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11/4【大日本】両国メインで“集大成"の二丁拳銃対決 木高V6、文体で小林と鉄檻戦へ

『両極譚〜RYOGOKUTAN〜2019』東京・両国国技館(2019年11月4日)
BJW認定デスマッチヘビー級選手権試合 4ボード・ギガラダーデスマッチ ○木高イサミvs宮本裕向×

 両国のメインで14年間の歴史の“集大成"と位置づけられたヤンキー二丁拳銃対決が実現。木高が熱戦を制してデスマッチヘビー級王座V4を果たすと、12・18横浜文体では鉄檻戦でアブドーラ・小林を迎え撃つことになった。

 木高と宮本は2005年にヤンキー二丁拳銃を結成。血なまぐさいデスマッチ戦線を若い頃から2人で戦い抜いてきた。結成14年を迎えた今年、デスマッチ王者の木高が挑戦者に宮本を指名。3月の一騎当千公式戦(宮本が勝利)以来、約8ヵ月ぶりのパートナー対決が両国のメインで組まれた。

 王者・木高はこの一戦を「14年間の集大成」と位置づけていたが、その言葉通り、2人の闘志は真っ向から激突する。最侠タッグリーグ中のため、前哨戦は一度もなかったが、気後れは皆無。リング上に設置された有刺鉄線、五寸釘、剣山、ガジェットの4ボードに互いに投げつけてすぐに血まみれになった。

 勝負の要となる巨大ラダーを先に使用したのは宮本だ。木高が設置したラダーの頂上まで上がったところに襲いかかり、雪崩式ブレーンバスターを敢行。3mの高さから落とされた木高は大きくバウンドした。木高もラダー上から宮本を蹴落とし、即座にダイビングボディプレスを浴びせたものの、譲らない宮本は剣山へのファイヤーサンダー、五寸釘ボードへのサンダーファイヤーパワーボムと非情な大技を連発。場内が悲鳴に包まれると、巨大ラダー頂上から決死のムーンサルトプレスを投下した。

 パートナーが得意とする巨大ラダーからの一撃は完璧に決まるが、木高は意地のキックアウト。それどころか、身体を引きずりながら、感情むき出しでエルボー合戦に持ち込む。ソバットで脇腹を射抜かれてしまうが、垂直落下式ブレーンバスターをズバリ。五寸釘ボードへのエクスプロイダーもさく裂した。

 止まらない木高は絶槍(ヒザ蹴り)、勇脚・斬(ランニングトラースキック)など足技を立て続けに発射。宮本も投げ捨てジャーマン、蒼魔刀と大技を惜しげもなく繰り出したが、木高は続くムーンサルトプレスを剣山で撃墜する。なおも丸め込みで粘る宮本を絶槍で黙らせると、粉々になったボードを全て重ねて、新兵器の憤怒の罪(ダブルリストクラッチ式エクスプロイダー)を敢行。そして、最後は巨大ラダーからのダイビングダブルニードロップ“ギガラーダーブレイク"を落とし、盟友対決を制した。

 両国メインで木高がデスマッチ王座V4。試合後、木高が語ったのは宮本への熱い思いだった。「夫婦だね、我々はもう。こんなに長いこと一緒にいるんだから」とその絆を“夫婦"に例えると、「やりづらかった。だって、全部知ってんだもん」と告白。一方、宮本は「俺はこんな知っているイサミと戦って、本当にやりやすかったよ。でも、今日は負けました。イサミ君、強かった。でも、またやろう。だって楽しいからね」と笑顔を見せると、木高も「そうです。楽しいからです」と口を揃えた。

 両国前に長年使用されていたデスマッチアイテムの鉄檻は処分され、新品が完成したことが発表されると、鉄檻にこだわりを持つアブドーラ小林が「ドームは棚橋、文体は小林!」と連呼して挑戦表明。木高も承諾した。早くもV5戦が決定的となったが、木高は「文体は小林だと言うなら、俺が覆してやるよ」と断言した。

