃墜すると、腕極め式アバランシュホールドを連発する。遠藤もオーバーヘッドキックでお返しし、トーチャーラックボムの構えに入るが、イケメンは空中で左腕を捻り上げて切り抜けると、コーナー上でも腕を絞め上げ、そのままチキンウイングアームロックでギブアップを迫った。さらに、遠藤がハンドスプリング攻撃を狙って倒立した瞬間、イケメンは左腕を低空ドロップキックで射抜き、ランニングニー、ハイブリッドブラスターと畳みかけると、ムーンサルトプレスで勝負に。

 これを剣山で撃墜した遠藤は、フェイントを挟んだ末に、今日3度目のトライでやっとスワンダイブ式エルボーをクリーンヒットさせる。丸め込まれても慌てず、イケメンスラッシュをかいくぐると、オーバーヘッドキックへ。これは避けられてしまったが、すぐにその場飛びスパニッシュフライを繰り出すと、旋回式トーチャーラックボムがさく裂。一気にシューティングスタープレスを投下し、接戦を制した。

 イケメンの雪辱を阻止し、遠藤がシングル2連勝。試合後、マイクを持った遠藤は「イケメン。お前とは2度目のシングルだな。お前、来年からアメリカに行くんだろ? しばらくシングルができないと思うと寂しいよ。俺はいつまででもこのDDTのリングで待ってるからよ。お前はアメリカに行っても埋もれるんじゃねえぞ」と珍しく素直にイケメンにエールを送った。

 イケメンもライバルを認める気持ちは同じ。「今日は本気で勝ちに行ったんですけど、勝てなかった。負けました。最高に楽しかった。負けたけどね」と潔く敗北を認め、「ありがとう。負けたけどありがとうって。悔しいけど、ありがとう」と感謝の言葉を口に。さらに、「一緒にプロレス界を盛り上げよう」と呼びかけると、「こんなことを言ったら高木さんに怒られるかもしれないけど…できたらよ、いつかどこかで会えたらよ。アメリカで会おうよ。いつになるかわかんないよ。でも、俺たちの世代がプロレスを盛り上げて。ステージはどこでもいいんだよ。アメリカで待ってます」とメッセージ。遠藤は握手に応じ、未来の再会を誓った。

【試合後の遠藤】
――イケメン選手と2度目のシングルマッチだったが?

▼遠藤「まあ、前回も俺が勝って、今回も勝って。で、向こうからアメリカで待ってるって言ってきたんで。次は俺が向こうの主戦場のリングに上がってもいいのかなと。試合自体はね、DDTにあんまいないような選手だったんで、新鮮さというか、普段出さない引き出しを俺もちょいちょい出したので。まだまだやれるなっていうのは確認できましたね」

――イケメン選手とだったら、もっと凄い試合ができると?

▼遠藤「ええ。今回はノンタイトルだったけど、次はKO-Dとか…俺が持っててもいいし、向こうが取っているベルトでもいいし、何でもいいし。今度はお互いのプライド以外のものも懸けてやれたら、もっともっとエキサイトした試合ができるんじゃないかなと。ただ、今日の試合は別にお互い手を抜いたとかじゃなくて、この試合が今現在のお互いのマックスだと思っているから。それはちょっと勘違いしないでほしいですね」

――図らずもイケメン選手の入場を潰す形になったが、それは作戦だった?

▼遠藤「いや、別になんか、どうせ長えだろうなと思ったから、高校時代を思い出して、マット運動をしてただけなんですけど。なんか高校時代に普通にやってたことなんですが、人前でやったら思いのほかウケけたんで、ちょっとあそこで気持ちよくなっちゃって…。その慢心というか、そういうのが最初のスワンダイブの失敗に繋がったのかなと思います。ただまあ、試合の中でそれを修正できたってことが、1つ自分の中で収穫だったなと」

――イケメン選手は遠藤選手に対して「かけがえのないライバルに出会えてよかった」という言い方をしていたが、遠藤選手にとってイケメン選手はどんな存在?

▼遠藤「なんだろうなあ? まあ、本当はこんなこと言いたくないけど、認めてます、もちろん。認めてるし、今日の結果だけを見れば俺の勝ちかもしれないけど、レスラーとして見たら、全然向こうのほうが先を走っていると思っているし。俺が超えるべきレスラーの1人。結果でも、試合内容でも、超えるべきレスラーの1人ですね」

【イケメンの話】「負けたのは負けたんですけど…これってきっと負けたヤツが言うことじゃないんですけど、凄く気持ちのいい試合でした。良くも悪くも、なんか試合がDDTにいる俺にならできるような内容だったと思うし。DDTっぽくもないんだけど、なんか不思議でしたね。でも、遠藤と最後にこうやって戦えたことは、俺にとってかなりのプラスであり、かなり大きな、かなり大きな、かなり大きな素晴らしい色を放った点だと思うんですよ。その大きな美しい点が、いつか素晴らしい線になるのは間違いないと僕は思ってます。いいライバルがいて、本当によかったです。ただ、次は俺が勝つ。それ以外なし。ありがとうございました」

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