 小林をヤンキー二丁拳銃得意の同時串刺し低空ドロップキックで蹴散らすと、木高は「よくね、ちんけな友情物語みたいに思われがちなんですけど、こんな命懸けの友情はないですから。十何年間、リングでずっと一緒に血を流し続けているんで、こんな頼もしい友達はほかにいません。俺には少なくとも1人、親友と呼べる人間がいることを本当に誇りに思います」と感謝の言葉を送る。宮本も「その気持ちは俺も一緒だ。ありがとう」と即答。絆を確認した2人が声を揃えて「俺たちは強い!」と拳を突き上げると、血まみれながらも清々しい空気がリングを包み込み、両国大会はフィナーレとなった。

 「集大成をお見せしますっていう言葉を使ったんですけど、全然違うなと思いますね。まだまだですね。まだまだこれからも、もっともっといろんなことができる」と新たな可能性に気づいた木高。「腰が曲がったってやりますよ。お前ら、もう還暦迎えたのにヤンキー名乗るの、みたいな。面白くないですか? あと何年先だ? 22年! そんなに先の話じゃない…いや、先か(笑) でも、それぐらいの相方なんだと思いました。強いし、カッコいいし、たくましいし、最高っすね。誉め言葉しか出ないです」と還暦タッグまで見据えていた。

【試合後の木高】
▼木高「しんどいっす。しんどい防衛戦は過去にありましたけど、その中でも類をみない厳しさというか。でも、十何年プロレスをやったり、いろんな団体でベルトを巻いたりしても、やっぱり宮本さんとの一戦ってね、ちょっと僕には特別なものがありまして。嬉しいっすね、本当に。集大成をお見せしますっていう言葉を使ったんですけど、全然違うなと思いますね。まだまだですね。まだまだこれからも、もっともっといろんなことができるという。今日、特攻服にするか、普段の1人のコスチュームにするか悩んだんですよ。で、特攻服にしたら、試合で宮本さんが勝とうが、僕が勝とうが、二丁拳銃というものにもしかしたら僕は終止符を打つんじゃないかって自分で家で思いまして。それで、特攻服じゃない姿で出たんですけど、そういうのは試合が終わったらどうでもいいことだったんだなって気づかされました、宮本さんに」

――ギガラダーから宮本選手がムーンサルトで飛んだ。自分の得意な凶器を使われてどうだった?

▼木高「たぶん上がったことないはずなんですよ、ギガラダーの上に宮本さんは。それをものともせずにジャストミートするから。あれを返したのは意地ですよね。本当にただの意地ですよ。今日に関して言えば、意地っ張りなぶんだけ、僕のほうがちょっとだけ勝てたというだけかもしれないです。いやあ、強かった。強かったけど、楽しかったですね」

――デスマッチを始めた頃からずっと一緒にやってきて、30代、そしてこれから40代、50代のヤンキー二丁拳銃というのは頭の中にある?

▼木高「それは腰が曲がったってやりますよ。お前ら、もう還暦迎えたのにヤンキー名乗るの、みたいな。面白くないですか? あと何年先だ? 22年! そんなに先の話じゃない…いや、先か(笑) でも、それぐらいの相方なんだと思いました。強いし、カッコいいし、たくましいし、最高っすね。誉め言葉しか出ないです」

――大日本の両国のメインを締めたことについては?

▼木高「昨日、今日で、両国のシングルで連勝というか。団体は違いますが、連勝したんですけど、僕の過去の両国での対戦成績を見たらビックリしますよ、皆さん。こんな負けるの、この人っていう負けが。本当に僕はここに地の利がないです。でも、今日はなんか違いましたね。そういう気持ちで上がらなかったですし、平常心って言ったらおかしいかもしれないですけど。試合前のVTRとかは緊張しているって言ってたんですけど、それは昨日ぐらいまでの話で、今日朝起きたら全然。スッとしてて、『さあ、行こう』ぐらいの感覚になって。懐かしかったですね、あのVTR見て。二度と流さないでほしいですね。サムライもダメですよ、あれを流したら。録画してなかった人はもう二度と見れないってことにしててください。再放送禁止で。あんな恥ずかしい写真をいっぱいさらされたら辛いですよ。でも、恥ずかしくないのか! それもそれなんですね。それもまたあっての二丁拳銃なんですよね。たぶん宮本さんもそんなに見たくないと思いますよ。恥ずかしいから。でも、それもあってのヤンキー二丁拳銃だと思うんで」

――2人で上がったリングとしては、会場の最小と最大でどれぐらいギャップがある?

▼木高「2人で上がったかは覚えてないですけど、お客さん10人とかは全然ありましたね。『これ、ギャラ出るのかな?』と思いながら。ああ、そこに宮本さんはいたんですけど、たぶん別の試合だと思います。いたのは覚えてます。鶴見五郎さんが『もう1人お客さんが増えたら興行を始めよう』って言うんですよ。で、11人目のお客さんを待っている間に、1時間経ったんです。そうしたら、お客さんが2人帰ったんです。そういうのも経験ですから。それもまた我々の歴史ですから。それを経ての両国メイン。でも、僕はそれが下だとか、これが上だとか、そういう考えって好きじゃないんで、本当にこれは。僕は上も下もないと思っているんで。上がるリングはどこも一緒で、どこのリングでもちゃんと命懸けでやらないと、プロレスなんて一歩間違えたら本当に大怪我するスポーツだから。そういう部分では、会場の規模とかは関係ないと思います。それはデスマッチであろうと、通常のプロレスルールであろうと、全てハードコアを含めて。どんなことでも一歩でも気を抜けば怪我するというのは、自分たちが身をもって一番知っているんで。それは団体の大小も関係ないし、どの会場でも関係ないです。どのリングでも命懸けです」

――入場時にはBASARAのタオルを前掛けにしていたが、それはBASARAを代表して、みんな思いを背負ってという姿勢で?

▼木高「そうです。昨日から発売したんで(笑)」

――次は小林選手との防衛戦となりそうだが?

▼木高「そうなんですよ。でも、言った通り、お客さんがあれだけ『ドームは棚橋、文体は小林』って言って盛り上がってて、みんながそう思うんであれば、僕はそれを覆すだけだし。たぶん新しい鉄檻が使われる初めての試合になると思うんですよ。前の鉄檻は本当に昔のFMWさんからずっと引き継がれて、いろんな選手がいろんな戦いをして、歴史が詰まっている鉄檻なんで。新しくできる鉄檻も、そういう歴史に相応しいようなデスマッチをアブドーラ小林とやらなきゃいけないなと思っています。小林さんへの緊張感よりも、鉄檻への緊張感があります。プレッシャーが」

――3日連続の両国大会の最後の最後だったが、そういう意識はあった?

▼木高「僕はないですね。だって、どの団体だって、自分たちが一番になろうと思って、みんな頑張っているわけじゃないですか。メインの人たちは俺たちが一番盛り上げてやろうという気持ちでやっぱり挑むわけじゃないですか。おそらくですよ? みんなの意見を聞いてないから知らないけど、絶対にそうやって思って挑んでいるはずですよ。それはどの団体も変わらないから。それのトリがどうだらっていうのは別にないです。だって、オリンピックの競技で一番最後がマラソンだからって、マラソンに一番フィーチャーしたりしないじゃないですか。それと一緒です。これもひとつの競技というか、3日間あった両国大会で。別にトリではないです。大日本プロレスのメインだったというだけです」

【宮本の話】「この両国国技館という舞台で、メインイベントで、木高イサミと…自分のタッグパートナーと戦わせてもらったこと、本当に光栄に思います。ありがとうございました。結果は負けたんですが、やっぱり試合前の映像もそうだったけど、自分たちの歴史を知らない人もいっぱいいると思うんですけど、映像もガッチリ作ってもらって。ちょっと笑っちゃいましたね。絶対知らない人がいっぱいいると思うけど、少しでもみんなに知ってもらえて。ヤンキー二丁拳銃、14年…もう14年もやっているんです、実は。大日本に出てからもう13年ぐらいやっているけど、それぐらい長くやっていて。その二丁拳銃を少しでもいろんな人に知ってもらえたかなと感謝してます。まあ、自分は負けたんでね。これ以上言うことないですけど。あとは次の挑戦相手も決まっていることだし、イサミの話を聞いてください。ありがとうございました」

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